二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第108話 砂鮫 ( No.184 )
- 日時: 2017/06/09 11:03
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
『information
ガブリアス マッハポケモン
高速で大地を駆け抜けて跳躍し
ジェット機並みの速度で空を飛ぶ。
頭の突起はセンサーの役目を持つ。』
パラレルの二番手は、ハダレタウンのアジトで見た、彼のエースであろうガバイトの進化系。
腕と背中にサメのようなヒレを持つ、青い体躯のドラゴンポケモン、ガブリアス。
「ガブリアス……ドラゴンタイプの最終進化系か」
以前戦ったガバイトの時点でかなりの実力を持っていたが、今回はさらにその進化系が相手。
「だけど、今の僕たちなら勝てる! エーフィ、サイコショット!」
額に念力を溜め込み、エーフィはサイコパワーの念弾を発射する。
しかし、
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
砂煙の中に紛れるように、ガブリアスの姿が掻き消えた。
「えっ……?」
突然消えたガブリアスに戸惑うハル。
そして気づいた時には既にガブリアスはエーフィの背後に回り込んでおり、龍の力を纏った爪がエーフィを切り裂いた。
「なっ……エーフィ!?」
龍爪の斬撃を受け、エーフィはその一撃で戦闘不能となってしまう。
「強い……エーフィ、ありがとう。休んでて」
エーフィをボールに戻し、ハルは次のボールを手に取る。
パラレルの目は、無言で告げる。エースを、ルカリオを出せ、と。
「……勿論、そのつもりだよ。出てきて、ルカリオ!」
ハルが二番手に選ぶはルカリオ。タイプ相性は不利だが、相手のエースにはエースをぶつけるしかない。鋼タイプのルカリオならば砂嵐も効かない。
「さあ、メガシンカを使え。全力で俺と勝負しろ。そうすれば、俺はもっと強くなれる」
「言われなくても、そのつもりだよ」
ハルが右手を掲げ、キーストーンが輝く。
「僕と君の、絆の力に応えて! ルカリオ、メガシンカ!」
ハルのキーストーンとルカリオのキーストーンの光が繋がり、七色の光がルカリオを包む。
波導の力とメガシンカエネルギーがルカリオの体内を駆け巡り、咆哮と共にルカリオはメガシンカを遂げる。
「準備は整ったな。始めるぞ。ガブリアス、穴を掘る!」
バトル開始と同時に、ガブリアスは硬い金属の床を砕き、地面へ潜る。
以前見た手法と同じ。天井は分厚いようでガブリアスが下階に落ちることはなく、背ビレだけを出したままルカリオへと突っ込んでくる。
「確か背ビレの強度はかなり強かったはず……ルカリオ、躱して発勁!」
地中から強襲を仕掛けてくるガブリアスの攻撃を躱し、ルカリオは右手に燃える炎の如き波導を纏わせる。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
鋭い爪に蒼い龍の力を纏わせ、ガブリアスが龍爪を振り下ろす。
ルカリオの波導の右手と激突し、互角に競り合う。
「っ、流石はドラゴンポケモン……メガシンカしたルカリオの力と互角に渡り合えるなんて」
せめぎ合った末、両者は離れ、再び構え直す。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
ルカリオの右手を纏う波導が形を変え、長い骨のロッドを作り出す。
骨のロッドを手にし、ルカリオは地を蹴って飛び出していく。
「ガブリアス、躱せ。大文字!」
しかし、ガブリアスの姿は再び砂嵐の中に掻き消えてしまう。
ルカリオがガブリアスの姿を見失い、直後、ガブリアスはルカリオの斜め後ろに現れ、大きく息を吸い込む。
「ルカリオ、右斜め後ろ! 躱してサイコパンチ!」
ハルの指示で即座に反応し、ルカリオはガブリアスの噴き出した大の字型の炎を跳躍して回避、そのまま上空から念力を込めた拳で殴りかかる。
「躱せ」
しかし、またしてもガブリアスは砂嵐に紛れ、ルカリオの拳を躱してしまう。
「っ、速い……もしかして、特性?」
そこで勘付いたハルは素早く図鑑を取り出し、ガブリアスの特性を確認する。
「……! 砂隠れ……?」
「そうだ」
無表情のまま、パラレルはそう返す。
「ガブリアスの特性は砂隠れ。砂嵐下において回避率が上がる……つまり相手の技を避けやすくなる」
ルカリオの拳を躱したガブリアスは、パラレルの元へと戻ってくる。
「続けるぞ。ドラゴンクロー!」
両腕に蒼い光の龍爪を携え、ガブリアスが地を蹴って飛び出す。
「ルカリオ、発勁!」
ルカリオの右手から、青い炎のように波導が噴き出す。
振り下ろされるガブリアスの両腕を、ルカリオは右手を振るって捌いてゆき、
「波導弾!」
両腕の爪の動きが隙を狙い、右手を纏う青い波導が念弾に形を変えて放出され、ガブリアスの腹部に直撃した。
「よし、ルカリオ! もう一度波導弾!」
ルカリオが右手を突き出し、もう一度波導の念弾を放出する。
「必中技か。ならば……ガブリアス、穴を掘る!」
再びガブリアスは地中に潜り、背ビレだけを出して突撃する。
硬い背ビレは波導の念弾を両断し、ルカリオへと迫る。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
地中から強襲を仕掛けるガブリアスに対し、ルカリオは手にした長い骨のロッドの先端をガブリアスの腹部へ突き立てる。
そのままロッドでガブリアスを押し飛ばして体勢を崩させ、
「発勁!」
すぐさま骨のロッドを青い炎の如き形に変えて右手に纏わせ、ガブリアスへ右手を叩き込む。
「躱せガブリアス。アイアンヘッド!」
だがやはりガブリアスは砂嵐に紛れて姿を消し、ルカリオの右手はガブリアスには届かない。
直後、ルカリオの背後からガブリアスが鋼の如く硬い頭部を叩きつけ、ルカリオを吹き飛ばした。
「燃やせ。大文字!」
さらにガブリアスは大きく口を開き、大の字の形に燃え盛る炎を噴き出す。
「ルカリオ、波導弾!」
炎を前にしてすぐさまルカリオは起き上がり、突き出した右手から波導の念弾を放つ。
青い念弾は大文字の中心で炸裂し、炎を打ち消す。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
「ルカリオ、発勁!」
ガブリアスが爪に蒼い龍の力を構え、ルカリオは右手に燃える炎の如き波導を生み出し、両者同時に地を蹴り、突撃する。
力を纏ったお互いの腕が激突し、火花を散らして激しく競り合う。
「アイアンヘッド!」
だがその直後、鋼の如く硬化されたガブリアスの頭がルカリオの額に叩きつけられ、ルカリオを吹き飛ばす。
「続けろ。穴を掘る!」
さらにガブリアスは床下へ潜り、背ビレだけを出して一気にルカリオとの距離を詰める。
「っ……そうだ、ルカリオ、屈んで!」
ガブリアスが地中から飛び出してきたその瞬間、ルカリオはその場に屈む。
咄嗟のことにガブリアスは目測を誤り、ルカリオのすぐ真上を通過してゆき、
「発勁!」
ルカリオはそのまま真上に波導を纏った右手を突き出し、ガブリアスを宙に打ち上げた。
「……っ!」
「今だ! ルカリオ、波導弾!」
打ち上げられたガブリアスに向け、ルカリオは青い波導の念弾を放出する。
「ガブリアス、大文字!」
だが空中でガブリアスは大きく息を吸い込み、大の字型に燃える炎を噴き出す。
波導の念弾は炎の中心を捉えて炸裂し、お互いの技は打ち消される。
「ガブリアス、急降下しろ。ドラゴンクロー!」
「ルカリオ、迎え撃つよ! 発勁!」
ガブリアスが空中で両腕の爪に蒼い龍の力を纏い、急降下してルカリオを狙う。
対するルカリオは右手から青く燃え盛る炎の如き波導を噴き出し、地を蹴って勢いよく跳躍する。
ガブリアスの龍爪とルカリオの波導の右手が激突し、競り合った末に爆発を起こす。