二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第33話 ジムバトル! サオヒメジムⅢ ( No.78 )
日時: 2016/12/04 09:47
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)

レアコイルの死角から、炎を纏ってヒノヤコマが突っ込んでいく。
レアコイルが振り向いた時には、既に遅い。
猛スピードで炎の突撃を仕掛けるヒノヤコマが、レアコイルに激突した。
だが。

「レアコイル、プラズマバーン!」

その瞬間、レアコイルが今まで体に帯電させていた特殊な電磁波を、電撃の衝撃波として一斉に解き放った。
凄まじいカウンターの一撃をまともに浴びて、ヒノヤコマが派手に吹き飛ばされる。
「ラスターカノン!」
そのヒノヤコマへ、レアコイルは鋼の光を一点に集めてレーザー光線を発射する。
大きく吹き飛んだヒノヤコマに直撃し、ヒノヤコマをフィールドに撃墜した。
「ヒノヤコマ!?」
連続攻撃を受けて、ヒノヤコマは早くも戦闘不能となってしまった。
「……ヒノヤコマ、お疲れ様。休んでて」
ハルはヒノヤコマを労い、ボールへと戻す。
「どう? 今のがレアコイルの得意技、プラズマバーン。チャージプラズマで貯めていた電磁波を一気に解き放つ大技だよ。その分、さっきまで上げていた特攻は下がっちゃうけどね」
得意げな笑みを浮かべるアリスに呼応するように、レアコイルも音を立てて磁石のユニットを回す。
「さっきの、それだけじゃないっていうのはそういう意味だったんですね」
ただ、逆に言えば今のレアコイルは特攻が元に戻っているということ。
つまり、今がレアコイルを倒す絶好のチャンス。
「ここで倒さなきゃ本格的にまずい。頼んだよ、ワルビル!」
ハルの三番手は電気タイプに強い地面タイプのワルビル。ここでレアコイルは何としても倒しておきたいが、
「やっぱりワルビルで来たわね。タイプ相性では私が不利だけど、地面技さえ受けなければ怖くはないわよ」
このワルビルの存在は、司教の二人組と戦った時にアリスに知られている。恐らく、対策も組んでいるだろう。
「僕のワルビルなら、やってくれますよ! ワルビル、シャドークロー!」
先手を取ってワルビルが動き出す。
右手に影の爪を纏わせ、レアコイルへと向かっていくが、
「レアコイル、チャージプラズマ!」
ワルビルの攻撃を避けず、レアコイルは影の爪に切り裂かれながらも特殊な電磁波を溜め、特攻を上げる。
「それなら噛み砕く!」
ワルビルが今度は大顎を開き、レアコイルに牙を剥く。
「レアコイル、ラスターカノン!」
その口の中を狙って、レアコイルは鋼の光のレーザー光線を放つ。
咄嗟にワルビルは顎を閉じ、どうにか光線を食い破った。
「流石は砂漠ワニポケモン、顎の力は相当ね。レアコイル、トライアタック!」
「ワルビル、穴を掘る!」
レアコイルが三つの目から三色の光線を発射し、ワルビルはそれを見て素早くフィールドに穴を掘る。
鉄製のフィールドだが問題なく地中に潜り、光線を躱して静かにレアコイルに接近する。
「レアコイル、浮上して」
元々宙に浮いているレアコイルが、さらに上昇する。
直後にワルビルが地中から飛び出し、一気にレアコイルまで飛び上がるが、
「ラスターカノン!」
レアコイルも素早く鋼の光を一点に集めてレーザー光線を放ち、突っ込んできたワルビルを逆に押し返してしまう。
「レアコイル、トライアタック!」
「っ、ワルビル、躱して!」
さらに放たれるレアコイルの三色の光線を、ワルビルは何とか横に大きく飛んで躱す。
「逃さないわよ! レアコイル、ラスターカノン!」
体勢を立て直したワルビルへ、レアコイルは鋼の光を一点に集めてレーザー光線を放つ。
「だったら、ワルビル、シャドークロー!」
対して。
ワルビルが右手に影の爪を纏わせ、レーザー光線を躱し、レアコイルへ飛びかかる。
「レアコイル、迎え撃って! トライアタック!」
振り下ろされる影の爪に合わせて、レアコイルは三色の光線を放ち、シャドークローを相殺する。
「ラスターカノン!」
レアコイルはさらに鋼の光を一点に集め、レーザー光線を放つ。
しかし、
「ワルビル、躱して噛み砕く!」
大きく力一杯首を振って、ワルビルはギリギリのところでレーザー光線を躱す。
体をわずかに掠めているが、そんなことは気にもとめず、
「噛み砕く!」
大顎を開き、レアコイルの鋼のボディに牙を食い込ませる。
「っ! レアコイル、トライアタック!」
「させませんよ! ワルビル、投げつけるんだ!」
レアコイルが光線を放ってワルビルを振りほどこうとするが、それよりも早くワルビルは大顎を振るい、鉄製のフィールドにレアコイルを投げつけ、叩き落とした。
「そのまま穴を掘る!」
落下の勢いをつけ、ワルビルは素早く地中へと潜る。
「レアコイル、来るわよ! 立て直して!」
何とか体勢を立て直し、レアコイルは宙に浮かび上がろうとするが、
「逃がしません! ワルビル!」
それを許さず、ワルビルが地中強襲を仕掛けてレアコイルを捉え、吹き飛ばした。
「っ、レアコイル!」
地面技は、電気と鋼タイプのレアコイルには二重に効果抜群。
レアコイルは宙を舞い、弧を描いてそのままフィールドに落ち、戦闘不能になった。
「ここまでね。レアコイル、よく頑張ったわ」
アリスはレアコイルをボールに戻す。これでポケモンの残り数は同じだ。
「それじゃあ、再び輝け、マルマイン!」
アリスの繰り出すポケモンは、初手のマルマイン。エーフィ戦でのダメージもあるため、お互いの条件はほぼ互角と言えるだろう。
「行くわよ! マルマイン、磁力線!」
バトルが始まると同時にマルマインは電磁波を強めて磁場を荒らし、磁力の波を起こす。
「ワルビル、穴を掘る!」
軌道の見えない磁力線に対して、ワルビルは素早く穴を掘って地中に潜り、磁力の波を躱す。
「早速潜ったわね。だけどこれならどうかしら! マルマイン、動き回りなさい!」
体内の電気エネルギーを稼働させ、マルマインはフィールド上を猛スピードで動き回る。
マルマインを狙ってワルビルが飛び出すも、既にマルマインはそこにはおらず、
「出てきたわね! マルマイン、シグナルビーム!」
姿を現したワルビルを狙って、マルマインが激しい光を放つ光線を発射する。
対応が遅れたワルビルは光線の直撃を受け、吹き飛ばされてしまう。
「シグナルビームは虫タイプの技。悪タイプも持つワルビルには、効果抜群よね! さあマルマイン、まだまだ行くわよ! シグナルビーム!」
電子音の混じったような野太い声を上げ、マルマインは再び激しく点滅する光線を放つ。
「ワルビル、シャドークロー!」
対してワルビルは起き上がると黒い影を右手に纏わせ、影の爪を振るって光線を防ぐ。
「マルマイン、磁力線!」
「ワルビル、穴を掘る!」
マルマインが磁場を荒らして磁力の波を放出させ、それに対するワルビルは床に穴を掘って素早く地中へ潜る。
「また潜ったわね。さあ、私のマルマインのスピードを見切れるかしら? 言ってもおくけど、マルマインは体力じゃなくて電気で動くから、動き回ってスタミナ切れはしないわよ」
アリスの言葉と同時に、マルマインが猛スピードでフィールド上を動き出す。
(落ち着け。マルマインはスピードが速いけど、逆に言えば速いだけだ。火力もレアコイルやエレブーの方が高いし、それに速いと言ってもその速度は一定、加速していくわけじゃない。あのスピードさえ見切れば、マルマインは倒せる!)
「ワルビル、焦らないで。相手の動きを見切って、一撃をお見舞いしてやるんだ」
地面の中に隠れたまま、ワルビルはじっとマルマインの様子を探る。