二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第34話 ジムバトル! サオヒメジムⅣ ( No.79 )
日時: 2016/12/05 09:06
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: jJGlzzOL)
参照: アリスのエースポケモン、ライボルト、満を持して登場!

地中に潜ったワルビル。
それに対して、マルマインは途切れることのない高速移動て翻弄する。
しかし、遂に。
「……今だ! ワルビル!」
マルマインの動きを完全に見切ったワルビルが地中から飛び出し、マルマインを突き飛ばした。
「っ……! やるじゃないの! マルマイン、シグナルビーム!」
空中に打ち上げられたマルマインは、すぐさま激しく点滅する光線を放つが、
「ワルビル、躱して噛み砕く!」
光線を躱してワルビルは大きく跳躍し、大顎を開き、頑丈な無数の牙をマルマインに食い込ませる。
そのまま首を大きく振り、マルマインを硬い金属の床へと投げ飛ばした。
「マルマイン……!」
ひっくり返って目を回し、マルマインは戦闘不能となっていた。
「マルマイン、お疲れ様。休んでて」
マルマインをボールへと戻し、アリスはハルの方を向く。
「たった二度目でマルマインのスピードを見切るなんて。流石ね」
「そのマルマインはスピードは速いけど、加速しているわけじゃありません。それに、速すぎるせいで急に軌道を変えられないのか、ずっと同じ軌道を描いてることに気づいたんです。地中で暮らしていて感覚の鋭いワルビルなら、捉えられると思ってました」
ハルの言葉に、アリスは感心したように頷く。
「なるほどねぇ。自分のポケモンの長所を把握し、ポケモンとの信頼関係があって初めて成せる技ね。やっぱり君は、ポケモンと仲がいいのね」
だけど、とアリスは続け、
「仲がいいだけじゃ、私に勝つことはできないよ。最後のポケモンがどの子か、ハル君はもう分かってるよね」
「……ええ。もちろんですよ」
間違いなく、最後のポケモンはあのポケモン。
今までの三体よりも明らかに強い強敵だが、勝たなければジムを制覇することはできない。
「それじゃあ、行くよ!」
アリスが、最後のボールを取り出す。

「輝け、ライボルト!」

アリスの最後のポケモン、ライボルトが姿を現した。
鋭く逆立つ黄色い鬣、稲妻のように鋭い眼光。体毛に隠れたネックレスの先には、メガストーンが煌めいている。
「やっぱりライボルトか……強敵だけど、勝たなきゃ先に進めない。ワルビル、やるぞ!」
じっとこちらを見据えるライボルトに対し、ワルビルは大きく吼えて威嚇する。
「始めるわよ! ライボルト、火炎放射!」
「ワルビル、穴を掘る!」
ライボルトが灼熱の炎を吹き出し、対するワルビルは素早く穴を掘って地中に身を隠す。
地下からライボルトとの距離を詰め、ライボルトの足元から勢いよく飛び出す。
しかし、
「ライボルト、躱して!」
床にヒビが入った時、ワルビルが飛び出すよりも早く、ライボルトは素早く飛んでワルビルの一撃を躱し、
「目覚めるパワー!」
間髪入れずに無数の水色のエネルギーの球体を撃ち出す。ワルビルに命中すると球体は炸裂し、冷気を吹き出す。氷タイプの目覚めるパワーだ。
「火炎放射!」
さらにライボルトはもう一度灼熱の炎を吹き出した。
「っ、ワルビル——」
指示を出すよりも早く、ワルビルは灼熱の炎に飲み込まれた。
体を黒く焦がしたワルビルは、力なく床に落ち、そのまま戦闘不能となった。
「くっ……ワルビル、よく頑張った。後は任せて」
ハルはワルビルを労い、ボールに戻す。レアコイルとマルマインを立て続けに倒してくれたが、ライボルトには敗れてしまった。
「やっぱり、最後は君しかいないね。何としても勝とう! 頼んだよ、リオル!」
ハルの最後のポケモンは、エースのリオル。右手から放つ青い波導も、いつもより勢いが強い。
「最後のポケモンはリオルね。まだ進化していなくても私には分かるわ。今までの三匹も君のことをよく信頼していたけど、リオルと君との絆は今までの三匹よりも強い」
「ありがとうございます。僕の初めてのポケモンですからね」
ハルの言葉を聞いて、アリスは小さく微笑み、
「最後のバトルを始めましょうか! ライボルト、火炎放射!」
「望むところです! リオル、発勁!」
ライボルトが灼熱の炎を吹き出し、それに対してリオルは右手に燃える炎のような青い波導を纏う。
右手を勢いよく突き出し、襲い来る炎を吹き飛ばした。
「電光石火!」
床を蹴り、猛スピードでリオルが飛び出す。
一気に距離を詰め、反撃の隙を与えず、ライボルトを突き飛ばした。
「ライボルト、シグナルビーム!」
「リオル、真空波!」
ライボルトの鋭い瞳から、激しく光を放つ光線が撃ち出される。
リオルは素早く右手を振って真空の波を放ち、光線を防いだ。
「目覚めるパワー!」
「躱して発勁!」
ライボルトが吼え、無数の水色のエネルギー弾を放つが、リオルは右手に波導を纏って突撃。
球体を飛び越え、掻い潜りながら一気に距離を詰め、波導を纏った右手を叩きつけ、ライボルトを突き飛ばした。
「やるじゃないの……! 小さくても、スピードもパワーも一級品! これが君のエースね!」
アリスが楽しそうに笑い、ライボルトが低く唸る。
(……来る!)
直感的にハルは感じ取った。
そして、
「……ライボルト」
それは来た。
アリスが右手を天に掲げる。右手首のブレスレットから、眩い光が放たれる。
それに呼応し、ライボルトの首元のメガストーンも閃光を放つ。

「絆の煌めき、閃光の如く! ライボルト、メガシンカ!」

アリスのキーストーンとライボルトのメガストーンの光が、一つに繋がる。
七色の光が、ライボルトの姿を変化させていく。
体毛が、鬣が、稲妻のように鋭く逆立つ。咆哮と共に、雷の獣が、電撃と光を解き放った。
「メガシンカ——メガライボルト!」
ライボルトが、雷の如く天を貫く咆哮を放つ。
アリスの切り札、メガシンカだ。
「遂に来たか……! リオル、気をつけて戦うよ! こっちも全力で行こう!」
メガライボルト相手に一歩も引かず、ハルとリオルは立ち向かう。
「よし! リオル、サイコパンチ!」
念力を右手に纏わせ、リオルは地を蹴って飛び出す。
だが。
「ライボルト、サンダーブラスト!」
身体中に纏う電撃をライボルトは周囲に解き放った。
ライボルトを中心として電撃の衝撃波が飛ぶ。リオルの右手を纏う念力を突き破り、逆にリオルを弾き飛ばした。
「リオル! 大丈夫!?」
電撃を受けて吹き飛ばされたリオルは、起き上がると自分の頬を叩き、気合いを入れ直す。
「休む暇はないわよ! ライボルト、火炎放射!」
ライボルトが大きく息を吸い込み、灼熱の業火を放射する。メガシンカする前より、明らかに炎の勢いが増している。
「リオル、躱して真空波!」
大きく跳躍して炎を躱すと、リオルは素早く腕を振って高速の真空の波を飛ばし、
「電光石火!」
真空波をライボルトに命中させたところに、さらに猛スピードで突っ込んでいく。
「ライボルト、躱して目覚めるパワー!」
だが素早さも上がっているようで、ライボルトは瞬時にリオルの突撃を躱し、水色のエネルギー弾を無数に撃ち出す。
「リオル、発勁!」
球体も大きくなっているが、当たらなければ問題ない。無数のエネルギー弾を潜り抜け、リオルは波導を纏った右手を構えてライボルトとの距離を詰めていく。