二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)8月21日投稿 ( No.14 )
日時: 2017/04/07 12:16
名前: 山田 花 (ID: ZY.go0IT)

「無礼者、私に触れるな!!」

僕は、カイトお兄ちゃんの手を振り払いカイトお兄ちゃんを睨んだ。
カイトお兄ちゃんは、僕の気持ちを理解して手を引っ込めた。

「やっと追いつめたわよ、王女。
あなたがキリトを殺した事を忘れた事は、なかったわよ!!
忘れたとは、言わせないわよ!!」

メイコさんは、僕の首の下の洋服を掴んで僕を睨んだ。
えっ、リンがキリトさんを殺した……?
僕は、その事が信じられなくて動揺した。
動揺を隠しながらメイコさんを睨み返した。

「あなたは、足元にうろついている虫を殺した数を覚えてるのかしら?」

僕は、わざとメイコさんに憎まれ口を述べた。
メイコさんが僕を憎しんでくれたらくれるほど僕が処刑された時に少しでもメイコさんの気が落ち着くのでしたら僕は、メイコさんの憎しみを全て受け止めようと思った。
メイコさんは、僕の頬を右手の平手で叩いた。

「あんたは、やっぱり最低よ!!
早く王女を連れて行きなさい!!」

メイコさんは、怒ったように僕を睨むと黒髪と茶色の髪の男性の方を向き男性に命令をした。
僕は、男性に両肩をかつがれると牢屋に連れて来られた。
僕は、牢屋に入ると牢屋の中にある椅子に座って窓から外を見つめた。
しばらくすると牢屋にカイトお兄ちゃんが来た。

「レン、こんな事になってすまないと思ってる。
僕には、どうする事も出来なかった……」

カイトお兄ちゃんは、すまなそうに俯きながら述べた。

「謝らないでください、カイトお兄ちゃん。
僕もカイトお兄ちゃんに謝らないといけない事があります。
僕は、ミクさんを殺してしまいました。
だから本当に罰される存在は、リンじゃなくて僕なんです」

僕は、首を横に軽く振ると辛そうに俯いた。

「ミクの死に顔を見たけれども凄く安らかな笑顔だったんだ。
きっとミクがレンに殺されるのを望んだとしか思えなかった。
なぜ殺される事を望んだか理由までは、解らないけれども……
だから自分を攻めるな、レン」
「ありがとうございます、カイトお兄ちゃん。
でもリンを助ける事が出来たからそれだけ僕は、幸せです」

僕は、幸せそうに自分の両手を握り締めながら微笑んだ。

「そうか……レンが幸せならそれで救いがあるのかもしれないね……」

カイトお兄ちゃんは、困ったような苦笑いを浮かべると窓から外を見上げた。
カイトお兄ちゃんが外を見上げるのと同時に誰かが近づいてくる足音が聞こえた。

「カイト、ここに居たのね。」

メイコさんは、カイトお兄ちゃんの方に話しかけると次に僕の方を向いた。

「王女、あなたの処刑の日時が決まったわよ。
あなたは、明日の午後の三時に処刑されるわよ。
処刑されるまで生の時間を堪能しなさい」

メイコさんは、僕の服を軽く掴むと直ぐに洋服を離した。

「さっさと行くわよ、カイト」
「解った、メイコ……」

メイコさんは、いらたったようにカイトお兄ちゃんに述べるとカイトお兄ちゃんとメイコさんは、去って行った。
メイコさんが去って行く瞬間に聞こえるか聞こえないかくらいの小声で「ごめんなさい、メイコさん……」って呟いた。
僕は、次の日、ギロチンのある街の広場に連れて来られるとギロチン台に縛り付けられた。
ギロチン台の周りに集まってる人々の中に頭からフードを被って姿を隠したリンが真っ青の顔で僕を見つめていた。
僕は心の中で『良かった……リンは、ちゃんと城から逃げ出せる事が出来たんだね』って思った。
僕は、ほっと胸を撫で下ろすとリンを安心させるようにリンに向かって優しく笑いかけた。

「これから王女の処刑を実行する。
最後に言い残した事は、あるか?」

メイコさんは、剣を台に叩きつけて質問をした。
台を剣で叩くのと同時に三時を知らせる教会の鐘が鳴り響いた。
僕は、最後までリンを演じきる為にとぼけた表情で「あら、オヤツの時間だわ」って述べた。

「それでは処刑を実行する」

メイコさんは、ギロチンの刃をくくりつけてある縄を剣で切り落とすとギロチンの刃が僕に襲い掛かった。
薄れゆく意識の中で僕は、リンに向かって『生まれ変わったらまた僕と遊んで下さい』って心の中で呟くと僕の意識がなくなった。
〜終わり〜