二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第32話 ジムバトル! サオヒメジムⅡ ( No.77 )
日時: 2016/12/03 17:31
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: vJF2azik)
参照: アリスの電気ポケモンたちが、多彩な戦術でハルを迎え撃つ——!

「エレブー、雷パンチ!」
右腕を振り回して電撃を溜め込み、エレブーは地を蹴って飛び出し、エーフィに殴りかかる。
「エーフィ、躱してスピードスター!」
対するエーフィは素早く後ろへと飛んで電撃の拳を躱すと、無数の星形弾を放って反撃する。
「エレブー、瓦割り!」
左手で手刀を振り下ろし、エレブーは星形弾を全て砕く。
だがこれでエレブーの技は全てわかった。エーフィに効果抜群を取れる技は持っていない。
「シャドーボール!」
「躱して炎のパンチ!」
額の珠から影の弾を放つエーフィに対し、エレブーは腕に炎を灯して飛び出す。
影の弾を飛び越え、一気にエーフィとの距離を詰め、炎の拳でエーフィをぶん殴った。
「クリーンヒット! 続けていくわよ、雷パンチ!」
殴り飛ばされるエーフィに対し、すぐさまエレブーは腕に電撃を纏わせ、追撃を仕掛ける。
「くっ、エーフィ、サイコショット!」
エーフィの額の珠に、サイコパワーが溜め込まれる。
直後、エレブーの電撃の拳がエーフィに叩き込まれるが、その瞬間に念力の弾が放たれ、お互いに吹き飛ばされた。
「エレブー、負けちゃダメよ! 冷凍パンチ!」
床に手を付き、低く唸りながらエレブーは立ち上がると、拳に冷気を纏わせて突っ込んで来る。
「エーフィ、食い止めて! マジカルシャイン!」
エーフィの額の珠が眩い光を発し、純白の光が放出される。
突っ込んで来るエレブーを、真っ白な光の力で逆に押し返した。
「次よ! 雷パンチ!」
しかし光が消えた瞬間、電撃を纏ったエレブーが一気に突っ込んでくる。
対応する隙も与えず、電撃の拳で再びエーフィを殴り飛ばした。
「これで決めるわ! エレブー、炎のパンチ!」
雄叫びと共に拳に炎を纏わせ、エレブーは腕を振り回しながらエーフィへと突撃する。
「……まだだ! エーフィ、マジカルシャイン!」
フィールドに倒れながらも、再びエーフィは純白の光を放ち、エレブーを食い止める。
「さっきと同じよ! エレブー、雷パンチ!」
真っ白な光によって炎のパンチは阻まれるが、光が消えた瞬間、エレブーは電撃を纏った腕を突き出して突っ込んでいく。
しかし。
「……えっ?」
床に倒れていたはずのエーフィが、いつの間にかそこにいなかった。
そして、
「こっちですよ! エーフィ、サイコショット!」
光に紛れて場所を移動していたエーフィが、エレブーの横から念力の弾を放つ。
エレブーは対応が遅れ、念力の弾を受けて吹き飛ばされる。
「シャドーボール!」
吹き飛ぶエレブーに向けて、エーフィは漆黒の影の弾を発射する。
「っ、エレブー、炎のパンチ!」
何とかエレブーはまだ起き上がるが、迎撃までは間に合わず、立ち上がった瞬間のエレブーの顔面に影の弾が直撃した。
「エレブー!?」
エレブーは再び吹き飛ばされて地面に倒れ、そのまま戦闘不能となった。
「先手を取られちゃったわね。エレブー、よくやったわ」
目を回すエレブーをボールへと戻すと、アリスは次のボールを取り出す。
「前に戦った時より強くなってるわね。そのエーフィも、だんだん君の戦い方を理解してきたみたいよ」
「アリスさんと戦う時は、エーフィは必ず先手で出したいと決めてました。褒めてもらえるなんて嬉しいです」
その言葉を聞いてアリスは微笑み、次なるポケモンを繰り出す。
「それじゃあ、次の子いくよ! 輝け、レアコイル!」
アリスの繰り出したポケモンは、丸い体の左右に磁石を持つポケモンが三匹くっついたような、これまた奇妙な姿のポケモン。

『information
 レアコイル 磁石ポケモン
 強力な磁力で周囲の水分を乾燥させ
 精密機械を壊してしまう。太陽の
 黒点が増えるとなぜか大量発生する。』

鋼と電気タイプを併せ持つポケモンだ。
「鋼タイプか……技の通りが悪いけど、この技なら通る。エーフィ、悪いけどもう少し頑張って。シャドーボール!」
エーフィは頷き、額の珠から影の弾を発射する。
対して、
「レアコイル、チャージプラズマ!」
レアコイルは避けることもしなかった。影の弾の直撃を受けつつ、すぐに体勢を立て直し、身体に特殊な電磁波を溜め込ませる。
「何だか嫌な予感がするな……エーフィ、サイコショット!」
さらにエーフィはサイコパワーを溜め込み、念力の弾を放つ。
「レアコイル、躱してチャージプラズマ!」
今度はレアコイルは念力の弾を躱すが、反撃はせず、再び電磁波を体に溜めるのみ。
「シャドーボール!」
エーフィの額に影が集まり、黒い影の弾が撃ち出される。
対して、
「ラスターカノン!」
遂にレアコイルが動き出した。
輝く鋼の体の光を一点に集め、鋼のレーザー光線を撃ち出す。
だがその威力が明らかにおかしい。影の弾を容易く突き破り、その奥にいるエーフィを捉え、吹き飛ばした。
「っ!? エーフィ!」
光線の直撃を受け、エーフィが吹き飛ばされる。
エレブー戦でのダメージも多かったようで、フィールドに倒れたエーフィはそのまま戦闘不能となってしまった。
「エーフィ、お疲れ様。休んでて」
エーフィをボールに戻すと、ハルはアリスの方へ向き直る。
「何だったんですか、今の威力は……」
「今の技はチャージプラズマ。効果は単純、レアコイル自身の特攻を上げただけよ」
本当はそれだけじゃないんだけど、とアリスは続け、
「すぐに分かるよ。それじゃあ、君の次のポケモンを見せて!」
アリスにそう言われ、ハルは次のボールを手に取る。
(レアコイルは鋼タイプも付いてる。それなら、ここで出すしかないな)
「電気技は不安だけど……頼んだよ、ヒノヤコマ!」
ハルの二番手となるポケモンはヒノヤコマ。電気技を効果抜群で受けてしまうものの、こちらも炎技でレアコイルに効果抜群を取れる。
「ヒノヤコマ、スピードのあるポケモンだね。私のレアコイル相手に、どこまでやれるかな? それじゃいくよ、レアコイル、ラスターカノン!」
レアコイルが磁石のユニットを動かし、鋼の光を一点に集めてレーザー光線を放つ。
「ヒノヤコマ、躱して火炎弾!」
ヒノヤコマは素早い動きで光線を躱し、口から無数の炎の弾を吹き出す。
サヤナとの特訓で教えてもらった技だ。無数の炎弾がレアコイルに直撃し、吹き飛ばす。
「ニトロチャージ!」
さらにヒノヤコマは力強い鳴き声をあげ、炎を纏って突撃を仕掛ける。
「レアコイル、もう一度ラスターカノン!」
だが思いの外素早くレアコイルは体勢を整え、再び鋼のレーザー光線を発射する。
突撃してくるヒノヤコマを真正面から迎撃し、逆に弾き飛ばした。
「ヒノヤコマ! っ、特攻が上がってるだけはあるな……」
幸いヒノヤコマに鋼技は効果今一つだが、それにしてもダメージが大きい。
「さあ休んでる暇はないわよ! レアコイル、トライアタック!」
レアコイルの三つの目から、それぞれ炎・氷・雷を模した三種類の光線が撃ち出される。
「ヒノヤコマ、躱してもう一度ニトロチャージ!」
ヒノヤコマの体が、再び炎を纏う。
三種類の光線の中を掻い潜りながら一気にレアコイルとの距離を詰め、突進を食らわせ、吹き飛ばす。
「よし、これでスピードアップ! ヒノヤコマ、火炎弾!」
反撃を受けないようにヒノヤコマは素早く距離を取り、無数の炎の弾を放つ。
「っ、レアコイル、トライアタック!」
レアコイルの三つの目から、再び三色の光線が放たれる。
飛来する炎の弾を全て防ぎ、
「ラスターカノン!」
ヒノヤコマを見据えるも、既にヒノヤコマはそこにはいない。
「今だヒノヤコマ! ニトロチャージ!」
レアコイルの死角に回り込んでいたヒノヤコマが炎を纏い、猛スピードで突撃する。
レアコイルがようやくヒノヤコマの位置を捉えた次の瞬間、炎の突撃がレアコイルに直撃した。