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何処かから、本をパラパラと捲る音が聞こえてくる。
とある人物は、その音をBGMに、本を読み散らかしていた。



＊＊＊「……何やってるんですか？そんなに歴史の本や、この町の資料を散らかして」

？？？「あぁ、ちょっとね」



？？？の人物はそういって、また資料の本を散らかす作業に入る。＊＊＊はその様子を、本を捲りながら眺めていた。


そして、＊＊＊はとあることに気がついた。



＊＊＊「なぁ、その資料とか文献とかって、全て『月宮家』に関係することじゃないか？」



＊＊＊は、本を捲る手を止めて？？？の方を向く。？？？は「そうだよ」と短く答えて、また作業に戻ってしまった。



＊＊＊「……そんなことして大丈夫なのか？」



＊＊＊がそう言葉をかけると、？？？はピクリと反応して此方を向いた。その目に宿る感情は悲しみと哀れみ。そして、憎悪だった。



？？？「……大丈夫じゃないかもね。こんな敵に塩を送るような真似、したら怒られるかもね」



そういって、？？？は作業の手を止め、上を見る。そして、憂いげに話始める。



？？？「向こうからしたら、俺は怒られるだけじゃすまないだろうね。だけど、さ。起こってから言うのもあれだけど、俺はこんなことになってほしくなかった。必死に止めたんだ。……でも、始まってしまった」

＊＊＊「……」

？？？「だから、俺は……



俺は、速くこの実験を止めてほしい」



？？？は目を閉じ、話を続ける。



？？？「俺は、敵かもしれない。だけど、俺には『みんな』の方が大切なんだ。……だから、俺はヒントをここに残していく。彼等に、見つけてもらえるように」



そして、？？？は手に持っていた最後の資料を床に置いてから立ち上がった。



？？？「……そろそろ、行かないと。二人に怪しまれたらどうされるかわからないしね。……じゃあ」



そういって、？？？は入り口まで歩いていく。ここを出る前に、？？？は一言＊＊＊にこういった。



？？？「ねぇ＊＊＊、君の仲間が来たときにさ、俺がここに来たことは言わないでくれるかな？」

＊＊＊「……勿論だよ、？？？『先生』」


＊＊＊は先生の部分を強調して、？？？を見送った。


？？？は少し微笑んで、外の風景に溶け込んでいった。



残り登場人物
enemy ？？
my help member 2人
chaosdealer 1人
other help member ？？


今回は花火作戦の遂行とニコルの登場、そして、不穏な動きを見せる二人の回でした。後一回、警察署編をやってから市役所編に移りたいと思います。

……ちなみに、？？？の人物は、市役所編のラストのに出てきた人物と同じです。＊＊＊はまだ出てきていません。