二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第28話 VSサヤナ!1 ( No.72 )
日時: 2016/11/20 12:54
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: /yMGlo86)
参照: 同じ日に旅立ったライバル同士、いざバトル!

「それじゃあ私、ハルの知らないポケモン三匹で戦うね!」
バトル前に、サヤナはそんなことを言い出す。
「せっかくカザハナで別れたんだから、旅の成果を見せたいじゃない? だから、別のポケモンを使うよ」
「なるほど。それじゃあ、僕もリオル以外の三匹を使おうかな」
ワルビルは見せてしまっているが、まぁ仕方ない。
二人はボールを選び直し、ポケモンを繰り出す。
「出てきて、ヒノヤコマ!」
「頼んだよ、ミニリュウ!」
ハルは初手をコフキムシ、もしくはその進化系と予想してヒノヤコマを繰り出す。
しかし、サヤナのポケモンは違った。青く細長い幼龍のようなポケモンだ。

『information
 ミニリュウ ドラゴンポケモン
 生命エネルギーの膨らみが激しく
 それに対応するためひたすら脱皮する。
 限界にまで到達すると進化する。』

「水辺でたまたま出会った子なの。とっても珍しいポケモンなんだよ!」
自慢げにサヤナは胸を張る。
「ヒノヤコマってことは、ハルのヤヤコマ、進化したんだね!」
「まぁね。カザハナジムで活躍してくれたんだ」
「私も負けられないなー。それじゃ、始めるよ! ミニリュウ、水の波動!」
ミニリュウが水の力を溜め込み、それを一点に集めて水の弾を放つ。
「水技を持ってるのか……ヒノヤコマ、躱して疾風突き!」
ヒノヤコマは嘴を突き出し、猛スピードで突撃する。
効果抜群の水技を躱しつつ一気に距離を詰め、嘴でミニリュウを突き飛ばす。
「ミニリュウ、叩きつける!」
直後、ミニリュウが丸めていた体を伸ばす。
華奢ではあるが2メートルもあるその体は飛び去るヒノヤコマを難なく射程範囲内に捉え、尻尾をヒノヤコマに叩きつけた。
「っ、ヒノヤコマ、立て直して! ニトロチャージ!」
対してヒノヤコマは素早く体勢を立て直し、炎を纏って突撃する。
「ミニリュウ、龍の息吹!」
ミニリュウが龍の力を帯びた息吹を吹き出して迎撃するが、ヒノヤコマはそれを躱しながらミニリュウに迫り、炎の突進を直撃させた。
「よし、もう一度ニトロチャージだ!」
ドラゴンタイプに炎技の効きはよくないが、スピードをさらに上げるため、再びヒノヤコマは旋回して突撃、もう一度ミニリュウに突進を食らわせる。
しかし。

「ミニリュウ、電磁波!」

ヒノヤコマの突撃を受けてもミニリュウは踏み止まり、微弱な電撃の波をヒノヤコマにぶつける。
「っ! ヒノヤコマ!」
ダメージはないようで、ヒノヤコマはハルの元へと戻ってくる。
だがその様子がおかしい。体が痺れているようで、スピードも落ちている。
「電磁波……麻痺状態か……」
電磁波は相手を麻痺させる技。麻痺状態になったポケモンは素早さが下がり、さらに時々痺れが強くなり、動けなくなってしまう。
「これでニトロチャージのスピードは怖くない! さあ反撃だよミニリュウ、水の波動!」
麻痺を受けたヒノヤコマに向けて、ミニリュウは水の弾を放出する。
「っ、ヒノヤコマ、躱して!」
痺れに耐えてヒノヤコマは上昇し、水の弾を回避する。
「疾風突き!」
嘴を突き出し、ヒノヤコマは猛スピードで飛び出す。
疾風突きは先制技なので麻痺の速度低下の影響を受けず、一瞬のうちにミニリュウとの距離を詰めて、嘴で突き飛ばす。
「甘いよ! 龍の息吹!」
突き飛ばされたミニリュウはすぐさま龍の力を帯びた息吹を放って反撃する。
素早く飛び去ろうとするヒノヤコマだが、スピードの低下によって避けきれず、息吹を受けて吹き飛ばされる。
「続けて水の波動!」
「くっ、エアカッター!」
さらにミニリュウは再び水の弾を放つが、ヒノヤコマは翼を羽ばたかせて風の刃を放ち、何とか水の波動を食い止めた。
「ミニリュウ、龍の息吹!」
「ヒノヤコマ、躱してアクロバット!」
ミニリュウが龍の力を帯びた息吹を放ち、ヒノヤコマはそれを躱して身軽に距離を詰めていく。
麻痺しているがそれでもニトロチャージの分はあるので極端に素早さが落ちているわけではなく、ヒノヤコマがミニリュウの眼前まで迫る。
「ミニリュウ、叩きつける!」
ヒノヤコマに突き飛ばされた直後、ミニリュウが体を伸ばし、尻尾をヒノヤコマに叩きつけて吹き飛ばす。
「龍の息吹!」
吹き飛ぶヒノヤコマに向けてミニリュウが龍の力を帯びた息吹を放出。ヒノヤコマは避けられずに、息吹の直撃を受けてしまう。
「ミニリュウ、その調子で叩きつける!」
撃墜されて地面に落ちるヒノヤコマに対し、動き出したミニリュウが尻尾を振り上げる。
「っ、まだだ! ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
尻尾が叩きつけられる直前、ヒノヤコマが自身を鼓舞するように鳴き、その身に炎を纏う。
間一髪のところでヒノヤコマは翼を広げて飛び出し、振り下ろされる尻尾を逃れ、その直後、ミニリュウの背後から炎の突進でミニリュウを突き飛ばす。
「疾風突き!」
「水の波動!」
吹き飛ばされるミニリュウを追ってヒノヤコマは高速で向かっていく。
ミニリュウが起き上がり、水の弾を放とうとするが、それよりも早くヒノヤコマの嘴がミニリュウを突き飛ばした。
「ミニリュウ!」
まだ進化していないからか耐久力はあまりないらしく、ミニリュウは戦闘不能となって倒れてしまった。
「うーん、やっぱりまだまだ耐久力が足りないなぁ。もっと鍛えてあげなきゃ。ミニリュウ、お疲れ様だよ」
ミニリュウをボールに戻して、サヤナは次のボールを取り出す。
「そのヒノヤコマ、なかなかやるねー。それじゃあ、次はこの子! 出番だよ、コドラ!」
サヤナの二番手は、鋼の鎧を持つ四足歩行のポケモン。

『information
 コドラ 鉄鎧ポケモン
 湧き水の近くに巣を作り鉄鉱石を
 掘り出して食べる。鉄を取りに来る
 人間と争いになることがある。』

鋼と岩タイプを持つポケモン、コドラ。防御に優れたポケモンだ。
「コドラは鋼タイプも持ってるから、炎技は通る。ヒノヤコマ、悪いけどもう少し頑張ってね」
ダメージは小さくないが、それでもやる気充分にヒノヤコマは鳴く。
「よし、ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
炎を纏い、ヒノヤコマが飛び出す。炎弾のように、一気にコドラへと向かっていく。
しかし、
「コドラ、ロックスパイク!」
コドラが前脚でフィールドを抉り、無数の岩の破片を放つ。
「なっ……! ヒノヤコマ!?」
飛来する岩の破片は次々とヒノヤコマに突き刺さり、ヒノヤコマを床に叩き落とし、戦闘不能にしてしまう。
「ロックスパイクは岩タイプの先制技! 炎と飛行タイプのヒノヤコマには、二重の効果抜群だよね!」
「なるほど……ヒノヤコマ、お疲れ様。休んでて」
ヒノヤコマをボールに戻すと、ハルはすぐに次のボールを取り出す。
「鋼と岩のコドラが相手なら君しかいない。出てきて、ワルビル!」
ハルが繰り出すのはワルビル。コドラには地面タイプの技が非常に効くため、相性的には有利。
フィールドに立つと大きく吼え、コドラを威嚇する。
「やっぱりワルビルで来たね。だけど苦手な地面タイプなら対策してて当然だよ。どこからでもかかって来てよ!」
「勿論。ワルビル、頼んだよ」
そんな天敵を見ても、サヤナの表情は余裕。
コドラとワルビルが、互いの敵を見据えて睨み合う。