二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Interval Part.1 開園前 ( No.34 )
- 日時: 2017/04/28 21:00
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ひょんな事から始まった挑戦は、ついに中盤へと入った。
だがそれまでの間に、巡人とディクトを除いた人達はどうしていたのか。
今回は時間を開園前まで遡り、見てみるとしよう……。
8:00
開園を待っている間に、巡人達は地図を見ながらどこに行こうかと話し合っていた。
巡人「開園したら、まずはビックサンダーマウンテンでファストパスを取るでしょ?で、ファストパスの時間が来るまでが暇になりそうだから、どこか適当にブラブラしたりする?」
フレイ「この『いっつあすもーるわーるど』ってなに?」
紅菜「船に乗りながら楽しい音楽を聴いて、世界一周旅行をする気分になるアトラクションだよ(´ω`)」
コール「いってみたい!」
和斗「決まりだな。ビックサンダーマウンテンに乗ったら、どうする?」
軽々と聞いていく和斗。しかし、何故かその身体は震えていた。匠に指摘される。何でも無いと和斗は言うが、思い出したように、
蒼樹「そう言えば、和斗君って絶叫マシン系は苦手って言ってなかった?」
蒼樹がそう言った事で、和斗は沈んだ。
和斗「ビックサンダーマウンテンくらい、耐えてみせるさ……」
それだけ、小さく言った。
ネリア「後は何をしますか?」
沈んだ和斗は置いとくとして、ネリアが聞く。明が「はい!はい!はい!」と手を挙げて即答した。
明「グリーティング!キャラクターと一緒に写真を撮りたい!(^ω^)」
巡人「うん、知ってた('ω')」
ディクト「そう言うと思った('ω')」
ネリア「絶対にそう言うと思いました」
蒼樹「明君らしいね(^_^;)」
匠「夢中になって迷子になったりしないでくれ……(-.-;)」
和斗「……」
明「(´・ω・`)」
フレイ「(´・ω・`)」
コール「(´・ω・`)」
ネリア「フレイさん、コールさん、あなた達もそのつもりだったのですね……(-.-;)」
ネリアが呆れたと同時に、開園時間になった。前に進む客の流れに任せて、巡人達はディズニーランドに入った。
目の前に広がるエントランス。その光景に、巡人は立ち止まり、目を輝かせて辺りを見回した。
和斗の「置いていくぞー」と言う声も聞こえる事なく、ディクトに声をかけられるまで、その場に立ち尽くした。
この後に、自分達が、ディズニーランドでテレビゲームをする事になるなんて、これっぽっちも思ってはいなかった……。
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- Interval Part.2 シンデレラ城 ( No.35 )
- 日時: 2017/04/28 21:02
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ワールドバザールを抜け、目の前に大きなシンデレラ城が見えた。
明「あ!シンデレラ城だ!」
明が真っ先に叫ぶ。フレイとコールが明の肩に乗っかり、
フレイ「おおきいね(´ω`)」
コール「きれいだね(´ω`)」
と、大きなお城に見とれていた。その様子を見た和斗は、
和斗「明。はしゃぎ過ぎて迷子になるんじゃねーぞ」
と、一応忠告する。
紅菜「……(*゜▽゜*)」
紅菜はすごい物を見たかのような顔で城を見つめ、
ネリア「これがシンデレラ城ですか……。テレビで見た事ならありますが、実際に見るのは初めてです」
ネリアは初めて見るシンデレラ城を、興味深く見た。
匠「……相変わらず、人が多い」
匠がぼやく。それを聞いた蒼樹は、
蒼樹「仕方ないよ。週末だもん」
とだけ言った。ここで、蒼樹はある事に気付いた。
蒼樹(あれ?誰かいないような気がするけれど……)
誰かがいない。ここに来る前にはちゃんといたはずなのに、今はいない。おかしいと首をかしげていると、
紅菜「お兄ちゃん早く!」
明「置いてっちゃうよ!」
紅菜と明が進み始めていたので、蒼樹は違和感を抱えたまま、とりあえず、今いるみんなについていった。
ちなみに、蒼樹が感じた「誰かさん達」は……
誰かさん「すいません!これは何ですか?(・ω・)」
キャストのお兄さん「これですか?キーブレードの原寸大模型です」
誰かさん「やっぱり!(・∀・) キングダムチェーンですよね!」
お兄さん「よくご存知で」
誰かさん「触ってもいいですか?」
お兄さん「どうぞ(´ω`)」
エントランスで、意気揚々とキングダムチェーンの模型を振り回していた。もう一匹の誰かさんは、その様子を不思議そうに見ていた……。
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- Interval Part.3 BTM ファストパス ( No.36 )
- 日時: 2017/04/28 21:09
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
紅菜「ビックサンダーマウンテンに乗りたい!」
開園前から、紅菜はそう言っていた。普段は大人しい紅菜がはしゃぎながら言う物だから、蒼樹だけでなく、紅菜の事を知っている人達は意外そうな顔をした。そして、ビックサンダーマウンテンの乗り場の前に来て、同じ事を言った。どのみち、みんなで乗るつもりだったのだが……
和斗「でも紅菜ちゃん。並んでいる人が多いよ。1時間待ちだって……」
和斗がスタンバイ列の待ち時間を見ながら、苦い顔で行列を指した。このアトラクションは人気なので、当然、人も多く並ぶ。今は1時間も待たなければ乗れない程、列が出来ていた。しょんぼりする紅菜に、匠はこう言う時の為に、色々と予習した知識の一つを言った。
匠「ファストパスがある。取ってきてやるからパスポート全員分のパスポートをくれ」
ファストパス。指定された時間でアトラクションに並ぶと、待ち時間が比較的に少ない時間で乗る事ができる券だ。発券するには人数分のパスポートが必要な事と、少しばかりの制約があるが、利用価値は充分にある。
明「ありがとう匠(´ω`)」
明は匠に自分のパスポートを渡した。和斗も、紅菜も、蒼樹も、匠にパスポートを渡す。匠はファストパスの発券所に向かっていった。
コール「おおきいやまだね(・ω・)」
フレイ「でもほのおがでてこないよ?(´・ω・`)」
フレイとコールがビックサンダーマウンテンにそびえる山を見ながら話す。確かに、ビックサンダーマウンテンは火山では無い。鉱山であった。和斗は二匹の会話に入り、ある事を教えてあげた。
和斗「ディズニーシーの方にある山だったら火山なんだけどなぁ……」
プロメテウス火山。ディズニーシーのエントランスからアーチをくぐり、メディテレーニアンハーバーの入口正面から見える山である。ちなみに、あの山の近くには、「センター・オブ・ジ・アース」と言うアトラクションもある。
フレイ「そうなんだ……(´・ω・`)」
フレイはがっかりした。蒼樹はフレイに寄って、慰めるように言った。
蒼樹「今度はディズニーシーにも行けたらいいね」
そう言った後、ファストパスの発券所からこちらに戻って来る匠を見て、近くにいる和斗を見て、紅菜を見て、フレイ、コール、ネリアを見て……
蒼樹(そう言えば、巡人君とディクト君はどうしたんだろう?)
蒼樹はここでようやく、シンデレラ城にいた時点でいなかった、誰かさん達の事を思い出したのであった。
ネリア「………」
ネリアは何も言わず、辺りを見回した。巡人とディクトがいない。この辺りの気配を探る。巡人とディクトの気配を感じない。溜め息をついた。
そして今度は、探る気配の範囲を広げて、二人を探し始めた。
ちなみに、「誰かさん達」こと、巡人とディクトは……
巡人「行くぞ」
ディクト「行こう」
ネリアが気配を探り始めたのと同じタイミングで、「キングダムハーツ ファイナルミックス」と言うゲームとの戦いを始めていた……。
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- Interval Part.4 エンカウント ( No.37 )
- 日時: 2017/04/28 21:12
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ビックサンダーマウンテンのファストパスの有効時間が来るまでに暇があったので、他の場所へ行って、時間を潰す事にした。その途中、ある物を見かける。
明「あっ!何かいる!!(・∀・)」
明が叫んだ。そこに向かって走って行く。フレイとコールも気付いて、
フレイ「ほんとだ!(゜д゜)」
コール「なんだろう!?(゜д゜)」
そう言って、明に続いていった。明が気付いた物。それは……
ネリア「これが、キャラクターグリーティングと言う物ですね。入口辺りでもありましたが、これは一体何なのですか?」
明を追いかけたネリアが、改めてグリーティングの様子を見て、紅菜に聞いた。キャラクターを取り囲む、大勢の人達がいる。明もその中に入っていた。
紅菜「簡単に言うと……」
紅菜が説明しようとすると、
明「こんにちは!一緒に写真撮ってくれても大丈夫かな?(・ω・)」
フレイ「こんにちは!(・ω・)」 コール「こんにちは!(・ω・)」
明がキャラクターに向かってそう言ったのが見えた。
ネリア「……」
ネリアはその様子を無言で見つめる。明もフレイもコールも、笑顔だった。
明「ありがとう!またね!(^ω^)ノシ」
フレイ「ばいばい!(^ω^)ノシ」 コール「ばいばい!(^ω^)ノシ」
明達がキャラクターにそう言って、こちらに戻って来た。
ネリア「……大体、把握しました」
紅菜「うん……(^_^;)」
明をじっ、と眺めるネリア。
和斗「良かったな、明」
明「うん!(^ω^)」
和斗の言葉に、笑顔で答える明。
匠「………」
その様子を、匠は笑みを浮かべて見ていた。それに気付いた蒼樹が、
蒼樹「……楽しそうだね。明君」
笑いながら話すと、
匠「そうだな」
匠は返事をした。
蒼樹は、嬉しそうな明達を見て、ここにいない、しかし、どこかにいるであろう二人の事を気にした。
その頃、蒼樹が気にしている二人は……
ディクト「これって何の意味があるの?」
巡人「主人公……ソラの初期ステータスを決めていたんだよ。『剣』を取れば攻撃力が上がって、『盾』を取れば防御力が上がる。『杖』を取ればAP……アビリティポイントが上がるんだ。逆に差し出せば、差し出した物のステータスが下がる」
ディクト「なるほど……アビリティポイントって?」
巡人「それはまた後で」
ディクト「どうして剣を取って、杖を差し出したの?」
巡人「剣を取ったのは火力を上げたかったから。要はゴリ押しで行くつもり。杖を差し出したのは防御力を下げたくなかったから。APが下がるけど、防御力を下げてすぐに死ぬよりはマシでしょ?」
ディクト「ほう……(・ω・)」
蒼樹がどんな思いで気にしているかを知る事もなく、ゲームを進めていた……。
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- Interval Part.5 イッツアスモールワールド ( No.38 )
- 日時: 2017/04/28 21:16
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ビックサンダーマウンテンに乗れるまでまだ時間があるので、今度はイッツアスモールワールドに乗った。10分くらい並んだ。
フレイ「わあ……!(*゜▽゜*)」
コール「きれいだね……!(*゜▽゜*)」
ゆったりと流れる綺麗な景色に、フレイとコールは見とれる。
紅菜「そうだね(´ω`) フレイ君、コール君、楽しい?(・ω・)」
紅菜が笑顔で聞くと、
フレイ「うん!(^ω^)」
コール「たのしいよ!(^ω^)」
と、嬉しそうに答えた。明は2匹を撫でながら、
明「良かったね(´ω`) イッツアスモールワールドに乗れて。行く前から乗りたがっていたから……」
と、景色を眺めながら空間独特の雰囲気を満喫する。
和斗「まだビックサンダーマウンテンに乗るまで時間があるし、良い時間潰しになったんじゃないか?」
和斗がそう言うと、明達は頷いた。
その一方で、蒼樹は匠に小声で話しかけた。
蒼樹「……あのさ、匠君」
匠「なんだ?」
蒼樹は一度、明達を見る。こっちが離しているのを気付いていないのを確認して、ついに話した。
蒼樹「巡人君とディクト君はどうしたのかな?さっきからずっといないんだけれど……」
心配そうに、蒼樹は言う。匠は溜め息をつくと、
匠「そうだな。ここに入ってからあの2人を見ていない。何をしているんだか……」
と、まるで巡人とディクトがいない事を分かっていたかのように、呆れ混じりに話した。分かっていたんだね。匠君は。蒼樹が心の中でそう思っていると、匠と蒼樹の間にネリアが入ってきた。
ネリア「私も前から思っていましたが、どこにいるのでしょうか?気配を探ってみましょうか……」
ネリアも気付いていたようだ。既に何回か気配を探った事で、二人がいる場所は把握している。ただ、同時に気にかかる事もあった。蒼樹が「お願い」と言うと、ネリアは頷いて、気にかかる事を確かめながら、巡人とディクトの気配を探った。
一方、ネリアに気配を探られている二人は……
カイリ『それそれ!ソラ、ごくろうさま』
巡人「これで……」
カイリ『あと必要な食料は……』
巡人「ゑ?」
カイリ『木の実を1個』
巡人「」
ディクト「あっはっはっはっははは!!」
巡人「笑うな!」
巡人は素早く木に近づき、木の実を手に入れようとしていた。ディクトは笑い転げていた……。
next to Part.6
- Interval Part.6 ビックサンダーマウンテン ( No.39 )
- 日時: 2017/04/28 21:19
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ファストパスの有効時間になったので、明達はビックサンダーマウンテンの乗り場まで戻り、ファストパス用の列に並んだ。スタンバイの列よりも早く進む。
明「ファストパスのおかげでスイスイ行けるよ(´ω`) ありがとう匠」
フレイ「ありがとう(´ω`)」
コール「ありがとう(´ω`)」
お礼を言うと、匠は、これくらい当然だ、みたいな顔をした。その隣で蒼樹は紅菜の様子を気にした。
蒼樹「紅菜大丈夫?疲れてない?」
紅菜「大丈夫だよお兄ちゃん。心配してくれてありがとう(´ω`)」
蒼樹「紅菜……///」
妹の「ありがとう」と言う言葉に照れる兄。和斗はそれを見て、少しだけ引きながら、
和斗「うわぁ……相変わらず蒼樹のシスコンぶりが」
出てる、と言いかけた所で、蒼樹が睨んできた。
蒼樹「和斗君。何か言った?('ω')」
和斗は言いかけた口を閉じて、
和斗「いや、何でもない。ビックサンダーマウンテン、楽しみだね、紅菜ちゃん(震え声)」
紅菜「そうだね(´ω`)」
話題をそらす為に、紅菜に話を振ったが、それがいけなかった。
蒼樹「か ず と く ん ?」
蒼樹が圧力を込めて、和斗に詰め寄った。
和斗「ヒイッ……!(´゜д゜`)」
和斗はひたすら、首を横に振った。その一方で……
ネリア「……」
匠「内村とディネクトの居場所は分かったのか?」
地図を広げながら、匠とネリアは巡人達の事を気配で捜していた。
ネリア「さっきから何度も探っていますが……同じです。まだエントランスにいます」
ネリアは地図上のエントランスを指しながら言った。ここに並んでから、何度も二人の気配を探っている。しかし、結果は同じ。エントランスの方から強く感じるままだった。
匠「まだエントランスに?あいつら、何をしているんだか……(-.-;)」
匠は溜め息をついた。ネリアも首をすくめて、
ネリア「分かりません」
と言い、続けて「それと……」と言った。
匠「?」
ネリアは地図から目を離した。そして、
ネリア「……確証が持てないのですが、巡人さんとディクトさんの周りの気配が不安定なのです。人間の気配なのは間違い無いのですが、強くなったり弱くなったりとして……」
それが何を意味しているのか、分からないのです。
二人の気配を探り始めてから気にかかる事を、匠に言った。
ネリアが気にかかる気配の正体……ゲームをしている様子を見ているギャラリーに囲まれている巡人とディクトは、
巡人「これでデスティニーアイランドは終わり。ソラは訳が分からないまま、望まぬ形で故郷から旅立つ事になりましたとさ」
ディクト「うわあ……可哀想に……(´'ω'`)」
巡人「ソラの冒険はここからだよ。ここからなんだから」
とある場所……トラヴァースタウンで、星が消えたのを目撃したドナルドとグーフィーを見ながら、巡人はニヤリとしていた。
next to Part.7
- Interval Part.7 ウエスタンリバー鉄道 ( No.40 )
- 日時: 2017/04/28 21:22
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ビックサンダーマウンテンに乗った後、ウエスタンリバー鉄道に乗った。本当ならビックサンダーマウンテンの後に、巡人達の様子を見に行こうとしたのだが、アトラクションから出た瞬間に、明がキャラクターを見かけて飛び出し、それを止める為に追いかけ、何だかんだで……と言うより、成り行きで今に至る。
明達は景色に夢中になっている。匠とネリアは、今は、流れる景色に身を任せる事にした。
鉄道から降りた後、すぐに、
ネリア「巡人さんの様子を見に行きましょう」
ネリアがついに切り出した。
匠「ああ。俺も同じ事を考えていた。ずっとエントランスにいるんだろ?あいつらの事だ。同じ場所に居続ける理由が絶対にある」
確信したように、匠は答える。そこへ、蒼樹がやってきた。
蒼樹「匠君。何の話をしてるの?」
二人は蒼樹の方を向く。ちょうど良かった。匠はそう思いながら、
匠「蒼樹か。これから俺とネリアでいつまで経っても来ない二人の様子を見に行く。その間、崎本達の事を頼んだ。坂下達にも話しておいてくれ」
蒼樹にそう言った。蒼樹はキョトンとする。が、「いつまで経っても来ない二人」と聞いて、
蒼樹「え?二人って……巡人君とディクト君?」
ここにいない二人の名前を言うと、ネリアは頷いた。
ネリア「その通りです。私達がいない間の事、頼みます」
そして二人は、エントランスの方の道を走って行く。蒼樹は二人に何か言いかけるが、その時には声が届かないくらいに離れてしまっていた。
蒼樹「……分かった。気をつけてね」
行ってしまった二人に対して、届かない返事をする。その後ろで、
紅菜「お兄ちゃん!早く早く!」
紅菜が自分の事を呼んでいた。
蒼樹「紅菜!今行くよ!」
蒼樹は振り返り、紅菜達の方に向かう。
蒼樹(巡人君とディクト君、エントランスで何してるんだろう?匠君とネリアさんの事は後で紅菜と和斗君達にも話しておかないと……)
そう、頭の中で考えながら……。
ちなみにこの後、巡人とディクトがいない事と、匠とネリアが二人の様子を見に行った事を話したら、
和斗「あっ。言われて気付いた(´・ω・`) 巡人とディクト、いないじゃん(´・ω・`)」
明「いつからいなかったの?てっきりいるかと思ったのに……(´・ω・`)」
フレイ「じゅんと、どこにいるの?(´・ω・`)」
コール「でぃくともどこにいるんだろう?(´・ω・`)」
紅菜「どこに行っちゃったのかな……?」
みんな、二人がいない事にやっと気付き、それぞれ心配そうに言った。しかし、
明「でも、匠とネリアが捜しに行ってくれているから、大丈夫だよね(´ω`)」
と、匠とネリアの名前が出てくると、
和斗「それもそうだな」
フレイ「そうだね(´ω`)」
コール「どこにいく?」
紅菜「どこに行ってみたい?」
最初に心配していた声はどこへやら、コールと紅菜は次にどこに行こうかと言う話で盛り上がった。
蒼樹「……」
蒼樹は何も言わなかった。いや、何も言えなかった。
そして、ようやく気付いて貰えた二人はと言うと……
巡人「アビリティピアス……1マニー足りない……!!(´;ω;`)」
ディクト「くっそwwwwくっそwwwwww」
トラヴァースタウンクリア後、アビリティピアスを買おうとしたが、1マニー足りなかった。諦めて、すぐ近くのセーブポイントでセーブ。
巡人「これでトラヴァースタウンはおしまい……」
ディクト「まだアビリティピアスの事を引きずってるの?お金を貯めれば買えるんだから我慢しなよ……」
巡人「そうだけと……そうだけれど……!」
泣きそうな声で悔しさを惜しみなくだすが、こればかりはどうにもならないので、泣く泣くセーブポイントからグミシップに乗った。
そしてこの後、ワンダーランド攻略中に、この二人を捜しに行った二人が来る事になる。
だが、この時点での二人は、そんな事が起こるなど、微塵も思わなかった……。
next to Part.8
- Interval Part.8 トゥーンタウン ( No.41 )
- 日時: 2017/04/28 21:26
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
トゥーンタウンへ行きたいと、コールは言い出した。続いて、フレイも行きたいと言い出したので、じゃあ行こう、となった。
フレイ「たのしいね!」
コール「おもしろい!」
蒼樹「フレイ君、コール君!あんまり僕達から離れちゃダメだよ!」
蒼樹が注意する。2匹は蒼樹に飛び込んで、笑顔で蒼樹を引っ張って行った。和斗と明は苦笑いしながら、紅菜は楽しそうで良かったと思いながら、蒼樹達を追いかける。
そうして、しばらくこの辺りであちらこちらと時間を潰していると、匠とネリアがやって来た。ネリアの気配探知でここまで来たらしい。
明「あ!匠!巡人達はどうだったの?」
明が聞く。
匠「さっき話をした。最後までやると、本気で言っていた」
ネリア「ディクトさんも、最後まで巡人さんの傍にいると言いました」
二人はそれぞれ答えた。その後、巡人とディクトは何をしていたのか、淡々と説明する。全部聞き終えて、
和斗「そっか……。あの二人らしいな」
蒼樹「そうだね。巡人君とディクト君なら、きっと最後までやってくれるよ」
和斗と蒼樹は納得したように、そう言った。
匠「内村には、やるからには最後までやれと言ったからな」
匠は目を伏せながら言う。
ネリア「私もディクトさんに、最後まで巡人さんの事を見て上げて欲しいと言っておきました」
ネリアも、ディクトとのやり取りを思い出しながら、そう言った。明は何度も頷いていたが、何かを思い付いたように、全員に話した。
明「そうなんだ……ねえみんな」
紅菜「なに?」
フレイ「?(・ω・)」 コール「?(・ω・)」
明「巡人がどんな様子なのか、見に行ってもいい?」
匠は少し考える。そして、
匠「そろそろ何か食べないか?腹も空いているだろ。内村に会いに行くのはその後でも間に合う」
とだけ言い、食べ物を売っているお店へ向かって行った。ポカンとする明。明だけでは無い。和斗も蒼樹も、紅菜もフレイも、コールも、ネリアも、首をかしげた。
明は自分のお腹をさする。そう言えば、ここに来てからお昼ご飯を食べてない。
明「お腹空いた……」
匠が言った意味をやっと理解した明は、匠についていった。後から和斗達もお腹が空いた事に気付いて、明に続くように食べ物の店へと向かった。
ある程度お腹を落ち着かせた明。フレイとコールはご飯を食べ終わってすぐに蒼樹と紅菜を連れて遊びに行った。匠とネリアは明に500円ずつ渡す。
明「これは?」
匠「あの二人の事だ。どうせ飲まず食わずでやるつもりだろうから、何か食べ物でも買って、持って行ってやれ。お釣りはお前にやる」
ネリア「私達からの差し入れと言っておいてくださいね」
二人は笑顔を浮かべて、明にお使いを頼む。明は頷いて、
明「じゃあ、行ってくるね!」
と、椅子から立って、行こうとした。
匠「崎本」
匠は明の事を呼び止めた。明は止まり、こっちを向く。
匠「内村とディネクトに伝えてくれ」
ネリア「私からもお願いします」
明「……分かった。何て言えば良い?」
匠とネリアは目を閉じた。一呼吸して、目を開けて、
匠「金は後で俺に払え」
ネリア「タダで貰えるなんて思わないでください」
明「」
匠「頼んだ。行ってこい」
ネリア「行ってらっしゃい。お気をつけて」
明は複雑な表情を二人に見せ、トゥーンタウンの外へと向かって行った。途中で、屋台でチュロスを買う。先へ進むと、グリーティングしているキャラクターに遭遇する。明に近付いてくるが、「ごめんね。友達の所に行かなきゃいけないんだ。でも……」と言って、握手だけして、お礼を言って去った。
ワールドバザールに着き、数ある食べ物のお店の一軒に入り、ホットドッグを買った。ワールドバザールを抜け、エントランスに辿り着く。
同時に、これまたグリーティングしているキャラクター……悪そうな顔のオオカミと王様らしい服を着ているライオンとほぼゼロ距離で目が合い、明は驚いて声をあげた。何してるんだ?と仕草で聞かれるが、「この辺りにいる友達に会いに来たの」と言うと、何度も頷いた後に何故かそれぞれが片方ずつの手を掴まれて、ギャラリーがいる所まで一緒に歩く事になった。明は首をかしげたが、「まあいいか」と、成り行きに任せる事にした。
ぐるっと半周した辺りで、ここか?と仕草で聞かれる。ギャラリーが集まっている場所だった。その先に、あの二人がゲームをしているのが見える。明は頷いた。相手は、行って来い、とライオンは仕草をして、オオカミが明の背中を押した。
明「ありがとう。行ってくるよ!」
笑顔で手を振りながら、巡人のいる方へ向かった。相手も手を振ってくれた。明は前を向いて、ギャラリーの間に入る。少しもみくちゃにされたが、一番前まで着いた。買った食べ物を確認する。無事だった。深呼吸する。そして、
明「巡人!」
キャストの制止に気付かないまま振り切るように、巡人のもとへ駆け付けた。
ちなみに、差し入れしたホットドッグとチュロスは喜んでくれたが、匠とネリアの伝言を伝えると、巡人とディクトは固まった。後ろからドッと笑い声が聞こえる。二人が固まる気持ちは分かるが、どこに笑える要素があったのかまでは分からなかった……。
next to Part.9
- Interval Part.9 パレード ( No.42 )
- 日時: 2017/04/28 21:29
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
巡人と別れたあと、携帯で匠に電話した。匠達はトゥーンタウンから出て、トゥモローランドの辺りを歩いていると言う。明はそこに向かうと言い、電話を切った。トゥモローランドまで歩いて行く。ピザ屋の辺りで、匠達と合流した。その後、パレードを見に行こうと言う話になり、全員でシンデレラ城まで行く事にした。
シンデレラ城に着いた所で、ちょうどパレードと遭遇した。が、人が多すぎてよく見えない。フレイとコールは上へ飛んで、パレードの全体の様子を見に行った。ネリアも2匹を追いかけに上に飛んで行った。
やがて、パレードは過ぎ去って、フレイ、コール、ネリアはこっちに戻って来た。明が声をかける。
明「パレード、凄かったね(´ω`)」
フレイ「いろいろあったね(´ω`)」
コール「いろいろおどっていたよ(´ω`)」
フレイとコールは満足したみたいだ。
明「巡人にも見せたかったよ……(´・ω・`)」
明が落ち込むようにエントランスの方角を見る。それに対して、蒼樹は、
蒼樹「仕方ないよ。巡人君とディクト君はエントランスで頑張っているんだから。話を聞かせてあげたらどうかな?」
提案した。
明「うん。そうする」
明は頷いた。
匠「崎本。ちゃんと俺達の伝言は伝えたか?」
と、匠が聞いて、明はもう一度頷いた。
明「うん。巡人とディクト、固まってた」
匠「だろうな」
ネリア「タダで貰えると思ったら大間違いです。払って貰う物は払って貰う。それぐらいの権利は私達にはあります」
和斗「ネリア……」
話を聞いていた和斗が、ポツリと言う。ネリアはすかさず、
ネリア「文句ありますか?和斗さん」
和斗「いいえ。何でも無いです(´・ω・`)」
ぴしゃりと言い放った。和斗は沈んだ。
紅菜「ネリアちゃん。次はどこに行く?」
紅菜は地図を見せながら、ネリアに寄った。
ネリア「そうですね……。色々と回って、パークも1周しましたし……」
楽しい時間はまだまだ続くのであった。
ちなみに、エントランスで頑張っている巡人とディクトは……
巡人「これでこのワールド(ディープジャングル)の攻略はおしまい。次はトラヴァースタウンに戻って、変わった形のグミ……ナビグミのかけらを何に使うのかを聞きに行く事になる」
ディクト「終わりが見えないんだけど」
巡人「ここまで来てまだ前半辺りだからね。仕方ないね」
ディクト「エンディングまで行けるの?(´・ω・`)」
巡人「行けるかどうかじゃない。行ける所まで行くんだ」
ディクト「行ける所まで、か……」
行ける所まで行く。その言葉を心の中で繰り返し、繰り返し、呟いた……。
next to Part.10
- Interval Part.10 スペースマウンテン ( No.43 )
- 日時: 2017/04/28 21:32
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
紅菜が「スペースマウンテンに乗ってみたい!」と言い出した。真っ先に反応したのは和斗だ。「紅菜ちゃん!?」と声をあげる。蒼樹に睨まれたが、その表情にも、焦りが混ざっていた。匠は無表情だ。額に汗さえ浮かべていなければ。
それもそのはず。スペースマウンテンはほぼ暗闇の中、右に左に振り回されるライド型アトラクションだ。ビックサンダーマウンテンと比べれば、これから乗ろうとしている方が激しい。ただでさえ和斗はこう言う系のアトラクションは苦手なのに、と言うより、ビックサンダーマウンテンでお腹がいっぱいなのに、紅菜がこれより激しい物に乗りたいと言うのだから……。
和斗だけではない。蒼樹もジェットコースターみたいなマシンはあまり好きでは無かった。和斗ほどに苦手ではないが。
匠はこう言う物に対して、充分過ぎるほど耐性はある。涼しい顔を貫いたまま乗れる。だが……
匠「本当に、乗りたいのか?時間が経ってるが、まだ昼に食べた物が胃の中に残っていたりとかしないか?」
全員が考えていた事。それは、昼ご飯を食べて、それがまだ残っている感覚がするのに、激しいアトラクションに乗れるのか。乗ってる途中や乗った後で最悪な事にならないか。それを危惧していた。
匠が和斗達の考えを代弁する。紅菜はキョトンとするが、すぐに、
紅菜「大丈夫!(^ω^)」
数十分後……
和斗「はは……あはははは……(´゜∀゜`)」
おぼつかない足取りで、アトラクション出口から外へ踏み出した和斗。
明「和斗、大丈夫?(´・ω・`)」
フラフラな和斗を気遣いながらも、いつ座り込んでもおかしくない状態の明。
和斗「大丈夫だよ……スペースマウンテンくらい、どうって事無い……どうって事……」
と、笑って答えた瞬間、突然手で口を押さえて、そのままトイレへと駆け込んで行った。
一方で、言い出しっぺの紅菜は満足した様子で、
紅菜「面白かったね、お兄ちゃん、ネリアちゃん(´ω`)」
と、蒼樹とネリアに話を振るが、
蒼樹「そう……だね。面白かったよ……」
ネリア「スペースマウンテン……初めて乗りましたが、あそこまで振り回されると
は……」
笑顔だが、うつろな目をして答える蒼樹と、風を操る自分があんな物に振り回されるとは思っていなかったのか、ショックを受け、落ち込んだ様子で呟くネリアだった。
殆どが沈んでいる中、この二匹は相変わらずだった。
フレイ「たのしかったね(´ω`)」
コール「もういっかいのりたいな!」
フレイとコールである。乗っている途中、右に左に振りまわされていても、嬉しそうに叫んでいた。それはそれで良い。
だが、もう一回乗りたいコールが言う物だから、こちらからすればたまったものではない。
明「後でね……また後で。みんな、疲れちゃったみたいだから(^_^;)」
明はそれだけ言うと、力を振り絞って、近くにあった座れる所で座り込んだ。
匠「……」
匠は何も言わず立ったまま、疲れた表情を出しながら、和斗が戻って来るのを待つ事にした。
ちなみに、唯一、紅菜の言い出しに巻き込まれていない二人は……
ディクト「……ごめんね、巡人」
巡人「気にしなくて良いよ。俺も悪かった」
ディクト「巡人は何も悪くないよ。僕が我慢出来なくて叫んじゃったんだから」
ディクトの目に涙が溜まる。巡人はそっと、ディクトを自分の膝元に乗せて抱き寄せた。アゴを撫でてあげる。
ディクト「………ぅぅっ………っ………」
巡人の優しさに、ディクトは涙を流した。
ディクトが泣き止むまで、巡人はその体勢のまま、グミシップに乗った。
12:38
閉園まで、あと9時間22分。
こうして、巡人とディクトの2人、和斗、匠、明、紅菜、蒼樹、フレイ、コール、ネリアの8人は今に至る。
この先、2人に何が待ち受け、8人はこれからどうするのか。
それは、その時にならなければ、分からない……。
to be continued...
- Interval 後書き ( No.44 )
- 日時: 2017/04/28 21:43
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
今回は本編では無く、合間として、巡人とディクトがゲームをしている間、和斗達はどうしていたのかを具体的に描いたお話でした。
そのはずだったのに、パート数が本編より1つ分長くなってしまいましたがw
実を言うと、前回の本編……2nd World'sが終わった後、そのまま3rd World'sを書こうと思ったんです。
ですが、そのような形で本編ばかり進めてしまうと、出てくるのが巡人とディクトばかり。友達の和斗達の出番が大きく減ってしまうので、予定を変えて、この「Interval」を書きました。
ちなみに、スペースマウンテンに乗った後、和斗はトイレへ駆け込んでどうなったかは皆さんのご想像にお任せします。いや、皆さんのご想像通りです。すいませんでしたorz
諸々な事はここまでにして……次回から本編に戻ります。中盤に入り、最初に訪れるワールドは……ランプの魔人がいる、あの場所です(´ω`) 次回を楽しみにお待ち下さい。
それでは(^∀^)ノ 感想をどうぞ!