二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)7月8日投稿 ( No.7 )
- 日時: 2016/07/13 15:28
- 名前: 山田 花 (ID: /xSFMP0P)
歌の悪ノ娘シリーズを小説にした物です。
レンの視点から書かれています
〜悪ノ王国〜
〜第三話〜
〜悪ノ召使編〜
レンは、リンと一緒に居られると思っていた。
それは、この先も変わらないと思っていた。
でも残酷の運命は、ちゃくちゃくと近づいて来ていた。
レンとリンは、カイトお兄ちゃんとお別れの挨拶をすると自分の家に帰ってきた。
自分の家の前に戻ると家の前では、馬車が泊まっていた。
「あれ、誰かお客さんが来てるのかな?」
レンは、馬車の周りを見渡すと馬車の中を覗き込んだ。
「レン、何してるの、早く家に戻るわよ」
レンが馬車の前でもたもたしていたからリンは、待たされすぎて不機嫌そうに述べた。
「ごめん、リン、お待たせ」
レンは、リンの側に近寄るとリンと一緒に家の中に入っていった。
家の中に入るとリビングにお父さんとお母さんが居た。
リビングでは、親の他に知らない男性が二人居た。
六十歳くらいの男性と二十歳くらいの男性が黒のタキシードを着ていた。
「お母さん、お客様ですか?」
レンは、お母さんに近づくと知らない男性の方を向いた。
「えっ?
それは、その……」
お母さんは、言い難そうに言葉を濁すとリンの方を向いた。
「リン、大切なお話があります。
心して聞きなさい。
これからリンは、私達と別れて王宮で王女様として暮らすのよ」
お母さんは、リンの肩を優しく触りながらリンを言い聞かせるように述べた。
「ママ、何言ってるの……?」
リンは、お母さんが何を言ってるのか解らずに呆然とお母さんを見つめた。
「黄色の国の最後の生き残りの王女様が病気で亡くなったの。
幸いの事に王女様は、リンに似ている姿らしくてだから変わりにリンを王女様にする事になったのよ。
それに、ここの村に居たらまた昨日みたいな事が起きるかもしれないのよ。
お願いだから、リン、私の言う事を聞きなさい」
お母さんは、リンの両肩を触り頭を下げて切実な思いでリンにお願いをした。
「嫌よ。
リンは、王宮になんか行かないからね!!」
リンは、お母さんに向かって叫ぶとお母さんの両手を振りほどくと部屋を出て行こうとした。
「リン様、何処に行かれるのですか?」
二十歳くらいの男性は、横を通ろうとしたリンの右手を掴んでリンを捕まえた。
「嫌、離して!
リンは、王宮に何て行きたくない!!」
リンは、暴れて男性の手を振りほどこうとした。
男性は、それを無視してリンを無理やり連れて行こうとした。
「待って下さい、リンを連れて行かないでください!!」
レンは、リンに駆け寄ろうとするとお父さんに抱きしめられてとめられた。
「お父さん、離して下さい!!
リンが連れていかれます!!」
レンは、リンを求めるように右手をリンの方に向けた。
「離してよ、レン、レン、レン、レン、レン、レン!!」
リンは、レンの方に右手を伸ばして涙を流した。
「待って、リン、リン、リン、リン、リン、リン!!」
レンは、男性に引きずられるように部屋を出ていったリンの事を名前で呼ぶ事しか出来なかった。
こうして生まれてから一緒だったレンとリンは、大人達の勝手な都合で二つに引き離された。
リンが連れて行かれるとお父さんがレンを離してくれた。