二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 現代の対深海棲艦戦・壱 ( No.3 )
- 日時: 2016/07/29 23:45
- 名前: tunamayo (ID: eOcocrd4)
「弾道ミサイルを3本捕捉した。これよりBMDを起動し撃墜する!!
対弾道ミサイル戦闘よーい!!
Mk.41のミサイルセル57〜64を開放!! スタンダード・サルヴォ!!」
ちくまがそう告げると、背中の艤装から弾道ミサイル用のスタンダードミサイル(SM-3ブロックⅡA ABM)が発射された。
それと同時に、他の艦娘達も行動を開始する。
「私達はアンノウンに対して遊撃してくるね。やっと89式(魚雷)が日の目を見るぜ!!」
最初に行動したのはそうりゅう型潜水艦の仲良し三姉妹。「SS-504 けんりゅう」「SS-505 ずいりゅう」「SS-506 こくりゅう」だ。ダイバースーツを来て、特殊タンク(AIP機関)と魚雷発射艦を背負った面白い格好をしている。
「急速潜航、行くよ!!」
「「うん!!」」
三隻は同時に海中に姿を消した。
次に行動したのは日本版イージスと名高いあきづき型護衛艦「DD-116 てるづき」とふゆつきの2隻だ。
「FCS-3A 多機能型レーダー」をアクティブに設定し、2隻が高度にリンクする事により、360度をカバー出来る高性能な防空索敵網が完成する。これが日本版イージスたる由縁だ。
「敵には正規空母クラスが3隻確認されてるそうだけど——」
「イージス艦がいなくたって護りきれるんだから!!」
「「日本の対空艦舐めないで!!」」
航空機搭載護衛艦(空母では断じて無い)である、しなの、とさの2隻は航空機の発艦を開始した。昔のカタパルトは弓矢(空気圧)等だったらしいが、現在はレールガン(電磁)だ。
「皆、今度は実戦だよ!! さっきみたいに全機撃墜はやめてね♪」
「とさ……。妖精達のキズを抉ってどうすんのよ……」
そして、最後にアクションを起こしたのは対潜に特化した最新鋭護衛艦であるながらだ。
「シーホークが落としたソノブイからの情報が順次入ってきたわ。水中感度良好……。あの3隻の心音(機関音)・バタバタ音(スクリュー音)以外にも15隻確認出来たわ……。バージニア級5隻、エバー級1隻、214型……いや、これは孫元一級(韓国)ね。これが2隻。あとの7隻はデータに無いわ。おそらくアンノウンでしょうね」
そう言うと、ながらは自らの艤装を叩きながらこう言った。
「私の耳は誤魔化せないわよ!!
対潜戦闘よーい!!
アンノウンの座標入力完了!! ミサイルセルを開放。アスロック(07式)・サルヴォ!!」
ながらのVLSから放たれたミサイルは、指定された座標へと一直線に向かっていった。
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しなの、とさの無線には、最前線にいる空母、シャルルからの通信が入ってきていた。
『こちらフランス海軍所属、シャルル・ド・ゴール。アメリカ第七艦隊所属のロナルド・レーガン、日本海上自衛隊所属のしなの、とさには、アンノウンに対して同時攻撃をして欲しいと思っております。どうでしょうか?』
『こちらロナルド・レーガン。既に全航空隊が発艦済みだ。タイミングはそちらが指示してくれ』
「こちらしなの。先と同じく、です」
「こちらとさ。こっちも問題無しです」
『了解しました。では、現在が1543(ワン・ファイブ・フォー・スリー)ですので、1630に決行します』
『ラジャー!!』「「了解!!」」
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『1600(ヒト・ロク・マル・マル)ですね。了解しました!!』
「日本のテルヅキ、フユツキ、ナガラの3隻も快諾してくれたわ。これで、我がアメリカ合衆国、イギリス、フランス、オーストラリア、シンガポール、アルゼンチン、チリ、ベトナム、インド、韓国、ロシア、日本と、全てのリムバック参加艦娘がこの一斉攻撃に参加することになったわね」
モンスは興奮を隠せないような様子だ。それはそうだろう。だって、世界中の新鋭艦、強力な艦娘達が一斉にひとつの敵に向かって攻撃するのだ。これで、興奮しない訳がない。
「おいおいモンスさん、冷静さを失ったらダメだよ。慢心したせいで絶体絶命に陥った奴なんて幾らでもいる」
「そ、そうね。我が合衆国の最新鋭艦として、そんな醜態を晒しちゃ駄目よね」
一方、冷静だったバークは、真剣に水平線の彼方を見つめていた。
「なんちゃらの予言には百年後、“奴等”が再び地球に姿を表すとか書いてあったらしいわね。まだ百年経って無いんだけど……」
バークがそう呟いた後、2人……いや、全ての艦娘に、こんな情報が入ってきた。
《レーダーから、フランス海軍所属駆逐艦のブルターニュ、ロレーヌがロスト。おそらく撃沈された模様。そして、ロストした直後、ロレーヌからこのような打電が入りました》
“ハワイ島沖八時ノ方角、約五〇〇粁ヲ陣取ルアンノウンヲ我視認セリ。アンノウンノ正体ハオソラク深海棲艦ト思ワレル。編成ハセイ……”
打電は中途半端に途切れていた。