二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第88話 顎斧 ( No.153 )
- 日時: 2017/02/13 17:23
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- 参照: 突然襲いかかってきた襲撃者は、野生のオノンドだった。
突然襲いかかってきた野生のポケモン、オノンド。
対するハルは、エーフィを繰り出して応戦する。
先にオノンドが殴り込んできた。龍の力を爪に纏わせ、エーフィに向けて振りかざす。
「エーフィ、躱してサイコショット!」
突っ込んでくるオノンドの龍爪を躱し、エーフィは額の珠に念力を溜め込み、サイコパワーの念弾を発射する。
だがオノンドも対応が早い。長い牙に炎を灯して牙を振り抜き、念弾を切り裂いてしまった。
「今のは炎の牙……それに最初の技は、ドラゴンクローか」
バトルから気を逸らさないように気をつけつつ、ハルは図鑑を取り出して情報を調べる。
「エーフィの得意技を一撃で壊す……なかなか攻撃力が高いな……このオノンド、ちょっと欲しいかも」
この洞窟一帯を縄張りとしているだけあって、実力は高そうだ。
ハルの手持ちはまだ四匹。そろそろ新しい仲間が欲しい頃だ。このオノンドをゲット出来れば、頼もしい仲間になってくれるだろう。
そうこうしている間に、オノンドは再び突っ込んできた。
「エーフィ、躱してスピードスター!」
身軽にオノンドの牙を躱し、エーフィは二股の尻尾を振り抜いて無数の星形弾を飛ばす。
オノンドは星形弾を躱そうとするが、必中の星形弾は軌道を変え、確実にオノンドを捉える。
「いいぞエーフィ、続けてシャドーボール!」
続けて、エーフィの額の珠が黒く染まり、黒い影の弾が放出される。
対して、オノンドは龍の力を帯びた爪を構えて突っ込んでくる。
龍爪を振り抜いて影の弾を破壊すると、さらに今度は牙を構えて突撃し、エーフィを切り裂き、吹き飛ばした。
「っ、エーフィ! 大丈夫!?」
ゆっくりと立ち上がるエーフィだが、ダメージが大きい。
技を確認すると、
「シザークロス……虫技を持っているのか……」
虫タイプの技は、エスパータイプのエーフィには効果抜群となる。
そしてオノンドもシザークロスがよく効くことに気づいたようで、続けざまに再び牙を構えて突っ込んで来る。
「そう何度もは当たらないぞ。エーフィ、躱してサイコショット!」
今度は跳躍してオノンドの牙を確実に躱し、勢い余って後方に飛んでいくオノンドの背中へ念力の弾を放つ。
飛び上がったエーフィの方を振り返ったオノンドの顔面に、サイコパワーの念弾が直撃した。
「エーフィ、スピードスター!」
さらにエーフィは尻尾を振って無数の星形弾を飛ばす。
この技は躱せないと理解したようで、オノンドは手刀を振るうように牙を叩きつけ、星形弾を破壊する。
「最後の技は瓦割りか……エーフィ、一旦離れてサイコショット!」
エーフィはその場からジャンプしてオノンドから距離を取り、サイコパワーの念弾を放つ。
突撃を仕掛けようとしたオノンドに念弾が直撃し、オノンドは体勢を崩す。
「よし……! 今だ!」
オノンドが転んだところに、ハルはモンスターボールを取り出し、それを投げつける。
モンスターボールがオノンドの額に当たると、ボールが開き、オノンドを吸い込む。
ボタンが赤く点滅し、激しく揺れる。
しかし、
「……っ! まだだめか!」
オノンドはモンスターボールを突き破り、中から出てきてしまう。
荒々しく吼えると、オノンドは再び龍の力を帯びた爪を構えて突っ込んでくる。
「エーフィ、スピードスター!」
対するエーフィは無数の星形弾を放つが、オノンドは爪を突き出して強引に突っ込み、星形弾を打ち破り、その奥にいるエーフィに斬撃を与えて吹き飛ばす。
オノンドの攻撃はそこで終わらず、さらに牙で切りかかって来る。
「っ、エーフィ、シャドーボール!」
咄嗟にエーフィは倒れたままくらい影の弾を放つが、影の弾はオノンドの牙に押し負け、威力は弱めたものの、エーフィは再び切り裂かれてしまう。
「エーフィ!」
吹き飛ばされるエーフィに対し、オノンドは爪に龍の力を纏わせ、飛び出してくる。
ようやく立ち上がったエーフィ。普通ならば回避できる余裕はないが、
「エーフィ! マジカルシャイン!」
エーフィの額の珠が白く輝き、周囲に純白の光が放出される。
オノンドの腕の龍の力を容易く打ち消し、さらにオノンドを光に飲み込み、吹き飛ばした。
「今度こそ! いけっ!」
ハルはもう一度モンスターボールを取り出し、オノンドへと投げる。
地面に横たわるオノンドに当たると、再びオノンドをボールの中へと吸い込んだ。
地面に落ちたモンスターボールはボタンを点滅させながら何度か揺れ、やがて動きを止める。
「……よし! オノンド、ゲットだ!」
その後、まずは体力を消耗したエーフィに好みのモモンの実をあげ、捕まえたオノンドをボールから出す。
オノンドはまだ興奮が収まらない様子だが、自分を打ち負かしたエーフィに睨まれているためか、ハルに攻撃はしてこない。
「オノンド。君は黒い服の人たちに縄張りを荒らされて怒ってたんだよね。あの黒い服の人たちは、僕の敵でもあるんだ。同じ目的を持つ者同士、僕と一緒に来て欲しいんだ」
ハルがまっすぐにオノンドの目を見てそう言うと、オノンドは不承不承と言った感じではあるが頷いた。
ハルはにっこり微笑み、いくつか木の実を差し出す。
オノンドは少し戸惑っているようだったが、そのうち、ハルの差し出したものの中から、赤いクラボの実にかぶりついた。どうやら辛い味が好みらしい。
新しい仲間としてオノンドを手持ちに迎え入れ、ハルは今度こそイザヨイシティを目指す。
「あれ……?」
トンネルの出口を抜けたハルは、そこで愕然とすることになった。
最先端の科学技術で作られたような施設や設備は一つも見当たらず、寧ろハルを出迎えたのは古びた空き家のような建物の数々。
さらに、ろくに管理もされていないのか、そこら中に粗大ゴミが投げ捨てられている。
どう考えても、ここが科学技術の最先端、イザヨイシティとは思えない。
不審に思い、ハルはターミナルを取り出して地図を確認する。
「嘘……でしょ……!?」
どこで道を間違えたのか。
ハルがやって来てしまったこの場所は、ノワキタウンだった。