二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- プロローグ【三歳の廃人】 ( No.1 )
- 日時: 2017/01/23 21:38
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
今日は日曜日。働かなくて済む数少ない休日。男は朝から晩まで家にこもり、『ポケットモンスター サン・ムーン』をプレイしていた。
男はいわゆる廃人と呼ばれる人間で、『レーティングバトル』で上位を目指し厳選に今日も励んでいた。丁度六匹目の『理想個体』が来た瞬間ゲーム機の画面はフリーズした。
「あちゃーやられたな……」
落胆ぶりは凄まじいものだったが、すぐ男は再起動しゲームをスタートしようとする。ゲーム機本体は真っ暗なまま、画面を見つめ続けているとまるでその闇が徐々に自分を飲み込んで行くような錯覚に囚われる。
いや、錯覚などではない。男を闇は包み込んだ。闇はすぐに晴れるが、男は影も形も無い
俺は目が覚めた。見たことの無い部屋の柔らかいベッドの上で。口に何か咥えていたのに気付き吐き捨てる。吐き捨てられたのはおしゃぶり。まるで自分が赤ん坊のように扱われているようだ。
抜け出す方法を模索しようと立ち上がろうとするが、立ち上がれない。よろめき、倒れる。本当に自分は赤ん坊になってしまったのかも知れない。理由の一つは 闇に飲み込まれる前より、世界が大きく見える事。他の二つは言わなくてももう分かるだろう。
何度かチャレンジし立ち上がることに成功。よちよちと部屋の中をウロウロする。するとドアが開き、見覚えある人物が姿を見せた。『ポケットモンスター サンムーン』の主人公の母である。まだ、作中より若いものの髪型や自分に笑いかけている顔がゲームそっくりだ。
「3歳になっても、歩けないから心配したのよー」
嘘だ。そんなはずはない、と周りを見渡す。見たことの無い筋肉隆々の生き物が荷物を運んでいるでは無いか。いや正確にはあるのだ『画面の中で』
信じたく無いが3歳から『ポケットモンスター サンムーン』の世界でやり直し__転生させられたようだ。