二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.23 )
- 日時: 2017/05/24 22:10
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>5 >>12
21・紅い月と青い稲妻
人里
レミリアが目を覚ました場所はハイテク化した家の一室だった。見たこともない機械がずらりと並べられており、人間味がない。起き上がろうとすると体が動かない。どうやらマルクの薔薇に大量の体力を吸いとられてしまったらしい。身体中にはおびただしいほどの傷があった。
???「おやおや、お目覚めかい?」
すぐそばには年老いた女性がいた。女性の側には切り取られた薔薇が山のように積まれていた。
レミリア「この薔薇………あなたが?」
老婆「ええ、何十年もガーデニングや生け花をしてたからねぇ。」
レミリア「あなた………私が怖くないの?吸血鬼なのよ?」
老婆「確かに見つけた時は驚いたのよ……でも酷い状態だったし、困ったときはお互い様なのよ。」
レミリア「…………ありがと。」
その後しばらくは老婆と一緒に過ごした。新しい機械の使い方に苦労しているらしいが問題は無いという。こうなった原因は侵略者のキカイ化にある。
人里に降り立った侵略者は住人を悪夢で支配させ強制的に労働させているようだ。連れていかれるのは若い人間だけで子供の一部やお年寄りの人は使い物にならないのかそのままらしい。
レミリア「ここにも侵略者がきたのね………」
老婆「ええ……簡単に火を起こせたりお洗濯する手間が省けるのはいいんだけど、やっぱり元の生活が恋しくなるわねぇ。」
レミリア「……そう。」
ふと紅魔館のことを心配した。あれだけのロボット兵を美鈴とパチュリーだけで倒せるとは思えないし、自分の館を制圧されたと思うと腹が立つ。それを確かめる為にも一刻も早く戻る必要があった。しかしまだ頭がフラフラする。老婆は心配そうに見つめていた。
老婆「だめよ寝てなきゃ……」
レミリア「私は吸血鬼なのよ………すぐによくなるわ………」
老婆「あなた紅魔館の主様ね?心配なのはわかるけど、元気な姿で会わなきゃ………」
レミリア「うぅ………」
半ば無理矢理寝かされたレミリア。しかしこのまま世話になるのも悪いと言ったら、同じような顔をした娘がさらわれてしまい寂しいと返された。せめて手伝いをさせてほしいと頼むと、老婆は笑いながらそれを承諾してくれた。今の自分にできることはこのぐらいしかない。そのぐらいしかない自分が情けなく思えてきた。
老婆「ほらほら、そんな顔しないの。元気になったらたっぷり教えてあげるからね。」
レミリア「うぅ………」
だいぶ調子がよくなってきた頃から料理や裁縫などいろいろなことを教わった。人でも吸血鬼でも関係なく教えてくれるのは長寿だからこそなのだろう。恐らくここを出るときには一人前のレディーになっているのかもしれない。これなら咲夜の負担を少しなら減らしてやれるのかしら。
レミリア「ありがとうお婆さん、もう私は大丈夫だわ。………本当にありがとう。」
老婆「寂しくなるねぇ………気をつけてね。」
レミリアが変わり果てた人里を歩く。高くそびえ立つビル、荷物を乗せながら走る乗り物、どこを見ても初めてのものばかりだった。紅魔館に向けて歩いていると空から何かが落ちてきた。それは奇怪な仮面を被った青いボールだった。そのボールは地面に落ち、レミリアに近づく。
レミリア「な、なにこれ………」
メタナイト「う……うぉ…………」
そのボールはフラフラと起き上がり、レミリアの方を見る。すると光の速さで剣を振り抜きレミリアに襲いかかった。
レミリア「いきなりの御挨拶ね。」
メタナイト「ハルバードの時の借りを変えさせてもらおう。」
レミリア「ハルバード?……それよりあなたは誰なの?」
メタナイト「メタナイト………冥土の土産に持っていくといい。」
その後もメタナイトとレミリアの戦いは続いた。メタナイトは小さな体と驚異的な速さを活かしてレミリアの懐に入ろうとする、対してレミリアはコウモリ型の弾幕とグングニルで距離を取った戦い方をする。そして何度かやりあったあとメタナイトは何かを感じたのか剣を鞘に納めた。レミリアもそれに気づきグングニルを消す。
レミリア「どうしたの?怖じ気づいた?」
メタナイト「……勘違いだったようだ、すまない。」
レミリア「そう、それならいいけど。あなたこの世界の住人じゃないわね、どこから来たの?」
メタナイト「プププランドという世界にいたのだが、貴女に似た敵が現れ時空の歪みを使い私を排除した………ようだ。」
レミリア「なるほどね………なら、こいつらの弱点とかも、当然知ってるってことよね?」
メタナイト「なるほど………知らないことはないが、ここでは貴女の戦い方の方が有利のようだ。」
レミリア「なら………手を貸してあげるわ。」
メタナイト「……任せてくれ。」
騒ぎを聞きつけロボット兵達がぞろぞろと現れた。しかしまた力と数で押されるかもしれない。幸いにもビルや店で複雑に入り組んでおり、2人は逃げながら戦うことを選んだ。
レミリア「あいつら……本当にしつこいわね!」
メタナイト「ハルトマン社のロボット兵の実力は折り紙つきだ。まともにやり合えば勝てない。」
レミリア「せめて1人になってくれればいいんだけどね。」
メタナイト「それしかないな、ひとまずは逃げながら紅魔館に向かおう。」
レミリア「待ってなさい美鈴、パチェ………」