二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.36 )
日時: 2017/08/11 17:48
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>35



33・十人の庭師と常闇の姫君



地下牢・最深部へ至る間

悪夢に包まれた人里を解放するため悪夢の支配者ナイトメアと行方不明になった慧音を探す妖夢達。途中ナイトメアの刺客ファイアーライオンに襲われるも見事に撃退。そのまま先に進むも今度はレミリアのクローン、レプリカが立ち塞がった。レプリカは玩具を見るような目で一行を見ていた。

レプリカ「言っとくけど、あなたの探してる人はもうここにはいないわ。」
鈴仙「ど、どういうこと?」
レプリカ「もう人里に用は無いし、あなた達みたいな反逆者が来ることぐらいわかってたしね。だからここまで来たのは全くの無駄足なのよ。ま、これから屍になる人に言ってもしょうがないか。」
妖夢1号「なんと言われようと私達は死ぬわけにはいかないんです!」
鈴仙「囚われた姫様達の為にもね!」

レプリカは無数の紅い槍を作り出し妖夢達に向けて一斉に打ち出した。攻撃の量は凄まじくまるで激流のようだ。その流れに揉まれつつも上手くいなしレプリカに攻撃する。体が小さい分避けやすいのかすんなりとレプリカにたどり着くことができた。傷を受けつつも余裕の表情を崩さないレプリカは尚も面白そうに笑っている。

レプリカ「なるほど、10人に分断されようと曲者ねぇ。なら、これでどうかしら?」

レプリカは鎖を妖夢達に巻きつけ縛り上げた。すごい力で縛りつけているし、個々の力は弱いので抜け出すことは容易ではない。

妖夢2号「うぅっ………」
妖夢9号「捕まってしまいました………」
鈴仙「大丈夫よ、今助けてあげるわ。」
蛮奇「どうやるの?」
鈴仙「私の射撃の腕前を甘く見ないことね。」

そう言うと鈴仙は鎖を狙って引き金を引いた。放たれた弾丸は鎖を撃ち抜き妖夢は脱出に成功した。レプリカもさすがに黙って見ている訳にもいかず、グングニルで貫かんと襲いかかった。深紅の軌跡を描く槍の攻撃を避けながら妖夢2人は鎖を切りつける。傷がついた程度だったが、何度も切りつけていくうちにまたひとつ鎖が切れた。これで妖夢は3人になり少しずつ戦力を取り戻していった。
しかしその後は簡単には鎖を断つことはできなかった。レプリカのオーラが激しく沸き立っているのだ。それが怒りか悦びかは知らないが圧倒する力を放っていることに変わりはない。しばらく様子を見ているとレプリカは高く飛び上がった。

レプリカ「もっと私を楽しませてよ………スカーレットピアース!!」
妖夢1号「3人でもっ…………六根清浄斬!!」

禍々しいオーラをまとった槍が猛烈な勢いで飛んでいく。妖夢はそれを避けもせず真っ向から受け止める。いつもだったら攻撃のエネルギーをそのまま剣に乗せて反撃するのだが、今回は3人なので自爆覚悟で槍を跳ね返した。槍はそのまま反応に遅れたレプリカの体に突き刺さり、フラフラと地面に落ちていった。一瞬意識が揺らいだのか妖夢達を捕らえていた鎖が緩み脱出を果たした。立ち上がろうとするレプリカの体がボコボコと泡立ち沸騰していく。

レプリカ「ま、まダ………耐えルのよ………私ノ………からダァ………!!」
鈴仙「な、なんなの………?」
蛮奇「不気味だわ…………」

レプリカは必死にこらえ沸騰する体をなだめる。そして沸騰が収まると体は完全に再生し、いつものレプリカに戻っていた。そして持っていたグングニルを消し満足げに妖夢達を眺めた。

レプリカ「ふぅ………ま、楽しめたわ。今日の所はここまでにしといてあげる。せいぜい残った人生を楽しむことね。」

レプリカは闇に溶け込み姿をくらました。









地下牢・最深部

扉の向こうは何も無かった。ナイトメアの姿も慧音の姿も無かった。あるのはただ広がっている空間だけ。

妖夢1号「本当に、何もないですね………」
蛮奇「ホントは何かあったんだろうけど………もぬけの殻ね。」
鈴仙「でもまぁ、これで村の人達は悪夢から解放されるわ。ひとまず帰りましょうか。」
妖夢1号「………はい………………」









人里

人里を支配していた兵士達はいなくなり悪夢も見なくなったことでようやくここだけ平和を取り戻した。しかしキカイ化された里が戻ることはなくしばらく生活に苦労するだろう、とのことだった。

妖夢1号「ふぅ、ひとまずなんとかなりましたね。」
鈴仙「それはいいんだけど……ダークマインドの情報を聞き損ねちゃったわ。」
蛮奇「どこもこんな感じでキカイ化が進んでるから情報集めは上手く行かないかもしれないよ。」
鈴仙「そうねぇ………」
蛮奇「私はここに残ることにするよ。もともと人里を救えればそれで十分だったからね。いい旅だったよ、ありがと。」
妖夢1号「はい……またいつか。」

悪夢の支配から人里を救うことに成功した妖夢達。一行は変わり果ててしまった人里の更なる復興を祈り、また旅を続けていく。






『人里、奪還』