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- Re: 【東方puroject】本当は怖い幻想郷【短編集】 ( No.1 )
- 日時: 2017/01/29 11:50
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
【博麗 霊夢編】(1)
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幻想郷を治める者は賢者と巫女。
今回は、治める者に属する巫女__博麗 霊夢の話である。
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読者の皆さん。突然だが、彼女__博麗 霊夢に裏の顔が有ることをご存知だろうか?
幻想郷の人妖達にもそういった噂は広まっておらず、更に不思議な事に、誰もがその概念を
疑っていないのだ。否、詮索する事を諦めている。
霊夢は普段、どんな顔を見せているだろうか?
単純明快、隠れた優しさを持ち、差別しない....言えば、“裏表のない性格”である。
あの魔法使い、霧雨 魔理沙でさえもその事実を受け入れ、認めてもいる。
最早、“霊夢の裏表のない性格”は常識であると言っても過言ではないくらいの様である。
「.......さぁ、あんた..さっさと白状なさいな」
___それなのに、目の前に居る人物は。
___何故、笑顔で問い詰めているのだろうか?
___嗚呼、怖い。怖い。
「れっ、れいむ、さっ......!?」
「なぁに?名無しの妖怪さん?」
彼女は、彼女は、博麗 霊夢は妖怪狩りを密かに楽しんでいたのではないか。
名無しの妖怪と指された者は頭をフル回転させながら、霊夢の実態に迫っていた。
“妖怪狩りなんて、タチの悪い”普段の霊夢ならそう言うに違いない。
なのに、今の目の前に居る霊夢は愉しそうにニヤニヤと笑みを浮かべるばかりで、霊夢でない。
名無しの妖怪は目尻に透明の塊を浮かべながら、必死に懇願した。
へなへなと力が抜けた様に地面に座り込み、ボロボロと頬に滴が伝う。
恐怖で上手く言葉が出ない。掠れた、枯れた声が、恐怖に支配された声が地を這い、軈て消えていった。
「........“最期”まで面倒臭い妖怪だこと」
霊夢の発した舌打ちと共に、パァンと叩く乾いた音が辺りに虚しく響いた。
操り人形の様に地面に倒れたその妖怪は、もう動かなくなっていた。
霊夢はそれをじんまりと、ニヤニヤと、ゆっくりと睨み、見詰めてはケラケラと笑い出す。
面白がるかの様に。
悲しむかの様に。
後悔するかの様に。
嘲笑うかの様に。