二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: プロジェクトクロスゾーンBrave Touhou World ( No.22 )
日時: 2016/07/24 12:02
名前: いっちゃん (ID: vlOajkQO)

プロローグ6
城と館のヴァンパイア

幻想郷・紅魔館

早速だけど、自己紹介。あたしはこの紅魔館の主人、レミリア・スカーレット、というわ。

レミリア「ねぇ、最近なんかひまだと思わない、モリガンにデミトリ?」
モリガン「あたしに聞かれたってねぇ、ついさっきここに飛ばされたばかりなのよ。ま、否定はしないけど。」
デミトリ「ふん、確かにつまらんな、モリガン。」
モリガン「私と勝負したいの?ふふっ、いつでも構わないけど?」デミトリ「ならば…!」
レミリア「ここはダメ!少なくとも屋外でしなさい。」
モリガン「んもぅ、真面目ね。」
デミトリ「…」

ガチャ… 一同「?」
突然開け放たれるドア。その向こうに立っていたのは…え!?

レミリア「フラン!?」
フラン「お姉…様…、みんな…」

ドアの前に立っているのは、妹のフランドール・スカーレット。でも…なんでこんなに傷だらけなの!?

モリガン「知り合いだったりするのかしら?」
レミリア「知り合いも何も、フランは私の妹よ!」
フラン「逃げて…咲夜が…咲夜がっ」
レミリア「フラン、しっかりして!何があったの!?」

回想シーン

フラン「紅魔館に来た人って誰なんだろ?お姉様のところにいるかなぁ?」
?「うぁっ!」
フラン「!? 今のって…悲鳴!?」

突然聞こえた聞き覚えのある悲鳴。あたしはとっさにその方向に向かっていた。

フラン「咲夜!」
咲夜「妹様!? 何故ここに…っと」
?「戦いの最中によそ見など、している余裕はないのではないか?」

咲夜と戦っていたのは、赤い服の男の人だった。咲夜がボロボロなのに対して、その人は余裕の笑みすら浮かべていた。

咲夜「ここは危険です!早くお逃げ下さい!」
フラン「イヤ!私も戦う!」 咲夜「妹様!」
男「ふん!」 フラン「わっ!」
男「どこの小娘どもだか知らぬが、身の程を知れ!」
咲夜「紅魔館には…、妹様には…、手は出させない!『殺人ドール』!!」

「殺人ドール」は咲夜のスペルカードの一つ。この人は、咲夜をそこまで追い詰めたということになる。

咲夜「はあぁっ!」
男「ぬ!?」 フラン「頑張れ、咲夜!」
咲夜「これで…終わりよ!」

フラン「やった…の?」
咲夜「はぁ、はぁ、ええ。恐らく…」
男「その程度か?」 フラン&咲夜「!?」

見ると、その人は先ほどと同じく、腕組みして立っていた。

咲夜「そんな…!」 フラン「な、なんで!?」
男「流石に、少しは効いたが…失望したぞ。」

そういうと、その人が目の前にワープして、オーラのようなものを放出してあたし達二人を打ち上げる。

咲夜「あぁっ!」 フラン「きゃっ!」
次に何が起こるのか、あたしは鮮明にイメージできた。このままじゃ…と思ったけど、もう遅い。

男「アルティメット・サイコ・クラッシャー!!」

咲夜「くぅ…」フラン「そんな…」
男「雑魚だったとはいえ、召し使いの方は、このまま殺すには惜しいな。」
咲夜「あぐっ!う…うあぁ…」
フラン「咲夜!」
咲夜「このっ…離…し…な……さい…」

その人は、咲夜の首を掴んで持ち上げ、自分のオーラを咲夜に送り込む。

咲夜「ぐうぅ…うあああああ!」
フラン「やめて!咲夜に何するつもりなの!?」
咲夜「いもう…と……さま…早く…逃げ…て…」
男「我がサイコパワーに、ひれ伏すがいい…」
咲夜「ああああああああああ!!!」
フラン「咲夜!咲夜ぁ!」
咲夜「ああうぅ……うあああぁ…ぁ……ぁ…」

その人が、咲夜を掴んでいた手を離す。咲夜は膝から崩れ落ちたけど、すぐに立ち上がった。でもその瞳は、元の咲夜の瞳じゃなかった。

男「さあ、まずはそこの小娘を抹殺しろ。」
咲夜「はい…了解しました…ベガ様…」
フラン「咲夜? ねぇ咲夜!? どうしたの!? しっかりして! 目を覚まして!!」
咲夜「………」

怖くなったあたしは、咲夜から必死で逃げた…お姉様の元に。

Re: プロジェクトクロスゾーンBrave Touhou World ( No.23 )
日時: 2016/07/19 20:27
名前: いっちゃん (ID: vlOajkQO)

回想終了。

レミリア「そんな…咲夜…」
モリガン「まずいことになったわね、レミリア。」
デミトリ「まさか、あの男… ベガがこちらに来ているとはな。」
レミリア「教えて、二人とも。ベガって何者なの?あなた達とは、どんな関係なの?」
フラン「咲夜はどうなっちゃったの!?」
モリガン「あたし達とあの男… ベガと会ったことも戦ったこともある。でも、済む『世界』が違うから、詳しいことは分からないわ。」
デミトリ「ただ、何も分からない、という訳ではない。咲夜とやらは、奴の力、『サイコパワー』によって、洗脳されたのだ。」
レミリア「済む『世界』?」
モリガン「ベガは、『物質界』、あたしやデミトリは、『魔界』という世界に住んでるの。詳しい事は後で話すわ。」
フラン「洗脳は解けるの?咲夜は元に戻るの?」
デミトリ「手遅れにならなければ、な。」
モリガン「とはいえ、焦らなくても大丈夫よ、フランちゃん。さっきの話を聞く限り、洗脳されたのはほんの少し前の事。咲夜って人の精神力次第でもあるけれど、短くても、一日ぐらいはもつんじゃないかしら。」
声「お前達にそこまでの時間はない。」一同「!」

突如、部屋に響く声。そして、目の前に現れる無数のナイフ。私達はそれぞれ身を守ってしのいだ。フランは、隣にいたモリガンが守ってくれた。

デミトリ「ほう、中々面白い。」
モリガン「フランちゃん、平気かしら?」
フラン「うん、ありがとう…」
レミリア「このナイフ… まさか!」

その「まさか」だった。部屋に現れたのは、咲夜を連れた、赤い服の男。

咲夜「………」
フラン「っ…!」
レミリア「あなたが… ベガなのね。」
ベガ「そうだ。」

思わず拳に力が入る。怒りがふつふつと沸き上がってくる。
「こいつさえ… この男さえ倒せば…」
私はそんな事を思っていた。

レミリア「咲夜を、返してもらうわよ… ベガ!」
デミトリ「成り行きとはいえ、貴様とは何度か戦ったのでな… 混ぜてもらうぞ。」
モリガン「楽しみは独り占めしたいんだけど、仕方ないわね。」
フラン「今度は、絶対負けない!」

Re: プロジェクトクロスゾーンBrave Touhou World ( No.24 )
日時: 2016/07/24 12:05
名前: いっちゃん (ID: vlOajkQO)

レミリア「…っはぁ、はぁ、嘘でしょ…」
フラン「うぅ… もうやめてよ、咲夜…」
咲夜「………」

ベガの力もすごいけど、咲夜が的確にサポートするから、かなり戦いづらい。近接戦闘に慣れている、というモリガンとデミトリにも、疲れの色が見えてくる。
モリガン「あの咲夜って子のお陰なのかしら?随分手強いペアじゃない。」
デミトリ「この私が苦戦するとはな。それも、四人がかりでだ。」
ベガ「姉妹揃ってこの実力か。召し使いの方が強いではないか。」
レミリア「うるさい!『スカーレット・シュート』…!?」
フラン「『クランベリートラップ』…!?」
咲夜「……!」

まただ。私達が弾幕を撃とうとすると、その直前に咲夜が立ち塞がる。お陰で何度も撃てず終いだ。
その隙を、ベガは逃さない。

ベガ「ダブルニープレス!」
レミリア「くっ… うあっ!」
モリガン「レミリア!」
フラン「モリガン!後ろ、危ない!」
モリガン「かはっ!?」

私がベガの攻撃を食らって吹っ飛ぶ。その直後、咲夜がモリガンの背後にまわってナイフを投げる。
咲夜は「時を操る程度の能力」を持つ。この位は朝飯前だ。

フラン「咲夜を盾にしてくるなんて…」
レミリア「くっ… この卑怯者!」
ベガ「ククク… 戦いに『卑怯』などという言葉はない。勝ちたいならば、召し使いごと撃てばいいではないか?」
モリガン「相変わらず… どこまでも卑劣なヤツなのね。」
デミトリ「ヤツに『卑劣』は、褒め言葉のような気がするがな。」
ベガ「何とでも言うがいい、負け犬ども。そろそろ飽きてきた頃だ。」
咲夜「…『殺人ドール』。」
レミリア「…いけない! このままじゃ…!」

万事休すと思ったその時、突然、光が私達四人を包む。そして…

ベガ「ふん、逃げられたか。まあいい。ここは、実に興味深い世界だ。『サイコドライブ』に使えそうな物があればいいが…」

フラン「…? ここは?」
デミトリ「どうやら、外に出たようだな。」
モリガン「割とナイスタイミングだったわね。」
レミリア「でも、一体誰が…」
?「私よ、レミィ。」
?2「無事で良かったです、レミリア様!フランドール様!」
レミリア「やっぱりね。ありがとう、パチェ。」
モリガン「あなた達は、一体?」
レミリア「紅魔館の図書室の住人、パチュリー・ノーレッジ。もう一人は、パチェの部下の小悪魔よ。」
パチェ「咲夜のことは、小悪魔から聞いたわ。赤い服の男に操られているそうね。」
レミリア「ええ、赤い服の男、ベガに。」
パチェ「そのベガって男なんだけど、魔力の感じからしてあいつ、まだ本気を出してない。あなた達にこんなこと言って申し訳ないんだけど、あなた達、ほとんど遊ばれてたわ。」
モリガン「だと思ったわ。」
デミトリ「あの男があの程度で、本気を出すとも思えんからな。」
フラン「そんな…」
レミリア「……」

私達があれだけ頑張ってたのに、あいつは、遊んでた?
悔しい。とてつもなく悔しい。
そして憎い。咲夜を洗脳したベガも…… 本当に無力な、自分も。

レミリア「召し使いの一人も助けられないで、何が紅魔館の主よ…」
フラン「お姉様…」

パチェ「まだ終わってないでしょ。」
レミリア「え?」
モリガン「あの時言ったはずよ。『焦る必要はない』って。」
デミトリ「時間は、まだ残っている。」
フラン「そうだよ!まだ咲夜は助けられるよ!」
レミリア「皆… そうね、しょげてたって、何も変わらないわよね。」

皆の気持ちが伝わってくる… そうだ。私達は、進まなくちゃいけない。
もう、覚悟は決めた。
レミリア「ありがとうパチェ、皆。」

モリガン「とはいえ、まずはベガを倒すための準備をしないといけないわね。」
フラン「うん、ベガは、あれよりもっと強いんでしょ?」
小悪魔「一体、何をすれば…」
パチェ「一番早いのは、仲間を集めることね。」
レミリア「そうね。ほぼ確実に、あいつは仲間になってくれるし。」
フラン「そうと決まれば、早速行こう!」

待ってて、咲夜。絶対… 絶対助けるから!

To be continued…