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Re: 【東方project】本当は怖い幻想郷【短編集】 ( No.3 )
日時: 2017/01/30 17:23
名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)

【清蘭編】(1)

−−−−−−−−−−−−−−−
ピーピーピー...


「漸く繋がったか」
「んー?...どうかした?清蘭」
「鈴瑚か......」
「ちょっ、何よそれぇ!!」


ぎゃあぎゃあと喚く向こうの声など無視し、一方的に切る。
向こうは恐らく“あっちから電話を掛けてきたのに......”等と文句を呟いてるだろう。
.....鈴瑚のそんなことはどうでも良いのだ。
私は今から、浄化しに行くのだから。



     ●○●


何時からこんなに好戦的になったのだろう。
何時からこんなに真面目になったのだろう。

あの、侵略を目指した幻想郷の彼奴等が亡くなってから数百年。
嗚呼、思い出せないなぁ....。
もう、掴み所のないあの貘はどっかに行ってしまった。
もう、あの裏切り者は私の記憶から消えて行っている。
もう、あの....あの、相棒、鈴瑚でさえにも憎しみを覚えている。

訳が分からなくなった。


「彼奴は巫山戯てばっかり.....本当、苛々する..」


相棒の鈴瑚は不真面目で、だらしないのに、
私は真面目で、ちゃんと任務を遂行してるのに、
何で、何で、何で、何で、何で、何で何で何で何でナんで何デ何でなんでナンでナんでナンデ___。
やっぱり、消した方が良いよねぇ。彼奴なんか、居ても居なくても一緒だから__。

_____今から浄化して消してあげるよ、鈴瑚。



     ●○●



「あーあ、情けない」


机に寄り添う様に倒れ、顔を伏せたまま動かなくなった“何か”を見て呟く。
この“何か”は元々私の相棒だった。.........そう、鈴瑚。
今度は私がちゃんと教えて上げないといけない。ちゃんと躾をしてあげないと。
前のようなあの、失敗作の不真面目な鈴瑚なんて要らないのだから。

そう思うと、何だか楽しい。
相棒を、親友を、自身の思い通りに作り上げられるのだ。
これ程の快感はこれ以外に何が有るだろうか?


「__ふふっ、楽しみね」
「............ん..んぅ、せい.......らん..?何するのさ、いきな...」
「まだ生きてたの?」


籠った声を漏らしながら、鈴瑚がもぞもぞと動いた。
ナンデまだイきてるのかなぁ....?
もう一発、殴らないと完全には意識を奪えないみたいだ。

新しい血の付いた“凶器”を大きく振りかぶる___


「______が、かはっ..!?清蘭..!?」
「上出来、ね」


鈴瑚は頭に大きな痕を残しながら床にバタッと倒れ、軈て動かなくなった。
それをじっくりと視認した清蘭はニタニタと薄気味悪い、奇妙な笑みを浮かべ、“動かなくなったそれ”を
優しく抱き抱えた。