二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.22 )
- 日時: 2016/10/10 19:45
- 名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)
アリスの影を倒した後も、一行は魔法の森を進んで行く。
霊夢・アリスの二人がシャドウを倒せるようになったため、鳴上達への負担が減り、より戦闘が楽になった。
そして、しばらく進むと…
アリス「! この魔力の感じ…魔理沙だわ!」
霊夢「近くにいるわね。」
陽介「そうなのか? 俺は何も感じないけど…」
鳴上「霊感みたいなものなんだろう。」
紫「要するに、後少しって事よ。早く彼女の所に行きましょう。」
霊夢「ええ!」
- Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.23 )
- 日時: 2016/10/11 19:10
- 名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)
魔理沙「お、お前は、一体…」
魔理沙は、ある光景に困惑していた。
もう一人の自分が、目の前にいるのだ。
魔理沙?「随分と分かりきった事をきくんだな。私はお前…霧雨魔理沙だぜ。」
魔理沙「ふざけるな! 霧雨魔理沙は私だ!」
魔理沙?「なら、今お前の目の前にいる私は何なんだ?」
魔理沙「し、知るか!」
霊夢「魔理沙!」
直後に駆け付ける霊夢。
鳴上「あの女の子が『魔理沙』なんですか?」
紫「ええ。彼女が霧雨魔理沙よ。」
陽介「マヨナカテレビの子とそっくりだな。」(小声)
鳴上「ああ。映ったのは、彼女で間違い無い。」(小声)
魔理沙「れ、霊夢!?」
アリス「魔理沙!…と、そこにいるのは…!」
萃香「もう一人の、魔理沙…!」
その『もう一人の魔理沙』は、先程のアリスのシャドウと同じように、不気味なオーラと金色の瞳を持っていた。
霊夢「魔理沙のシャドウね。」
魔理沙「えっ? あ、コ、コイツは…」
影魔理沙「いい所に来てくれたな、アリス。」
アリス「魔理沙…?」
影魔理沙「また何か、貢ぎに来てくれたのか?」
アリス「え?」
影魔理沙「なんだ、分かってなかったのか? お前は私に利用されてただけって事をな!」
アリス「な…!」
魔理沙の影の言葉に、驚きを隠せないアリス。
影魔理沙「アッハハハ! あ〜、アホらし! そんな事も理解できてないとか… ダメだ、笑いが止まらないぜ…」
魔理沙「や、やめろ!」
影魔理沙「何をだ? 私はただ、お前の本心を代弁してるだけだぜ、もう一人の私。」
魔理沙の影は続けて言う。
影魔理沙「単に力が欲しいんだよなぁ? 全部ねじ伏せられるほどの力をよ。そうすれば誰もが、自分が人間である事を忘れてくれる…自分が『特別』になれるんだからな。」
魔理沙「何言って…」
影魔理沙「でも、いくら努力しても、そんな力は手に入らない。むしろ、目標は遠ざかっていくばかりだ。そんな努力には、何の意味も無い。」
魔理沙「意味は…意味はある! 絶対に!」
影魔理沙「根拠の無い自信は捨てろよ。そもそも、いつまで経っても霊夢に勝てないのに、その努力の意味なんてあるのか? 『力がついてる』とか、そんな事、お前に分かるのか?」
魔理沙「うっ…」
アリス「魔理沙…」
霊夢「…」
影魔理沙「だから奪う。色んなものを奪っていく。血ヘド吐く思いまでして無意味な努力続けるより、遥かに楽で、確実だからな。」
魔理沙「そ、それは…」
影魔理沙「力が欲しい。そうさ、力が欲しいんだ、私は! そのためなら、利用できるものは何だって利用する! たとえ人のものだろうと親友だろうと何だろうと、関係無いんだよ!」
アリス「魔理沙…」
魔理沙「ち、違う! 違うんだ、アリス!」
影魔理沙「違わねぇよ。言ったはずだぜ? 私はお前。お前の本心なんだってな。」
魔理沙「違う! お前なんか…」
陽介「よ、よせっ!」
萃香「言っちゃダメだ! 魔理沙!」
魔理沙「お前なんか私じゃない! お前が私であってたまるか!」
魔理沙の叫び声が辺りに響く。
影魔理沙「その言葉を待ってたぜ…」
魔理沙の影がそう言ったと思うと、影の力が高まっていった。
影魔理沙「ああ…力がみなぎってくる… これで私は…私だぁ!」
- Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.24 )
- 日時: 2016/10/12 17:40
- 名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode
影魔理沙「我は影。真なる我…」
黒煙が晴れると、やはり、魔理沙の影が怪物の姿になっていた。
魔理沙「う、嘘…だろ…」
目の前の、自分の姿「だった」ものに恐怖を覚える魔理沙。
紫「魔理沙、逃げて!」
影魔理沙「逃がすかよ! 魔符『スターダストレヴァリエ』!」
カラフルな弾幕が魔理沙を囲む。
魔理沙「そ、そのスペルカードは…!」
影魔理沙「そう、お前のものだぜ。でも今は私のだ。力を奪われた気持ちを、是非とも聞きたいモンだな!」
弾幕が魔理沙を襲う!
だが、瞬間移動したかのように魔理沙の近くに現れた霊夢が、結界で弾幕を防ぐ。
霊夢「魔理沙、あんたは下がってなさい。」
魔理沙「いや、私も…」
霊夢「あんたじゃアイツは倒せない。そもそも、あの化け物に普通の攻撃はあまり効かないのよ。」
アリス「安心して。私達が、絶対倒すから。」
魔理沙「…分かった…」
魔理沙は悔しそうな顔をしつつ、巻き込まれないように後ろに下がった。
霊夢「あんたの相手は、私達がしてあげるわ。」
影魔理沙「やる気か? なら教えてやるぜ。絶対的な力の前に、弱者は跪くしかないって事をな!」
魔理沙の影と霊夢が睨み合う中、アリスがこんな事を言う。
アリス「…あれが、魔理沙の本心なの?」
鳴上「アリス…」
陽介「今回は戦わない方が…」
アリス「心配してくれてありがとう。でも、一緒に戦わせてもらうわ。」
アリスの目は、覚悟を決めた者の目だった。
アリス「アイツを倒して、魔理沙本人から聞かないとね!」
霊夢「ええ! 当然よ!」
四人は気持ちを奮い立たせ、魔理沙の影との戦いに挑む。
- Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.25 )
- 日時: 2016/10/13 13:17
- 名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)
鳴上「イザナギ!『二連牙』!」
先に鳴上が仕掛けた。
イザナギを出して接近させると、イザナギが魔理沙の影に斬りかかる。
影魔理沙「ぐっ!」
さらに、返す刀でもう一度。計二回攻撃した。
陽介「お前、そんな技使えたっけ?」
鳴上「ああ、以前みたいな『ワイルド』の力は失われたみたいだが、代わりにイザナギがより多くの技を覚えるようになっているんだ。」
影魔理沙「舐めたマネを… 食らえ!」
魔理沙の影が弾幕を放つ。
陽介「おわっ!」
紙一重でかわす陽介。
弾幕が着弾した地面には、小さいクレーターのようなものができていた。
陽介「あ、危ねぇ… ヒヤッとしたぜ…」
鳴上「一発一発がなんて威力だ!」
アリス「魔理沙の弾幕は火力重視なの。食らったらただじゃ済まないわよ。」
霊夢「ま、当たったらの話だけどね。」
霊夢とアリスは、慣れた動きで避け続け、魔理沙の影に弾幕を撃ち込む。鳴上達もなんとかかわす。
影魔理沙「少しはやるな。なら、これでどうだ?」
魔理沙の影が力を溜める。
狙いは…鳴上達だ。
陽介「やべぇぞ! 相棒!」
鳴上「くっ!『ラクカジャ』!」
霊夢「悠! 陽介!」
影魔理沙「恋符『マスタースパーク』!」
極太のレーザーが、二人を襲う!
- Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.26 )
- 日時: 2016/10/13 16:36
- 名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)
陽介「ぐうっ…」
鳴上「っ…!」
霊夢「悠! 陽介!」
アリス「大丈夫!?」
鳴上「なんとか…な。」
陽介「威力ヤバ過ぎだろ… 守ってなきゃ確実にやられてたぜ…」
避けきれない事を悟り、とっさに防御の体勢をとった二人。
スキル『ラクカジャ』で防御力を上げていた事もあり、なんとか耐えた。
影魔理沙「へぇ…今のに耐えるのか… なら、もうちょい本気出すか。」
そこからの魔理沙の弾幕は、高密度、高威力の凄まじいものだった。
陽介「マジかよ… 今まで本気じゃなかったってのか?」
アリス「なんて強さなの…」
影魔理沙「はぁ…所詮はこんなモンか… じゃ、終わらせるか。恋符『ノンディレクショナルレーザー』!」
魔理沙の影がスペルカード宣言すると、魔理沙を中心に、何本かのレーザーが凪ぎ払うように動く。
鳴上「しまった、全体攻撃…! ぐああっ!」
アリス「キャッ!」
霊夢「うあっ!」
陽介「があっ!」
- Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.27 )
- 日時: 2016/10/14 12:18
- 名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)
影魔理沙「ハハッ! 脆いな! そんなんで私を倒すとか…笑わせるなよ!」
紫「霊夢! 皆!」
魔理沙の影の攻撃は強烈だった。だが…
アリス「笑いたいだけ…笑いなさい。」
陽介「俺達は…一度言った事を曲げるつもりはねぇんだよ…!」
鳴上「お前を倒すのは…俺達の使命だからな!」
影魔理沙「なんで立ち上がれるんだよ… なんで倒れないんだよ!」
霊夢「教えてあげるわ。私達は…力だけでは屈しない!」
霊夢が魔理沙の影に向かって突撃する。
影魔理沙「ふざけるなよ… 早く倒れろよ… 早く壊れちまえよ!」
魔理沙の影が、再び高密度の弾幕を撃つ。
陽介「ジライヤ! 霊夢に『スクカジャ』!」
陽介が、スキル『スクカジャ』で霊夢の動きを素早くする。
アリス「上海! 霊夢を守って!」
上海人形「シャンハーイ!」
鳴上「なら俺は…『タルンダ』!」
霊夢に弾幕が当たったかのように見えたが、アリスの出した人形が代わりに攻撃を受けている。
おまけに、スキル『タルンダ』で攻撃力が下がっていたために、人形はほぼ無傷だった。
影魔理沙「ふざけるな… ふざけるなぁ!」
霊夢「これで終わりよ! 霊符『夢想封印』!」
アリス「戦符『リトルレギオン』!」
- Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.28 )
- 日時: 2016/10/14 13:04
- 名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)
魔理沙「うう…ここは…」
アリス「目が覚めた?」
魔理沙「アリス…?」
気を失っていた魔理沙が、目を覚ました。
影魔理沙「…」
魔理沙「なんだよアイツ、急に黙って… というか、アイツは一体何なんだ?」
紫「私達も詳しくは知らないんだけど…あれは、魔理沙の影。魔理沙の心の一部よ。」
魔理沙「あんなのが私の一部だって? 冗談じゃないぜ!」
目の前の現実を認められず、怒鳴る魔理沙。
霊夢「よしなさい、魔理沙。」
鳴上「ちゃんと分かってる。」
魔理沙「え?」
陽介「俺にもさ、似たような事があったんだ。だから分かるし、その…魔理沙の事あまり知らねぇけど、誰だってああいう一面はあるって。」
魔理沙「…」
アリス「魔理沙… その…ごめん!」
魔理沙「アリス? どうしたんだ、急に謝って…」
アリスの突然の謝罪に、魔理沙は困惑する。
アリス「私、今までずっと自分勝手だった… 孤独の辛さを凌ぐために魔理沙を利用して… 寂しさをごまかすために『相談』して… だから、どうしても謝りたかったの。」
魔理沙「アリスが自分勝手って…そんな事ないぜ。本当に自分勝手なのは…私の方だ。」
アリス「え?」
魔理沙「負けるのが嫌だったんだ。霊夢だろうと誰だろうと、常に勝ち続けていたかった。この幻想郷は、私なんかとは根本的に違うヤツばかりで…置いて行かれるのが怖かったんだ…」
霊夢「…」
魔理沙「そこの二人は、私の事何て聞いてる?」
陽介「へ? いや、『魔法使い』としか…」
魔理沙「厳密には違う。私は、魔法が使えるだけの、ただの人間なんだ。『魔法使い』っていうのは、アリスみたいなヤツの事を言う。種族が違うんだぜ。」
鳴上「種族、か…」
魔理沙「力が無きゃ、私みたいな人間は、霊夢達と一緒にいる資格が無くなっちまう… だから、がむしゃらに力を求めてたんだ。自分勝手は…私の方なんだ。」
アリス「魔理沙…」
魔理沙は会話を切り上げると、影の方へと歩いて行く。
魔理沙「お前は、私の中にいたもう一人の私なんだな。ただ自分の事しか考えてなくて、ただ力を求め続けて来た、情けない私…それが、お前。そうなんだろ?」
それを聞いた魔理沙の影は、淡い光となって消えていった。
- Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.29 )
- 日時: 2016/10/14 13:30
- 名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)
魔理沙「っ…」
その場で尻もちをつく魔理沙。
萃香「大丈夫かい?」
魔理沙「大丈夫だぜ。ちょっと体がだるいだけだ。」
霊夢「あの魔理沙が、自分の努力を疑うなんてね。ちょっと意外だわ。」
魔理沙「信じたかったからこそ、疑ったんだ。その力がついてないって事を、考えなくてもいいようにな。」
霊夢「その必要は無いわ。」
魔理沙「どういう事だ?」
霊夢「私だって、あんたには負けたくない。あんたには先を越されたくないのよ。努力は嫌いだけど、あんたがいるから、私だって頑張れる。」
魔理沙「霊夢…」
霊夢「もっと自分に自信を持ちなさい。あんたは努力家なんだから。」
魔理沙「…そうかもな! 下を向いてるのは、私の性に合わないぜ!」