二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第47話 進出 ( No.99 )
- 日時: 2016/12/21 22:32
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: o6cQWKqt)
エレザードの電撃とボーマンダの龍爪が激突し、爆発が巻き起こる。
「ボーマンダ、大文字!」
翼を大きく羽ばたかせて爆煙を吹き飛ばし、ボーマンダは大きく息を吸い、大の字型の灼熱の炎弾を放つ。
が、
「隙あり! エレザード、ドラゴンテール!」
そこに既にエレザードの姿はなく、次の瞬間、ボーマンダの死角からエレザードが大きく跳躍し、竜の力を込めた尻尾を薙ぎ払い、ボーマンダへと叩きつけた。
「っ、ボーマンダ、逃がしてはダメ! 噛み砕く!」
尻尾の一撃を受けたボーマンダは体勢を崩すも、牙を剥いて首を伸ばし、エレザードの尻尾に食らいつく。
「ドラゴンクロー!」
「遅い! 十万ボルト!」
エレザードを牙で捕らえ、龍の爪による斬撃を放とうとするボーマンダ。
だがそれよりも速く、エレザードが尻尾から電撃を放ち、ゼロ距離からボーマンダに電撃を直撃させた。
体勢が崩れてエレザードは解放され、さらにボーマンダの爪はエレザードを捉えられず、
「ドラゴンテール!」
残された力を振り絞り、エレザードは龍の力を纏って光り輝く尻尾を思い切り振り抜き、ボーマンダを叩き飛ばした。
「っ、ボーマンダ!」
顔面に強烈な一撃を受け、ボーマンダの体が傾く。
立ち上がろうとするも叶わず、その巨体がぐらりと揺れ、フィールドへ倒れ伏した。
『決まったぁぁぁぁっ! 一回戦から、超・激・闘! どちらが勝ってもおかしくない戦い、紙一重の差で相手を上回り、二回戦へ駒を進めるのは、スグリ選手——ッ!』
女性アナウンサーがマイクを握り締めて叫び、会場からまるで決勝戦かのような大歓声が巻き起こる。
「ふーっ、どうにか勝った。でもエレザードは全力出し切って完全に手の内晒したし、この大会はもうお休みかな。エレザード、よくやったぞ」
「あと一歩、及びませんでしたわね……ボーマンダ、よく頑張ってくれましたわ。もっと精進しましょう」
お互いに全力を尽くしたポケモンたちを労い、ボールへと戻す。
「私に勝つなんて、相当な腕前ね。この私を打ち負かしたとなれば、優勝以外は認めませんわよ」
「ああ、分かってる。オレだって元より優勝するつもりで来てるんだ。言われるまでもないさ」
そしてエストレとスグリは握手を交わし、フィールドを去っていく。
試合数が多いため、二日目は一回戦で終了。
そして三日目、今日で準決勝まで行われ、四日目に決勝戦が行われる。
「エーフィ、サイコショット!」
「っ、ガラガラ、骨棍棒で防御!」
『information
ガラガラ 骨好きポケモン
手にした骨を振り回し投げつける。
空飛ぶポケモンを叩き落とすほどの
コントロールとパワーが持ち味。』
ハルは二回戦、エーフィを出し、対戦相手の骸骨を被って棒状の骨を持ったポケモン、ガラガラを相手に、試合を有利に進めている。
エーフィの放った念力の弾に対し、ガラガラは手にした骨を振り下ろして念弾を打ち壊す。
「スピードスター!」
間髪入れず、エーフィはさらに無数の星形弾を撃ち出す。
ガラガラは再び骨を振り上げるも、それを振り下ろすまでの余裕はなく、星形弾を打ち付けられる。
「っ、ガラガラ、ロケット頭突きだ!」
立ち上がったガラガラは首を引っ込めて硬い頭を構え、勢いよくエーフィへと突っ込んでいく。
「エーフィ、マジカルシャイン!」
エーフィの額の珠が輝き、周囲に純白の光を放出する。
突っ込んでくるガラガラを、逆に光に飲み込んだ。
「ガラガラ!?」
光がようやく収まった時には、ガラガラは戦闘不能となって倒れていた。
『二回戦第一試合、決着ぅぅ! ハル選手、二回戦も終始有利に試合を進め、準決勝へと駒を進めましたぁ!』
アナウンサーの声が会場に響く。ハルは二回戦を突破し、一番乗りで準決勝へと進む。
「よかった、勝てた……! エーフィ、お疲れ様だよ」
エーフィの頭を撫でてボールに戻し、ハルはバトルフィールドを去る。
「準決勝からは、ポケモン三体ずつで戦うのか。二回戦はこの後ミオ、サヤナ、スグリ君……どの試合も見ておかないと。特にサヤナの試合は、相手も気になるしね……」
サヤナの二回戦の相手は、不気味な白い仮面を被った、ローという選手。
一回戦を見たが、顔だけでなく体も真っ黒なローブに身を包み、バトル中もポケモンへの指示以外は口を開かなかった。
しかもその実力もかなりの腕前。一回戦は速攻で決めてしまっていた。
「サヤナも不安だけど……人の心配ばっかりしてる場合じゃないな。次の試合、恐らくミオが上がってくるはずだ」
ハルは急いで観客席に戻り、ミオの試合観戦に向かう。
そして。
ハルの予想は、正しかった。
「カビゴン、のしかかり」
カビゴンが大きく跳躍し、重力に従いそのまま落下。
回避させる隙すら与えず、対戦相手のポケモンを押し潰し、戦闘不能とした。
『決着ぅ! ミオ選手、またもカビゴンと共に二回戦を突破! このミオ選手、予選からこの二回戦までずっと、カビゴン一匹しか使用しておりません!』
アナウンサーの声をバックに、ミオは笑顔でカビゴンのお腹を撫で、ボールへと戻す。
そしてこの試合の結果により、ハルの次の試合、準決勝の相手はミオになることが確定した。
ちなみに、横にはエストレがいる。
「あのカビゴン、相当のやり手ですわね。あの子とも、いずれ戦いたいもの」
「ミオ、やっぱり上がってきたか……準決勝で、リベンジを果たさなきゃ」
「あらハル、もしかして貴方、あの子と戦ったことがあるのかしら?」
「ええ。ポケモンセンターの交流所で、調整も兼ねて。負けちゃいましたけどね」
「準決勝からは三対三よね。ハル、頑張りなさいよ」
「はい、今度は勝って、そのまま決勝も勝ってみせます」
エストレに激励され、ハルは気持ちを入れ直し、気を引き締める。
少し時間を挟んで、次はサヤナの試合だ。