二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第30話 VSサヤナ! 3 ( No.74 )
日時: 2016/11/28 10:42
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: DN0yrgWG)
参照: いよいよ最後のポケモン同士。勝つのはどちらか——

ワルビルが地面に叩きつけられ、砂煙が上がる。
煙が晴れた時には、既にワルビルは戦闘不能になっていた。
「……ワルビル、ありがとう。後は休んでてくれ」
ワルビルを戻し、ハルは最後のボールを取り出す。
「そのビビヨン……強いね。ここまでのポケモン二匹と比べて、技の威力が違った」
「そーでしょ? 私のビビヨンはバトルが好きだから、攻撃面に重点を置いて鍛えてるんだよ。さあ、ハルの最後のポケモンは?」
「最後は、このポケモンだよ。出てきて、エーフィ!」
ハルの最後のポケモンはエーフィ。
だがタイプ相性だけ見れば虫技が効果抜群になる分、不利だ。
「エーフィかぁ。強そうなポケモンだけど、ビビヨン、頑張るよ! それじゃ、まずはシグナルビーム!」
ビビヨンが再び、眼から激しい光を放つ光線を発射する。
「エーフィ、躱してスピードスター!」
エーフィは素早く光線を躱し、無数の星形弾を放つ。
ビビヨンが躱そうとするが、必中の星形弾は確実にビビヨンを狙って飛び、色鮮やかな翅に命中する。
「必中技か……ビビヨン、エアスラッシュ!」
「それならエーフィ、サイコショット!」
体勢を立て直し、ビビヨンが翅を羽ばたかせて空気の刃を飛ばす。
それに対し、エーフィは額の珠にサイコパワーを集め、念力の弾を放ち、空気の刃を防ぐ。
「シャドーボール!」
さらにエーフィはビビヨンとの距離を詰め、額の珠から黒い影の弾を放つ。
「ビビヨン、サイコキネシス!」
対するビビヨンは強い念力を操作し、念の波を放って影の弾を打ち消した。
「エーフィ、サイコショット!」
エーフィが額の珠へサイコパワーを溜め込み、念力の弾を作り出す。
「ビビヨン、躱してシグナルビーム!」
作り上げた弾をビビヨンへと放つが、ビビヨンはふわりと舞い上がって念弾を躱し、それと同時に眼から激しい光を放つ光線を発射。返す刀の一撃がエーフィを捉えた。
「っ、エーフィ、大丈夫!?」
シグナルビームを食らったエーフィだが、すぐさま体勢を立て直す。
「よし、エーフィ、ここから反撃だ! スピードスター!」
エーフィが二股の尻尾を振り、無数の星形弾を飛ばす。
「必中技だから……ビビヨン、サイコキネシス!」
無数の星形弾へとビビヨンは念力の波を放ち、星形の弾を全て防ぎ切るが、
「サイコショット!」
その隙にエーフィはビビヨンのすぐ近くまで接近しており、額の珠から念力の弾を放ってビビヨンを吹き飛ばす。
「やるじゃん……! ビビヨン、エナジーボール!」
「エーフィ、シャドーボール!」
ビビヨンが自然の力を集めた光の弾を放ち、エーフィは黒い影を集めた漆黒の弾を撃ち出す。
二者の放った念弾は正面から激突し、その間に二者はさらに動く。
「ビビヨン、エアスラッシュ!」
「エーフィ、スピードスター!」
ビビヨンが翅を羽ばたかせて空気の刃を飛ばし、エーフィが尻尾を振って無数の星形弾を飛ばす。
空気の刃がエーフィを切り裂き、直後に無数の星形弾が弧を描いて飛び、ビビヨンに直撃した。
「ビビヨン! 大丈夫?」
「エーフィ、まだ行ける?」
痛そうな表情を見せながらもビビヨンは翅を羽ばたかせて再び舞い上がり、エーフィは立ち上がると共に首を振って体勢を整える。
「よし、ビビヨン、ここからだよ! シグナルビーム!」
「エーフィ、僕たちも行くよ! シャドーボール!」
ビビヨンが眼から激しい光を放つ光線を発射し、エーフィは額の珠から黒い影の弾を撃ち出す。
光線と影の弾が激突し、競り合った末に消滅する。
「エーフィ、サイコショット!」
「ビビヨン、躱してエナジーボール!」
エーフィが再びビビヨンとの距離を詰め、額の珠に念力を溜め込む。
放たれた念力の弾に対し、ビビヨンはふわりとそれを躱し、自然の力を込めた光の弾を撃ち出す。
「エーフィ、スピードスター!」
エーフィは尻尾を振るって無数の星形弾を飛ばし、光の弾を相殺、そして、
「シャドーボール!」
額の珠から、再び黒い影の弾を放つ。
「ビビヨン、そのままシグナルビーム!」
ビビヨンも瞳から激しい光を放つ光線を発射する。
光線は影の弾のすぐ横を飛んでいき、影の弾がビビヨンを捉えるのと同時に、光線がエーフィへと直撃する。
「っ、エーフィ!」
結果だけ見れば、お互いに技は命中している。
しかし条件が違う。ビビヨンが受けたシャドーボールは等倍だが、エーフィに当たったシグナルビームは虫技、エスパータイプのエーフィには効果が抜群。つまり、エーフィの方がビビヨンよりも被ダメージが大きい。
「ここで決めるよ! ビビヨン、エアスラッシュ!」
とはいえビビヨンも決してダメージは小さくないが、それでも体勢を立て直し、翅を羽ばたかせて空気の刃を飛ばす。
「エーフィ、躱して!」
何とかエーフィは大きく跳躍し、空気の刃から身を躱す。
「逃しちゃダメだよ! ビビヨン、シグナルビーム!」
空中へと飛んだエーフィへ、さらにビビヨンは激しい光を放つ光線を発射する。
しかし、
「エーフィ! マジカルシャイン!」
エーフィの額の珠が眩い輝きを放ち、純白の光が放出される。
シグナルビームを掻き消し、ビビヨンを真っ白な光に覆い尽くした。
「今だエーフィ、サイコショット!」
吹き飛ばされるビビヨンに対し、エーフィは額の珠にサイコパワーを溜め込み、念力の弾を撃ち出す。
ビビヨンは体勢を大きく崩して回避不能、念力の弾が直撃し、その体がゆっくりと地面に落ちる。
「っ、ビビヨン!」
フィールドに倒れた時には、既にビビヨンは戦闘不能になっていた。



「負けちゃったかぁ。ハル、強くなってるじゃん!」
バトル後、悔しそうな表情は見せながらも、すぐにサヤナは笑顔になる。
「サヤナも強かったよ。負けそうな場面は何回もあったしね」
「にひひー、そうでしょ? 私も強くなってるって分かってくれたなら嬉しいよ」
とりあえず、二人はバトルを終えた三匹をポケモンセンターに預ける。
「じゃあハル、私に勝ったご褒美に、ジム戦のアドバイスだよ」
どんなポケモンを使うかまでは教えないけどね、とサヤナは続け、
「ライボルトを見れば分かると思うけど、アリスさんは電気タイプ使い。ハルのポケモンだとワルビルが有利に立ち回れるね。だけど、アリスさんのポケモンはいろんな戦術をいくつも組み合わせて使ってくるから、ただぶつかっていくだけだと勝てないよ。後はやっぱりライボルトがずば抜けて強い。メガシンカもしてくるから、気をつけてね」
「ありがとう。明日は、頑張ってくるよ」
今日は休んで、明日はいよいよメガシンカ使いのジムリーダー、アリスに挑戦だ。