二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.16 )
- 日時: 2017/05/18 10:22
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: v2BiiJyf)
14・黒き虹奪う者
魔法の森
魔法使いが住むと言われる幻想郷の中でも深い森。その中にはこぢんまりとした小さな家があり、窓には色々な衣装を着ている人形が座っていた。まるですべての国境を取り払ってできた国のような窓の向こうでは家の主が人形作りに勤しんでいる。幻想郷でも随一の器用さを誇る彼女の作る人形はとても繊細でまるで本物の人間のように見えた。
『おーい!アリスー!』
アリスと呼ばれた彼女は手を止めてドアを開ける。外には魔理沙がおり、彼女は家の中に魔理沙を入れた。人形を操り紅茶とお菓子を用意し魔理沙を丁寧にもてなす。
アリス「どうしたの?」
魔理沙「いや、ちょっと相談したいことがあるんだ……」
魔理沙は紫に言われたことをそのまま話した。紫はとらえどころがなく胡散臭いのでアリスは信じられないような顔をしていたが、その紫すら原因不明という嫌な予感の話をした途端、アリスの顔は曇っていた。現実味を帯び信じる気になったのだろう。しかし、戦争が始まるかもしれないといきなり言われても困るとアリスは言った。
魔理沙「これが異変によるものだったら霊夢と私で解決できるんだがなぁ……」
アリス「今までのよりも酷くなるかもしれないってことでしょ……?どうしたらいいの?」
魔理沙「それをお前に聞きに来たんだ、何かないのか?」
アリス「あなたのことだから犯人を見つけてやめさせるぐらいのことはやるもんだと思ってたんだけど。」
魔理沙「そりゃそうしたいけど……なんかこう、確信が持てないからうかつには動けないんだ。」
アリス「あなたらしくもない………」
魔理沙「だって戦争レベルなんだぜ?慎重にもなるさ。」
アリス「ますますもってあなたらしくもない……」
魔理沙「悪かったな!」
話を続けていると突然地面が揺れた。人形が棚から崩れ落ちアリスと魔理沙はテーブルの下に隠れる。やっと揺れが収まった頃、戦争の心配をしていたからか急に心配になってきた。
アリス「地震?いや、なんか違和感を感じるわ……」
魔理沙「戦争の始まりだな……アリスはここに残っててくれ、私が片付けてやる!」
アリス「ちょ、ちょっと魔理沙!」
魔理沙は家を飛び出した。森の外から侵略者の姿が見えそこに向かって突進した。作業をしていたロボット兵が慌てて迎撃する。
兵士「な、なんだお前は!?」
魔理沙「うるさい!幻想郷の侵略者なんて私が消してやるぜ!マスタースパーク!!」
兵士「ぐ、ぐわあぁ!なんだこのパワーは!?」
ハルトニウム合金のインベードアーマーを吹き飛ばすほどの威力を持つマスタースパーク。魔理沙はこれを連発しロボット兵を次々と倒していく。
半分以上のロボット兵を倒すと、空が急に暗くなり、闇に覆われた。そして黒い霧のようなものが集まり、1つの形を作り上げた。それは冷徹な目付きで魔理沙をゆっくりと見下す。その様はまさに暗黒の物質『ダークマター』だった。
マター「こんな小娘ごときに何をしている。」
魔理沙「お前が黒幕だな!幻想郷をこんなにして、なんのつもりだ!」
マター「貴様には関係のないことだ。聞きたければ力ずくで来い。」
ダークマターは闇の剣の矛先を魔理沙に向けた。魔理沙は待ってましたと言わんばかりに八卦炉の口をダークマターに向ける。そして光をためてダークマターに放つ。まさに影も霞むほど凄まじい輝きがダークマターを襲うも、軽く剣で払われてしまった。
マター「……終いか?それなら……………」
魔理沙「な、何をやって………ぐっ!?」
ダークマターが姿を消すと急に頭が急に痛くなり声が入ってきた。魔理沙はダークマターに取りつかれたのだ。必死に抵抗するも拘束が強く中々意識を保つことができない。時間が経つと勝手に体が動いてしまうほどになってしまった。
『これ以上我々の邪魔をしないよう、少々痛い目に遭ってもらうとしよう。』
魔理沙が手にしたのは闇の剣だった。震える手はしっかりと柄を握りしめ、魔理沙の体を思いっきり突き刺した。激痛に耐えかねた魔理沙は横になり、喚く。白黒の衣装には鮮やかすぎるほどの赤が体を包み込む。
魔理沙「ぐっ………うっ…………………」
マター「……とどめだ。」
『やめなさい!』
横から人形が飛びダークマターを切りつける。そこにいたのはアリスだった。
魔理沙「アリス……待ってろって………」
アリス「あなただけじゃ不安だもの………さぁ、連れていくなら私を連れていきなさい。」
魔理沙「お、おい、お前…………」
アリス「そいつはパワーだけが頼りだけど、私はそいつよりもいいものをたくさん持っているわ。」
マター「自らを盾にそいつを守るつもりか………?いいだろう、ならばお前を連れていってやろう。」
ダークマターは次元を切り裂き裂け目を作った。アリスは魔理沙に少しだけ微笑んだあと裂け目とともに消えてしまった。アリスは自分を犠牲にして魔理沙を守ったのだ、それに気づいた魔理沙はただただ痛みに耐えることしかできなかった。
兵士「それで、こいつはどうします?」
マター「どうせすぐに絶命するだろうが……一応捨てておくか。」
またも次元を切り裂き裂け目を作ると動けない魔理沙をそのまま投げ込んだ。
マター「さて……ここを切り開き、新たな文明を築くとしよう。」
『魔法の森、制圧。』