二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第98話 ジムバトル! ノワキジムⅡ ( No.169 )
日時: 2017/05/15 23:02
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)

「ファイアロー、アクロバット!」
ファイアローが軽快にヤミラミの周囲を飛び回り、翼を振るって奇襲を仕掛ける。
「ヤミラミ、シャドーパンチ!」
ヤミラミが拳を構えるが、それよりも早くファイアローの翼がヤミラミの脳天に叩きつけられる。
「続けてニトロチャージ!」
さらにファイアローが体に炎を纏うが、そこで虚空から黒い影の拳が飛び出し、ファイアローを殴り飛ばす。
「炎タイプには鬼火は効かねえが、当然対策はしてるぜ。ヤミラミ、パワージェム!」
ヤミラミの瞳がギラリと輝き、その瞳から白く煌めく光の弾が次々と撃ち出される。
「岩技、まずい……! ファイアロー、躱して!」
空中を飛び回り、ファイアローは光の弾を躱していく。何発もの光弾が飛んで来るが、ファイアローはそれらを全て躱し切った。
「岩技を持っているのか……慎重に戦わないとな……」
炎と飛行タイプのファイアローは、岩技に致命的に弱いのだ。
「さあ、どうする? ヤミラミ、シャドーパンチ!」
「ファイアロー、鋼の翼で防御だ!」
ヤミラミが拳を構えると同時に、ファイアローは翼を鋼の如く硬化させる。
虚空から飛び出す影の拳を、硬い翼で受け止めると、
「ブレイブバード!」
燃え盛るような紅蓮のオーラを身に纏い、猛スピードで突貫する。
「ヤミラミ、ダークロアー!」
耳をつんざくような金切り声を上げ、ヤミラミが音波を放つも、ファイアローの渾身の突貫はその音波を容易く撃ち破り、ヤミラミに激突、大きく吹き飛ばした。
「やるじゃねえの! だが反動が痛えだろう、ヤミラミ、シャドーパンチ!」
ブレイブバードは強力な技だが、反動ダメージにより隙も大きい。
ヤミラミはその隙を狙い、吹き飛ばされながらも拳を構え、虚空から影の拳を突き出し、ファイアローを殴り飛ばした。
「ヤミラミ、パワージェム!」
さらにヤミラミは宝石の瞳を煌めかせ、輝く光の弾を次々と発射していく。
「これだけは受けられない……ファイアロー、何とか躱して!」
体勢が整わないながらも、ファイアローは強靭な翼を羽ばたかせて体を動かし、光弾をどうにか躱し切った。
「逃がさねえぜ! ヤミラミ、ダークロアー!」
だがすぐさまヤミラミが金切り声と共に音波を放ち、ファイアローへと追撃を仕掛ける。
「だったら、ニトロチャージ!」
音波を耐え抜き、ファイアローは体に炎を纏い、ヤミラミへ突っ込んでいく。
元々ヤミラミの動きは鈍く、素早いファイアローの動きを躱せず、炎の突撃を受けてしまった。
「まだまだぁ! パワージェムだ!」
立ち上がったヤミラミは瞳を輝かせ、煌めく光の弾を次々と撃ち出していく。
「パワージェムは岩技、それなら……鋼技に弱い! ファイアロー、打ち破れ! 鋼の翼!」
強靭な翼を鋼の如く硬化させ、ファイアローは光弾の中へと突っ込んでいく。
宝石の光弾を両断しつつ、一気に突き進み、硬い翼をヤミラミへと叩きつけた。
「なにっ……!」
「今だファイアロー! ブレイブバード!」
よろめくヤミラミを狙って、ファイアローは燃え盛るオーラを身に纏い、渾身の突貫を繰り出す。ヤミラミに激突し、その小柄な体を大きく吹き飛ばした。
地面に落ちたヤミラミはなおも起き上がろうとするが、そこで力尽き、戦闘不能となった。
「やられたか。仕方ねえ、ヤミラミ、戻りな」
倒れたヤミラミをボールへと戻し、メイゲツは次のボールを取り出す。
「なかなかやるじゃねえか。それじゃあ次はこいつだぜ。出てきな、ノクタス!」
二番手としてメイゲツが繰り出したのは、サボテンのように棘を纏った緑色のカカシのようなポケモンだ。

『information
 ノクタス カカシ草ポケモン
 夜になると動き出し砂漠の暑さで
 疲れ果てた獲物を見つけ出し襲う。
 昼間は立ったままで眠っている。』

草と悪タイプを持つポケモン、なのだが、
「ファイアローに対して、草タイプのポケモン……?」
普通なら有利な対面なのだが、ハルは寧ろ警戒を強める。
何しろ相手はジムリーダーだ。交代はチャレンジャーのみと決められたルールにおいて、それでもタイプ相性が不利なポケモンを出してくるということは、何かしらの対策を講じているということ。
「……ファイアロー、相手は有利なタイプのポケモンだけど、油断しないで。相手はメイゲツさん、きっと何か策がある。気をつけて戦うよ」
ハルの言葉を聞き、ファイアローは振り返って頷く。
「よし、行くよ! ファイアロー、アクロバット!」
軽快かつ不規則な動きで素早く飛び回り、ファイアローは不意を突いてノクタスへと翼を叩きつける。
しかし、

「ノクタス、ニードルガード!」

ノクタスが両手を突き合わせると同時に腕から無数の棘を伸ばし、棘だらけの腕を盾にファイアローの攻撃を防ぐ。
さらにそれだけにとどまらず、鋭い棘がファイアローに突き刺さり、動きを止められてしまう。
「ハイドロポンプ!」
腕の棘を引っ込め、すぐさま右腕を突き出し、ノクタスは掌から体内に溜め込んだ水を大量に噴射する。
「っ……水技!?」
棘を刺されて素早く動けず、ファイアローは大量の水を受けて吹き飛ばされてしまう。
ヤミラミ戦でのダメージも重なり、戦闘不能になってしまった。
「攻撃力もかなり高いな……ファイアロー、よく頑張った。休んでてね」
ファイアローをボールに戻すと、ハルは次のボールを手に取る。
「なら、君の出番だ。出てきて、オノンド!」
ハルが二番手に選んだのはオノンド。ノクタスに対して効果抜群を取れる技を三つも持っており、水技だけでなく覚えているであろう草技もダメージを抑えられる。
「ドラゴンタイプのオノンドか。いいぜ、どこからでもかかってきな」
「それじゃあ、行きますよ! オノンド、シザークロス!」
長い牙を構え、オノンドが地を蹴って飛び出す。
「ノクタス、ニードルガード!」
だがやはりノクタスは腕を突き合わせて無数の棘を伸ばし、オノンドの牙による斬撃を受け止めると同時に、棘をオノンドへと突き刺す。
「っ、ガードも硬い……もしかしてこの技、守るとかキングシールドみたいな防御技……?」
「そういうことだね。ニードルガードは相手の攻撃を必ず防御し、触れた相手には棘を突き刺して逆にダメージを与える。物理技主体のポケモンじゃ、こいつを突破するのは難しいぜ。ノクタス、ニードルアーム!」
棘だらけの腕をそのまま振り抜き、ノクタスはオノンドを弾き飛ばすと、
「悪の波動だ!」
両腕を構え、悪意に満ちた漆黒の波動の光線を発射する。
「オノンド、躱して!」
ニードルアームを受けたオノンドだが、素早く受け身を取って起き上がり、悪の波動を飛び退いて躱す。
(とりあえず技は全部見えた。通りのいい技は悪の波動だけ……だけど元々の火力が高いし、ニードルガードもある。慎重に戦わないと)
「休む暇はないぜ? ノクタス、ハイドロポンプ!」
ハルが思考を巡らせる間にも、ノクタスは追撃を放ってくる。
「オノンド、躱してドラゴンクロー!」
放たれる大量の水流を躱し、オノンドは腕に龍の力を纏わせ、地を蹴って飛び出す。
「ノクタス、弾き飛ばせ! ニードルアーム!」
対するノクタスも腕から無数の棘を伸ばし、棘だらけの腕を振るってオノンドを迎え撃つ。
互いの一撃が火花を散らして拮抗するが、競り合った末にノクタスが打ち勝ち、オノンドを叩き飛ばす。
「悪の波動!」
「まだまだ! 炎の牙!」
両手を構えて黒い波動の光線を放つノクタスに対し、オノンドは長い牙に灼熱の炎を纏わせ、黒い光線を掻い潜り、ノクタスへと牙を剥く。