二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)4月7日投稿 ( No.16 )
日時: 2017/05/04 15:57
名前: 山田 花 (ID: WGarmeYs)

「意外と片付いてるのね……」

私は、部屋の中を見渡すと棚に飾られている写真立てに気が付いた。
写真立ての写真には、女性が写っていた。

「キリト、この女性って誰なの?」

私は、写真立てを持ちながらキリトの方を向いた。

「メイコちゃんって言って僕の婚約者だよ」

キリトは、照れたように頬を赤くしながらキリトの頬を右手の人差し指でかいた。

「えっ、キリトに恋人がいたの!?」

私は、驚いたように口元を右手で隠しながら述べた。

「う、うん、いたよ……」

キリトは、恥ずかしそうに口ごもりながら述べた。

「そうだったんだ。
意外かも……」

私は、キリトに恋人いる事を驚いてしみじみと思いながら小声で呟いた。
キリトは、ブドウジュースを二つのコップに注ぐとテーブルの上に置いた。

「それでリンちゃんの要件を教えてくれないかな?」

キリトは、テーブルの前に置いてある椅子に座ると私の方を向いた。
私は、キリトの呼び答えに答えるようにコップの置いてあるテーブルの椅子に座るとブドウジュースを飲んだ。
私は、決心したようにコップをテーブルの上に置くとキリトの方を向いた。

「ねえ、キリト、この国を良くする方法ってあるのかな?」
「この国を良くする方法?」

キリトは、私の言葉を聞いてきょとんとしながら私を見つめた。

「国を良くする方法は、良くわからないけれども……
王女様が国の税金をへらしてくれたら少しは、国民の生活が楽になるはずだけれどね。
でもどうしてそんな事を聞くの?」
「それは、その……」

私は、言葉を濁して俯くと話す言葉を考えると直ぐに顔をあげてキリトを見つめた。

「ねえ、キリト、もしもの話だけれども本物の王女は、昔に死んでいるとするよ。
そして今の王女様は、偽物でなんにも権力がない飾り者の王女だとするね。
なんにも権力のない偽物の王女様は、国を良くしたいと思ってるの。
偽物の王女様に何ができると思う?」

キリトなら私の悩んでる答えが解るかもしれないと思い藁をも掴む思いでキリトに質問をした。

「リンちゃん、それって……」

キリトは、戸惑いながら私を見つめた。

「ごめん、やっぱり今の質問は、忘れて」

私は、キリトの反応を見て慌てて訂正をした。
キリトがこんな途方もない話を聞いて戸惑う気持ちは、理解できた。
誰だってこんな話を聞いたら戸惑うのは、解っていたから。
それなのにキリトに途方もない質問をしてしまった自分に後悔をした。

「リンちゃん、謝らなくて良いよ。
少しだけ驚いただけだからね。
ねえ、リンちゃんは……
うんん、やっぱりなんでもないよ」

キリトは、軽く首を振ると私のおかれている状況を理解したのか途中まで言った言葉をのみこんだ。

「どんな答えをだしても無神経な答えになるからリンちゃんのほしい答えをあげらる事はできないよ。
ごめんね、リンちゃん……」

キリトは、すまなそうに自分の頬を右手の人差し指でかきながら私に謝った。

「謝らないでよ。
とんでもない相談をした私が悪いのだから……」

私は、少しだけ首を横に振るとすまなそうに苦笑いを浮かべた。

「僕にできる事は、少ないと思う。
でも話くらいは、聞いてあげるね。
リンちゃんの為に苦しみを和らいであげる手伝いくらいは、できると思うからいつでも僕の家にいらっしゃい」

キリトは、やんわりと微笑みながら私の頭を優しく撫でた。

「ありがとう、キリトの言葉に甘えるね」

キリトに頭を撫でられて気持ち良さそうにキリトに体をあずけた。
それから私は、キリトの言葉に甘えて何回もキリトの家に遊びに行った。
それからしばらくしてキリトからある提案をもちかけられた。

「キリト、今何て言ったの?」

私は、キリトにもちかけられた提案が信じられなくて聞き返した。

「だから僕達と一緒にこの国をでないかって言ったんだよ。
この国は、もう駄目だよ。
リンに置かれている立場は、理解してるつもりだよ。
でもこのままでは、リンがどうなるか先が見えているよ。
それにメイコちゃんだったリンちゃんの事を気に入ってくれるはずだからね」

キリトは、私の肩を触りながら私を言い聞かせるように優しく話しかけた。

「で、でも私は……」

キリトの申し出は、魅力的で何もかも捨ててキリトの好意に甘えそうになった。
でもそれが本当に得策か解らずに自分の両手を握り締めながら俯きながら述べた。

「答えを直ぐにもらおうとは、思ってないよ。
でもしばらく考えてみてくれないかな?」

キリトは、私の顔を覗き込みながらお願いをしてきた。

「うん、考えてみるね……」

私は、答えがだせないまま曖昧に答えた。
キリトと別れてから一日考えたけれども答えがでなかった。
答えが出ないままキリトの元に向かおうとした。

「王女様、何処に行かれるつもりですか?」

声がした方を向くと大臣が立っていた。

「それは、その……」

本当の事を言えるわけがいかず気まずそうに大臣から視線を逸らした。

「いつもの若造の元に行くつもりなら無駄ですよ。
王女様を誘惑する輩は、私達が始末しましたから」
「そ、そんな……」

キリトが私のせいで殺さられたって事実を受け止められずに頭の中が真っ白になった。

「ですから王女様は、今まで通りにしていてください」

大臣は、絶望をしている私に気にしてないようににこやかに微笑んだ。
人を殺したのに平然とにこやかの笑顔で言う大臣が怖くて仕方がなかった。
私に出会ったせいで不幸になったキリトの事を思うと街に出かける気になれなかった。
それにまた私とかかわりをもったせいで不幸になる人が増えそうで怖かったのもある。
でもしばらくして私の離れ離れになったもう一人の私との再会がさらなる悲劇を生むとは、思うともなかった。
〜つづく〜