二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【東方万華鏡】 この幻想郷で生き延びることを決めた ( No.8 )
- 日時: 2017/02/11 11:54
- 名前: garba (ID: zAOtupQB)
僕は、知らぬ間に白い光に飲み込まれた。
何が起きてるんだろう。と思う以前に眩しすぎる光に恐怖を覚えた。
僕は目を瞑った。何かを固く決心したかのように目を固く閉じた。
ーーーこの光が『幻想郷』に続く道だとは知らずに。
「っ…、ユメ…?」
いいや、夢なんかじゃない。
心の中で俺ではない誰かが呟いたように思えた。
ここは、どこだろう。
という感情が芽生えた。
それと同時に家に戻れなかったらどうしようという焦りも感じた。
ーーー目の前に広がる光景は、緑の木々がただ広がっている森だった。
「ガルルルルル…」
その時、途方にくれる俺の目の前に狼が現れた。
狼と戦闘なんてできっこない。そう思った。
逃げようとしても三匹、四匹と狼に囲まれる。
「ガルッ!!」
まるで、逃げ惑う俺を嘲笑うように一匹の狼が離れていった。
ここだ。馬鹿にされたっていい。正面が空いた今、逃げるしかないじゃないか。
『タッタッタッタッ』
草が濡れていて足元が滑るのも気にならないほど必死に逃げた。
しかし、狼は残った三匹で追いかけてくる。
足元が恐怖で竦んだ。地面がツルツル滑るもので、狼に掠っただけで転んでしまいそうだ。
…いや、転んでしまいそうだではなく、転ぶの間違いだろう。
狼の足は速く、あっという間に足を噛みちぎられた。
「ガブッ!!」
狼の鋭い歯が俺の足を貫く。
「ぐわああああっ!!!」
俺は痛みのあまり叫んだ。
足から血が垂れていく感覚が伝わる。
俺の真っ白なスニーカーに血が垂れて赤に染まる。
顔には何滴もの汗が付いている。
もうダメだ。そう思った。
???「霊符!!夢想封印!!」
そんな絶望に叩き落とされた時、救世主が参上した。
これがお決まりのパターンだ。
その声と同時に、色とりどりの弾幕が狼を包み込んだ。
草から顔を上げ、見えた人はお祓い棒を持っていた。
赤い着物を着ていて、巫女のような服装だ。
「ちょっあんた大丈夫!?」
その巫女は急いで俺の元へ駆け寄ってきた。
「あ…ありがとう…。助かったよ。」
俺は痛みよりも、もう狼がいないという安心感から声が出た。
「あらら…これはしばらく安静ね。とりあえず、治療しに行きましょうか。
私は博麗霊夢。巫女よ。」
「あ、ああ、俺は 努矢 優也だ。ここはどこなんだ?」
「ここは『幻想郷』よ。」
「幻想郷?日本にそんな場所あったか?」
「信じられないかもしれないけどね…ここは日本ではないわ。」
「…………ふぇ?」
「まあ、そんな足のままいたくないでしょ。永遠亭に行きましょう。」
「永遠亭………?そんな病院もなかったはず…」
何か大事なことを聞き逃している気がしたが、後で詳しく話す。とのことなので、受け流した。
これからこのセカイが『支配』されるとも知らずに………
〜一章へ続く〜