二次創作小説(映像)※倉庫ログ

ワンダーランド Part.0 ( No.13 )
日時: 2017/04/20 12:43
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: EM5V5iBd)

シンデレラ城まで、匠とネリアは戻って来た。明達の事は和斗と蒼樹に任せている。後は向こうにあるワールドバザールをくぐれば、巡人とディクトがいるエントランスに辿り着く。

ネリア「匠さん」

ネリアが話しかけてきた。歩きながら、匠は返事をする。

匠「なんだ?」

ネリア「巡人さんとディクトさんを見つけたとして、その後はどうするのですか?」

匠「……」

匠は何も言わなかった。普通に考えれば、二人を見つけたら無理矢理連れ戻したりするだろう。しかし、匠は何も言わずに、ただエントランスに向けて歩いた。

匠「着いた」

ワールドバザールを抜けきり、開園した時に通ったエントランスに着く。生垣の向こう側に人が集まっているのだけは確認できた。二人は生垣を沿って大周りし、人の集団の方に行く。ギャラリーがそれなりにいた。匠はそこに突っ込んで行った。

ネリア「巡人さん達の周りの気配が不安定だったのは、ギャラリーのせい……ですか」

ネリアは不安定な気配の正体に気づいた後、匠に遅れる形で人ごみの隙間をぬって一番前に行った。

そして、人ごみの視界から一気に開いて、その先には……

匠「いた」

ネリア「巡人さんとディクトさん……間違いありません。本人ですね。ただ……」






巡人「しょうがないでしょうよ!こうでもしないとこっちが無駄にやられるんだから!それに、あんなワガママ女王陛下に一発当てたって何て事ないさ」

ディクト「巡人……。言いたい事は分かるけれど、女王に何発も当ててたよね」

巡人「それは言っちゃダメ(小声) とにかく、今のは見なかった事にして、いつも通りに過ごしなさい。バレなきゃどうって事ないんだから(・ω<)」

ディクト「……(-.-;)」





慌てふためいているメガネをかけ、オシャレな服を着た白いウサギに、言い訳みたいな事を話している巡人と、それを見て呆れているディクトが見えた。

ネリア「これは一体どう言う状況でしょうか?」

匠「聞けば分かる。内村!」

匠は大声で呼んでから、キャストの制止を振り切って、巡人に近づいた。





時間を遡る事、数十分。

それは、匠とネリアが巡人達を捜しに、巡人がトラヴァースタウンをクリアし、アクセサリーショップのセーブポイントからグミシップに乗った所からである……。





next to Part.1

ワンダーランド Part.1 ( No.14 )
日時: 2017/04/20 12:45
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: EM5V5iBd)

ワールドマップが表示された。チュートリアルを流れているが、巡人は聞き流すような感覚でセリフを送っていく。そうして、次に行くワールドを選択できるようになった。トラヴァースタウンから上下に枝分かれしていて、そこから一つのワールドに繋がっているようである。

ディクト「次はどこに行くの?」

巡人は、そうだね……、と考えた後、

巡人「上の方に行く。そこと、もう一つワールドをクリアしないと物語自体が進まないから、物語を進める事だけを優先しておきたいな」

と答え、上の方を選択した。

その後、ドナルドやグーフィーからグミシップの動かし方を教えて貰った。ある程度聞き、出発する。自動で前に進んでいくので、○ボタンを押しっぱなしでいいのだが……

巡人「あ、ぶつかった」

ディクト「大丈夫?レオンの時のようにやられるとかやめてね?(´・ω・`)」

巡人「そんなポカはしない。絶対に」

そんな会話を挟み、ようやく新しいワールドに着いた。

巡人「ワンダーランド。不思議の国のアリスの世界だよ」

ディクト「あれか。白ウサギを追って穴に落ちたアリスが、本当の意味の不思議の国で大冒険するあそこだね(´ω`)」

巡人「そう。じゃあ行こうか」

ワールドに降りると、ソラ、ドナルド、グーフィーがゆっくりと落ちながら不思議の国の入口に降り立った。降りると同時に、とても慌てている声が聞こえて来る。白ウサギだ。

ディクト「遅刻したら首が飛ぶ、か……」

巡人「知ってると思うけど、あそこにはワガママな女王がいるからね。『首をはねよ』って言うんだよ」

ディクト「おっそろしいね」

巡人「そう言う物を全部ひっくるめて『ワンダーランド』だからね。仕方ないね」

イベント中に会話をしているが、ちゃんとイベントの内容は頭に入れる様にしている。その証拠に、二人の目はテレビに向けたまま話しているのだ。

イベントが終わり、動けるようになった。ここで、巡人が何かを思い出したようにキャンプメニューを開き、装備画面を開く。

巡人「スピルブレイヴ。最大HPと攻撃力が少しだけ上がるアクセサリー」

ディクト「そう言えば手に入れてたね」

スピルブレイヴを装備し、今度はアビリティ画面を開く。

巡人「ドッジロール。ひたすら転がるだけなんだけど、敵の攻撃を回避できるから、最後まで使うアビリティ」

ディクト「でんぐり返しで敵の攻撃を避けられんだね。すごいね」

装備していた「スライドダッシュ」から入れ替えて、キャンプメニューを閉じ、白ウサギが向かった方へドッジロールした。

ディクト「早いね('ω')」

巡人「でしょ?('ω')」

扉を抜けると、部屋だった。白ウサギはドアノブが着いた扉を抜ける。巡人はドアノブの隣にあったベッドに向かい、押した。その後、ドアノブに話しかけた。小さくならないと先へ進めないらしい。どうすれば小さくなれるとソラが聞いたら、喋るドアノブが「薬があるじゃないか。そこにさ」と言ったと同時に、椅子とテーブルが現れ、テーブルの上に薬が出てきた。

ふと、ディクトがテレビから目を離して、何かに気づいた。

ディクト「……あ」

巡人「どうした?」

ディクト「グリーティングが始まった。多分誰かがこっちに来るかもしれない」

巡人「了解。気配を探れるようにしておく」

ディクト「目隠しなんてされたらたまったもんじゃないからね('ω')」

薬を飲んで、小さくなった。現れたハートレスを気にもせず、さっきベッドを押しておいて通れる様になった入口から「ハートの女王の城」に向かった。





next to Part.2

ワンダーランド Part.2 ( No.15 )
日時: 2017/04/20 12:48
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: EM5V5iBd)

イベントが始まる。裁判が始まる所だった。見る限り、

ディクト「被告人はアリス。裁判長は白ウサギも言っていたけれど、ハートの女王陛下……詰みじゃねーか('ω') 有罪だよ。これはもう有罪。ギルティ」

ディクトはキッパリと言った。女王陛下も、事件を起こした犯人を決めつけていた。理由はもちろん、

女王陛下『私がそう決めたんだから』

ディクト「(放送禁止用語)!!」

堪えきれなかったのか、ディクトはそう叫んだ。叫んでしまった。

巡人「そんな事を叫ばないの。イベントなんだから、ソラが何とかしてくれるよ」

ディクト「だって……!」

巡人は興奮しているディクトをなだめる。そうしている間にも、アリスは思った事をキッパリ話す。しかし、それが女王の怒りに火を注いでしまった。このままではアリスの首がどうなるか想像できてしまう。

その様子を見ていたソラは「かわいそう」と言った。ドナルドは「でもねえ……」と言い、グーフィーが「他の世界に参上したら……」と言った所でドナルドに「干渉」と訂正される。でも、言いたい事は分かった。

判決が言い渡される。アリスは有罪。女王のハートを奪おうとした罪らしい。こりゃリク以上にダメだ。ディクトは諦め顔になった。が、ここで状況が一変した。

アリスに危機が迫った所で、ソラが介入したのだ。「ハート」と言う言葉に反応して。真犯人に心当たりがあると言い出した。

グーフィー『そうそう。ハートレ』

ディクト「ハートレス、だね。アリスは犯人じゃない」

しかし、ここで女王は証拠はあるかと問われる。ソラは黙ってしまい、アリスは檻に閉じ込められた。たが、これで安心はできた。証拠を探せと言われるが、あのままアリスの首がはねられるよりはマシだ。

ただし、証拠が無ければソラも巻き添えを喰らう事になっしまったが。証拠は一つでも、何個でも良いらしい。

ディクト「巡人」

セーブポイントに向かう途中、ディクトが話しかけてきた。

巡人「ん?」

ディクト「証拠を全部集めて」

巡人「へ?」

ディクト「証拠を、全部集めて」

声に怒りが滲み出ている。巡人は少しだけディクトの気迫に押されたが、諭すように語った。

巡人「そうしたいけれど、時間が無い。エンディング優先で行くなら証拠を一つだけ手に入れて戻って来た方が断然に早いんだ。気持ちは分かるけれど……」

ディクト「……」

ディクトは黙る。セーブした。1時間25分だった。セーブが終わり、巡人はポツリと、

巡人「でも、女王に一泡吹かせる方法ならあるよ」

方法があると言った。ディクトは少し、目を丸くした。

ディクト「どんなの?」

巡人「それは見てのお楽しみ(´ω`)」

方法はあえて語らず、「ハスの森」へと入っていった。

ハスの森に行くと、チシャ猫と出会った。何でも知っているが、教えるとは限らない。答えも、真相も、犯人も、チシャ猫も闇の中と言い、消えた。消えたままでも、ヒントを教えてくれたが、ソラ達からすればアテにならなかったみたいだ。

だがディクトは違った。ある意味、チシャ猫の言っている事は的を得ている。そう言ったのだ。

ディクト「ハートレスは闇から生まれて、心を狙う。チシャ猫が『闇の中』って言ったのは、そう言う意味を含めて言ったんだと考えると、納得できるんだよねぇ……(・ω・)」

巡人「さすがディクト。そこまで俺は考えてなかったよ」

そうして、証拠探しが始まった。ハートレスが現れたので、スルーせずに全て倒す。近くの茂みに入ったら再びハートレスが現れたので殲滅。茂みに青のトリニティマークがあったので発動。貰える物を貰って、さらに近くにあった箱から「証拠の足跡」を手に入れた。

巡人「これでオーケー。後は……」

そう言って巡人はキャンプメニューを開き、「カスタマイズ」を選択。

ディクト「何してるの?」

巡人「ドナルドとグーフィーの行動を弄ってる。ソラをメインにして行動させたいからね」

ディクト「大丈夫なの?」

巡人「大丈夫」

カスタマイズが終わり、キャンプメニューを閉じた。そして、女王の所に戻り、裁判を再開した。

集めた証拠品は1つ。女王も女王で部下に証拠を集めさせていたみたいだ。その数は4つ。

ディクト「……('ω')」

巡人「仕方無い。仕方無いんだ」

それに……と言って、後ろを振り返る。白ウサギがいた。オロオロした様子で見ている。巡人の事を気づいて、身振りで大丈夫なのかと聞かれたが、

巡人「大丈夫。大丈夫だから」

と笑顔で答えた。テレビの方を向くと、証拠品がシャッフルされていた。女王が、1つだけ証拠を選べ、と言ってきた。その証拠を元に、犯人が誰なのか決めると言ったので、

ディクト「証拠を集めて来いって言ってきたのは誰だっけ?」

と、ディクトの耳がピクピクと震えていた。怒っている。おっかない事を言わないだけ、まだ抑えているのだろうけれど。当然、ソラは反論するが、私のやり方に逆らうのなら有罪だ、と言ってきたので、

ディクト「いっぺん(放送禁止用語)この(放送禁止用語)が!!(゜Д゜)」

ディクトはブチギレた。

巡人「ディクト。キミってそんなに短気だったっけ?(´・ω・`)」

巡人は心配そうに聞いた。

ディクト「多分、ここに来てからテンションが上がってる。普段ならこの程度は流してるもん。何でか知らないけれど、今の僕はちょっと、いつもとは違うかな……?(´・ω・`)」

冷静になったディクトは自分の耳を触ったり、身なりを整えたりした。

証拠品を一つ選ぶ。右から2番目の箱を選んだ。やり直しは出来ないと言われたので、遊び心で「選び直してもいい?」と聞く。「早くおし!」と怒られた。白ウサギが心配そうに巡人の肩を揺する。気配でまだ後ろにいるとは分かっていたので、特に驚きはしなかった。

巡人「全くもう……(^_^;)」

と笑うと、後ろから笑い声が聞こえた。そして、もう一度同じ箱を選ぶ。これに決めた。





中身はグーフィーだった。





next to Part.3

ワンダーランド Part.3 ( No.16 )
日時: 2017/04/20 13:00
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: EM5V5iBd)

グーフィーが檻に閉じ込められる。当然、女王もソラ達を犯人だと確信してしまう。こんなハズじゃなかったとソラは言うが、女王の耳には届かない。判決は有罪。ドナルドは怒るが、もう遅い。

ディクト「証拠品が1つだけじゃ事件なんて解決する訳ないでしょう。始めから分かりきっていた事じゃん('ω')」

と言うディクトの言葉が、冷たかった。

ソラ『仕方ない!こうなったら強行突破だ!』

巡人「そうだそうだ!ゴリ押しだ!ヽ(゜∀。)ノ」

ディクト「もしかして、女王に一泡吹かせる方法ってゴリ押しだったの?期待した僕が馬鹿だった……(-.-;)」

呆れて、そう呟いた。さすがの白ウサギも、巡人の行動に引いたのか、後ずさった。キャストの人が「もう行こう」と白ウサギに言う。

が、この後すぐに起こした巡人の行動に、白ウサギを含め、場が大騒ぎになる。

イベントが始まり、辺りにあった物が消える。代りに舵が着いた装置が現れ、トランプ兵がそれを回すと、アリスを閉じ込めていた檻のカーテンが閉まり、上まで昇ってしまった。女王の合図でトランプ兵が襲いかかる。

巡人「戦闘開始だ」

巡人はまず、檻に閉じ込められているグーフィーを助ける事にした。何発か当てて、檻を破壊する。そこまでは特に誰からも反応は無かった。ディクトも呆れ顔のまま見ていた。

次に巡人は、まっすぐ女王の方へ向かう。ここでディクトの顔が変わり、

ディクト「まさか」

何をやろうとしたか気付いた瞬間、巡人はハートの女王に攻撃した。「ぐええっ!」と言う声を背に、ソラは装置に向かう。

ディクト「……」

装置を一段階破壊した所で、女王の声が聞こえた。破壊して現れたプライズを回収しつつ、巡人は女王の方に向かう。そして女王を攻撃。「ぐええっ!」と言う声を背に、装置へ。

ディクト「……」

装置をまた一段階破壊したタイミングで、女王の所へ。ちょうど女王が立ち直っていた。ファイアで決めた所で、急に視界を塞がれた。

巡人「うわあっ!」

慌ててポーズ画面にする。塞がれた手をそっとどかし、後ろを振り返ると、白ウサギが何をしているんだとばかりに巡人に問いただした。怒っていると言うより、動揺していた。

巡人「しょうがないでしょうよ!こうでもしないとこっちが無駄にやられるんだから!それに、あんなワガママ女王陛下に一発当てたって何て事ないさ」

ディクト「巡人……。言いたい事は分かるけれど、女王に何発も当ててたよね」

巡人「それは言っちゃダメ(小声) とにかく、今のは見なかった事にして、いつも通りに過ごしなさい。バレなきゃどうって事ないんだから(・ω<)」

ディクト「……(-.-;)」

画面はまだポーズのままだ。白ウサギはもうやめてくれとばかりに巡人にすり寄る。確かにやりすぎた。無駄にダメージを受けたせいで、体力が危ない。これ以上はやめて、装置を壊しきろう。

そう思った所で、

「内村!」

と、聞き覚えのある声が聞こえた。巡人もディクトも、反射的に声のした方を向く。





匠とネリアが、そこにいた。





next to Part.4

ワンダーランド Part.4 ( No.17 )
日時: 2017/04/20 13:07
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: EM5V5iBd)

巡人「匠……!」

ディクト「ネリアも……!?」

匠とネリアがこっちに近付く。キャストが慌てて匠の後を追う辺り、強行突破してこっちに来たのだろう。匠らしいと思ったが、今は思った事を置いておくとした。

匠「こんな所で何してる?」

巡人「……」

ネリア「途中であなた達の姿が見えない事に気付いて、気配で探りました。これは何でしょうか?なぜあなた達はずっとここにいるのですか?」

ディクト「……」

キャスト「お兄さんすいません。こちらには……」

キャストが追いついて、匠を連れ出そうとするが、

匠「友達を見かけたので、話をしようと思っただけです。」

巡人「この人は自分の友達です。勝手に入って来た事については自分が謝ります。今は話をさせて下さい。」

キャスト「……分かりました。大変失礼しました」

何とか事情を話して、キャストの人は理解してくれた。

ゲームは未だポーズ画面のままだ。巡人は匠に、ディクトはネリアにこれまでの事を話した。

後を追おうとしたらこれが目に入った事。

話を聞いたら、特別企画で「エンディング到達チャレンジ」をしていると言う事。

成功したら豪華景品としてキングダムチェーンのレプリカを貰えると聞いて、二つ返事で引き受けた事。

チャレンジしてからある程度進んだ事。

もういなくなってしまったが、さっきはハートの女王を攻撃して白ウサギに詰め寄られていた事。

そして……

巡人「ディクトにも言われたんだ。本当に大丈夫なのかって。でも、やっぱり駄目だった。匠の事だから引っ張り出すつもりだろうけれど、そうするならそうしたって構わない。俺達の後をやってくれる人に託すよ。それと……」

ディクト「巡人が遊んでいる様子を見てて面白くなっちゃって……今さらだけど、僕は他の人には見えないから、ササッと和斗達の方に行って、この事を言っておけば良かったね。君の事だから、吹き飛ばしてでも僕達の事を連れ戻すかもしれない。でも、分かった。君の言う事は素直に聞く。和斗達の所へ戻ろう。あと……」





巡人「ごめん」 ディクト「ごめんなさい」

匠「……」 ネリア「……」

二人は頭を下げた。二人は何も言わず、ため息をついた。ゲームはポーズ画面のままだ。時間が流れていく。

やがて、匠から口を開いた。

匠「内村とディネクトの事だから、どうせそんな所だろうとは思っていた。言っておくが、俺は怒ってない。むしろ呆れている」

巡人「……」

ネリア「あなた達は何か面白そうだと思って突っ込めば、それにはまり込んでいますよね。匠さんと同じです。呆れて怒る気もありません」

ディクト「……」

何も言い返せなかった。実際、その通りなのだから。ここで諦めて、匠達と一緒に戻って、和斗達に謝ろう。そう思い始めた。

だが、その後に続いた言葉は意外な物だった。

匠「それで?どうするんだ?」

巡人「え……?」

匠「これを続けるか、やめるか、だ」

ディクト「え?えっと……」

ネリア「ディクトさん。あなたは『私の言う事は素直に聞く』と言いましたね?」

ディクト「う、うん……」





匠「やるなら最後までやれ。やり通せ。やめるならここできっぱりとやめろ。ただ、後悔はするな」

ネリア「やり続けるのなら、最後まで巡人さんの事を見届けてあげてください。やめるのなら、やめる。後悔したくない選択をしてください」

巡人「……」

ディクト「……」

匠「どうする?」

ネリア「早く決めないと、時間が無くなってしまいますよ?」

巡人とディクトは、お互いに顔を見合わせた。見合わせて、頷いた。

巡人「やるよ。何が何でも、最後までやり抜く」

ディクト「僕は最後まで巡人の事を見届ける。巡人の事を応援するよ」

真っ直ぐな目で、最後までやり抜くと、最後まで巡人の活躍を見届けると、宣言した。

匠「……そう言うと思った」

ネリア「私の思った通りです。あなたならそう答えると信じていました」

匠とネリアの表情が少しだけ穏やかになった。

匠「なら、早く戻れ。坂下達には俺から言っておく」

ネリア「巡人さん。頑張ってください。ディクトさん。巡人さんの傍に、最後まで付いてあげてくださいね。『私の言う事を素直に聞く』と言ったからには……」

巡人とディクトの目から、涙が出てきた。後ろから拍手の音が聞こえる。最初から傍にいるお兄さんも、拍手してくれていた。

巡人はソファーに座り、コントローラーを握り直した。ディクトは巡人の隣に座る。

巡人「最後まで、やり抜こう」

ディクト「言われなくとも」

ポーズ画面を解除し、装置に向かって攻撃する。同時に、装置は完全に破壊され、レベルが上がり、新たなアビリティ「ライブラ」を覚えた。檻が下げられ、女王とソラはそれに注目する。

カーテンが開いた檻に、アリスの姿はどこにも無かった……。





next to Part.5

ワンダーランド Part.5 ( No.18 )
日時: 2017/04/24 20:42
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: KG6j5ysh)

裁判は中断。セーブポイントでセーブする事にした。2時間24分。前にセーブしたのが1時間25分だったので、約1時間分もロスしてしまった事になる。机の上に置いてある時計を見てみたら、もう11時4分……。あれこれ考えても仕方が無い。このワールドだけは、一気に集中する事にした。

その後は、無言でティーパーティー会場を抜け、不思議の部屋に行き、ランプに火を付け、ドアノブがある不思議の部屋まで戻り、このワールドのボス……トリックマスターと戦い、ひたすらキーブレードで叩いて勝利。レベルアップで最大HPが上がった。フレアスタンプを手に入れた。

ドアノブが騒々しいと言い、アクビをする。その時、鍵穴が現れ、ソラの持つキーブレードが反応した。鍵が閉まる音がした。

そして、ドアノブの前に何かが転がり落ちた。グーフィー曰く、普通のグミでは無いらしい。ドナルドが預かる事にした。「ナビグミのかけら」と言うアイテムらしい。

その後、チシャ猫が現れ、戦いに勝った事を褒めてくれたが、「君には足りない物がある」と言ってきた。ソラは足りない物?と聞いたが、教えない辺りはチシャ猫らしい。だが、氷の力……ブリザドをくれた。

最後に、アリスの居場所について意味深な事を言った後、姿を消した……。

場所は変わり、セーブポイント。巡人は早速「フレアスタンプ」を装備。プロテスネックレスと入れ替えた。

巡人「フレアスタンプ。ファイア系ダメージを80%カット。最大APと防御力が少しアップ。APが少ないから、こう言う装備は非常にありがたい(´ω`)」

ディクト「APが1から2に上がったけれど、アビリティは何を付けるの?」

巡人「1つ付けておいてあるのは【ライブラ】だから、【ドッジロール】を付ける」

ディクト「なるほど。【ライブラ】はあれかな?敵のHPが分かるやつ」

巡人「それ。じゃあ、次のワールドに行くよ!」

そう言って、セーブしてから、グミシップに乗った。2時間37分だった。

巡人「……必ず、クリアしよう」

ディクト「……そうだね」

ワールドマップで言葉を交わすと、巡人はワンダーランドより先にあるワールドに向けて、ワールド移動時のシューティングへと臨んだのであった。





11:24

閉園まで、あと10時間36分。

思わぬ、だけれども決意のタイムロスをしながらも、二人は前へ進んだ……。





その頃……

明「あ!匠!巡人達はどうだったの?」

匠「さっき話をした。最後までやると、本気で言っていた」

ネリア「ディクトさんも、最後まで巡人さんの傍にいると言いました」

和斗「そっか……。あの二人らしいな」

蒼樹「そうだね。巡人君とディクト君なら、きっと最後までやってくれるよ」

匠「内村には、やるからには最後までやれと言ったからな」

ネリア「私もディクトさんに、最後まで巡人さんの事を見て上げて欲しいと言っておきました」

明「そうなんだ……ねえみんな」

紅菜「なに?」

フレイ「?(・ω・)」 コール「?(・ω・)」

明「巡人がどんな様子なのか、見に行ってもいい?」





to be continued...




今回、匠とネリアのシーンを書いている時に涙目になったのは秘密です。

それでは(^∀^)ノ 感想をどうぞ!



※2017年4月24日追記
現実時間の描写を修正しました。