二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)7月8日投稿 ( No.9 )
- 日時: 2016/07/13 15:29
- 名前: 山田 花 (ID: /xSFMP0P)
「喜べ、レン、黄色の国の王宮から通達が来てな。
王女様の召使に誰かよこせって言われてな。
だからレン、お前を推薦しておいたぞ」
「えっ、本当ですか!?」
僕は、ハルさんに近寄るとハルさんの前の机に手を置いてハルさんを見つめた。
「ああ、本当だよ。
急で悪いが三日後に王宮から使者が来る事になってる。
だからレンは、そのつもりで王宮に向かう用意をしておけよ」
「はい、解りました。
今までありがとうございました」
僕は、ハルさんに向かって深々と頭を下げた。
「私の教えた事を忘れずに王宮でも頑張れよ、レン」
ハルさんは、レンに近づき肩を触った。
「はい、ハルさんから教えてもらった事は、忘れません。
メイコさんにもこの事を知らせてきます。
失礼します」
僕は、ハルさんにもう一度頭を下げるとハルさんの部屋を出て行った。
僕は、部屋を出るとメイコさんに会いにメイコさんの家に向かった。
メイコさんの家の前に来ると扉の横にある呼び鈴を鳴らした。
しばらくすると家の扉が開くと赤い髪の女性が出てきた。
「あれ、レンじゃない。
レンが私の家に来るなんて珍しいな。
でもどうかしたんだい?」
メイコさんは、レンの姿を見て不思議そうに首を傾げた。
「実は、かねてから夢だったある人の召使にやっとなれる事が決まりました。
今日は、その報告に来ました」
「おめでとう、レン。
でもレンの長年の夢だったもんな。
夢が叶って本当に良かったな、レン」
メイコは、レンの両手を握り締めて嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとうございます、メイコさん。
そう言えばハルさんから聞きました。
キリトさんがメイコさんにプロポーズをされたのですよね。
おめでとうございます、メイコさんの夢が叶って良かったですよね」
「ありがとう、レン。
でも改めて言われると照れるわね」
メイコさんは、照れくさそうに自分の頬をかいた。
「でもすいません、メイコさんとキリトさんの結婚式に出席できそうにありません……」
レンは、申し訳なさそうの横を向きながら自分の髪を触った。
「レンは、そんな事を気にするな。
レンは、自分の事だけを考えていればいいのよ。
良いわね」
メイコさんは、怒ったように左手を腰に当てて右手の人差し指をレンに向けながら述べた。
「は、はい、すみません……」
僕は、メイコさんの剣幕に気後れして素直に謝った。
「でも自分の事を名前で呼んでいたレンがいっちょまえに自分の事を僕と呼ぶんだから時間は、たつものだな……」
メイコさんは、しみじみと述べた。
「もうメイコさん、そんな昔の事は、忘れて下さい……」
僕は、恥ずかしそうに俯いた。
「ごめん、少しからかい過ぎたよ。
でいつからなんだ?」
「三日後に迎えが来るてはずになってます」
「そうか、なら見送りに行ってやるよ」
「ありがとうございます、メイコさん」
それからあっというまに三日たった。
そして午前中の内に王宮から迎えが来た。
でもいくら待ってもメイコさんは、見送りに来なかった。
メイコさんにお別れを言えないまま王宮に向かった。
王宮に着くとそのまま王女様がいる部屋に招かれた。
部屋の真ん中にテーブルが置いてありテーブルの前に椅子があり椅子には、王女様、うんん、リンが座っていた。
リンは、テーブルの前で紅茶を飲んでいた。
目の前にいるリンは、昔と違い気品にあふれているようだった。
僕をこの部屋に案内してくれた黒いタキシードを着た男性がリンに近寄ると右手を自分の胸に当てながら述べた。
「リン様、召使をお連れしました」
「ありがとう、ではお前は、さがりなさい」
「はっ、解りました」
男性は、軽く頭を下げると部屋を出て行った。
「リン、久しぶりだね」
僕は、リンに近寄ると嬉しそうにリンを見つめた。
「……あなたは、誰かしら?」
リンは、冷たい瞳で僕を見つめた。
「悪い冗談は、止めてよ、リン。
リンの双子の弟のレンだよ。
昔は、あんなに仲良く遊んでいたじゃない!!」
僕は、リンに近寄り怒ったようにリンを睨んだ。
「私には、弟なんかいないわ。
弟だと言ってこの私を侮辱すると牢屋にぶち込むわよ!!」
リンは、僕を睨みながら叫ぶと一瞬僕から視線を逸らした。
「……すいません、僕の勘違いでした」
「解れば良いのよ。
今度、私を侮辱したら次は、ないと思いなさい」
リンは、両腕を組んで上から目線で僕を見つめた。
「はい、解りました。
王女様の優しい心使いに感謝します」
僕は、右手を胸の上に置いてゆっくりとお辞儀をした。
「今日は、さがりなさい。
明日から頼むわよ」
「はっ、解りました、王女様。
それでは今日は、失礼します」
僕は、もう一度右手を胸の上に置いてゆっくりと頭を下げると部屋を出て行った。
王女様は、僕の双子の姉のリンなのは、間違いないと思う。
リンは、一瞬僕から視線を逸らした。
それは、リンが嘘をつく時にする癖だった。
つまりリンは、僕の事を弟だという事を覚えている事になります。
だからリンが僕の事を双子の弟だと認めないのは、きっと何か訳がある事は直ぐに解った。
それならそれで構わないと思う。
だって僕は、リンを守るだけだから……
〜つづく〜
