二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第61話 Parallel ( No.119 )
日時: 2017/01/13 12:56
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
参照: ハルに勝負を申し込んできたのは、ゴエティアの用心棒と名乗る謎の少年、パラレル!

「え……?」
突然告げられた、パラレルという少年からのバトル。
「お前はパイモンが注目するほどのトレーナー。そんなお前の実力、見せてもらう。そしてお前に勝ち、俺はもっと強くなる。さあ、ポケモンを出せ」
まっすぐにハルの瞳を見据え、パラレルはモンスターボールを取り出す。
「……分かった、相手になるよ。ミオ、アリスさん、そっちの大男の相手をお願いします」
今までパラレルの剣幕に怯んでいたハルだが、ハルも覚悟を決め、モンスターボールを手に取る。
「任せておいて。じゃあハル君、その男の子の相手は頼んだわよ」
「僕たちは二人でこの大男を倒せばいいんだねぇ」
そしてアリスとミオはボールを取り出し、大男アモンと対峙する。
「ほっほぅ、いいでしょう。ポケモン一体で、あなた方二体のポケモンを相手取って差し上げましょう」
アモンもニヤリと笑い、アリスとミオを迎え撃つ。



「出てきて、ルカリオ!」
「我が力を示せ、ガバイト!」
ハルのポケモン、ルカリオに対し、パラレルのポケモンは、サメのようなヒレを持つ青い小型の恐竜のようなポケモン。

『information
 ガバイト 洞穴ポケモン
 輝くものが好きで宝石を巣穴に
 集める。その宝石を狙う外敵に
 対しては鋭い爪や牙で撃退する。』

「ドラゴンポケモンか……それに地面タイプも持っている。地面技に気をつけて戦わないと」
「そいつがメガシンカを使うルカリオだな。さあ、メガシンカを使え。全力で俺と戦ってもらうぞ」
パラレルはハルのルカリオについて知っているようで、いきなりメガシンカを要求する。
「こっちだってそのつもりだよ。ルカリオ、いきなりだけど、頼むよ」
ハルの呼びかけにルカリオは頷き、腕輪をつけた右腕を構える。
「ルカリオ、メガシンカ!」
ハルのキーストーンとルカリオのメガストーンから放たれる光の束が一つに繋がり、ルカリオを包む。
光の中で、ルカリオは姿を変え、メガシンカを遂げる。
「ほう、これがメガルカリオ……ガバイト、メガシンカポケモンをも薙ぎ倒し、さらなる強さを得るんだ。始めるぞ」
そしてメガルカリオを見ても全く表情を変えず、パラレルはガバイトへと指示を出す。
「ガバイト、ドラゴンクロー!」
鋭い爪に龍の力を込め、ガバイトは地を蹴って飛び出し、蒼く輝く爪を振るう。
「ルカリオ、サイコパンチ!」
対するルカリオは拳に念力を纏わせ、ガバイトへ拳を突き出す。
ガバイトの龍爪と激突し、火花を起こして激しく競り合う。
「ガバイト、離れろ!」
力技では勝てないと見たのか、ガバイトは大きく後退し、素早く後ろへ飛び退く。
「穴を掘る!」
そのままガバイトは床へと潜る。
しかし完全に姿は隠さず、背ビレを出したまま、海原を泳ぐサメのように一直線にルカリオへと突っ込んでくる。
「ルカリオ、波導弾!」
ガバイトの場所は見えているため、それを狙い、ルカリオは掌から青い波導の念弾を放出する。
波導の念弾はガバイトの背ビレに直撃するが、
「無駄だ。ガバイト、突っ込め!」
背ビレに当たった波導弾は、刀で切り裂かれたかのように両断されてしまう。
そのままガバイトは地中から飛び出し、ルカリオを突き飛ばした。
「俺のガバイトの背ビレは剣にも負けない切れ味だ。飛び道具如きなら真っ二つにしてくれる」
ぶっきらぼうなままのパラレルの言葉に続け、ガバイトは甲高く吼える。
「くっ……ルカリオ、ここから反撃だよ。発勁!」
右手から膨大な波導を生み出し、今度はルカリオが飛び出していく。
波導を纏った右手を、ガバイトへと叩きつけるが、
「ガバイト、炎の牙!」
牙に炎を灯し、ガバイトは振り下ろされるルカリオの右手へと噛み付く。
牙を食い込ませると炎は爆発し、ガバイトもろともルカリオを吹き飛ばした。
「ルカリオ! 大丈夫!?」
吹き飛ばされたルカリオはすぐさま立ち上がり、再び構えを取るが、
「……あれ?」
同じく爆発で吹き飛んだはずのガバイトが、どこにもいない。
「それならルカリオ、奴の位置を探るんだ!」
ルカリオは波導の力でガバイトの出す波導を探り、姿を消したガバイトを探す。
しかし、
「遅い。ガバイト、やれ!」
刹那、ルカリオの足元からガバイトが強襲し、ルカリオを宙に打ち上げた。
「っ、穴を掘るか……!」
「気づくのが遅すぎる。ポケモンは強いが、トレーナーはまだまだだな。ポケモンの高い実力を扱いきれていない」
そうパラレルは吐き捨て、
「ガバイト、炎の牙!」
牙に炎を灯し、ガバイトはルカリオを追って跳躍する。
「くそっ……だったらルカリオ、ボーンラッシュ!」
宙を舞うルカリオは、咄嗟に右手から骨の形をしたロッドを作り出す。
ガバイトの牙はルカリオを捉えられず、骨のロッドに噛み付く。
爆発を起こすが、爆風も爆煙もルカリオには届かない。
「っ……!」
「僕だって戦えるんだ! ルカリオ、発勁!」
爆煙の中へルカリオは切り込み、波導を纏った右手を振り下ろす。
爆発の中心にいたガバイトの脳天に右手が叩きつけられ、ガバイトは床へと叩き落とされた。
「ガバイト、怯むな! 次だ!」
パラレルの声が響く。爆煙が消えた時、ガバイトはまたも姿を消している。
「またか……ルカリオ、今度こそ奴の位置を!」
ルカリオは目を閉じ、再びガバイトの位置を探る。
「遅いと言っている! ガバイト、行け!」
次の瞬間、ルカリオの背後からガバイトが飛び出す。
鋭い爪の切っ先を、ルカリオへ突き立てる。
しかし。
「それはどうかな! ルカリオ、発勁!」
ルカリオが目を見開き、背後へ波導を纏った右手を思い切り突き出す。
襲撃を仕掛けたガバイトの腹部に右手を叩き込み、逆に吹き飛ばした。
「なにっ……!? ガバイト、一旦戻って来い。立て直すぞ」
ガバイトは素早く地面へと潜り、パラレルの近くから姿を現わす。
「今のタイミングで穴を掘るを使うのは分かってたよ。だからすぐにルカリオにガバイトの位置を探らせたんだ。同じ手は効かないよ」
「ほう、思っていたより少しはやるようだな。先程の発言は撤回しよう」
全く変化しなかった表情に僅かに笑みを浮かべ、パラレルはそう言い返す。
その上で、
「だがやはりお前は俺には勝てない。勝負にはなるだろうが、このガバイトを倒せたとしても相討ちがいいところか」
「そんなの、やってみなきゃ分からないだろ」
「俺には分かるのさ。バトルをしていれば、やがて分かる。さあ、続けるぞ」
「絶対に勝ってやる……ルカリオ、この勝負、絶対勝つよ」
ハルとルカリオ、そしてパラレルとガバイト。
お互いの敵をその瞳に映し、バトルが再開される。