二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第29話 VSサヤナ! 2 ( No.73 )
日時: 2016/11/26 10:58
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: /hNmeBFr)

「よーし行くよ! コドラ、アイアンヘッド!」
「ワルビル、シャドークロー!」
コドラが額を覆う鉄の鎧をさらに硬化させ、ワルビルへと突撃していく。
対して、ワルビルは右手に黒い影の爪を纏わせ、コドラを迎え撃つ。
コドラの頭突きとワルビルの影の爪がぶつかり合う。威力はほぼ互角で、激しく競り合って火花を散らす。
「コドラ、水の波動!」
だがその直後の動きはコドラが速かった。口を開き、水の弾を放出する。
「水技っ!? ワルビル、大丈夫?」
水弾の直撃を受けてワルビルは吹き飛ばされ、フィールドに倒れるが、すぐさま起き上がって体勢を立て直す。
効果抜群にしてはあまりダメージが大きくない。コドラの特攻はそこまで高くないようだ。
「コドラは見かけによらず、いろんなタイプの技を使えるの! この子は覚えてないけど、電気技や炎技も使えるんだよ」
サヤナが得意げな笑みを浮かべ、それに合わせてコドラも吼える。
「コドラ、もう一度アイアンヘッド!」
コドラは再び額の鎧を硬化させ、突進してくる。
「ワルビル、躱して噛み砕く!」
コドラの突進を横っ飛びで躱し、ワルビルは大顎を開いてコドラの側面から噛み付き、牙を突き立てる。
「コドラ、引き剥がして! ロックスパイク!」
噛み付かれたコドラが前足でフィールドを抉り、岩の破片を飛ばす。
破片がワルビルの腹部に突き刺さり、大顎の拘束が緩む。
「今だよコドラ! 水の波動!」
「ワルビル、穴を掘る!」
ワルビルを狙って口から水弾を放出するコドラだが、ワルビルは後ろへ飛んでそのままフィールドに穴を掘り、床下へと身を隠す。
音もなく地中から近づき、コドラを吹き飛ばそうとするが、
「それなら……コドラ、守る!」
ワルビルが地下から飛び出すその直前、コドラが周囲に守りの結界を張る。
地中から襲いかかろうとしたワルビルだが、守りの結界を前にして逆に弾かれてしまう。
「いいよいいよ! コドラ、そのままアイアンヘッド!」
結界に弾かれて体勢を崩すワルビルへ、コドラは額の鉄鎧を硬化させて突撃する。
「っ、ワルビル、シャドークロー!」
咄嗟にワルビルは右手に影の爪を纏い、右腕を突き出し、コドラの突進を食い止める。
「コドラ、水の波動!」
「同じ手は受けないよ。ワルビル、燕返し!」
競り合いながらコドラが水の弾を口から発射し、対してワルビルは刀身のように白く輝く左手を振るい、水弾を断ち切る。
「ロックスパイク!」
「躱してシャドークロー!」
前足でフィールドを抉ってコドラが岩の破片を飛ばすが、ワルビルは素早く跳躍してそれを躱し、コドラの上を飛び、背中を影の爪で切り裂く。
しかしいまいちダメージの手応えがない。コドラの背中は硬い鉄の鎧に覆われているため、ダメージが少ないのだ。
「あの鎧、やっぱり硬い……ワルビル、穴を掘る!」
ワルビルは再びフィールドに潜り、地中に身を隠す。
「効かないよ! コドラ、守る!」
しかしやはり穴を掘るの攻撃の遅さが災いし、ワルビルが地中から強襲を仕掛けるも、コドラの張った守りの結界に弾かれてしまう。
「水の波動!」
ワルビルが下がったところに、コドラは口から水弾を放出する。
「っ、ワルビル、燕返し!」
飛来する水弾を、ワルビルは刀身のように光る腕を振るって両断するが、
「ロックスパイク!」
直後、無数の岩の破片が飛び出し、ワルビルに突き刺さる。
威力はそこまで高くない上に効果今一つで大したダメージではないが、少しずつ体力を削られるのは地味に痛い。
「ワルビル、反撃するよ! シャドークロー!」
「コドラ、迎え撃って! アイアンヘッド!」
ワルビルが右手に黒く鋭い影の爪を纏わせ、コドラは額の硬い鎧をさらに硬化させて、お互いの敵を見据えて一直線に突っ込む。
鉄の頭突きと影の爪が再び激突し、火花を散らす。
「ワルビル、噛み砕く!」
「コドラ、ロックスパイク!」
ワルビルが大顎を開くが、その直後に無数の岩の破片が突き刺さる。
ワルビルの体勢が崩れ、牙はコドラを捉えられず、
「アイアンヘッド!」
鋼鉄の鎧をさらに硬化させてコドラが頭突きを仕掛け、ワルビルを突き飛ばした。
「まだまだ行くよ! 続けて水の波動!」
さらにコドラは口から水弾を放射し、追撃を仕掛ける。
「っ、ワルビル、燕返し!」
飛来する水弾に対し、ワルビルは腕を振るって何とか水の弾を打ち消した。
(何とかして穴を掘るを当てれば、コドラは倒せるはずなんだ。それなら……)
体勢を立て直すとワルビルは低く唸り、コドラを睨む。
(何とかして、先に守るを使わせる。よし、やってみよう!)
「よし! ワルビル、噛み砕く!」
ハルの意図を察知したのか、ワルビルはニヤリと笑うと、地を蹴ってコドラへと向かっていく。
「コドラ、アイアンヘッド!」
コドラが額の鉄の鎧を硬化させ、ワルビルを迎撃すべく突撃する。
しかし、
「ワルビル、横からだ!」
激突するその前に、ワルビルは横っ飛びでコドラの突進を躱す。
大顎を開いて、がら空きになった側面へと牙を食い込ませた。
「コドラ、ロックスパイク!」
「そう来ると思ったよ! ワルビル、躱してシャドークロー!」
コドラが前足で地面を抉るその瞬間、それを予期していたワルビルは口を離して跳躍し、岩の破片を躱す。
さらに右手に影の爪を纏わせ、コドラへと爪を突き刺した。
「もう一度シャドークロー!」
「っ、コドラ、守る!」
ワルビルが右手を再び振り上げたのを見て、サヤナは咄嗟に守るの指示を出す。
「今だワルビル! 穴を掘る!」
しかしコドラが守りの結界を張った時、それと同タイミングでワルビルは地中へと身を隠した。
「あっ……やばっ……!」
途端にサヤナの表情に焦りが浮かぶ。
守るはあらゆる攻撃を防ぐ技だが、連続して使うことができない。。さらに、穴を掘るは攻撃までに時間のかかる技。
つまり。
結界が切れた瞬間に、コドラの足元からワルビルが飛び出し、コドラを吹き飛ばした。
「コドラっ!」
鋼と岩タイプを持つコドラには、地面技は二重に効果抜群。
コドラは大きく打ち上げられ、重力に従ってそのまま落下し、フィールドに落ちて戦闘不能となった。
「コドラ、お疲れ様! よく頑張ったね、休んでて」
サヤナはコドラを労い、ボールへと戻し、ハルの方へ向き直る。
「ハル、成長してるねー! 初めてバトルした時はまだまだ私の方が先輩みたいな感じだったけど、今はすっかり追いつかれちゃったかなー」
だけど、とサヤナは続け、
「まだ追い抜かれたつもりはないんだからね! それじゃ、最後のポケモンを出すよ!」
三つ目となる、最後のボールに手をかける。
「頼んだよ、ビビヨン!」

『information
 ビビヨン 鱗粉ポケモン
 野原を飛び回りながら色鮮やかな
 鱗粉を振りまく。住んでいる気候や
 風土によって翅の色や模様が違う。』

サヤナの最後のポケモンは、鮮やかなピンク色の翅を持つ蝶のようなポケモンだ。
「虫タイプ……もしかして、コフキムシの進化系?」
「そうだよ! コフキムシからコフーライに進化して、最終的にビビヨンになるの」
サヤナのコフキムシもやはり進化していたようだ。
「それじゃあ、始めるよ! ビビヨン、シグナルビーム!」
複眼のようなビビヨンの眼から、激しい光を放つ光線が撃ち出される。
「ワルビル、躱して燕返し!」
ワルビルは光線を掻い潜り、地を蹴って飛び出し、刀のように白く輝く腕を構える。
だが、
「ビビヨン、エナジーボール!」
ワルビルの腕の一振り目を躱し、二振り目が来るよりも早く、ビビヨンは自然の力を集めた光の球を放つ。
至近距離で、ましてや空中にいるワルビルが躱せるはずもなく、ワルビルの額に光の弾が直撃した。
「っ……ワルビル!」
エナジーボールの直撃を受け、ワルビルが吹き飛ばされる。
フィールドに叩きつけられ、砂煙が上がる。