二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【Fate】童話作家と出来損ないマスターの冒険譚 ( No.8 )
日時: 2016/11/07 21:01
名前: 霜月 (ID: nXlmokR.)


___文和はふと、アンデルセンに問う

「そう言えば...なんで私がマスターって分かったの?」
確かにそうだ、見ず知らずでしかも初めて会ったのにも関わらず
アンデルセンは文和を"マスター"と呼んだ。

アンデルセンは、何だそんな事かと呟き
そして言葉を続けた
「それはだな、お前の令呪を見たからだ」
文和はその言葉に首を傾げる。
何だ、それも知らないのかと言わんばかりに溜め息をつく
「右手の甲を見ろ、紋章が刻まれているだろう。」

アンデルセンが文和の右手を指す。
言われた通りに文和は自らの右手を見る。
文和の手の甲には古代文字のような模様が刻まれていた。
何かついたかな、と文和は擦り消そうとするが....

「あれ?消えない?」
何度も何度も擦るが消えない。
その様子を見てアンデルセンは溜め息をつき、文和の手を掴む。
「やめろ、消すものじゃない。
もっとも消えるものでもないがな。」
「え?」
その言葉に首を傾げる。
首を傾げた文和を見てアンデルセンは続ける。

「それは令呪と言ってな。
マスターである証だ、令呪は三画しかない。
令呪はどんなマスターも必ず出来る権利、『絶対命令権』が3回だけ使える。
サーヴァントがどんなに抗おうとしてもかなりの実力か、例外がない限りは令呪の命令には絶対服従となる。
但し、三画を使い切るとマスターとしての資格を失い、同時にサーヴァントの制御権も無くなる。
使い方には気を付けるんだ」
アンデルセンは文和に長々と説明する
文和は真面目に聞いていたらしいが、ぽかーんとなっている。
無理もないのかもしれない、ついさっきまで普通の生活だったのだ

....まぁ、当の本人は何故かワクワクしているのだが。


同刻、小道具屋では__

「ふむ...コイツが七人目のマスターか。」
住民リストを見て、男は呟いた。
リストの1ページには...
『鈴崎 文和』
と、書かれていた。

男はそのページを睨みつけるように見ていた。
とても重く鋭利な刃物を向けられたような静寂が過ぎる...

その静寂を裂いたのは1人の女性だった。
「失礼します。」
赤い服を着た銀髪の優しそうな女性だった、その女性は男に歩み寄る。

「あぁ、こんな時間に何のようだ?
クリミアの天使と呼ばれた看護師、"ナイチンゲール"」
そう呼ばれた女性は軽くお辞儀をする
そして用件を話し始める

「江熊さん、マスターが『まだ始まらないの?』と言って居ましたが...
どうやら貴方の様子を見る限り、"まだ"ではなく"もう"始まったのですね?」
可憐に、そして静かに言う。
江熊と言われた男は沈黙だが頷く。

ナイチンゲールはそれを見ると目を瞑って一礼すると
小道具屋を後にした____

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>>7 ダモクレイトスs
初めまして。
そうですねw初めてではないような...
俺も征服王大好きですよw
上手いだなんてありがとうございます!

期待に削ぐわぬように頑張ります!

Re: 【Fate】童話作家と出来損ないマスターの冒険譚 ( No.9 )
日時: 2016/11/10 00:07
名前: 霜月 (ID: nXlmokR.)

__ぽかーんとしている文和にアンデルセンが話しかける。

「おい、マスター。
そう言えば貴様の名を聞いていなかったな。」
その言葉を聞き、はっ...と文和は我に返った。
そしてアンデルセンの発言に対して言葉を返す

「あ、そ、そうだったね!
私は鈴崎文和、高校二年生だよ!」
ピースをしてにっ、と微笑みをアンデルセンへと向ける。
特に何も思わなかったが、アンデルセンはふっ...と少しだけ笑った。
そしてまた口を開くと

「文和か。
名前に文...作家のマスターに丁度いいかもしれんな」
とだけ言った。
まぁ文和はえへへ...と何故か嬉しそうだったのだが。

「ところでマスター。
此処は見た所リビングだが...お前の家か?」
ふと。アンデルセンが言うと文和はそうだよ。と頷いた
それを見て辺りを見回すアンデルセン。
文和は首を傾げながら見ていたが唐突にアンデルセンの見回す動きが止まる...

アンデルセンの目線の先には、窓。
そう、何処にでもある窓だ。
高さは2mあるかないか程で横にスライドして開けれるものだ
今は閉まっていて、窓の少し奥には網戸が見える。
家庭にある典型的な窓だった、そんな窓をアンデルセンはジッと見ている。

「...マスター、最近あの窓に何かしたか?
それとも誰かが何かしたか?」
意味がわからない質問をアンデルセンがしてきた。
当然、文和は首を傾げる。
一応記憶を辿り、その窓であった出来事を思い出そうとする。

「うーん...最近あの窓は開閉しかしてないような...
えーっと...何かあったかなぁ...」
うーっ...と唸る文和、アンデルセンは何故か本を開き窓を見つめる
「あっ!そうだ!」
唐突に文和が叫ぶ。
そしてすぐさま言葉を続ける

「確か二日前くらいに窓の点検をして回ってるって人が窓を点検してたよ〜
でも、関係あるの?」
その言葉を聞いて、アンデルセンは文和と窓の間に立つ。
そして本を浮かせてそのままおとぎ話に出てくる魔法使いのように構える

「文和は下がれ。
僅かだが、この窓から魔力を感じる。
...いつ誰がマスターになってもいいように保険として付けたんだろうな」
アンデルセンがそう言うとすぐに文和は問いかける
「なんで?そんな事する必要あるの?」
何も知らない彼女は意味がわからないと言わんばかりに言った。

「...すぐに始末する為だろうな。
まぁ魔術師としては当然__」
その時だった。
一本のジャックナイフが窓を割り、空気を裂いて文和へと飛んで来たのだ
「ッ___!文和!!」
アンデルセンは僅かに跳躍し、文和に突進。

「きゃぁ!!」
悲鳴と共にアンデルセンに突進された文和は背後に尻もちをつく。
ナイフは壁に突き刺さってしまったようだ。

「あれ。
避けられちゃった。」
窓の外から幼い声が聞こえた
アンデルセンと文和は窓の方を見て声の主を確認する。

そこにいたのは黒いローブに小さな体を隠し、頬に傷のある白髪の少女だった____