二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.10 )
日時: 2016/07/26 08:36
名前: 年中漢 (ID: XnbZDj7O)

スルガは集会所に帰って来た。スルガとヴァルハはハンターランク5になった。
それから一ヶ月。スルガ達は狩りを続けていた。

「ふう…たまには家に帰るか。」
スルガが言う。
「その方が良いぜ。息抜きは大事だ。」
ヴァルハが答える。

スルガはそして、家に帰った。引っ越してから余り来ていない。

家の奥の棚に金色の龍鱗がある。
その龍鱗はハンターであった父から貰った物で、未だに飾っている。

でも、父との思い出に良いものなんてあったか。

突然、母の死骸が焼かれた時のことを思い出した。
腹が膨れ、萎んでいく。
グロテスクで奇妙な図は網膜にしっかり焼き付いている。

気持ち悪い。顔を洗う。

家の中でもリラックスなんて出来ない。
外に出ようか。

爽やかな空。砂漠の街、バルバレは今日も活気付いている。


ドン!!

突然、胸元に何かぶつかった。
人間だ。小柄だから女だろうか。

「うわあああァご…ごめんなしゃい!」

この女もハンターなのであろう。

背中にかけたガノバッシャーガンと思わしき武器とレギオスシリーズという防具で身を包んでいる。

「あの…集会所に行きたいんですが…」
女ハンターが聞く。

「それなら、そこを真っ直ぐ、家々から目立って見えるあの建物ですよ。」
スルガが聞く。

「あの…一緒に来てくれますか?」

やれやれ、面倒そうだな…
スルガは思う。

Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.11 )
日時: 2016/07/26 20:25
名前: 年中漢 (ID: qXcl.o9e)

「は?今からジンオウガの狩猟に行くって?(家で全然休んでねぇぜ。)」
ヴァルハは聞き返す。

ここは集会所のテーブルの一席。スルガとヴァルハが話し合っている。

「おい、ミリア。お前はここの地形は詳しくないか?」
ヴァルハはミリアと呼ばれる女ハンターに聞く。

ミリアは前回、スルガにぶつかったレギオスシリーズのハンターである。

「それが全然なんですよ。はぁ…迷惑かけてごめんなさい…」
ミリアは落胆する。

「無理も無いよ。まあ、僕らも始めはそんな感じでしたし…がっかりしなくても大丈夫。」
スルガは無理な笑顔を作り、彼女をなだめようとする。

「お前のおせっかいが一番の原因だがな。」
ヴァルハの一言。スルガは少しムッときたが、流す。
「まあいいぜ、手伝ってやるよ。しょうがねぇなァ全く…」

お前の方がおせっかいなんじゃないか?
スルガは思う。

「ジンオウガか。今度調べてみよう。出発は明後日の早朝で良いね?」
スルガがとっさの提案で言う。

「ふむ、その方がいいな。情報不足は恐ろしいことになりそうだし、体調や装備を整えて万全の準備で行った方が良い。賛成だぜ、スルガ。」
ヴァルハが提案を呑んだ。

「私もそうします。明後日ですね!」
ミリアも賛成。

「じゃあ、そうしよう。今日は解散ということで。」
スルガが言う。

スルガ達はそうして集会所を出た。


何故、スルガはクエストに出発する日付を明後日にしたのか。

それには訳があった。

Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.12 )
日時: 2016/07/28 21:21
名前: 年中漢 (ID: w32H.V4h)

カン、トン、カン、カン、ガン、トン、カン

金属が叩かれる音がする。

凄まじい熱気。ここは鍛冶屋。
小さいながらも腕の良い職人がいるということで有名な鍛冶屋だ。

「こんにちは〜もう出来ましたか?」
スルガは、集中して刃を見つめる鍛冶職人の竜人族に聞く。

「ああ、出来たよ…これだ。」

布で包まれた棒を取り出し、ごつい台の上に乗せる。

布が捲られる。刀だ。

「……氷刃【雪花】。切れ味は少し悪いが、攻撃力は高い。良い武器だ。」

そう言ってスルガに刀を渡す。鞘から抜いてみると、ひんやりと冷気を帯びた刀身が出てくる。
「ありがとうございます!」
スルガの一礼。

「礼はいらない。また、いつでも、来い。」

鍛冶職人から貰った刀。これは、氷刃【雪花】と呼ばれるもので、氷刃を強化したものである。スルガが欲しかった武器はこれであった。

ジンオウガの弱点属性は、氷、水。

高い氷属性を持つ氷刃【雪花】はジンオウガ狩猟にとって有効な武器であった。

もちろん、強化はたまたまであって、偶然ジンオウガの狩猟の日時と重なったのである。

あとは、雑貨屋で本でも買うか。
スルガはそう決めた。



Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.13 )
日時: 2016/07/29 10:58
名前: 年中漢 (ID: RnkmdEze)

《モンスター生態図鑑》

そう書いてある本が目に入った。
スルガはそれを買い、読みながら家に帰った。そして来たるべき出発の時までの用意を済ませた。

面白そうだな…

狩りに役立ちそうな情報がある。スルガはもちろん、《ジンオウガ》のページを開いた。

早朝。スルガたちは集会所に集合した。

スルガの装備は、
太刀:氷刃【雪花】
防具:ザボアSシリーズ

ヴァルハは、
大剣:蒼剣ガノトトス
防具:ガルルガSシリーズ

ミリアは、
ヘビィボウガン:ガノバッシャーガン
防具:レギオスシリーズ

早朝の朝日を前に、3人は出発した。





Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.14 )
日時: 2016/07/29 11:34
名前: 年中漢 (ID: RnkmdEze)

木材で出来た小さい船の上。

行き先は原生林という場所だ。

「原生林は初めて行くな…コレは慣れない狩りになりそうだぜ。」

ヴァルハが呟く。それもそうだ。スルガもヴァルハもこの地域に住んでいたハンターではない。

が、ミリアは違った。

「あの…ええと、ヴァルハさん、ですね?」

「あんだよ?」

「原生林は毒の沼が各地に点在するんですよ。」

「だからどうした?」

「毒の沼があるということが原生林の特徴なんですけど…」

「ああ、そうか。念頭に留めとくよ。ありがとな。」
ヴァルハは少し照れつつ黙る。
ミリアは原生林のことを知っているらしい。

「ミリアさん、それならば、解毒薬は持っておいた方が良いのでしょうか?」
スルガが聞く。

「うーん、踏まなければ別に大丈夫だから、大丈夫かなぁ。」

「よかった。僕は解毒薬を忘れてきてしまったので、どうしようかと思ってしまいました。ハハッ。」

どうやら、スルガの地域にあった《沼地》
という狩場と似ているようだ。

見えてきた。鬱蒼と茂る木々。浅いアクアブルーの海を進んできたスルガたちにとって、違和感を感じる光景だ。

南の海の沖に出るかと思えば、いきなり目の前に森が出るのだ。

「原生林か…」
ヴァルハがその森を見つめる。

「あっ……」

「ん…何ですか?ミリアさん…」

「スルガさん、これ…」
その手には、小さな蛍みたいなものがいた。

「雷光虫か……!」

雷光虫とは、主に内陸の植物の影に住む虫で、自らの筋肉を使い、電気を放つ。
主に強い衝撃を与えられると電気を放つという。

何だ…何故、雷光虫がこんな海の手前まで……?

スルガはその理由を知っていた。

ジンオウガだ、と。

Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.15 )
日時: 2016/08/02 11:13
名前: 年中漢 (ID: w4lZuq26)

森に入る。ベースキャンプに荷物を置いて、支給品ボックスから、応急薬、携帯食料などを取る。

スルガは携帯食料を食べる。
肉を詰め合わせて燻した様な食べ物で、うまくも無ければ不味くも無い。
腹を満たすために食べるのだ。

今回はスルガが千里眼の薬を使う。
千里眼の薬は遠くのモンスターを感知することができる効果があるアイテムだ。

「オイ、スルガ?そのジンオウガってのはどこにいる?」

「3番エリア。少し遠いな。」

「だったら、ここから進むのがおすすめですよぉ〜。」
ミリアはそう言ってベースキャンプの後ろにある小さい穴に入っていった。

「おいおい、まさか、だろ?」

「うわ……エリアをショートカットした…」

「こいつは…飛び降りるのか?」

そうみたいだ。そう思い、スルガは飛び降りた。
洞穴の中を滑り台の様に進み、そして、外に飛び出した。

外の空間。無駄に高い。

数十メートルの高さから落ちる感覚。地面に受け身をつきながら、着地。

足が痛い。

「うおッ!?」

ヴァルハも落ちてきた。

「ここが、3番エリアです〜」
ミリアが教えてくれた。

…ということは?

スルガの予想通り、そこには大きな青緑色の鱗に包まれた生物がいた。
周りに大量の虫が飛んでいる。どうやら、それらすべてが雷光虫のようだ。

狼の様な見た目のモンスター。ジンオウガ。

ミリアの声に反応した様に振り向く。

「ウオオオォォォォンンッ!」

気づかれたか……!

「ミリアさん、援護頼む!ヴァルハ、中距離で溜めの待機!僕は斬りこむ!いざとなったらよろしく!」

「おう!」
「わかったです〜。」

ミリアが背中からガノバッシャーガンを取り出す。

リロード。構えて打つ。

銃身に込められたLV2通常弾が、火を噴き飛び出す。

ジンオウガの角に当たる。

だが、ジンオウガは怯まず、目の前にいたスルガに向かい、平手付き。

右、左、右、左、

しかし、スルガは左右の腕からの叩きつけを避ける。

そしてスルガは走りながら段差から飛び出し、その瞬間、刀を抜く。
氷刃【雪花】。

シァアアアンンンッ

鋭い音と共に斬りつける。
ジンオウガはその勢いに負け、倒れこむ。

スルガは倒れたジンオウガの背中に飛び乗る。
乗り攻撃と呼ばれる技で、モンスターの背中に乗り、ナイフを怯むまで刺す技だ。

ジンオウガが暴れる。

振り回されないようにしつつ、ナイフを刺していく。

「こいよォ、ジンオウちゃん。」

ヴァルハがいずれ頭が来るであろう位置に立ち、蒼剣ガノトトスを担ぐ。

そして、ジンオウガが倒れる。

ジンオウガの背中についていた虫がブワっと散り、そのまま、ジンオウガはもがく。

「ほい来ッッたァァァァ!!」

大剣を頭に叩き込む。

バン、という音と共に角が一本、折れる。

しかし、ジンオウガはすぐに起き上がり、回転する。

スルガたちは跳ね飛ばされる。
「うおッ?!」

ジンオウガは誰も近くにいない状況を作り、鳴く。

「ウオオオォォォォンッ」

「しまった、虫集めだ!!」
スルガはこの行動を知っている。本で読んだのだ。

「ん、何だって?!」
ヴァルハが聞く。

「超帯電状態になるぞ!」

「私が止めます!」
ミリアが、ガノバッシャーガンにLV1拡散弾を込める。
この弾は中に小さい爆弾が入っている。

撃つ。当たった瞬間周囲で大きな爆発が起きる。
しかし、《虫集め》を止めない。

また撃つ。爆発。突然、鳴き声が止まる。

やったか。ヴァルハは思う。





「……ゥゥゥヴヴォォォォオオオオオオッッ!」

一際大きな鳴き声。硝煙を撒き散らし、



_______ジンオウガは超帯電状態になった。