二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.4 )
日時: 2017/03/28 07:35
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




2・咲夜の影と悪魔の妹




出来上がったのは全く瓜二つの咲夜の影だった。咲夜の影は本人と同様に仕事をこなす。しかし本人と違うのは影であることと明らかな悪意があることだ。闇に溶け込むことができる彼女は本人の行動を常に監視していた。そしてその隙を見つけることができたのはついさっきのことだった。

咲夜「………食材がもうないわ、買い出しに行かなくちゃ。時間も少し余裕があるしゆっくり行っても問題は無いわね。」

本人が紅魔館を出たのを咲夜の影は見逃さなかった。彼女の目的は紅魔館に幽閉されている悪魔の妹を手にいれること。ハルトマンの調査によればその妹は破壊の力を持っているらしく敵に回してしまっては絶対にマズいのだという。その恐るべき悪魔の妹を探していると紫色の服を着た魔法使いにであった。大自然の根源を掌握し操ることができるのは彼女の知識の成せる技である。

パチュリー「あら咲夜、どうしたの?顔が暗いわよ。」
咲夜?「そうですか?少し働きすぎたのかもしれませんね。」
パチュリー「……そう、たまにはゆっくり休みなさい。全くレミィも働かせすぎだわ。」

パチュリーは特に怪しむことなく去っていった。咲夜の影はその後も捜索を続け、頑丈な扉を見つけた。そこにいたのは赤い服に身を包み、輝く奇妙な羽を持った1人の少女、フランドール・スカーレットだった。純真無垢なその風貌とは一転、持っている能力は絶対の破壊。さっきまで寝ていたのか寝ぼけ眼でこちらを見ていた。

フラン「あ、咲夜………おはよう。もう朝ごはん?」
咲夜?「おはようございます妹様、本日は新鮮な果物をお持ちいたしました。どうぞお召し上がり下さい。」
フラン「果物?わーい!いただきまーす!」

そういうと咲夜の影はフルーツの盛り合わせを差し出した。フランはよほど果物が好きなのかどんどん手をのばしていった。たくさんあった果物が一瞬のうちに消えていき、底にある奇妙な果物に目をつけた。

フラン「咲夜、これなぁに?」
咲夜?「お店で安く売っていたので買ってきました。どうやら皮ごと食べるもののようです。結構おいしかったですよ?」
フラン「へぇ………」

咲夜の影に促されるままにフランは奇妙な果物を食べた。しかし果物というにはあまりにも微妙な味がした。人工的な甘さが口いっぱいに広がっていく。

フラン「む………?うぅ………ん………咲夜………なんだか眠………」

途端に強い眠気としびれがフランを包む。咲夜の影は眠りに包まれたフランを抱き抱えるとそのまま闇の中へ姿を消した。









フラン「あれ………ここどこ………?」

フランが目を覚ましたのは研究所の手術台だった。手足はガッチリ固定され身動きが取れない。状況を把握できたのはスージーが現れた後だった。

スージー「どうでしたか?わが社特製『お薬マシマシフルーツ』のお味は。」
フラン「あなた………誰?」
スージー「私美人秘書のスージーと申します。今回はあなたの力を頂きたくてここに参上致しましたわ。」
フラン「私の力を……どうして?」
スージー「あなたはなんでも破壊する能力を持っている。これはわが社にとっては邪魔な存在です。なのでそれを使われないようにわが社で引き取り改造して唯一無二の最強兵器にしよう、とのお考えですわ。」
フラン「カイゾウ?何言ってるのかわからないけどとりあえずこれ取ってよ!お姉様に怒られちゃうよ!」

フランがいくら暴れても枷が外れることはなかった。そしてフランの一番の驚きは能力を使うことができないということだった。

フラン「あれ?あれ?どうして……?」
スージー「お薬マシマシフルーツには色々な薬が入っていますのよ。思考麻痺薬もたっぷりですわ。さて……時間も無いので始めますか。」

スージーは手を叩いた。すると奥から手術着を着たロボットが数機現れた。見たことのない工具はフランに恐怖を与えるのには充分だった。

スージー「さて………まずは邪魔なメモリーの削除からやりますわよ。」
フラン「お、思い出を消しちゃうってこと……?嫌だよ、そんなの!私皆のこと忘れたくない!」
スージー「機械に思い出なんて必要ありません、効率こそすべてですわ。」

スージーはもがくフランの首筋にプラグを刺した。頭に直に電撃が走る。

フラン「う、うわぁぁ!」
スージー「ほら、抵抗すると余計な負荷がかかって脳が破裂しますわよ?」
フラン「う、うぅ………お、姉……様………」

抵抗するもむなしくフランのメモリーがどんどん削除されていく。仲の良かった友人や家族の顔も、声も、思い出すことができなくなってしまった。流れた涙は電撃による痛みなのか思い出を失った悲しみなのかもはやフランにもわからない、気づいたときにはすでに頭の中は真っ白になっていた。

フラン「……………………」
スージー「削除完了ですわ、では作業を開始して下さいまし。」
ロボット「了解。」

ロボット達はフランの体に武装を施し、破壊の力を持つ最強兵器が今ここに完成した。

スージー「あぁ、ゾクゾクしますわ………見るからに凶悪そうな外見、豊富な重火器による圧倒的火力、しかもリモコンにより完全にこちらの意のままに操ることができる……これならどんな敵が来ようと返り討ちにできますわね。」
フラン「……………………」