二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: メカクシ団の日常【カゲプロ】 ( No.99 )
- 日時: 2017/05/08 22:05
- 名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)
「次はおもちゃで遊んでみるとかどうですか!?」
「お、おもちゃ?」
モモは自信満々に満ち溢れた目で言ったが、キドが訳が分からないというような表情になった。
その表情に不満を持ったのか、モモはぷーっと風船ガムみたいに、ほっぺたを膨らませた。
「だって、猫扱いしたら声が戻りましたよね?だから、次はおもちゃかなって思ったんです!!」
「あ…ああ!、なるほどな…」
モモが少しだけ怒った口調で言い、キドはやっと気づいたみたいで、本当に驚いた顔をして、ブツブツと呟いていた。
そして、少し俯いていたのち、モモをもう一度見た。
「と言っても…おもちゃはどこにあるんだ?」
「ここです!!」
そう言ってモモが出したのは、猫じゃらしやらボールやらのおもちゃ。
ちょうど横にあったバックから取ったらしい。いや、あのバックモモのだし。じゃ、元から用意してたのか!?少しだけこわっ…
モモはドヤ顔をしているが、キドは驚き目を白黒させるだけだった。
ジッと見つめて、不思議そうに言った。
「どこにあったんだ?そんなもの…」
「貰いました!」
「はい?」
「ヒビヤくんから!!」
そう言うと、キドの目がヒビヤへと向けられた。
キドから見つめられた(正しくは『睨まれた』の方が合ってるかも…)ヒビヤは、少し照れたような表情になった。
キドはモモの手元にあるものをムンズッと奪い取ると、ヒビヤの眼の前へと突き出した。
「これって…お前の私物か?」
「うん。そうだよ?」
「猫…買ってんのか?」
「いいや。僕の知り合いの子が買ってて、買って欲しいって言われたんだけど、渡すの忘れちゃってそのままだったんだ」
「そ、そうか…ありがとう」
「…?」
心なしか、キドの表情が曇った
ヒビヤはその変化に気づいて、不思議そうに首を捻った。それはヒビヤだけでなく、俺もコノハもモモもエネもだった。みんなで首を傾げていたが、それ以外は首を傾げているどころか、笑っている。
俺は近くのカノに寄り、聞いてみることにした。
「なあ、キドってどうしたんだ?」
「ああ、猫がいないからしょんぼりしてんだよ。だってキド、猫好きだもん」
「ああ…(察し)」
キドはおもちゃを抱えるように抱いて、悲しそうに目を伏せている。
猫じゃらしに、指を絡めてはフーッと仕方なさそうに息を吐いていたりする。
残念がりすぎだよ!
そんなに好きなのか…
キドはため息をつくと、おもちゃを俺以外に配った。
「シンタローと遊べ。団長命令だ」
その時キドの目が不穏に輝いた気がして、冷や汗が俺の背中を伝った。
* * *