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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【東方project】本当は怖い幻想郷【短編集】 ( No.4 )
- 日時: 2017/02/01 18:19
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
- 参照: 修正
【清蘭編】(2)
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もう、冷たい。
蝉の脱け殻みたいに動かなくなっていた。
「.......どう、しようかな..」
ぽちゃんと清蘭の瞳から一筋の滴が頬を伝い落ちる。
赤くて遠くを見据える鋭い瞳は、弱々しい光を放ちながら手元に視線を落とす。
____清蘭は泣きながら頬を紅潮させていた。
何かを喜ぶ様に。
鈴瑚のもう開かれないであろうその瞼は固く閉ざされている。
鈴瑚の温かみなど消え去ってしまった指先は青白くなっていた。
鈴瑚が大好きな団子を食べる姿。
鈴瑚の声。
鈴瑚の笑顔。
それら全ては一人の兎の手によって奪われたのである。
「__は、ははっ..。私、捕まっちゃうかもしれないね、鈴瑚..」
正気を取り戻しつつある清蘭。
鈴瑚の様子を見て、清蘭は“冗談でしょ?”と言うかのように笑い飛ばそうとした。
清蘭の白く細い喉からは掠れた、絶望の声しか出なかった。
「りん.....ご...?嘘、嘘でしょ..?」
清蘭は何度も何度も鈴瑚を揺さぶる。
しかし、幾らそんな事をしても鈴瑚は目を覚まさない。驚かない。怒らない。
そりゃあそうだろう。
相棒、鈴瑚の命は清蘭__ 自身の手で奪ってしまったのだから。
それを認めまいと清蘭は何度も何度も鈴瑚の身体を揺さぶる。
____その時だった。
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