二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第121話 ジムバトル!イザヨイジムⅥ ( No.199 )
日時: 2017/06/29 11:29
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)

「ルカリオ、発勁!」
ルカリオが右腕を振るうと、その右手から燃える炎のような青い波導が噴き出す。
波導を纏った右手を構えてルカリオは一気に飛び出し、ハガネールの胴体へ右手を叩きつける。
対して、
「ハガネール、ぶち壊す」
結晶体の体へ波導の右手を叩きつけられたハガネールは、怯むことすらせずに右手を弾き返し、巨大な尻尾を動かす。
弾かれて逆に体勢を崩すルカリオへ、結晶化した尻尾を振り下ろし、ルカリオを吹き飛ばした。
「っ、ルカリオ!」
幸いにも効果今一つ、ルカリオはすぐに立ち上がる。
しかし今の一撃だけで、ハガネールの攻撃力はかなりのものだと分かった。
「防御力はピカイチ、攻撃力も侮れない。強敵だけど……これならどうだ! ルカリオ、波導弾!」
右手を覆う青い波導を球体へ変え、ルカリオは波導の念弾を撃ち出す。
必中の念弾はハガネールの顔へ向けて正確に飛び、そのまま直撃した。
顔面に攻撃を受け、ハガネールは少し後ずさりする。
「さっきより通りがいい……少なくとも特防は防御よりは低いみたいですね」
とりあえず、突破の糸口を一つ掴むハル。しかし、
「フフフ、その通りヨ。だけどそれが分かっただけじゃ、このハガネールは倒せないワ」
己のポケモンの弱点はマキナもよく分かっているはず。ハルが掴んだのは、まだ糸口の一つに過ぎない。
「反撃ヨ。ハガネール、地震攻撃」
ハガネールが咆哮し、それに呼応して大地が振動する。
「ルカリオ、躱して龍の波導!」
ルカリオは跳躍して地を這う衝撃波を躱し、両手から波導を生み出し、輝く龍の形をした波導の光線を放つが
「メタルブラスト」
突如、ハガネールの周囲を回転する金属片が一斉に光り、無数の鋼エネルギーの光線が発射される。
龍の波導はハガネールを捉えるが、その直後、ルカリオも無数の鋼の光線を浴び、床に叩き落とされる。
「ハガネール、グランボールダ」
立て直したハガネールが尻尾を地面に叩きつけると、今度は地中から無数の岩が浮かび上がる。
出現した岩は少し空中に浮遊した後、一斉にルカリオへと飛来する。
「ルカリオ、躱して発勁! 顔を狙って!」
右手に波導を纏わせ、ルカリオは地を蹴って飛び出す。
襲い来る大小無数の岩を躱し、時には足場に使って跳躍し、ルカリオは無数の岩を乗り越えてハガネールの顔面へと迫る。
ハガネールの脳天へと波導の右手が叩き込まれ、ハガネールは僅かに仰け反る。物理技でも、やはり顔へはそこそこ通るようだが、
「メタルブラスト」
一瞬遅れてハガネールの周囲の金属片が輝き、一斉に鋼エネルギーの光線が放射される。
空中にいたルカリオには躱すことができず、光線をまともに浴びて吹き飛ばされてしまう。
「っ、やっぱり硬い……! 動きは遅いけど、ここまで硬いと関係ないよね……」
このハガネールは動作自体は極めて遅い。同時に攻撃を繰り出しても、ルカリオの攻撃が先に当たるほど。
しかしそれを補って有り余るハガネールの長所は、その圧倒的な防御力。
胴体への物理攻撃は効果抜群の攻撃ですらほぼ通用せず、弱点の顔に特殊攻撃を当てても怯みこそするものの、すぐさま反撃を繰り出してくる。
さらに遠距離への攻撃も備えているため、結果的に攻防の隙がほとんどない。
「ハガネール、地震」
再びハガネールが咆哮し、フィールドが大きく揺れる。
「ルカリオ、躱して波導弾!」
ルカリオは跳躍して地震の衝撃を躱すと、両手に波導を纏わせて掌を突き出し、波導の念弾を放つ。
「ハガネール、グランボールダ」
対するハガネールが尻尾で床を叩くと、再びその周囲へ無数の岩が浮かび上がる。
複数の岩が波導弾の行く手を阻み、念弾を打ち消し、その直後に残った岩が一斉にルカリオへと向かってくる。
「ルカリオ、弾き飛ばして! ボーンラッシュ!」
両手を覆う波導を長い骨の形に変え、骨のロッドを振るい、ルカリオは迫り来る岩を砕き、弾き飛ばし、どうにかやり過ごす。
「メタルブラスト」
しかし休む間も無く、ハガネールの周囲の金属片が一斉に光を放つ。
「ルカリオ、迎え撃つよ! 龍の波導!」
手にした骨のロッドをさらに龍の形に変え、ルカリオは輝く龍の波導を放つ。
それと同時にハガネールも無数の金属片から鋼エネルギーの光線を発射。双方の攻撃が激突し、競り合った末に爆発を起こす。
「今だ! ルカリオ、波導弾!」
ルカリオが掌を突き出し、爆煙の向こうのハガネールへと青い波導の念弾を発射する。
必中の念弾は煙の中を突っ切り、確実にハガネールを捉えるが、
「ハガネール、地震」
大気を揺るがす咆哮によって爆煙は吹き飛び、間髪入れずに大地が揺れる。
「っ、ルカリオ、床に発勁!」
波導を纏った右手を床へと叩きつけ、ルカリオは何とか衝撃波を食い止める。
「ハガネール、ぶち壊す」
しかしその直後、ハガネールが巨体を生かしてルカリオを押し潰しにかかる。
「まず……っ!? ルカリオ、躱して!」
咄嗟に横へと飛び退き、何とかハガネールの体全体による攻撃を躱すルカリオ。しかし、
「メタルブラスト」
全ポケモンの中でもトップクラスの重量を持つハガネールが地面に激突、それによって大きな揺れが生じ、ルカリオが体勢を崩す。
その隙を突き、ハガネールの周囲の金属片が輝き、ルカリオへ向けて一斉に鋼エネルギーの光線が発射される。
体勢を崩したルカリオを無数の光線が貫き、吹き飛ばした。
「まだだ! ルカリオ、ボーンラッシュ!」
受け身を取って起き上がり、ルカリオは長い骨のロッドを構えて飛び出す。
起き上がろうとしているハガネールの頭へ飛び乗り、踊り狂うように長い骨を振り回し叩きつけ、そして反撃が来る前に素早く飛び退く。
「ハガネール、起きなさい。もう一度メタルブラスト」
自ら床に倒れたハガネールがゆっくりと起き上がり、回転する金属片が輝き、一斉に鋼エネルギーの光線を発射する。
「ルカリオ、波導弾!」
ルカリオの持つ骨のロッドが、青い念弾へ形を変える。
掌から放出された青い念弾は、無数の鋼エネルギーの光線と激突し、競り合った末に爆発する。
「ハガネール、地震」
そしてハガネールは大気と大地を揺るがす咆哮を上げ、爆煙を薙ぎ払い、地面を大きく揺らす。
「ルカリオ、躱して! ジャンプだ!」
素早く跳躍し、ルカリオはハガネールの起こす地震の衝撃波を躱す。
ハルの次の指示が分かっているのか、その右手から炎が吹き出すように青い波導が出現し、右手を覆った。
「ルカリオ、発勁!」
右手に波導を纏ったルカリオは、着地するとすぐさま地を蹴り、ハガネールへと一気に突撃していく。
「ハガネール、ぶち壊す」
対するハガネールは大きく体を捻らせ、結晶体となった尻尾を持ち上げ、ルカリオを迎え撃つように思い切りその尻尾を振り下ろす。
ルカリオの波導の右手と、ハガネールの結晶体の尻尾が激突。
火花を散らすほどの激しい競り合いが続き、ぶつかり合う力は遂に限界を超え、爆発を起こした。
「っ、ルカリオ!」
「ハガネール、まだヨ」
爆発に巻き込まれてルカリオが吹き飛ばされ、ハガネールも爆風を受けてぐらりとその巨体を揺らし、体勢を崩す。
しかし。

「ハガネール、グランボールダ」

その次の動きは、ハガネールの方が速かった。
尻尾で床を打ち鳴らすと、地面に倒れ起き上がろうとするルカリオの周囲から、大小無数の岩が浮かび上がる。
「捕らえなさい」
緑色の瞳を光らせ、マキナがそう言い放った直後。
無数の岩が一斉に狙いを定め、ルカリオへと襲い掛かる。