二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.25 )
- 日時: 2017/06/03 20:58
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>07 >>22
23・桃玉と銀のナイフ
紅魔館周辺の森
咲夜は紅魔館の近くの森で目覚めた。どれくらいたったかはわからないが紅魔館は工場と化していた。いつもは妖精達が遊んでいて賑わっていた森だが今日は別の意味で賑わっている。パチュリーが緊急で結んだ為に場所の指定はできなかったようだが、まずは一刻も早くここから逃げなくては………
咲夜「キャッ!」
咲夜の頭に何かがぶつかった。とても柔らかいボールのようなものは軽く地面にバウンドしながら停止した。気づいたのかボールのようなものは飛び起きた途端キョロキョロと辺りを見回している。咲夜は一瞬敵と見なしナイフを手にしたがそれを目にしたときにはナイフをしまっていた。あのボールを敵と認識するにはあまりにも無垢すぎたのである。
咲夜「あの………?」
カービィ「ぽよ?」
咲夜(喋った!?………でも喃語っぽくてまるで赤ん坊………)
咲夜「………あなたは、誰なの?」
カービィ「ぽよ?………カービィ、カービィぽよ!」咲夜「カービィ……ああ、名前ね。」
咲夜(これじゃあ話のしようがないわね………)
咲夜「私は咲夜よ。」
カービィ「さー……や……?サーヤ!サーヤ!」
咲夜「いや、サーヤじゃなくて………まぁいいか。」
カービィは新しい言葉を覚えたらしく飛び上がりながら名前を連呼した。咲夜はあまりの喜びように許容せざるをえなかった。
見回りをしていたロボット兵が見たのはピンクボールと楽しそうに遊ぶメイドという異色な光景だった。無論彼女らはお尋ね者なので無視することもなく捕縛体制に出た。
兵士「咲夜とカービィだな………見つけたぞ!」
咲夜「見つかった!?くっ………!」
兵士「たった数本のナイフで勝てると思ったか!」
咲夜「やはり能力が使えないとこうも不利なのね……」
咲夜はナイフを兵士に向かって投げつけるも簡単に防がれてしまう。そして落ちたナイフがカービィの目の前に落ちた。カービィは初めて見たのかかなり興味深くナイフを見つめており、口に含んだ。咲夜はビックリして兵士そっちのけでナイフを吐き出させようとする。
咲夜「待ちなさいカービィ!それは食べ物じゃないのよ!ぺっしなさい、ぺっ!」
しかしカービィはナイフを飲み込んでしまった。するとカービィの体が光り出し、緑の帽子をかぶり剣を手に持った。その風貌は無垢なる赤子ではなく立派な剣士だった。何が起こったかわからない咲夜を尻目にカービィはロボット兵と戦う。体が小さい分動きやすいのでロボットの攻撃を受けることなく兵士にダメージを与え続ける。そして最大の一撃を放った時、兵士は彼方に飛んでいった。
兵士「ぐわあぁぁぁ…………」
咲夜「あなた………戦えるのね……ビックリだわ。私もこのリストが無ければ………」
カービィ「ぽよ………?」
カービィは咲夜のリストを見るやいなや思いっきり腕にかぶりついた。空腹で仕方がないカービィはドーナツにでも見えたのだろうか、ものすごい吸着力で咲夜が振っても離れようとしない。キュポンと気持ちのいい音と共にカービィが放れるとそこにリストは無かった。やがてムグムグと味を確かめると不味かったのか思いっきり吐き出してしまった。
咲夜「食べられるかと思ったわ……でもありがとう。おかげで能力が使えるようになったわ。」
カービィ「むにゅ…………」
咲夜「あら、大丈夫!?」
空腹の限界がきたのか倒れるカービィ。食べ物を探そうにも果物がなりそうな『自然の』木はあまり存在しておらず工場廃液のせいで川が汚れており魚は食べられそうにない。兵士が乗っていたロボットの中を探していると偶然グミを見つけた。急いでカービィに食べさせると少し満足したようだ。
咲夜「とはいえグミだけだとさすがにお腹いっぱいにはならないか。紅魔館に入れば何か作ってあげられるんだけど………あんな工場みたいになってたらキッチンがあるかどうかすら怪しいわね。それにさっきからビュンビュン飛んでる機械も気になるし……お嬢様が見たらさぞ嘆き悲しむことでしょうねぇ。」
カービィ「ぽよ?」
咲夜「あらごめんなさい。今からあなたにとびきり美味しいご飯を作ってあげるわ。」
カービィ「ぽよ!」
咲夜「だからその為にももう一仕事、私と一緒に頑張りましょう。」
咲夜(とは言ったもののあんなにたくさんのロボットをヘッドスナイプするのは難しいか……)