二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.7 )
日時: 2016/10/08 14:38
名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)

?「魔理沙〜。いる〜?」

全員「?」

一行が自己紹介を終えると、再び石段の方から、一人の少女が現れた。

霊夢「あら、アリスじゃない。」

アリス「ああ、霊夢。それと、紫に萃香に…その二人は誰?」

霊夢「外の世界の人間。はぐれた仲間を探してるんだって。」

鳴上「鳴上悠だ。」

陽介「俺は花村陽介。」

紫 (ちょっとやっつけ仕事になってるわね…)

アリス「初めまして。私はアリス。アリス・マーガトロイドよ。」

霊夢「で? 何の用なの?」

霊夢は、アリスの自己紹介を早めに切り上げ、本題に入る。

アリス「えっと、魔理沙を見なかった?」

鳴上「魔理沙?」

萃香「霧雨魔理沙。『普通の魔法使い』さ。」

陽介「魔法使いの時点で普通じゃねぇだろ…」

紫「いかにも『魔法使い』って感じだから、すぐ分かるわよ。トンガリ帽子をいつも被ってるし、箒にまたがって飛ぶし…」

鳴上&陽介「!」

紫の言葉を聞いた彼らは、たちまち戦慄した。

『トンガリ帽子』『箒』…

それは鳴上達にとって重大なキーワードだった。

陽介「まさか、あの時テレビに映ってたのって…」(小声)

鳴上「落ち着け。まだそうと決まったわけじゃない。」(小声)

陽介「あ、ああ、そうか。そうだな。」(小声)

鳴上 (だが、あんな姿の女子なんて、現実世界にはいないと思っていいだろう。おまけに、テレビの中に入って、この幻想郷にたどり着いた…映っていたのは、その『魔理沙』で間違い無いだろうな。)

紫「どうかしたの? 急に考え込んで…」

鳴上「いや、もしかしたら途中で会ったかも、と思ったけど、違ったみたいだ。」

紫の質問に、当たり障りの無い答えで返す鳴上。

アリス「魔理沙…待ち合わせ放ったらかして、どこ行ったのかしら…」

陽介「その『魔理沙』って人の家とか、分かるか?」

アリス「分かるも何も、私の家の近所よ。」

霊夢「近所って言ったって、森の中でしょうが。」

陽介「森の中!?」

萃香「『魔法の森』って所さ。アリスも魔法使いだからね。」

陽介「『同然だろ?』みたいに言われても…」

アリス「まあまあ。案内はするから。」

霊夢「じゃ、とっとと行きましょうか。」

一行は魔法の森に向けて出発した。

Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.8 )
日時: 2016/10/08 16:01
名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)

一行は魔法の森に向かっていた。

空を飛ぶ事ができない鳴上と陽介のために、徒歩で。

アリス「ほら、あそこが魔法の森よ。」

アリスが指差した方向には、やはり森があった。

陽介「マジで森だな…」

霊夢「普段は飛んで行くから楽なんだけどねぇ。」

紫「仕方無いじゃない。もしも、道中で彼らの仲間に会ったらどうするの? 私達だけじゃ、気付かない可能性だってあるわよ。」

萃香「とにかく行こうよ。」

一行は森に足を踏み入れる。

鳴上 (? なんだ? まるで、何か膜みたいなものを通ったような…)

陽介 (? 何が起こったんだ? まあ、気のせいか…)

鳴上と陽介の二人は、森に入った瞬間、同一の違和感を感じた。

しかし、大した事ではないと判断し、口には出さなかった。

だが、しばらく進むと…

アリス「うーん… おかしいわね…」

霊夢「何がよ?」

アリス「森の地形が変わってる。」

萃香「見間違いじゃないの?」

アリス「それは無いわ、森の風景は何度も見てるもの。それに…」

霊夢「それに?」

アリス「道がきれい過ぎる。まるで通路みたいに。曲がり角とか直角だったし…」

紫「確かに、森としてはおかしいわね。まるで迷路か迷宮みたい。」

鳴上&陽介「迷宮…」

二人には、思い当たる事があった。

テレビの中の世界…そこは、入る度に構造が変わる迷宮となっていた。

霊夢「まあ、その内着くでしょ。」

アリス「暢気なものね…」

萃香&紫「!」

突然、萃香と紫が立ち止まる。

鳴上「紫さん? 萃香?」

アリス「なんで止まって…」

萃香「感じないの? この気配。」

紫「気をつけて、何か来るわよ!」

すると、紫の言う通り、道の脇から、何かが飛び出して来た!

Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.9 )
日時: 2016/10/08 16:48
名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)

飛び出して来たのは、化け物の群れだった!

霊夢「何、コイツら。」

アリス「妖怪か何かだとは思うけど…なんか気持ち悪いわね…」

そんな霊夢達とは反対に、鳴上と陽介は驚いていた。

陽介「コイツら、まさか!」

鳴上「間違い無い!『シャドウ』だ!」

霊夢「知っているのかしら?」

陽介「テレビの中の世界の怪物だ。けど、なんでここにシャドウがいるんだよ!?」

萃香「なんでかは知らないけど、倒せばいいだけだろう? だったら問題無い!」

そう言って、一体の化け物・シャドウに殴りかかる萃香。だが…

萃香「でやぁ!」

シャドウは少しよろめいた…だけだった。

すぐに体勢を立て直し、反撃の動作に入る。

萃香「…え?」

鳴上「萃香!」

鳴上が萃香に体当たりし、場所がずれたために、シャドウの攻撃は空振りに終わった。

鳴上「大丈夫か?」

萃香「はは…まさか人間に助けられるとは思ってなかったねぇ。」

霊夢「ちょっと待って。なんでアイツ、萃香の攻撃受けて、あんな平然としてられるのよ!?」

陽介「どういうことだ?」

紫「萃香は『鬼』なの。妖怪の鬼。ゆえに、あんなに小さくてもかなりの怪力よ。」

陽介「鬼ってなに!? つか、そもそも人間じゃないのぉ!?」

アリス「打撃が効かないのなら… 魔符『アーティフルサクリファイス』!」

アリスがスペルカードを宣言し、人形爆弾を放る。しかし、それでもシャドウは平気そうだった。

アリス「スペルカードまで効かないの!?」

鳴上「シャドウには、普通の攻撃は効かないんだ!」

霊夢「攻撃が効かないって…」

紫「打つ手無し、ってことかしら?」

ここで、鳴上と陽介が霊夢達の前に出る。

鳴上「いや、無いわけじゃない。」

陽介「けど、ここで『出せる』って確証は無いぜ? 大丈夫なのか?」

鳴上「やってみる価値はあるぞ。」

陽介「だな。俺も乗った!」

心を落ち着け、鳴上達はイメージする。『もう一人の自分』を。

鳴上「我は汝…」

陽介「汝は我…」

すると、二人の目の前にカードが一枚ずつ現れた。

鳴上&陽介「ペルソナ!」

二人はそのカードを、鳴上は握り潰し、陽介はクナイで破壊する。

困難に立ち向かうための人格の鎧『ペルソナ』を呼ぶために。

Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.10 )
日時: 2016/10/08 19:09
名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)

霊夢達が目にしたのは、二人の巨人だった。

霊夢「何あれ…」

アリス「悠達が、呼び出したのかしら?」

紫「式神…? いや、違うわね… あれは一体…」

鳴上「下がっていてください。」

陽介「ここは、俺達に任せろ!」

そしてその二人の巨人は、シャドウの群れに突っ込んで行く。

鳴上「イザナギ! 『スラッシュ』!」

陽介「『突撃』だ! ジライヤ!」

黒い巨人は、手にした剣でシャドウを切り裂き、スカーフの方は手裏剣を飛ばす。

アリス「一撃って…強過ぎでしょ…」

萃香「まさか、アイツらの攻撃でないと倒せない、とかかい?」

紫「そうでもないみたいよ。ほら、あれを見て。」

紫が指差した方向には、武器を振るってシャドウ達と戦う鳴上達の姿があった。

彼らは、ペルソナを操作しつつ、自分自身でも戦っているのである。

流石に一撃とまではいかないが、萃香やアリスより攻撃が効いているのは間違い無いだろう。

紫「あの巨人を操作できる能力があれば、生身でもシャドウ達と戦えるようね。」

霊夢「どの道ここは、悠達に任せるしかないってことね。」

一方、戦っている鳴上達は…

陽介「クッソ〜! しばらくペルソナ出してなかったからか、弱体化しちまってる!」

鳴上「俺もだ。だが…戦えないほどじゃない!」

みるみる内に、シャドウの数が減っていく。

7体、6体、5体… あっという間に残り3体ほどになった。そして…

陽介「さ〜て、やっちまいますか!」

鳴上「ああ、総攻撃だ!」

残りのシャドウ達に、二人が追い討ちをかけ、ボコボコにする。

鳴上「うおおおおっ!」

陽介「オラオラオラァ!」

煙が晴れると、既にシャドウは消滅していた。

Re: 東方心面影 【東方×ペルソナ4】 ( No.11 )
日時: 2016/10/09 11:51
名前: いっちゃん (ID: QeRJ9Rzx)

鳴上「今ので終わりか。」

陽介「へへっ、見たか!」

シャドウを全滅させた二人は、やりきった顔をしていた。

霊夢「ねぇ、悠。さっきの巨人は何?」

鳴上「巨人?」

陽介「もしかして、『ペルソナ』の事か?」

萃香「ペルソナ?」

アリス「確か『仮面』とか、そういう意味だったと思うけど…」

陽介「簡単に言えば『もう一人の自分』ってやつかな。」

紫「いわゆる『半身』ね。」

萃香「『テレビに入る程度の能力』じゃなかったのかい?」

陽介「知らねぇよ、そんな能力…」

鳴上「ペルソナ能力を持つことで、テレビにも入れるんだ。」

萃香「ふーん。」

紫「嘘は、ついてないわね。」

霊夢「とにかく、行きましょう。この先にもあんな化け物…シャドウがいるのなら、急がないと魔理沙が危ないわ。」

アリス「現時点で、シャドウを倒せるのは悠達だけだからね。」

紫「悠君、陽介君、頼めるかしら?」

陽介「分かってますよ!」

鳴上「当然です。」

一行は魔理沙の元に急ぐ。