二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【Fate】童話作家と出来損ないマスターの冒険譚 ( No.2 )
- 日時: 2016/11/01 22:40
- 名前: 霜月 (ID: nXlmokR.)
【プロローグ:戦争の予兆】
__今宵は満月、ありとあらゆる力が放出される夜だ。
「此度の聖杯戦争の地は幅広いな。」
小さな店の小窓から長身の男が空を見上げて、息を吐くように呟く。
彼の腕には古代文字のような、魔術師が持っている基本的な紋章。
"魔術回路"が刻まれている、そう...
彼は『魔術師』と呼ばれている者達の一人なのだ。
__ふと、彼の背後に見える扉が音を立てて開く。
「何をしに来た。」
誰か、それは分かっていたようで男は訪ねた。
「...七人目、現れたか?」
その者は淡々と言った。
何だそんな事かと男は言う、そして
「なに、もう時期現れる。
焦るものではない」
他人事のようにそう呟く
それを聞いたその者は静かにその場を去った。
その頃、鈴崎家の物置。
「ん...しょ...とっ。
ふー、こんなもんかな...」
パンパン、と服の埃をはたく
どうやら物置の整理をしているらしく所々片付いている。
「さてと、再開再開!」
元気良く言うとまた整理を開始。
箱を動かす、すると
「ん?何この本....」
ふと、見かけない本を見つけて手に取る。
何やら古めかしい文字が書かれており、素材の絵なども記されている
「なにこれ、何か....
面白そう!!」
笑顔でそう言うとすぐさま事件を見つけた探偵のように走り、物置から出てリビングへ
__そして、数十分後。
「これを...こうして、こうだっ!!」
見事な魔法陣を書き上げてしまっていた。
そして___
『__汝、契約に従い。
その身は我が為に、その生命は杯の為に。
死力を尽す英霊よ...我が眼前に現れよ!』
と、魔法陣に手を向けて言い放った。
「...ってね、こんなの書かれてたけど一体___」
その時だった、魔法陣が閃光を放ち輝いた。
そして粒子が中心へと集まって行く...
「うわっ!?
な、何...?」
唖然としていると中心に一人、少年が立って居た____
同刻、小道具屋では....
「ようやく揃ったか...」
そう、長身の男がポツリと呟いた。
___初夏の夜、また新たな聖杯戦争の幕が上がった。
- Re: 【Fate】童話作家と出来損ないマスターの冒険譚 ( No.3 )
- 日時: 2016/11/02 00:35
- 名前: 霜月 (ID: nXlmokR.)
__響く騒音と共にテーブルの上に座り、まるで汚物を見るような視線の蒼髪の顔の整った美少年がいた、美少年はふてくされたように
「...貴様が俺のマスターだと、言うんじゃないだろうな。」
と、第一声を発した。
「マス...ター?」
文和は状況がのみ込めず、少年を見て拍子抜けしたような声で復唱。
蒼髪の少年は頭を抱え、深く溜め息をつく。
「貴様が呼んだクセしてそれか...」
テーブルから降りると、文和に歩み寄り右腕を何の躊躇いもなく掴み上げる。
「きゃ!?
ちょ、離してよ!」
声を上げて少年から腕を振り解く
少年は何も言わずに頭を押さえ唸る。
そして再度、文和の方を見ると...
「...サーヴァント、キャスター。
召喚に応じ、ここに来た。
嫌だが貴様についてやろう...」
腕を組み、文和を見る。
いきなりキャスターと言い放った少年を見て、文和は呆気に取られ立ち尽くしている。
(なに、この子?いきなり来て、マスターだとか...)
「と、とりあえず...お家、分かる?」
目の前の相手が幼いので迷子が来たと自分に言い聞かせ、家を微笑みながら尋ねるが...
そのキャスターと名乗った少年は不機嫌そうに顔を顰め、口を開く。
「お前は馬鹿か?
俺を呼び出しておいてその言い草は...
...あぁ、ジャパーニーズジョークか?
それならばセンスがないぞ、駄作過ぎて目も当てられん。」
笑い声を適当に作ると文和を見る...するとジョークではないと分かり、今度は声を荒らげ
「大馬鹿か貴様はッ!!!!
何だ、貴様は!英霊も知らないのか!」
「ひぅ...!」
怯える文和を見てまた頭を押さえ、深い溜め息をつく
俺も三流だが...マスターも出来損ないか...
と少年は、一人心の中で呟いた___