二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第51話 反撃 ( No.106 )
- 日時: 2016/12/30 12:15
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)
- 参照: ルカリオ登場! メガシンカの力、果たしてミオ相手に通用するのか——
ヒノヤコマの炎の突撃と、ペンドラーの角の一撃が激突する。
僅かにペンドラーの方が強いが、それでもほぼ互角の威力だ。
「ヒノヤコマ、アクロバット!」
一旦下がり、ヒノヤコマは再びペンドラーとの距離を一気に詰め、翼を振り下ろす。
「ペンドラー、ベノムショック」
翼を叩きつけられたペンドラーは、すぐさま特殊な毒液を浴びせる。
「メガホーンだよぅ」
毒液を受けて動きを止めたヒノヤコマに対し、ペンドラーは角を振り回し、ヒノヤコマを叩き飛ばした。
「ペンドラー、もう一度メガホーンだぁ」
「ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
ペンドラーが高い金切り声を上げながら、角を構えて全力の突撃を仕掛ける。
ヒノヤコマも力強い鳴き声と共に炎を纏い、ペンドラーを迎え撃つべく飛び出す。
ペンドラーとヒノヤコマ、お互いの突進が正面から激突。
競り合った末に、せめぎ合う力は爆発を起こし、互いのポケモンを吹き飛ばした。
ペンドラーもヒノヤコマも、前のポケモンと戦ったダメージが溜まっており、爆発の衝撃に耐え切れず、両者共に戦闘不能となってしまった。
「ヒノヤコマ、よくやった。お疲れ様」
「ペンドラー、休んでてねぇ」
ハルとミオはそれぞれのポケモンをボールに戻し、お互いに最後のモンスターボールを手に取った。
(最後は恐らくカビゴン。例えカビゴンじゃなくても、僕の最後のポケモンは決まってる!)
「それじゃ最後、頼んだよぅ、カビゴン!」
「これで最後だ。出てきて、ルカリオ!」
ミオの繰り出すポケモンは、やはりカビゴン。そしてハルのポケモンは、エースのルカリオ。
「へえ、ハル君のポケモンはルカリオかぁ。タイプ相性だけなら不利だけど、僕のカビゴンにはそれだけじゃ勝てないよぅ」
「分かってるさ。例えカビゴンじゃなくても、僕はこのルカリオで勝つ。そう決めてたんだ」
ハルの言葉に、へぇ、とミオは笑みを浮かべて返し、
「それじゃあ、始めるよぅ。カビゴン、シャドーボール」
カビゴンは両手に黒い影の弾を作り上げ、ルカリオへと投げつける。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
ルカリオの右手から波導が噴き出し、骨のロッドの形へと変化する。
骨のロッドを振り回し、ルカリオは影の弾を破壊すると、
「発勁だ!」
ロッドを波導として右手に纏い、一気にカビゴンとの距離を詰める。
「カビゴン、跳ね返してぇ」
波導を纏ったルカリオの右手が、カビゴンの腹へと叩きつけられる。
だが、その直後、バンパーのようにカビゴンの腹が膨れ上がり、ルカリオは弾き返されてしまった。
「カビゴンのお腹はとっても柔らかいんだ。さすがにダメージをゼロにはできないけど、相手の技の衝撃を押されられるよぅ。それじゃ、次はのしかかり」
カビゴンが地面を蹴り、大きく跳躍する。何度見てもその巨体に似合わない動きだ。
ルカリオの上を取り、そのまま重力に従って落下し、ルカリオを押し潰そうと迫る。
「ルカリオ、躱してサイコパンチ!」
ルカリオは素早く飛び退き、カビゴンの攻撃範囲から逃れると、すぐさま拳を構えてカビゴンへと飛び掛かる。
念力を纏った拳を突き出し、今度はカビゴンの額を捉えた。
「続けて発勁!」
さらにルカリオは右手に波導を纏わせ、カビゴンの顔面へと叩きつける。
カビゴンが呻き声を上げ、その体勢が崩れる。
しかし、
「カビゴン、地割れだよぅ」
ルカリオの着地点を正確に見定め、カビゴンはフィールドを思い切り踏みつけ、一直線に地面を叩き割る。
「まずい……! ルカリオ、ボーンラッシュで回避!」
慌ててルカリオは掌から骨のロッドの形をした波導を生み出し、ロッドで地面を突き、着地点をずらす。
「シャドーボール」
しかしそれも予測していたのか、ルカリオが着地した瞬間、二つの影の弾が飛来し、ルカリオに着弾した。
「さすがに手強いな……そうとなったら、こっちも本気だ。ルカリオ、行くよ!」
ハルの言葉に、ルカリオも頷く。新しく得た力を、いよいよ見せる時だ。
「僕と君の、絆の力に応えて! ルカリオ、メガシンカ!」
ハルがそう叫び、キーストーンを填め込んだ腕輪、メガリングを付けた右腕を掲げる。
キーストーンが輝くと同時、ルカリオの腕輪のメガストーンもそれに呼応し、七色の輝きを放つ。
双方の光は次々と一つに繋がり、光がルカリオを包み込み、その姿を変えていく。
やがて纏う光を吹き飛ばし、その中からメガシンカを遂げたメガルカリオが姿を現す。
『おおーっと! 何とルカリオ、まさかのメガシンカ! ハル選手、ここまで隠していた切り札を、準決勝のここに来て、遂に出してきましたぁ!』
急激にテンションを上げていくアナウンサーに続き、会場も一気に盛り上がりを見せる。
「……ハル君、メガシンカを使えたのかぁ。これはちょっときついかもねぇ。バトルはともかく、会場がハル君に味方してるよぅ」
ミオがそう呟くが、その口調は不安や焦りはなく、寧ろ楽しげだ。
「カビゴン、こっちも全力で行くよぅ。シャドーボール」
カビゴンが両手に影の弾を作り出してルカリオへと投げつけ、さらに口からももう一発影の弾を放つ。
「ルカリオ、躱して発勁!」
ルカリオが目を大きく見開くと、右手から燃える炎の如き青い波導が噴き出す。
影の弾を躱しつつカビゴンへと向かっていき、波導を纏った右手を思い切りカビゴンの腹部へと叩き込む。吹き飛ばせはせずとも、カビゴンを押し返した。
「さすがに跳ね返せないよねぇ。カビゴン、のしかかりだよぅ」
自身を鼓舞するようにカビゴンは吼え、大きく跳躍する。
「ルカリオ、躱してサイコパンチ!」
「カビゴン、シャドーボールだぁ」
カビゴンののしかかりを躱し、ルカリオは握り締めた拳に念力を纏わせる。
だが落下中のカビゴンの両手に影が集まり、影の弾が作り上げられ、ルカリオを狙って飛んでくる。
「仕方ない……ルカリオ、ボーンラッシュ!」
念力を解き、代わりにルカリオは骨のロッドの形をした波導を作り上げ、ロッドを振り回して影の弾を打ち消す。
その間に、落下攻撃を仕掛けたカビゴンは起き上がる。
「ルカリオ、発勁!」
右手に波導を纏ったルカリオが、再びカビゴンとの距離を一気に詰めていく。
「カビゴン、シャドーボール」
再びカビゴンの腹部に右手を叩き込むが、カビゴンもすかさず口から影の弾を放ち、ルカリオを吹き飛ばした。
「そこだよ。地割れだよぅ」
「躱してもう一度発勁!」
カビゴンが思い切り右足を踏み出し、一直線にフィールドに亀裂を作る。
対するルカリオは素早く起き上がると、ひとっ飛びでカビゴンとの距離を詰め、地割れを躱しながら波導を纏った右手をカビゴンへと叩きつける。
今度はカビゴンの顔面に直撃。カビゴンの巨体が、ぐらりと揺らぐ。
「よっし、効いてる! ルカリオ、サイコパンチ!」
「させないよぅ。カビゴン、シャドーボール」
続けてルカリオが念力を纏った拳を突き出すが、カビゴンは影の弾を盾のように構える。
ルカリオが触れた瞬間、影の弾は炸裂し、逆にルカリオを弾き飛ばす。
「一気に行くよぅ。カビゴン、のしかかり」
ルカリオが体勢を崩した貴重なタイミング。
それを逃さず、カビゴンは跳躍し、一気に勝負を決めるべく、ルカリオを押し潰しにかかる。
回避は、間に合わない。
「やるしかない! ルカリオ、波導弾!」
起き上がったルカリオは、両手を真上に構える。
身体中の波導を両掌の一点に集め、凝縮された波導の念弾を大砲の砲弾のように発射する。
カビゴンの全体重をかけたのしかかりと、ルカリオの全ての波導を乗せた念弾が激突。
その瞬間。
波導の念弾は爆裂し、青い爆発と共に、カビゴンを吹き飛ばした。
「まだ、やれるよねぇ……! のしかかりだよぅ!」
爆煙で見えないが、吹き飛んだカビゴンを信じ、ミオは指示を出す。
爆煙が晴れたその時、勝負は決まる。