二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.34 )
日時: 2017/08/01 22:14
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>13 >>33



31・十人の庭師と反逆者達



住宅都市

翌朝、妖夢達は引き続き探索を始めた。しかし新しい手がかりは得られず慧音と悪夢の侵略者の居どころはわからないままだ。このままではらちがあかない。途方にくれていると向かいから見たことのある顔がやってきた。それはブレザーを来たウサギだった。

鈴仙「あ、妖夢さ………うわぁ!?なんでいっぱいいるの……?」
妖夢1号「あ、鈴仙さん。実は骸骨集団がやってきて襲われたんです。そしたら親玉の魔法によってこんな姿に……幽々子様に任せっきりなので戻らないといけないんですが……今行っても足手まといな気がして………」
鈴仙「そうなの……私も鏡を操る化け物に襲われて姫様や師匠が拐われてしまって……それで手がかりを探すためにここに来たんだけど……なんかいろいろ変わってるわね。こんなに大きな建物がズラリと並んでるし……車がブンブン走ってるし……」
妖夢1号「とはいえ今は幻想郷全土に侵略者の影響があるようです。ここに住んでいる人もどんどん健康じゃなくなっていきます。とりあえず情報を整理しましょう。」

2人はひとまず情報を共有した。新しい手がかりは得られなかったがその中で不思議なものがあった。それはやけに警備の厳重な空き家のことだった。見た目は他の家と変わらないのにその一帯が立ち入り禁止になっていたり見張りの兵士が常駐しているのはおかしい、と噂になっていたのを聞いたのだ。試しに行ってみると確かに人気が無く見張りもいる、明らかに何かがありそうな雰囲気があった。2人は物影に隠れ潜入を試みる。

妖夢1号「どうします?こんなに死角が多ければ奇襲ができますけど……」
鈴仙「大丈夫よ、ここは私に任せて!…………はあぁぁぁ…………」

鈴仙は目に意識を集中させ兵士を凝視した。不気味にギラつく赤い瞳と目を合わせてしまった兵士は突然狂ったように奇声をあげて動かなくなった。それを確認すると鈴仙の目はゆっくりと元に戻っていく。

鈴仙「さ、これでもう大丈夫。」
妖夢1号「さすがは狂気を操る鈴仙さん………」



中に入るとそこにあったのは地下へと通じる階段だった。2人が降りようとするとどこかから視線と気配を感じ足を止める。それは押し入れの中から見つかった。赤い髪をした少女の生首だった。

蛮奇「やっと見つけてくれた……思いっきり凝視した甲斐があった。」
鈴仙「あ、あなたは………?」
蛮奇「私は赤蛮奇……今は顔だけだけどちゃんと体もあるから大丈夫。」
妖夢1号「な、なぜここにあなたが?」
蛮奇「なぜって……ここは私の家よ。突然奴らがやってきて勝手にここを改造したのよ。そして抵抗したら地下牢に入れられたってわけ。私は首を遠隔操作できるから1つだけ残して助けを求めたの、それが私。」
鈴仙「わかったわ、今すぐ救出してあげる。」
蛮奇「ありがと。」









地下牢

僅かなランプの灯りを頼りに進んでいくと大きな地下牢獄にたどり着いた。命令に背いたり悪夢を見せてもなお抵抗する者はここに運ばれる。一応最低限の食事は出るらしいが牢獄は牢獄、住み心地は最悪だった。2人は蛮奇の首の案内をもとに牢獄を進んでいく。無論、見張りの兵士をかいくぐりながら。

蛮奇「あとちょっとだよ、頑張って。」
鈴仙「本当に……いろんな人が捕まってるのね………」
妖夢1号「酷いです……」
蛮奇「あ、ここだよここ。」

そこにいたのは首に囲まれた少女だった。どうやら赤蛮奇は首を操ることができるらしい。

蛮奇「まさか助けが来るとは思ってなかった。あなただったらこの牢を切れるよね?」
妖夢1号「皆で頑張ればなんとかできるかと思います。」

10人の妖夢は力を合わせて牢を断ち切った。たとえ10人に分断されようと剣の切れ味は劣らないらしい。こうして赤蛮奇を引き連れ、妖夢は地下牢の奥深くまで進もうとしていた。







そしてそれを見ていた者が1人。

ナイトメア「ここまで気づく輩が現れるとはな。どれ、少し遊んでやろう。」

ナイトメアは魔獣を作り出しモニターに写る3人のもとに向かわせた。

ナイトメア「どうやら幻想郷の住人はとてつもないお人好しのようだな。」
慧音「…………………………」
ナイトメア「しかし、わが悪夢の支配を打ち破ることは敵わぬ。それはじきに奴らにもわかることだろう。フハハハ…………」






鈴仙「しっ…………何か来る………」
妖夢1号「何かとてつもなく悪い予感がします……」
蛮奇「たぶんそれ、当たるかも。」

そこに現れたのは悪夢によって複製された魔獣、ファイアーライオンだった。