二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.68 )
- 日時: 2016/12/31 23:36
- 名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)
年も暮れですが(もう一時間切りましたね……)投稿したいと思います!
あしたは、依頼編を投稿します。今回は……特別編
_____________
ミズキ「はー……寒い。……雪とか、降りそう……」
ミズキは一人、どんよりとした雲のかかる夜道を歩いていた。理由は、一人、年を越そうかとしていたとき、突然白黒の館の面子に呼び出されたのだ。
ミズキ「あいつらも暇だな……まぁ、仕方ないんだろうけどさ」
そういって、空をふいと見上げた。
今にも、何か降ってきそうな空だった。
それでいて
___とても、恐ろしく感じた。
……………………
- Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.69 )
- 日時: 2016/12/31 23:37
- 名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)
それは、遠い遠い記憶だった。僕の始めに見たものは確か、雪に埋め尽くされた白銀の世界と、雪をこんこんと降り続けさせる鉛いろの空。
さむさに気付かず、なんで震えているのかもわからなかったような気がする。
???『……大丈夫か?少年』
不意に頭のなかに声が響いた。その声は優しくて、雪の中なのに暖かく感じたっけ?
朧気な記憶を辿る。確か、あの人は大切な人。誰だったか、姿すら雪で隠れて思い出せない。忘れてはいけないはずなのに、なぜ?
???『ほら、いっしょに行くぞ……あー……少年って呼ぶのもなんだな。よしじゃあ……』
そうだ、この人が僕の名前にくれたんだ。あの雪のなか、まだ小さかった僕を抱えて、近くを通りかかったキャラバン隊の貨物車に乗り込んだんだっけ。
とても優しい声で、ずっと僕に話しかけていたんだったか。僕は途中で眠ってしまったけど。
その他にも、彼は僕の記憶のなかに居続けた。名前も、忘れてしまった、大切な人。
そして記憶はさらに流れ、最後のフィルムになった。
雪が降る夜の森のなか、彼が横たわっているのが見えた。もう、長くは持たないであろう。見て、そう思った。
「やめて、いかないで」
???『……ごめんなー、ミズキ。ほんとうにごめん。ほんとは、もっとお前といたいんだけど……どうも、神様は許しちゃくれねぇみてぇだ……』
記憶の中の僕は泣きながら彼に言った。
彼は困ったように笑って、苦しいはずなのに、言葉を連ねていた。
不思議なのは、僕は成長しているのに、彼は一切姿が変わっていないところだろうか。
突如、光が閃く。
ああ、そうだ。彼は神様の操り人形だったんだ。
でも、その神様の秘密を暴いて、全てを知った。
本人は神からの罰が下ったんだろうな。知ったこっちゃねぇけど、誰かを置いていかせるなんて、神様の考えることは分からねぇやなんていってたけど。
???『そんなに泣くなよな、ミズキ。あんたは優しいんだから、笑っててくれよ……と、そうだ。これ、渡しとかなくちゃ、な……』
そういって渡されたのは……確か飛燕と呼ばれていたっけ。綺麗な装飾をされたそれを僕に渡して、彼は『守ってやれなくてごめんな』っていったんだっけ……
ああ、そうだ。
彼は僕の『幸せ』を願っていたのか。
最後に見えた彼の顔は、とても優しく、そして、はっきりと見えた。
そうだ、あなたは______
……………………
- Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.70 )
- 日時: 2016/12/31 23:40
- 名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)
ミズキ「……そういえば、そんなこともあったっけ。……はは、」
いつの間にか、空からは大粒の雪が降り始めていた。
ミズキは空からは目を外し、積もっていく雪を見た。そして、ゆっくりと歩き始める。呟いた、その声は震えていた。
___雪は嫌いだ。全てを知った思い出してしまうから。
***「ミズキさん」
ふと、前方から声が聞こえた。その声は、誰もいない壊れた街灯が照らす町を、すっと風のように通り抜けていく。
でも、僕の耳にはしっかりと響いていた。
ミズキ「どうしたの、黒」
黒猫δ「なかなか来ないので、迎えに参りました。お蕎麦、伸びますよ。どうせ、一人じゃ食べないでしょうから」
そういって、月色の目を此方に向けて、その人はほほえむ。
僕に近づいて、手を引いていく。
いつも着ている猫耳の付いたフードが揺れる。
ミズキ「……わかった、急ぐよ……」
黒猫δ「?今日はやけに簡単に従ってくれるんですね」
ミズキ「……たまたまだよ」
黒猫δ「……そういうことに、しておきましょうか」
黒猫δは僕の耳には言葉に目をさ迷わせて、そういった。
多分、気づいているんだろう。でも、それでもいいや。そんな気持ちになった。
ねぇ、僕の大切な人。
____これが、幸せなのか、知らないけれど、僕は
幸せですよ____
彼が残したコートの胸ポケット、しまっていたプレゼントがカタリと震えた、気がした。
ふっと振り返った。
そこに、優しく微笑む彼がいたような気がした。
黒猫δ「どうかされましたか?」
ミズキ「……いや、別に」
もう一度、振り替えると彼はいなかったか。でも、きっと近くにいるんだろうな。彼が残したコートの襟元に、顔を埋めて、少し目を閉じた。
- Re: 黒猫δと愉快な仲間たちの日常 ( No.71 )
- 日時: 2016/12/31 23:38
- 名前: 黒猫δ (ID: .3t6TJMo)
2016年、ありがとうございました。
そして、2017年もよろしくお願いします。
皆様の幸福を祈ります。
黒猫δ
追伸
この後、白黒の館に戻ったら、家のなかで餅つき大会していたのだが、僕はどうしたら良かったのでしょうか。
とりあえず、太宰さん、ザップさんと美女探しにいかないでください。レオくんと敦くんが困っています。
裸族どもは、服を着てください。
そして、アリギュラ。クトゥルフを作らないでください。危険です。
それを、レイさんは笑って見守っていないでください。
終