二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ロマンスは時にビターチョコの様にほろ苦い(その1) ( No.57 )
- 日時: 2017/02/14 16:17
- 名前: ゆめひめ (ID: iH8DsO3F)
第3回運動会の前に小話でブレノワ(+ちょっとの烈氷)でのバレンタインネタです。どっちのカップリングでも過去捏造ネタがあるのでご了承下さい。
そういえば最近サイファの生放送がありましたね。トラキアや聖魔のサイファ化が決まりましたが、これで登場してないの新紋章ぐらいになってしまったか・・・
クリス「」←灰になる&体中からネガティブゾーン+バッドエナジーが出ている
カタリナ(うわぁ・・・;クリスからありとあらゆる負の感情が溢れてる・・・;)
『ロマンスは時にビターチョコの様にほろ苦い』
2月14日。この日は皆さんご存じ『バレンタインデー』。
この日は多くの人々が色めきだす・・・
硝子「鈴花、もし良かったら一緒にチョコ作らない?」
鈴花「うんいいよー!硝子ちゃんはやっぱりD君に渡すの?」
硝子「えっ;そ、それは・・・;」
まりん「もー硝子ったら恥ずかしがりなんだからー!!」
リゼット「仲が良くていいね〜」
ヒノカ「じゃあ、そのバレンタインというのはチョコを作らないといけないのか・・・?」
カミラ「でも料理が苦手な人は無理に作らなくてもお店で買ったものを渡すというのもあるわよ」
ヒノカ「なっ、買ったものでも良いのか・・・?」
カタリナ「セシル、ほしゆめの方でバレンタインフェアがやっているみたいなので行ってみませんか?」
セシル「おぉー良いわね!行こうよ!!・・・あいつらの生命の存続の為にも;」
カタリナ「そうですね・・・;」
サクラ「え?スイーツですか?」
エリーゼ「うん!咲子ちゃんがバレンタイン限定のメニューを作るから一緒に考えて欲しいって!チョコを作る案にもなりそうだし、サクラも一緒に行こうよ!!」
女子達はこの日の為にとびきりの気持ちを込めたチョコを用意し・・・
ライアン「シーダ様、今年もぼくらにチョコくれますよね?」
ルーク「シーダ様の料理の腕前はアリティア1だしな〜今年も騎士の俺達にも義理の1つや2つぐらい用意してくれますよな〜?」
シーダ「もう、あなた達第七で余ってしまうから毎年必死なもんねwww」
マルス「(^ω^)つスッ・・・」←背後でファルシオンスタンバイ
マークス「アクアよ、それ運ぶの手伝おうか?」キラッ
アクア「Σえっ、ど、どうしたの急に・・・?;(大量の本を抱える」
リョウマ「白夜の民達よぉぉぉぉー!!シラサギ城へのバレンタインの申し出はリョウマ様からどうぞぉぉぉぉー!!(メガホン装備で宣伝」
白夜国民「・・・・・・;(可哀想なものを見る目」
カゲロウ「・・・おい、リョウマ殿は何をやっている・・・?;」
サイゾウ「カゲロウ、気にするな。リョウマ様はただマークス王子よりチョコをもらおうとしてるバカだから」
鉄「バレンタイン?何だそれ?」キョトン
風雅(ずっと前に茜さんにチョコもらってたじゃん・・・;)←※前スレの『バレンタインは人類の聖戦』参考
男子達は、まぁ人それぞれです・・・(苦笑)
とまぁ、多くの人が浮足立ってる今日この頃だが、バレンタインは決して良い事だらけではない。現にここにいるカップルが・・・
ブレディ、ノワール「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん(ry」OTL
アズール「あぁもう・・・言いたい事は分かったからさ・・・;」
セレナ「あんたの事情は分かったから、もう泣かないでよ・・・;」
おい、うちの名物のブレノワカップルがそれぞれアズールとセレナに泣きついているのですが;あ、ちなみにブレディとアズール、ノワールとセレナの2組は同じ場所にいるようで2組別々の場所にいます。おい、それよりも2組に何があったんだ・・・?
アズール「えっと何?要するに君はバレンタインの前日に限ってノワールとケンカしたっていうの?」
ブレディ「おう・・・;」
セレナ「あんたねぇ・・・その日にブレディと何があったっていうのよ?」
ノワール「そ、それは・・・;」
〜〜〜〜〜〜〜
事の発端は昨日の事であった・・・
カムイ「こんにちは〜アンナ商会からお届け物で〜す」
ノワール「あっ、カムイさん。わざわざすみませんね、忙しいというのに・・・」
カムイ「良いよ良いよ。あ、ここにハンコよろしくね」
ノワール「えぇ。・・・・っと、これでいいわね」
カムイ「OKだよ。それじゃ〜」
昨日、子世代邸にアンナ商会からブレディ宛ての荷物が届いた。その荷物をたまたま出てきたノワールが受け取る。あ、ちなみにうちのカムイはたまにアンナ商会でバイトをしています(彼の初登場(前スレにある『もしもピアノが弾けてもピアニストにならんと使い様がない』)にてアンナ代理で商品を届けた事があった)
今回はいつもと違ってギャグ少なめ 感想・まだ
- ロマンスは時にビターチョコの様にほろ苦い(その2) ( No.58 )
- 日時: 2017/02/14 15:27
- 名前: ゆめひめ (ID: iH8DsO3F)
ノワール「けどブレディったら何を頼んだのかしら・・・?なんか割れ物注意って書かれてるけど・・・(ガッ)重っ!?何これ・・・!?」
ノワールは送られた段ボールを持とうとしたが、その中の荷物に割れ物注意のシールがと張られているように食器ものかビンなのかかなり重く、華奢な彼女にとっては持ち上げるだけでも精一杯だった。しかしノワールはふらつきながらもなんとか荷物をブレディの部屋に運ぼうとした。
ノワール「もう・・・ブレディも自分だけじゃこんな重たいの持っていけないっていうのに・・・何を頼んだっていうのよ・・・;」
一体ブレディは何を頼んだのかと呆れながらも、よたつく足でとても重い荷物を運ぶ。が、受取人の彼の部屋の前につく一歩手前で・・・
ガッ!
ノワール「キャアッ!?」
なんと彼女はバランスを崩しその場に転んでしまったのだ!?さらに転んだ拍子に彼女が運んでいた荷物が転がってしまい・・・
ガシャァァァン!!
床に落ちた衝撃で段ボールの中から嫌な音が鳴り響く。その音はまさに最悪の事態を思わせる。そんな中、音を聞いた荷物の受取人である彼が駆けつける。
ブレディ「おい、何の音だ!?」
ノワール「あ・・・あ・・・あ・・・!」
ブレディ「ノワール?どうかしt・・・って、おい!これ・・・!?」
ブレディは彼女のそばに転がっている物が自分が頼んでいた物だと分かるとすぐさま中身を確認する。だが、先ほどの大きな音から中身の物が無事なわけがなく、段ボールに入っていたティーセットはどれも無残な形に割れていた・・・
ブレディ「・・・何やってくれてんだよ・・・!!」
ノワール「ち、違うのよ!!わざとやるつもりはなかったの!!こ、ここまで運ぼうとしたら躓いてしまって・・・!!」
今日まで待っていたお目当ての品が、配達された今日になって割れてしまった・・・しかも割ってしまったのは自分の恋人・・・彼の喋る声は静かながらも怒りがこもっており、彼女の方も必死に弁解するが・・・
ブレディ「なんでテメェは出来もしないっていうのに無理しやがるんだよ・・・!」
ノワール「・・・!?」
ブレディが放った一言、普通に聞いていれば何にもないのだが、先ほどの出来事から心がぐらついていたノワールにカチンときてしまう。そして彼女もこう言い返した事から、2人の仲がこじれてしまう・・・
ノワール「出来もしないってどういう事よ・・・!」
ブレディ「・・・何でお前って奴はそういう出来ねぇ事を無理してまでやろうとしやがるんだよ!!これだってお前でなくても運んでやる奴はいたっていうのに・・・!!」
ノワール「どういう意味なのよ!?私が運んできた事に不満があるっていうの!?」
ブレディ「そういうわけじゃねぇけど・・・!けど、運んできたって言って割れたら元も子もないだろうが!!」
ノワール「だから私だって悪意を持って割ったわけじゃないのよ!!大体あなただって、そんな自分でも持てないようなものを何で頼んだっていうのよ!!」
ブレディ「何で頼んだって・・・何もそこまで言う必要ねぇだろ!?大体このティーセットは・・・!!」
2人の口論はどんどん激しくなっていく。しかも周りには2人以外誰もおらず、2人を止める者もおらず、口論はただただ激しさを増すばかり・・・とうとうノワールは・・・
ノワール「私だって、これだってあなたの為だと思ってやったっていうのに・・・!!それなのに・・・それなのにあなたは・・・!!」
ノワール「ブレディのバカぁぁぁぁぁ!!!」パチン!
ブレディ「っ!?」
遂にノワールはこの空気に耐える事が出来ず、ブレディに平手打ちを与え、泣きながらその場を去って行ってしまった・・・
〜〜〜〜〜〜〜
ブレディ、ノワール「という訳(なんだよ・なの)・・・;」
アズール、セレナ「何やってん(だよ・のよ)、(君・あんた)は・・・」
・・・と、これが2人に起こった出来事であった。あれからというのも、1人きりになったブレディとノワールは冷静になったのはいいが、あのケンカで互いに言った酷い事、さらにその日がバレンタインの前日だという事に2人はあの事に落ち込んでしまい、バレンタイン当日の今日になってアズールとセレナに泣きついていた・・・話を聞いたアズールとセレナは、2人に互いの事を謝るように言うが・・・
アズール「そんなの、君がノワールにあんな事言ったからそうなったんじゃないの?すぐに謝った方がいいよ」
ブレディ「謝るっつったって、あんなこと言っちまったんじゃ顔合わせ出来ねぇよ・・・それにあいつだって・・・」
セレナ「そりゃ言い出したブレディも悪いけどさ、だからってビンタするあんたも悪いんじゃないの?そこはあんたも謝らないといけないでしょ?」
ノワール「そんなの、あんなことがあったんじゃ謝ることなんて・・・それにブレディにだって・・・」
「謝った方が良い」と言われても、2人の心には互いに酷い事を言ってしまった罪悪感、ケンカをしてしまった後悔、そして2人の奥底にある何かが2人の中で渦巻いており、2人の心情は完全にもやもやとしていた・・・
ケンカしてしまったブレノワ・・・ 感想・まだ
- ロマンスは時にビターチョコの様にほろ苦い(その3) ( No.59 )
- 日時: 2017/02/14 15:33
- 名前: ゆめひめ (ID: iH8DsO3F)
ブレディ「そりゃ吹っ掛けてきたのは俺だって悪かったと思ってるよ・・・でもノワールだって・・・あいつも無理をしすぎるんだよ・・・!あの時だって・・・!!」
アズール「そんなの!君も悪かったの思ってるなら、それこそ君が・・・!」
ブレディ「アズールは黙ってやがれよ!!これは俺とノワールの問題なんだよ!!」
アズール「あっ、おい・・・!!」
ノワール「ブレディは昔からあんな感じで・・・あの事だって彼の為だと思ってやってたっていうのに・・・!あんなことがあったら謝るなんて・・・!!」
セレナ「落ち着きなさいよ!あいつの為って、一体何が・・・!」
ノワール「これは私とブレディの話なの!!セレナには分からないでしょ!?」
セレナ「ちょっと・・・!?」
2人の中に渦巻く何かはとても大きく、もやもやをより大きくさせていく・・・その事を思って気が高まっていく2人をアズールとセレナは落ち着かせようとするが、完全に気が高ぶった2人はその場を飛び出してしまう。
セレナ「もう、何なのよ一た・・・って、あっ」
アズール「あっ」
2人が部屋を飛び出した後、セレナとアズールは2人を追う為部屋から出てきたのだが、既に2人の姿はなく、代わりに同じタイミングで出てきた互いに出会う。つか、意外と近い部屋にいたんだなお前ら。
セレナ「あんた、まさかブレディと・・・?」
アズール「うん・・・その様子だとノワールと話をしてたようだね・・・」
セレナ「えぇ・・・何なのよ、あの2人は・・・ノワールも鬼の人格にならず、あんな感じに怒る事なんて今までなかったし・・・」
アズール「ブレディもヘタレだっていうのに、あの時は何か切羽詰まったものを感じたのだけど・・・大丈夫なのかな、2人共・・・」
セレナ「確かにあの2人も今の状態じゃ・・・でもこの状況どうするのよ!?あの2人の恋愛成長を見るのが生きがいだっていうのに、このままあの2人がケンカしてるままだとあたしの生きがいに支障が・・・!しかも今日はバレンタインというカップルの一大イベントだっていうのに・・・!!」ワナワナ・・・
アズール「セレナ、気持ちは分かるけど、君最近子世代女子の数少ない真面目キャラからNL厨キャラになってきてるよ;」
〜〜〜〜〜〜〜
ブレディ「ぐすっ・・・えっぐ・・・」
さて、肝心の2人のうち、ブレディはというとイーリスの公園で泣き崩れていた。
ブレディ「何やってんだよ俺は・・・あのティーセットだって今日のノワールの為に使うつもりだったっていうのに・・・こんな時に限って・・・ぐすっ・・・」
ブレディが頼んだティーセット。あれには特にノワールへのある想いがあった。それなのにティーセットを使う直前でケンカしてしまった・・・こんな事になってしまってどうしようと思う彼の真後ろからサッカーボールが・・・
ドゴッ!!
ブレディ「Σゴフッ!?」
烈「おー悪ぃわr・・・って、おい!?大丈夫か!?」
ブレディ「放っとけよ・・・怒る気になんてならねぇし・・・」
そのサッカーボールは見事にブレディの後頭部に直撃した。そこにサッカーボールを蹴っ飛ばしたであろう烈が来るが、今までの事から泣きっぱなしの顔を見て、いつもはボールがぶつかって怒ってツッコむのに、ブレディを泣かせてしまったと思った烈は慌てて励ましにいく。
ノワール「・・・・・・」
一方、ノワールの方もあれから気分もすぐれないまま、とぼとぼと街を歩く。そんな中、ふとお菓子屋のショーケースを見ると、チョコレートケーキが目に映る。
ノワール(そうだった・・・今日はバレンタインだったわ・・・本当なら今年もブレディにチョコを作っていたはずなのに・・・あのケンカで作ってないや・・・)
今日はバレンタイン。この日は本当ならいつも愛する彼の為に本命チョコを精一杯作るはずだった。なのに、昨日のケンカからずっと心がもやもやしていて、今日のチョコを作る気になれなかった・・・毎年楽しみにしていたこの日の前に自分は何をやっているんだろう・・・なんて思っている彼女の前に人影が・・・
氷海「やっと生徒会の仕事が終わったわ・・・って、あれは・・・?」
ノワール「はぁ・・・」
氷海「ノワールじゃない。どうかしたの?」
ノワール「あ、氷海・・・」
やって来たのは氷海だった。彼女は手に何か手さげ袋を持って歩いており、彼女はたまたま見かけたノワールが何か落ち込んでいる様子を見て気になったのか、ノワールに声をかけた。
〜〜〜〜〜〜〜
烈「そうか、そういう事がなぁ・・・まぁ、それ食って落ち着けよ」
ブレディ「うぅっ・・・すまねぇな・・・」
氷海「事情はよく分かったわ。とりあえず落ち着きなさい。お代は私が払うから・・・」
ノワール「ご、ごめんなさい・・・」
あれからブレディは公園のベンチにて、ノワールは近くの喫茶店にて、烈と氷海に今までの経歴を話した。別々の場所で2人の話を聞く烈と氷海は真剣に聞いてくれて、烈は買ってきたホットスナックをブレディにやり、氷海は喫茶店の紅茶とケーキをノワールにごちそうした。
感想・まだ
- ロマンスは時にビターチョコの様にほろ苦い(その4) ( No.60 )
- 日時: 2017/02/14 15:45
- 名前: ゆめひめ (ID: iH8DsO3F)
烈「まぁ、お前とノワールの事はよく分かるけど、口論に発展したのはお前が吹っ掛けてきたのが原因だろ?それはそっちから謝ればいいんじゃねーのか?」
ブレディ「そ、それは・・・そうだけども、あの時はやっぱり俺も言ってやろうと思っていて・・・」
烈「おい・・・」
氷海「そりゃその言葉についカッとなる気は分からなくもないけども、そのティーセットを割ってしまったり、手を出したりしたのはあなたにも非はあるのだからそこは謝らないといけないんじゃないの?」
ノワール「で、でも、あの時は私も言いたい事がいっぱいあったし・・・」
氷海「・・・・・・」
烈と氷海は互いに「そっちにも悪い事はあるからそっちも謝るべきだ」というが、2人の心はあのケンカ中で相手に対する申し訳なさやきまずさでギクシャクしていた・・・そんな2人の口からずっと心の奥底で渦巻いていた思いがこぼれだす・・・
ブレディ「ノワールの奴は昔から俺の為に無理をするんだよ・・・あいつも元から心も身体も弱いっていうのに、同じ弱虫な俺に一生懸命になりすぎなんだよ・・・ガキの頃も、俺が風邪をひいたって聞いたら病み上がりの状態でもずっと俺に付きっきりで看病したりとか、あいつ自身も怖いっていうのに夜中のお手洗いに付き添ってくれたりとか・・・あの時はガキだったからありがてぇと思ってたけど、いい年になった今でもあいつは怪我した俺を手当したり、酷い目にあった俺の事を助けてくれたり・・・けど、俺の為にそういう無理をし続けるあいつを見てるとすごく辛くなるんだよ・・・」
ノワール「ブレディはあのなりのくせに気が弱くて、人見知りも激しくて、小さい頃もウードやマリアベルさんの様な信頼できる人しか心を開いてくれなくて・・・セレナ達と仲良くなっても誰かにくっついていないと不安で泣く事もあったから・・・だから私も、こんな華奢ななりでも彼の為に頑張らなきゃと思って・・・足を怪我した時におんぶしてあげたりとか、森で道に迷った時に恐怖で泣いていた彼を落ち着かせてあげたりとか・・・特にちょっとの事で怪我するのは大人になった今でも起きうる事だから、大事になってしまったらどうしようと思うと放っておけなくて・・・」
ブレディ「男としてあいつを守ってやらなきゃいけねぇのは俺の方だっていうのに、情けねぇよ・・・」
ノワール「私は彼を守ってあげなきゃいけないのに・・・こんな感じじゃ、彼を守ってあげる事なんて・・・」
ずっと2人の中で渦巻いていたもの、それはブレディの「このままノワールに助けられてばかりではいけない」という危機感と、ノワールの「ブレディを守ってあげなきゃいけない」という使命感だった。元々2人は不憫なブレディとお仕置き組のノワールという、彼よりも彼女の方が強い方であり、ブレディが何かしらの被害に遭う度に問題児を締め上げるノワールがよくある光景だったのだが、2人はそれに対し心がつっかえていたのだった。
「なんでテメェは出来もしないっていうのに無理しやがるんだよ・・・!」
「私だって、これだってあなたの為だと思ってやったっていうのに・・・!!」
あの時2人が放った一言、それはブレディの「自分の為に無理をしないで欲しい」というノワールに抱く本音と、ノワールの「自分がブレディを助けないといけない」という使命感の現れだった。言いたくてもずっと面と向かって言えなかった事を最悪の形でぶちまけてしまった事にもう互いに会わせる顔ももなく、謝る言葉も出てこない・・・
ブレディ「あんなのじゃ、今更ノワールに謝れっつったって・・・」
烈「・・・言いたい事は分かったよ。けどそんなの、ノワールはお前の為だと思っているんじゃないのか?」
ブレディ「は・・・?」
ノワール「あんな状態で謝ったって、ブレディが許してくれるわけが・・・」
氷海「・・・あなたの言い分は分かったわ。でもそれって、ブレディはあなたに迷惑かけたくなかったから、ああ言ったのじゃないの?」
ノワール「え・・・?」
今までの話を聞いた烈と氷海、謝りたくても気まずくて謝る事なんて出来ない2人を見て、烈と氷海は話を始める・・・
烈「まぁ俺も小学の頃、鈴花とそれっぽい事があってな。ある日、ばあちゃんに無茶苦茶怒られて罰として1日店番を頼まれた事があって、その時たまたま通りかかった鈴花が事情を聞いて夜遅くまで手伝ってくれてな・・・鈴花には重たいビンを運ぶ事なんて無茶だったのに、何で手伝うんだって聞いたら鈴花の奴、笑顔で「だって大変な烈くんの為なんだもん」って・・・誰かの為なら無理してでも手伝ってやるもんだろ・・・」
ブレディ「・・・・・・」
烈「それにな、お前ら付き合っているんだろ?カップルならケンカの1つや2つぐらいでくよくよしていたらやっていけねーよ・・・」
氷海「あなたとブレディが昔何があったのかは知らないわ。けどあんな不憫でヘタレな奴でも、ブレディは男なのよ。いつもあなたに助けられる事には感謝していても、反面男としてあなたの手を借りている事に情けなさを感じているんじゃないのかしら・・・?あいつもあなたの手無しで、自分だけでも頑張れるようになろうとしているはずなのよ・・・」
ノワール「・・・・・・」
氷海「あなた達は子供の頃からブレディと仲が良いし、今となっては付き合っている者同士でしょ?それならこのまま仲がこじれ続けるよりも早く仲直りしたいと思っているのでしょ・・・」
烈「いつもケンカばかりの俺らに比べてみれば、お前らはまだ仲直りする事が出来るだろ・・・」
氷海「どんな人にもすれ違いってのはあるし、あなた達はこっちと違って仲が良いのだから仲直りした方が良いわよ・・・」
ブレディ、ノワール「・・・・・!」
烈と氷海の言葉は2人を心配すると同時に説得力があった。烈も氷海も、お互いに意地を張っているケンカップルであり、互いの事を想ってても素直になれず顔を合わせればケンカばかりしていている烈と氷海にとっては、まだ今でも仲直りする事が出来る2人には自分たちみたいにケンカばかりしている自分たちと同じ様になって欲しくない・・・烈と氷海の言葉に何かを閃いた2人は、場所は違いながらもその場に立ち上がる・・・
2人共・・・ 感想・まだ
- ロマンスは時にビターチョコの様にほろ苦い(その5) ( No.61 )
- 日時: 2017/02/14 15:51
- 名前: ゆめひめ (ID: iH8DsO3F)
烈「・・・ん?どうした?」
ブレディ「・・・わりぃ、やるべきことを思い出した!あ、ホットスナックありがとな!じゃあな!!」
烈「あっ!おい・・・」
氷海「ノワール・・・?」
ノワール「・・・ケーキと紅茶ありがとうございます。それじゃあっ!!」
氷海「えっ・・・」
ブレディとノワールは、烈と氷海に礼を言うとすぐさまその場を去って行った・・・
烈「ったく、やっとその気になったのか・・・ん?電話・・・?」
氷海「もう、心変わりがはやいものね・・・っは、そうだ!私も・・・」
〜〜〜〜〜〜〜
バタン!
デジェル「はぁ・・・まさかあんな事になるなんて・・・;って、ノワール?」
ノワール「デ、デジェル・・・・・ぜぇ・・・ブレディ・・・どっ、どこにいるか・・・知らない・・・?」
デジェル「え?ブレディならさっき何かを持って食堂に行ってるところを見かけたけど・・・?」
ノワール「そう・・・あ、ありがとう・・・!!」
子世代邸、時間はもうすでに日が暮れようとする時間帯だった。あれから大急ぎで帰って来たノワールはすぐさま目的の人物を探す。が、玄関にはデジェルしかおらず、彼女に目的の人物がどこにいるか聞き出す。教えられた場所にすぐさま向かうと、その人物はあっさりと見つかった。
ノワール「ぜぇ・・・はぁ・・・ぶ、ブレディ・・・・・」
ブレディ「あっ・・・!」
彼は彼女を見た時、何かを後ろに隠していた行動が見えた。しかし今はその行為を気にする事よりもやるべき事があるのだが・・・
ノワール「え、えっと・・・;あの・・・その・・・;」
ブレディ「・・・っ・・・・・」
いざ、本人を目の前にするとなんて言えば良いのか言葉が見当たらず口が詰まってしまう。けど、ノワールがやりたいと思っている事はブレディも同じであった。ノワールが言い方に困っている中、ブレディは無言で彼女の前に出ると、一言を言った・・・
ブレディ「すまんかった・・・!」
ノワール「え・・・?」
今の彼の謝罪にノワールは一瞬、自分ではなく彼の方が謝って来た事にビックリする。そしてブレディの方もずっと彼女に言いたかった素直な事を話し出す・・・
ノワール「ブ、ブレディ・・・?えっと・・・」
ブレディ「あ、あの時はティーセットが壊れたショックもあったけど、その・・・わざわざこんな俺の為に運んできてくれた事に申し訳なさもあって・・・い、いつもいつも俺の為に頑張ってくれるのは良いけど、俺もお前に頼ってばかりじゃいけないと思って、あの時ついカッとなっちまって・・・本当にすまねぇ・・・!!」
ノワール「ブレディ・・・わ、私の方こそ・・・私、ずっとあなたの為だと思ってやってきたのだけど、あなたの思ってた事も考えてなくて・・・おまけにあのティーセットを壊してしまって、しまいには酷い事言ったうえ、あなたを叩いてしまって・・・私の方こそ本当にごめんなさい・・・!!」
ブレディ「お、おう・・・」
やっと2人の間で謝る事が出来て、2人の顔に昨日からずっと見せれなかった笑顔がこぼれる。
ブレディ「あのな、ケンカしちまったお詫びって言ってはなんだけどよ、これ・・・」
ノワール「・・・?」
するとブレディはずっと後ろに隠していたものを出す。それはなんと、あの時壊してしまったはずのティーセットのうち、2つのティーカップがあり、中にはチョコレートの香りのする紅茶が入っていたのだ。
ノワール「こ、これって・・・!」
ブレディ「実はあれ、丁度この2つだけが壊れていなくて何とか使える状態だったんだよ」
ノワール「そ、そうだったの・・・!あら?この香りって・・・?」
ブレディ「おう、チョコレート風味の紅茶なんだよ。あのティーセットも昨日あたりに届くって言われたから、これをバレンタインの今日、お前に出してやりたくて・・・」
ノワール「そうだったの・・・」
ブレディがチョコレート風味の紅茶を用意していたのは、この紅茶をノワールに振る舞おうとしていたのだ。ご存じの方もいるかもしれないが、最近のバレンタインには男性から女性に贈る逆チョコというものがある。そう、ブレディはバレンタインの近い日に贈られる予定のあのティーセットでノワールへの逆チョコを贈ろうとしてたのだ。まさかの毎年贈っていたバレンタインのチョコを、今年は彼からの逆チョコをもらったノワールは少し驚きながらも、彼が自分の為に用意したプレゼントに心の底からの感謝を抱き、微笑みをみせながら返事をする・・・
ノワール「ホワイトデーには私からもチョコ作ってあげるね・・・」
ブレディ「おう・・・!」
そんな2人の仲直りの光景の一部始終を陰で見守っている者がいた。あの時2人が部屋から飛び出していくまで2人の事情を聞いていたアズールとセレナだった。2人は先ほどまでケンカしていたブレディとノワールが仲直りしたみたいで安堵の表情をする。
セレナ「・・・何とか丸く治まったみたいね」
アズール「そうだね。やっぱり2人にはあんな風にしている方が1番だね」
セレナ「そうね・・・あ、そうだアズール、あたしからも・・・」
アズール「え?」
するとセレナはどこからかラッピングのされた箱をアズールに渡す。その箱を開けてみると、中には3つのトリュフチョコが入っていた。
アズール「せ、セレナ、これ・・・!!」
セレナ「もう、今日はバレンタインでしょ!?2人に気になりすぎてあんたも忘れてるんじゃないわよ・・・!」
アズール「だ、だってブレディもノワールも付き合い長いもんだし、2人共セレナやウードみたいに気が強い方じゃなかったから2人の事心配になって・・・;」
セレナ「まぁそりゃ、あの2人の事が気がかりになるのは分からなくもないけど・・・」
茶髪の女性「あいつらは子供の頃から前向きになれる奴らじゃなかったしなー何があったか知らんが、あいつらもいい感じになって良かったな」
セレナ「そうね・・・・・って、え?」
2人が会話していると、茶髪のショートカットをした黄色い服の女性が割り込んで来る。この女は・・・?
セレナ「え?あんた誰よ・・・?」
茶髪の女性「あぁ俺?ウードだけど」
セレナ、アズール「Σウードォォォォォォ!!?Σ(°□°;)」
アズール「ま、マジで!?いきなり女になって・・・!?何があったの!?」
ウード(女)「デジェルがくれたチョコだよ・・・;それでこうなってしまってな・・・;」
アズール「あぁ、異常事態ダークマターだね・・・;つか、君デジェルのダークマター何回も食ってるからそろそろ慣れているんじゃないの・・・?;」
ウード(女)「あいつの起こす異常事態はほぼランダム効果だぞ・・・痛みがくるかそうじゃないかの2択でしかも何が来るか分からんのだぞ?慣れるには何十年も必要だと思うんだよ・・・;」
セレナ「珍しくギャグがないと思ったらあったわよ・・・;」
(※うちのデジェルは料理をすると必ず異常事態ダークマターが出来上がります(前レスの料理対決編参考))
無事に仲直り ウードェ・・・; 感想・まだ
- ロマンスは時にビターチョコの様にほろ苦い(その6) ( No.62 )
- 日時: 2017/02/14 15:58
- 名前: ゆめひめ (ID: iH8DsO3F)
1組のカップルが無事に仲直りできた頃、柊町の酒屋・・・
烈「ったくよ〜、チョコ回収しに行くぐらい良いじゃねーかよー・・・;それをわざわざ電話で呼び出しやがって・・・」
茜「昨日、店の日本酒とビールの泡を使って雫シークレットマインドごっこして両親に怒られたから罰として1日店番頼まれたじゃろうが。それをわしの目を盗んで抜け出しよって・・・」
烈「けどばあちゃんも雫シークレットマインドごっこしてたじゃねーか!!しかも親父達にバレる直前に逃げ出しやがって!!」
茜「おふざけする時は常に危険を察知する事が必要なんじゃ。あ、そういえばわしも今日仕事終わりのミニッツにチョコ渡す予定じゃからしばらくの間この場は頼むな〜」
烈「あっ!?汚ねぇぞばあちゃん!!」
先ほどブレディの相談を受けていた烈が茜に呼び出され、店番を頼まれていた。つか、お前ら自分の店の商品で何やってんだ。そりゃ両親にも怒られるわ。そんな中、茜はチョコを渡しに行くからと言ってこの場を去ってしまい、店には烈1人の状態になる。
烈「ったく、ばあちゃんの奴・・・いつもいつも孫をコキ使わせやがって・・・!バレンタインぐらい鈴花達からのチョコを回収しに行ってても良いじゃねーかよ・・・!」
氷海「すみませーん、茜さんh・・・あっ」
烈「あっ」
そんな中、店にお客さんが。先ほどノワールの相談を受けていた氷海だ。彼女はあの時からずっと手さげ袋を持っており、客という立場にしては茜を探している様子だった。
烈「なんだ?ばあちゃんならさっきどっか行っちまったぞ。なんか用か?」
氷海「別に・・・それよりもあなた何やっているの?」
烈「店番任せられてな〜ばあちゃんも見事にサボりやがってな・・・」
氷海「全く、祖母も孫もどうしようもない奴ね・・・」
烈「んだとぉ!?わざわざやって来てケンカ売りに来t「ガチャン」え?」
烈1人で店番をやっていると聞いた氷海はその場にあった酒瓶の入った箱を持ちだしたのであった。
烈「おい、お前・・・?」
氷海「これ、どこに運んでおけばいいの?」
烈「・・・そこの店の奥」
氷海「分かったわ」
どうやら相手の様子から手伝おうとしているらしい。自分の手伝いをしてくれる様子を見た烈は仕事の内容を伝える。すると彼女はせっせと仕事をこなす。そうこうしている間にも彼女が手伝ってくれたおかげで仕事はスムーズに終わった。
烈「おぅ、なんか悪いな。こういう事やってもらって」
氷海「別に。あんた1人に店番任せてたらロクでもない事になりそうだから手を貸しただけよ」
烈「おいどういうこったオイコラ(ん?そういうえば昔にもこんな感じの事が・・・)」
氷海「あ、そうだわ。これ・・・」
烈「ん?なんだ?」
氷海「別に、あんたがいてたからついでにって・・・」
烈「あ?ついで?」
氷海「なんでもいいでしょ・・・じゃあ私はこれで・・・」
烈「おい、もう行くならちょっと待て」
氷海「?」
手伝いを終えた氷海はずっと持っていた手さげ袋を烈に渡す。渡す時の態度に何かおかしいと思うが、袋を渡した氷海は早々と帰ろうとする。その様子に烈が呼び止めると、烈はどこからか別の小さな袋を氷海に渡す。
氷海「な、何よこれ・・・?」
烈「・・・手伝ってくれたお礼」
氷海「え・・・?」
烈「良いからもってけよ・・・」
氷海「・・・・・・」
相手の雰囲気から断る気が起こらない氷海は何も言わず袋を受け取ると無言でその場を去っていく。少しして2人は互いに渡された袋の中を確認しようとする。
氷海「何よあいつ、お礼って一体何が・・・・・?」
烈「ったく、あいつ今日が何の日かぐらい分かってるのk・・・ん?これって・・・」
相手が一体何を渡したのか気になる2人。相手がいなくなったのを確認し、場所は違えど意を決した2人は袋の中を覗いてみる。そこには・・・
氷海がもらった袋にはパステルくんのストラップと「少し早いけど誕生日おめでとう」と書かれたカードが、烈がもらった袋には数個の型抜きチョコと「ハッピーバレンタイン」と書かれたカードが入った袋が入っていた・・・
烈、氷海「・・・・・・」
袋の中に入っていた物を見つめる2人、しばらくすると氷海はパステルくんのストラップをつまみ、烈は無言で型抜きチョコの1つを食べる・・・
氷海「・・・なんかこんな感じのもの、前にももらったわね・・・」
烈「・・・ったく、相変わらずあいつの作るチョコはかてぇな・・・」
口では憎まれ口を言うものの、2人の口元は緩んでいた・・・伝え方はぶっきらぼうだが、2人の相手に対する思いは確実に伝わったであろう・・・
今日はバレンタイン。どんなに素直な気持ちになれないカップルでも「大好き」の想いを伝える事が出来る日だ・・・
終わり
後書きとおまけがあるので感想はまだで
- ロマンスは時にビターチョコの様にほろ苦い(その7) ( No.63 )
- 日時: 2017/02/14 16:00
- 名前: ゆめひめ (ID: iH8DsO3F)
〜後書き〜
てなわけでブレノワ(+烈氷)のバレンタインの話でした。バレンタインが近づき、ふとバレンタインネタを書きたいと思っていたら、ふと思いついたのがうちのブレノワがケンカしてしまったら、というものでした。それに加えてケンカップルである烈氷も出したら話も作りやすいと思い、今回の話が出来上がりました。いつもケンカばかりの烈氷は、他のカップルがケンカしてしまったら良い相談が出来るんじゃないかと思うとなんだかスラスラかけましたが、あんまり恋愛系は書いたことがないので所々おかしい所もあるかもしれませんが・・・;
ちなみにうちのブレノワの過去について小話を。
うちのブレノワは子供の頃から体も気も弱く、特にブレディは人見知りが激しく両親やウードの様な自分が心を開いた人がそばにいないと不安や恐怖で泣きだしてしまう事がほとんどだった。5人で仲良くなってからブレディのその様子を見たノワールは彼を安心させないとと感じ、自分も怖いと思っても彼のためだと色々な事をやっていった。そのおかげか2人の信頼は深くなったのだが、大人になるにつれブレディは彼女の行為に自分の情けなさを感じていき、不憫な目に遭う自分の為に問題児をシメあげるノワールを見る度に段々申し訳なく思う様になり、今回の出来事がきっかけで彼の本心が・・・
〜おまけ〜
まり花「んん〜♪さきちゃん、このバレンタインちくパ美味しいよ〜♪」
めう「いつものちくパにたっぷりのチョコがかかっていて、ちくパのボリュームもすごくてハンパないめうー!!」
咲子「まり花ちゃんもめうちゃんも喜んでくれてとってもとっても嬉しいです♪これ、エリーゼさんとサクラさんと考えて作ったんですよ」
イブ(ちくパも無駄にレパートリーが増え続けているわね・・・;)
ここは日向美商店街のシャノワール。ひなビタメンバーがいつもの様に咲子の作るちくパやケーキを食べながらおしゃべりをしている。そんなシャノワールに1人のお客さんがやって来た。
レオン「咲子、遊びに来たよ。って、どうしたんだ?それ・・・?」
咲子「あっ、レオンさんいらっしゃいませ!これ、エリーゼさん達と一緒に作ったんですよ」
レオン「エリーゼと?」
咲子「はい、レオンさんの分もすぐに用意致しますので!」
レオン「あぁ・・・今日そのつもりで来たんじゃなかったけど・・・;じゃあいただこうかな」
やって来たのはレオンだ。彼の目に飛び込んだ咲子と自身の妹が作ったというちくパを見つめるや否や、咲子はすぐに用意すると台所に向かった。
イブ「けどレオンさん、あんたの様なお偉い方が、よくここのちくパ食べにきてるもんねぇ・・・;」
レオン「え?まぁ、ちくパは美味しいって思ってるけど・・・」
めう「ちくパの人気は商店街を越えて色んな所で大流行してるめうー!この間のウサワノペダルズのコラボでも差し入れのちくパを見たしばしばちきつつがすごーくはしゃいでためうー!!」
まり花「ほんとだね〜!クリクリのツキノちゃんやシオカラーズのアオリちゃんもよく差し入れをお願いしてくるし、ちくパはみんなが気に入る程の名物だよ〜!!」
おい、いつの間にちくパがそんなにも流行してるのか?まぁ、うちにもちくパガチ勢はいたりしてますが(烈、カタリナ、ルークがそれ。レオンもその1人に入る)。そんな感じにひなビタメンバーと会話してると咲子が出来上がったばかりのバレンタインちくパを持って来る。
咲子「レオンさん、バレンタインちくパ出来上がりましたよ〜」
レオン「あぁ、ありがとう咲子。そうだ、咲子に渡したいものが・・・」
咲子「えっ?」
レオンが咲子に手渡したのは小さなカップに入ったチョコだった。このプレゼントに咲子やひなビタメンバーは・・・
咲子「これって、もしかしてチョコレートさんですか?」
レオン「うん。バレンタインは恋人同士でチョコを贈るだけじゃなくて、日ごろお世話になってる人へ贈るものもあるから、いつもちくパを作ってくれる咲子にあげたいって思って・・・」
咲子「ふわわぁ・・・!レオンさん、とってもとっても嬉しいです!!」
まり花「ふおおおおおー!!さきちゃん、レオンさんから逆チョコもらってるよー!!」
めう「ひなビタ史上初の逆チョコめうー!!さききモテモテめうー!!」
凛「・・・レコード屋、ハンコ屋、魔法王子は故に言う「世話チョコ」となるものを贈ってるだけよ・・・」
イブ「でも咲子〜逆チョコもらっちゃうなんて、あんたもレオンさんに気に入られてるんじゃない?」
咲子「ちょ、ちょっとイブちゃん・・・;」
レオン「・・・?」
バレンタインの男性からチョコのプレゼントにひなビタメンバーは大盛り上がり(大半のメンバーは逆チョコのプレゼントかと思ってるが)。何はともかく咲子が喜んでいる姿とひなビタメンバーがはしゃぐ姿を見たレオンは・・・
レオン(・・・そういえば最近では男から女にあげるチョコなんてのもあるって聞いたことあるな・・・ひなビタのみんなの反応・・・なんだかそんな感じに受け止められてる感じ・・・?でも、咲子といるとなんだか楽しく感じるんだよな・・・ちくパも彼女に勧められて気に入ったもんだし・・・何なんだろう、この感じは・・・?)
咲子「レオンさん?どうかしましたか?」
レオン「・・・えっ?あぁ、別になんでもないよ。ちくパいただくね」
咲子「えぇ、ごゆっくりして下さいね」
ふと頭に思い込んでいる時、咲子に声をかけられてハッとなり、ちくパを食べ始める暗夜王国の弟王子。彼がまた今の思いに悩み始めるのは、もう少し先の話だったりする・・・
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