二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【視点小説】もう一つの舞台【参加者募集中】 ( No.44 )
日時: 2016/09/23 20:02
名前: 伊那谷ユウナ (ID: FpNTyiBw)

長いプロローグの始まりです。更新は気長にお待ちください…どうぞ





空は赤く燃えて、大地は喰らい千切られた死体がばら撒かれ、人々は絶望した

世界は、荒ぶる神によって狂ったのだーーー


「…選択肢など、最早ひとつしかあるまい」


しかし諦める訳にはいかない。例え非道であろうと、冷酷であろうと…自分は王として立ち向かうまでだ。命ずるだけなのだ


「総員に告ぐ…絶対に退くな!例え死の間際にあろうと、生きる事から逃げるな!!これは…命令だ!!!」


嗚呼、願うなら…もし、願いが叶うのならば。彼女をまた、一目見たかった。愛した彼女に、名前を呼んで欲しかった。例え愛が敵わなくても…会いたかった


(情けないなあ僕は…これじゃあまた、叱られるよ)


それは本望かもしれないけど、下手して彼女に嫌われるのは御免だ。名残惜しいけど、早く行かないと…


(ごめん。でも逃げたくないんだ…許してくれ)


よし行こう。その声と共に彼は、彼らはーーー『自滅』を選んだ





「…おーい。起きろー」

ふと、声がしたものだからゆっくり目を開けてみる。何か夢を見ていたかもしれないが、よく覚えていない。しかし分かることはある…轟々と風は鳴り、自身の髪は少し乱れていた。最早気力はなかったのだが、返事をしない訳にもいかないので、彼女は絞るように声を出す。

「…すみません、寝ていました」
「素直なのと睡眠を取るのはいいこった。ここ最近、まともに寝てなかっただろ?どれぐらい寝てないんだ」
「数えるのは苦手です。貴方よりマシでしょうけど」
「ハハッ!…ひでえ」

リンドウは陽気に笑う。彼も彼でそこまで休めていない筈…とアヤメは推察する。二人はここのところ、週単位で違う支部へと転々している。その支部では対処出来ないアラガミがよく出没するが故だ。リンドウはたまにサカキの依頼で別行動を取る場合があるが、大抵の行き先は同じである。加えてクレイドルの活動もあるが…まあそれは優秀な仲間のおかげでその方面の仕事量は比較的少ない。改めて仲間というのは頼りになるものだと、アヤメは実感する。

「極東支部までもうちょいか。お前、帰るのはいつ振りだ?」
「半年以上は帰ってませんね。まずは部屋の掃除をしないと」
「その前にしっかり休めよー?」
「善処します」

そして二人は、見慣れた故郷へと辿り着こうとしていた。





さて、極東支部のラボラトリではーーー鬼の形相で書類を片付ける男がいた。

ソーマ・シックザール…支部長であるペイラー・サカキの研究業を粗方任されながらも、独立支援部隊【クレイドル】に所属し、活動するベテランゴッドイーターである。そんな彼が何故、いつも以上に寝不足で、尚且つオーバーヒート気味のハードワークをこなしているのか?それは普段、チェック漏れが多い壁掛けカレンダーに唯一書かれていた丸が、全てを決定付けていた。

「し、失礼します…」

そんな修羅場同然の部屋に恐る恐る入る少女がひとり。エリナ・デア=フォーゲルヴァイデ…彼女は所属する第一部隊の隊長、藤木コウタの命により、ソーマに差し入れを持ってきたのだ。何故ソーマと仲のいいコウタではなくエリナなのか。エリナはそれをコウタに聞いてみると彼は一言…だって、圧殺されるもん。
そんな脅迫じみた理由を思い出してエリナは、恐る恐るソーマにコウタから貰った差し入れのドリンクを差し出す。するとソーマは「…すまん」と書類を片付けつつではあるが、いつもの調子で受け取り、ドリンクをそのまま飲み干した。

「あ、あの」
「… 何だ」
「どうして、今日はその…」

いつも以上に頑張っているのは何故ですか。そう聞いてみるとソーマは答えてくれた。

「時間を作りたい。それだけだ」
「時間をですか?」
「ああ。…そろそろ終わる。悪いがひとりにしてくれ」
「あっ、はい。失礼しました」

エリナはそそくさと退室する。と、エレベーター付近には様子を見に来ていたコウタが立っていた。

「お疲れ。様子はどうだった?」
「普通…いや、ちょっと鬼気迫る感じがありましたけど。別に圧殺はされませんでした」
「マジかよ!俺が前、差し入れした時はブチギレたのに…やっぱ初恋ジュースは不味かったか…くそっ」
「それ、嫌がらせですよね???」

やっぱりアレか、仲間と認めてもエリナには甘いというのか。コウタはとてつもなく悔しそうな顔をし、納得していなかった…いや、怒られたのはどう考えてもアンタの所為だろうよ。

「コウタさん。あの人は時間を作りたいって言ってましたけど…どういう事ですか?」
「あー、それならすぐに分かるよ。じゃ、迎えに行くか!」
「迎え?」

エリナは分からず、そのまま引っ張られるように連れて行かれる。そして着いた場所はヘリの発着場だった。

「丁度良く来たな!」

コウタの言う通り、一機のヘリコプターが着地しているところだった。そして二人の男女が降りてきた。

「…あ、コウタ君」
「出迎えか?そいつはどーも」
「久しぶりっす!メシ用意してあるんで、まずはラウンジに行きましょう!」
「ご飯…そうだった。まずはそっちですよね」
「あ、あの…アヤメさん、ですよね?」

その問いはエリナだった。エリナは昔、彼女…アヤメにお世話になった事があるのだ。あれから3年半、会うことはなかったが。

「もしかして…エリナちゃん?」
「は、はい!エリナ・デア=フォーゲルヴァイデです!!」
「お久しぶりです。資料上で知ってはいたんですけど…こうやって会うのは初めてかな」
「二人共、知り合い?」
「ええ、何度か会っているんです」

ゴッドイーターになる以前から彼女の活躍を知っていたが…こうして目標のひとつとしていた人に会えるのは嬉しいものだ。

「そうですね…暫くはこちらでゆっくり出来ますし、色々お話したいものです」
「!…はいっ」
「そいやコウタ。ソーマやアリサはどうした?」
「ソーマはいつものアレで、アリサは任務で出てますよ。夕方辺りに帰ってくるとは聞いてんすけど」

まさか、あの怒涛の書類整理は恒例行事なのだろうか…?よくもまあ身体を壊さないものだ。

「…じゃあ、元第一部隊集合出来ますかね?久しぶりに」
「そうだな。あ、そいやアヤメ。今度ウチに顔を出してくれよー?ノゾミ、会いたがってたからさ!」
「はい。お土産もありますし、後日お伺いします」

アヤメとコウタのやり取りを一歩後ろで見ていたエリナは、リンドウに質問する。

「…意外と仲がいいんですね、あの二人。性格は真逆そうなのに」
「いやあ、昔のアヤメはとんでもつっけんどんな態度だったし、ああなるまで時間が掛かったなー。成長したもんだ…うんうん」

その感慨深い台詞を言っている割には視線が身体の方に向いてないか、と言いたかったがそこは黙っておく。

「あ、俺は先にサクヤのとこ行くから先に行っててくれ。ご馳走、残しといてくれよ?最近のアヤメの食欲、半端ねーからな」
「そ、そんな事ありませんてばっ!?」
「ちゃんと取り分けるから大丈夫ですって。じゃ、待ってます」

リンドウは右手を上げ手を振り、エレベーターから降りたのであった。





とりあえず導入しときます。まあ異世界に吹っ飛ばされる前触れって感じで。過酷な日常に在る、些細な幸せ。しかし、彼女は知らない。己の身体が少しずつ『何か』に侵食されている事実を…的な感じ。キャラシに書いてないやつ書くと思います…今連載されてるPXPとは繋がってるようで何かが違ったパラレルな感じを書いていきたいですね、うん。でもってエリナ可愛いよエリナ。リザレクションはサイズだけどレイジバーストはスピアを使う伊那さんです。はよレイジバースト進めないと…
そして次回以降、果たして疲労困憊なソーマ氏は怒涛の恒例行事で差し入れされたものが懲りてなかったコウタによって偽装された初恋ジュースだと気づく事が出来るのか。下乳…じゃないやアリサがこの作品でドン引きです発言をしてくれるのか。そして2のコウタは何故、あんなにキレイになったのか!とにかく次回、待て!!