二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: メカクシ団の日常【カゲプロ】《リクエストください!!》 ( No.184 )
日時: 2017/09/17 08:34
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

「うわぁっ!!貴音!あれに乗らない?!楽しそう!」
「遥待って……、聞いてないし。」

なんでか、私以上に興奮している遥。アトラクションを見つけては、目を輝かせ走り出し騒ぎ出す。正直、子供のお守りをしているみたい。
まあ、でも、楽しそうだしいっか。

「遥、そんなあっちこっちいってもダメでしょ。どれから乗るか決めよう。」
「じゃあ、あれから!」
「あれ……?」

遥の指で指した場所に目を向ける。
そこは……、お化け屋敷。
私の身体中にゾワっと恐怖が襲い、ダラダラと冷や汗が流れる。
私、お化け屋敷がアトラクションの中で1番嫌い。なのに、なんで、あんたそれが先なのよ〜……!
もう、やだ。

しかし、そんな私のことも気づかずに、じゃあ行こ。と私の体をずるずると引きずりながら、お化け屋敷へ向かった。

「行ってらっしゃーい!」

アトラクションの係員さんが、明るい声で迎えてくれたけど、私は全然明るい気持ちになれなかった。だって、提灯が2人で1つってどういうこと!?なんで、1人1個ずつないのよ!
不安定な光が揺らめき、それと同時に私達の影も揺れる。1歩1歩、歩みを進めるたびカツン……カツン……と音が反響した。
しかも、暗くてジメジメして……ほんと、最悪!!

「きゃあぁああぁぁ!!」
「いやぁあ!」

遠くから、多分別の人の悲鳴が聞こえ、私は大きな声を出した。遥は、不思議そうに首を傾け、どうしたんだろうね?と呑気にいう。
あんたは、なんでそんな平気なのよ!
そう思って、キッと睨みつけたら目が合った。

「貴音、怖いの?」
「あっ……、当たり前じゃない!」

目があった事に恥ずかしくなり、目を逸らしながらいう。
そっかぁ。と、少し考えるような仕草を見せ、ポンっとでも叩いた。

「……は?」
「こうすれば、怖くない?」

そう言って、遥は私の左手を右手で繋いだ。しかも、故にいう恋人繋ぎってやつ。
私の体温が一気に急増し、顔が熱くなる。でも、遥が考えたのに、振り払うのも可哀想なので、かろうじて首を縦に繰り返し頷く事は出来た。
遥は、じゃ大丈夫だねと、笑っている。
たく、ほんと、天然タラシって困る。

「じゃあ、行くよ。」
「うんっ!」

その後、無事にお化け屋敷はクリアし、私は外の空気をいっぱいに吸い、もう入りたくないな。とか思っていた。
遥は、楽しかったね!貴音!と飛び跳ねている。正直、遥と手を繋いでいる事に緊張して、お化け屋敷の事……記憶にないんだよね。
まあ、それはそれでいいかも。夢に出て来ずに済むし……。

そうやって、ボーッとベンチに座りながら、お化け屋敷の出口を見ていると、見覚えのある人が2人出てきた。
赤いジャージの男は、赤いマフラーの子に笑われながら頭を撫でて貰っている。

「あっ……」

と、4人の声が綺麗にハモった。
あいつと文乃ちゃんがなんでこんなとこにいるの!?


* * *