二次創作小説(映像)※倉庫ログ

ネバーランド Part.0 ( No.68 )
日時: 2017/05/17 12:28
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: GlabL33E)

スペースマウンテン、アトラクション出口付近。

和斗と蒼樹がおぼつかない足取りで、最初に出て来た。和斗を支えるように、蒼樹が自分の肩を貸す。

次に出て来たのが匠とネリア。2人の様子は一見、大丈夫そうだが、それは肉体的の話。精神面ではかなりやつれていた。その証拠に、一歩一歩が重くのしかかる。

最後に出て来たのは明と紅菜とフレイとコール。先に出て来た人達は違い、ケロリとしている。元気いっぱいだ。

紅菜「スペースマウンテン、楽しかったね(´ω`)」

明「うん!」

フレイ「たのしかった!」

コール「もういっかいのりたいなあ……」

コールの言葉に、元気を失った人達が反応した。

蒼樹「コール君。次に乗る時は明君と紅菜とフレイ君だけで行って……」

苦しそうに頼む蒼樹。

和斗「やっぱり……二度目でも、俺には耐えられなかった……こんな事になるなら……乗るんじゃなかった……!乗るなら勝手に乗ってくれ……!それに明……お前、最初に乗り終わった時はフラフラだったはずだろ……何で2度目は楽しそうにしてるんだ……!!」

涙目で訴え、疑問を投げる和斗。

ネリア「今度こそ、大丈夫だと……負けはしないと……そう決意したのに……私は……!」

悔しそうに声を絞り出すネリア。

匠「……蒼樹の言う通り、また乗る時はお前らだけで乗ってくれ。俺でも限界はある……!」

珍しく感情をあらわにする匠。その目は少しだけ、赤く染まっていた。

それぞれ、思い思いに言葉を吐き出した後、よろめきながら、前に歩き出すのであった。

明達は顔を見合わせる。悪い事をしてしまったのかもしれない。そう思いながら、気まずそうに和斗達の後に続くのであった……。





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ネバーランド Part.1 ( No.69 )
日時: 2017/05/17 12:30
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: GlabL33E)

ワールドマップ。ちぎれたページをトラヴァースタウンに持って行こうと言う話になるが、それを無視して次のワールドへ目標を定めた。

巡人「ディクト」

ディクト「何?」

巡人「次のワールドなんだけれど、ちゃんと着くかどうか、確率があるんだ」

巡人がグミシップを操作しながらディクトに説明する。

ディクト「確率?運次第って事?」

巡人「そう。ある程度まで進んで、何もイベントが無かったらやり直し」

ディクト「そんな……(´・ω・`) ちなみに、どれくらいの確率?」

巡人「モンストロとハロウィンタウンをクリアしたから、それで70%。残りの30%を引いたら、またハロウィンタウンからグミシップを進め直さなくちゃいけない」

ディクト「大変だね(´・ω・`)」

巡人は頷いた。敵の攻撃が激しいが、何とか進めている、やがて周りの景色も変わり、

巡人「そろそろか……」

さっき言った、「ある程度」の場所まで辿り着いた。

ディクト「これで何も起きなかったら……」

巡人「まずいね」

危機を感じる顔をしたその時、急にグミシップが止まり、周りの障害物が消えた。ワンテンポ遅れて、グーフィーが、後ろから大きな船が来る、と言って来た。

巡人「来た!」

ディクト「本当!?」

巡人「本当だよ!新しいワールドだ!」

巡人は喜んだ。ディクトはホッと一息をつくが、ソラ達はそうも行かないようだ。

後ろから大きな船が来る。ドナルドが、あれは海賊船だ!と叫んだ。

海賊船がこちらに来る。こちらにぶつかって来るつもりだ。ソラが、みんな掴まって!と叫んだ。

ディクト「……随分と派手に行ったね('ω')」

ディクトが呟く。

巡人「そりゃそうだよ。海賊船だからね」

ネバーランド、とワールドのタイトルが出て来た。

ディクト「ネバーランド?海賊船が?」

ディクトは首を傾げた。

巡人「そう。ネバーランド。ピーターパンって作品に出て来る海賊船をモチーフにした世界」

ディクト「なるほどね……ん?海賊船?」

納得して、同時にディクトが何か引っかかったような感覚が起きた所でイベントを見る。ソラが海賊船に足を着くと、見覚えのある声が聞こえた。お前から来てくれると思わなかった。また会えて良かった、と。リクである。

ドナルドとグーフィーは?ソラが聞くと、リクが冷たく言い放った。まだそんな事を言っているのか?と。

ディクト「海賊船……海賊船……海賊船……」

ディクトはボソボソと呟く。リクは、そんなに仲間が大切か、と続けていた。

リク『お前が捜しているのはあの2人か?』

ディクト「海賊船……海賊船……」

リクが、それとも……と言い、横にズレた。リクの後ろに虚ろな目をしたカイリがいた。

ディクト「………!」

ソラ『カイリっ!』

ディクトの目が見開くのと、ソラがカイリと叫んだのは同時だった。

ディクト「この船……!」

ようやく思い出した。見覚えがあると思っていた。それもそのはず。ここは、マレフィセントがリクにハートレスを操る力を与えた場所と同じ所の船なのだ。

リク『見ろ。お前が遊んでいる間に、俺はカイリを見つけたぞ』

ディクト「リクが見つけたんじゃなくて、マレフィセントが見つけたような物だけどね('ω') って、そうじゃなくて……」

ソラは一歩駆け出す。それを、鉤爪が制した。俺の船で勝手な行動は慎んでくれ、と言う言葉と共に。そして、見覚えがある顔が現れた。

ディクト「そう言う事だよね……。マレフィセントが用意したって言っていた船の持ち主」

巡人「ディクト……」

何でこんな奴らと一緒にいる、とソラは問いかけた。それに対して、

リク『俺はハートレスを操る力を手に入れた。もう恐れる物は何も無い』

ディクト「うわあ………うわあ………」

ディクトは痛そうに頭を抱える。





リク『闇を恐れることは無いんだ!』





この言葉を、思い出しながら。

ソラ『ハートレスは危険な力だ。心を呑み込まれるぞ!』

ソラが警告する。ご最もである。事実、ソラは何度もハートレスの力を使った結果、破滅を迎えた人達を何人も見ているのだ。リクもその仲間入りになるなんて想像したくない。

が、

リク『それは心が弱いヤツだけさ』

ディクト「………」

ディクトは頭を抱えて首を横に振った。もう聞きたくない、とでも言うように。

だが、現実は続く。この力で色んな事が出来るようになった、と言って、闇に覆われたソラの分身を創り出した。ソラは驚く。

大切な仲間に会わせてやるよ。

その言葉を最後に、ソラは床下に仕掛けられていた落とし穴に落ちて行った。

ディクト「……巡人」

巡人「何?」

ディクト「一つ、言っていいかな?」

巡人「良いよ」





ディクト「リクは大きくなったら、この事は多分……いや絶対に黒歴史扱いになると思う」

巡人は、そっと微笑んだ。

ちなみに、この後にもイベントは続いていたが2人は見逃してしまっていた。どうって事は無いが。





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ネバーランド Part.2 ( No.70 )
日時: 2017/05/17 12:33
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: GlabL33E)

ソラは仲間達と合流できたみたいだ。カイリが?とグーフィーが聞くと、ソラは頷いた。確かにカイリだった、と。ようやく会えたんだ、と、嬉しそうに言った。

それじゃあもう一度会いに行こう、とグーフィー。ソラは頷く。ドナルドも賛成した。立ち上がろう、とも。

ドナルド『早く立って!』

ディクト「……そんな事だろうって思った('ω')」

後ろから笑い声が聞こえるが、ディクトはすまし顔だった。想像は付いていた見たいだ。ソラが落ちてきた場所と、ドナルドとグーフィーがいた場所が重なったみたいで、一番下にドナルド、その上にグーフィー、さらにその上にソラが乗っかっていた。

ソラ『あ、わりい』

ディクト「('ω')」

巡人「ディクト、ここ笑う所だと思うよ」

場面が変わる。ソラが扉の窓越しに外の様子を覗いた。その時、別の男の声が聞こえた。ここから出るんだろ。手伝ってやろうか?と。そして軽快に、緑色で統一した男が現れる。

ディクト「誰?('ω')」

グーフィーと同じタイミングで、ディクトは巡人に尋ねた。返ってきたのは名前ではなく、挑発とも取れる言葉だった。ディクトの目がガン開きした。

ソラが、そう言う自分も捕まったんじゃ?と言い返す。男はソラから顔をそらし、待ってるだけ、と言い返した。

ディクト「ダウト」

誰を?と聞いた瞬間、黄色い玉が飛び回って来た。遅かったじゃないか、ティンカーベル、と男は言う。黄色い玉は、妖精の女の子だった。言葉は喋れないが、男との意思疎通は出来るみたいだ。そこにウェンディがいるみたいなんだな、と男は言った。もう一人、女の子もいるらしい。が、男はウェンディと言う子のみを助けるとも聞き取れる事を言った。

やきもちやいてるな。ドナルドが笑う。妖精の女の子……ティンカーベルはドナルドに近づき、くちばし目掛けて蹴飛ばした。そして、そのままティンカーベルは去ってしまった。

ティンク!扉を開けてくれよ!と男は言うがもう遅い。ここでソラが咳払いした。キーブレードを手に持って。

ディクト「……まあ、そうだよね('ω') 扉を開ける方法って言ったら、それしか無いよね('ω')」

ディクトは呟いた。その間に、男は自己紹介をする。名前はピーターパン。手を差し出した。ソラも自己紹介をして、手を差し出したが、ピーターパンは自分の手を引っ込め、一緒に行くのはウェンディを助けるまでだ、と、一時的な協力を申し出た。

イベント終了。パーティー選択画面になる。巡人はドナルドとグーフィーのまま、パーティーを決定した。

動けるようになったので、アイテムメニューを開き、ピーターパンからポーションを3つ、エーテルを3つをバックヤードへ移す。分かりきっていたので、ディクトは何も言わなかった。

その後に近くのセーブポイントでセーブ。6時間52分だった。時計を見ると、15時32分。空が、夕焼けに染まり始めていた。

思い出したように、巡人は装備メニューを開く。アクセサリーの「アビリティピアス」を「セイクリッド」に変えた。

巡人「セイクリッド。ファイア・ブリザド・サンダー系のダメージを80%に抑えられるのと、最大APが上がるアクセサリー。使える」

ここで、ディクトはある事を思い出した。

ディクト「そう言えば、『パンプキンヘッド』ってキーブレードも手に入れたよね。装備しないの?」

巡人「リーチが長くてクリティカルが連続で出てくるのが魅力だけど、弾かれ耐性が一切無いんだよね。それに……」

と言いながら、ソラのキーブレードの装備を選択して、パンプキンヘッドに合わせる。

巡人「攻撃力が1しか上がらない。ゴリ押しするんだったらこれでも良いかもしれないけど、攻撃を弾かれた時の対処が不安だから、しばらくはデザイアーランプで行くよ」

そう締めくくり、今度はアビリティメニューを開き、ソラが新しく覚えたアビリティ「ハリケーンピリオド」を装備した。グーフィーには「ラックアップ」を装備した。

最後に、もう一度装備メニューを開き、ピーターパンからプロテスネックレス2つを外す。この野郎とディクトは思ったが、あまり言うと巡人が泣き出すのは目に見えているので、ここは溢れ出す気持ちをグッと抑えた。

準備が出来たのか、部屋から出る。いきなりハートレスと戦闘が始まったので、適当に倒す。リクが創り出したソラの分身も現れたので、それも倒すとグーフィーのレベルが上がり、【ハイパーヒーリング】を覚えた。さらに残ったハートレスを倒すとドナルドのレベルが上がり【ドロー】を覚えた。

巡人はアビリティメニューを開き、グーフィーに付いているアビリティを全て外す。その後、【ハイパーヒーリング】を付け、プライズアップを付け、グーフィーアタックを付け、召喚MPアップを付け、ラックアップを付けた。

ディクト「ハイパーヒーリング……倒れても短い時間で復活するうえに、復活した時の体力が全回復するんだ。便利だね(´ω`)」

巡人「そう。ただ、それに見合うAPが必要だったから、一旦全部外して、使えそうなアビリティを付け直したって訳」

そう言いながら、右側にあるドアから次の部屋に向かった。そこでも戦闘が始まったので、手際良く倒す。その後、開いている穴に落ちた。そこでも戦闘。倒すと、ソラのレベルが上がり、最大APがアップした。それでも現れ続けるハートレスを淡々と倒すが、

ディクト「これ、無限湧きしてない?」

巡人「そんな気がしてきた」

適当にハートレス倒しを切り上げ、次の部屋へと向かった。イベントが始まった。

宙を浮いているピーターパンに、どうして空を飛べるのとグーフィーが問いかけた。誰でも飛べるらしい。試してみるかと聞いて、口笛を吹く。さっきの黄色い玉……ティンカーベルが来た。ピーターパンがティンクに、そろそろ機嫌を直せとたしなめ、ソラ達に、妖精の粉をかけるんだ、と言いながら妖精の粉をかけた。

ディクト「粉で飛べるようになるんだ……へぇ……('ω')」

冷めた顔で、ディクトが呟く。

巡人「それと、純粋な少年少女みたいな心も必要だよ(・ω<)」

巡人はウィンクをした。ディクトは冷めた顔で宙を浮いた。

ディクト「('ω')」

巡人「(´・ω・`)」

妖精の粉をかけて貰ったドナルドが飛ぶ。しかし、ピーターパンみたいに飛ぶ事は出来なかった。

場面が変わって、この船の船長はリクに、ウェンディはプリンセスじゃないのか、と問いかけた。リクは、マレフィセントから、選ばれた7人だけがプリンセスなんだと聞いただろう、と答えた。プリンセス、と言葉を聞き、ディクトは宙に浮くのをやめ、真剣な表情でイベントを見た。

ディクト「選ばれた7人だけがプリンセス……」

リクが船長のように、船の整備が終わり次第出発する、と指示する。関係の無い物は置いて行く、とも。船長は納得出来ないみたいだ。何でその7人なんだ。マレフィセントは何をしようとしてるんだ、と。同時に、ディクトがまたブツブツと言い始めた。

ディクト「マレフィセントはリクに、『世界の心に行けばカイリの心を取り戻す方法が見つかる』って言っていたけど……」

リク『さあな』

ディクト「やっぱりマレフィセントは嘘を付いているとしか思えないよ」

リク『俺はカイリの心を取り戻す方法さえ見つかればそれで良い』

ディクト「そもそも、カイリの身体を最初に見つけた事をリクに教えたのはマレフィセントだった。マレフィセントはあたかもカイリを捜して見つけたみたいに言ってたけど、最初からカイリの身柄を確保してたんじゃないかな?じゃなきゃ、あんな都合良く事は運ばない。それは置いといて……」

船長『フン!ごくろうなこった!あの娘の心はハートレスに喰われちまったんだ。心を取り戻すなんて、無理だろうな』

ディクト「僕が一番疑問なのはそこなんだよ。カイリの心がハートレスに喰われたら、カイリの身体がこの場にある訳が無いんだ。ハートレスにされた人間の肉体は消滅する。それはもう定義なんだって、僕の中で確信が持てる」

リク『カイリの心は喰われたりしていない!』

ディクト「そう。カイリの心はハートレスに喰われていない。カイリの身体が存在しているのが証拠なんだから。なら、カイリの心はどこにあるのか。それさえ分かれば……」

フック船長!

その声で、ディクトの考察が止まった。フック船長と呼ばれた船長は管に近付く。奴らはやっぱり逃げ出した、と声がした。ピーターパンも、と言った所でリクも振り向いていた。

フック船長は憎たらしくピーターパンの名を口にする。そして、人質を今すぐ船長室に連れて来い、と指示をするのであった。

ディクト「巡人……(´・ω・`)」

助けを乞うように巡人にすがり付く。だが、巡人は何も答えなかった。

場面が変わった。何かに気付いたティンクに声をかけるピーターパン。青い服を着た女の子が、ベッドに座り込んでいた。この子がウェンディなのだろう。ウェンディはピーター?と床のフェンスに近付く。

フェンス越しに上下が見えるようになっているのか。ディクトは納得した。

ウェンディが、海賊達が部屋の外にいるから急いで、と言う。ピーターは、すぐに行くから待ってて、と答えた。そこへソラがウェンディに声をかけ、もう1人女の子がいる?と聞いた。女の子……カイリはいた。だが、全然目を覚まさないらしい。現に、カイリは座り込んだまま、目が虚ろな状態だった。

ディクト「……」

ディクトは考える。カイリの心はどこにあるのか、と。考察は8割できた。だが、そこから先が分からない。

何でも良い。

ディクト「何かヒントがあれば……」

その時だった。

ウェンディ『ずっと眠っているみたいに……』

ウェンディの発した一言。ソラがカイリの名を叫ぶ。カイリの腕がだらんと垂れた。

ソラが不安そうな表情でカイリに向けて手を伸ばす。カイリの指が、僅かに動く。ソラは安堵を浮かべた。

ディクト「動いた……!?」

ディクトが驚いたと同時に、カイリが引きずられて行く。さらに、ウェンディの叫び声もした。ピーターパンが、上だ!と促す。

イベント終了。行動できるようになったので、巡人はイベントシーンから見えていた宝箱に向かい、回収した。メテオグミを手に入れた。部屋から出る。ハートレスと戦闘。倒して、さっきの部屋へ戻る。ハートレスと戦闘。適当に倒し、破れたフェンスから上に昇った。すぐ近くの扉に入ると、ウェンディとカイリがいたみたいな部屋に着いた。セーブポイントがあったのでセーブ。7時間2分だった。時計を見る。15時42分だった。





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ネバーランド Part.3 ( No.71 )
日時: 2017/05/17 12:35
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: GlabL33E)

ディクト「ねえ巡人」

巡人「ん?」

緑のトリニティを発動させ、降りてきたハシゴを昇り、イベント。ソラが、待てよリク!と、カイリを抱えたリクを呼び止めた。

ディクト「ずっと考えてたんだ」

リクの背後から闇が迫る。リクは闇に向けてかのように後ろへ下がり、代わりにソラの闇の分身が現れた。戦いが始まった。

ディクト「カイリの心はハートレスに喰われていない。そこまでは分かったの」

巡人「うん」

闇のソラにロックオンし、攻撃をする。

ディクト「でも、カイリの心はどこにあるのか、考えても考えても、分からなかった」

巡人「知ってた。だって、考えてる事をそのまま口にしてたもん。小声だったけれど聞こえていたし」

闇のソラが3つに分断した。ロックオンで本物を見極め、本物に攻撃する。ダメージを受けるが、ケアルをかけて対処した。

ディクト「やっぱり?」

ディクトは、ふふっ、と笑った。その後、目を伏せて話す。

ディクト「でも、さっきのイベントを見て、また疑問が出て来ちゃったんだ。ウェンディがカイリが眠っているみたいって言って、ソラがカイリに呼びかけて、カイリが僅かに反応した所。でも、これが分かれば、カイリの心がある場所が分かるかもしれない。そう思ったの」

ヒットアンドアウェイで、闇のソラと戦う。巡人は黙ったまま頷いた。

ディクト「だから、教えてよ」

闇のソラが本気を出して来た。巡人は冷静に対処する。

ディクトは一呼吸置いて、疑問を投げかけた。





ディクト「心がどこかで眠る事って、有り得るの?」





巡人は一度、ポーズ画面にして、ディクトを見た。ディクトの表情は真剣だ。巡人は溜め息をついた。

巡人「そこを聞いちゃうか……」

困ったと言うような口ぶりで、ディクトに苦笑いを見せる。目線をテレビに戻して、ポーズを解除した。

巡人は、操作しながら話し始めた。

巡人「ある所に、キーブレードを持つ人達がいたんだ。ある者は青年で、誰よりも強い力を持っていた。また、ある者は少年で、誰にも負けない素早さを備えていた。また、ある者は少女で、誰もが驚く魔法の才能があった」

ディクト「それ、僕の質問と関係あるの?('ω')」

巡人「いいから聞いて」

ディクト「はい(´・ω・`)」

猛攻を続ける闇のソラ。攻撃のチャンスをうかがう。

巡人「ある時、三人は大いなる闇と戦った。それぞれが色んな世界を巡って、それぞれは色んな人と出会って、色んな事を思っ。もちろん、それぞれに色んな事が起こった」

ディクト「三人一緒じゃ無かったの?」

巡人「一緒じゃないよ。合流する事はあったけれど、基本的には一人だった」

ディクト「そうなんだ。続けて」

闇のソラは何度も分身して、ソラを翻弄する。巡人はロックオンで本物を暴き、攻撃した。消える。分身する。

巡人「時には仲違なかたがいしたり、取り返しのつかない事をしてしまったりした。大いなる闇の元凶に気付いた時には、大切な人が消えて、大切な場所も無くなった」

ディクト「酷いね……。それで、元凶って何なの?」

巡人「ネタバレになるけど、それでも良いなら話すよ?」

ディクト「やめて」

闇のソラに追い討ちをかけようとスライドダッシュをするが、その攻撃が当たる事は無かった。だが、着実に勝利には近づいている。

巡人「話を戻して……やがて三人は、闇の元凶と戦った。元凶の目的は、純粋な光と純粋な闇をぶつけ合った先に見える世界を、この目で見届ける為だった」

ディクト「何となく読めた。そんな事をしたら世界が滅ぶんでしょ?('ω')」

巡人「その通り('ω')」

攻撃のチャンスを窺う。隙ができれば攻撃する。

巡人「だから三人は元凶と戦った。そして、最後は見事、元凶の野望を打ち砕く事は出来たんだ」

ディクト「良かったね(´ω`) ハッピーエンドじゃん!……ん?『野望を打ち砕く事は出来た』?」

喜んだディクトだったが、ふと、頭にクエスチョンマークが浮かんだ。青年、少年、少女は困難な道を歩んだけれど、最後はラスボスの野望を打ち砕いた。野望を打ち砕いたのだ。

だから巡人は「野望を打ち砕く事は出来た」と言った。むしろ「野望を打ち砕いた」としか言っていない。「元凶を倒した」とは一言も言っていないのだ。嫌な予感がした。

沈黙。だが、その先を聞かなければ、自分の一番聞きたい質問の答えが聞けない。そんな気がした。

だから、震える声で、

ディクト「……巡人。元凶は?倒したの?倒したんだよね?(´゜ω゜`)」

問いかけた。巡人は黙り込むが、口を開く。

巡人「一応、ね。その代わりに……三人の若者は、光の世界から姿を消してしまったんだ」

ディクト「……!(´゜д゜`)」

ここで、闇のソラを倒した。ソラのレベルが上がり、【ファイナルブレイク】を覚えた。ドナルドのレベルが上がり、ハイパーヒーリングを覚えた。グーフィーのレベルも上がった。

闇のソラは闇に還った。パルメットクロウを手に入れた。

ネバーランド Part.4 ( No.72 )
日時: 2017/05/17 12:45
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: GlabL33E)

巡人はアイテムメニューを開き、パルメットクロウの効果を確認する。特に何もしなかった。その後、アビリティメニューを開き、ソラに【ファイナルブレイク】を、ドナルドに【ハイパーヒーリング】を付けた。

その後、部屋の床下の仕掛けを解いて、イベントを発動させる。ピーターパンとは別行動になった。イベントを終わらせた後、もう一度闇のソラと戦った部屋に戻り、外へ通じる扉を開けた。イベントが始まった。

フック船長曰く、リクはカイリを連れてどこかへ行ったらしい。ソラは、とこだ、と問いただすと、ホロウバスティオンと言う廃墟に行ったと答えた。マレフィセントの根城でもあるらしい。

ディクト「ホロウバスティオン……『ホロウ』は『虚ろ』、『バスティオン』は『要塞』だから……『虚ろな要塞』か」

ホロウバスティオンと聞いて、直訳した言葉を唱えて納得したように頷くディクト。

お前達には辿り着けない。

フック船長は断言した。その後、ある物を取り出す。ランタンに閉じ込められたティンクだった。驚くソラ。ディクトは目を見開いた。ソラに、ティンクを「ちっこいの」と呼び、彼女を見捨ててリクを追いかけるか、と問いかけた。

ディクト「脅し、だね」

巡人「まあ、そう言う所だね」

ソラは項垂れる。そして、降参したかのように、手に持ったキーブレードを消した。

ハートレスに囲まれるソラ。フック船長は、キーブレードを差し出すなら命は助ける、と告げる。自分はハートレスと違い、情け深い人間だとも言った。情け深い人間が脅しを使うか、と言うディクトのツッコミは聞き流した。

キーブレードか、板か。

左手の鉤爪で、指す。チクタク、と時計の音も聞こえた。見ると、ワニが一匹。フック船長の左手を食べたらしい。文句を言い始めるフック船長に、ディクトが呆れながら言い放った。

ディクト「と言うより、キーブレードを差し出す事自体が無理な話だよ。だって、キーブレードは持ち主を選ぶんでしょ?持ち主じゃない人間がキーブレードを持ったって、結局持ち主の手に還るんだから、フック船長の持ち掛けた取引は成立しない。つまり……」

巡人「フック船長はソラの命を助ける気はさらさら無い」

ここで、後ろから肩を揺さぶられた。デジャヴだと、声をあげながら思う巡人は後ろを向く。ちょうど、二人の話題の人物が巡人の肩を激しく揺らしていた。

ディクト「この人もグリーティングで出るんだ……」

意外そうに、ディクトは小さく呟いた。

スミーと言う部下らしき人物に後を任せ、逃げるフック船長。

ハートレスに詰められ、ソラは板の先端に立った。後ろへ、後ろへと下がる。だって!と、ディクトが言った事を丸々説明する巡人の声が聞こえるが、無視した。

海にはソラを食べようと待ち受けるワニ。ソラは板の端っこ。何も起こらなければこの後どうなるかなんて、口に出さなくても分かるだろう。

だがそれは、何も起こらなければ、の話だ。





『飛べ、ソラ!信じるんだ。君は飛べる!』

突然、聞き覚えのある少年の声がした。同時に、言い争う巡人の声が止まった。

ソラは目を伏せる。そして、海に背を向けたまま板から飛び降りた。ディクトはちらり、と巡人の方を見る。巡人は分かっていたような顔をしているが、フック船長は驚いているような雰囲気だった。

ワニに向かって落ちるソラ。間一髪、ソラは飛んでワニの閉じる口を回避した。小さくガッツポーズをする巡人に、未だ状況を飲み込めてないフック船長。ソラは上昇して、船を見る。状況が飲み込めてないスミーが持つティンクの檻を、見覚えのある少年がかっさらった。ピーターパンである。

ピーターはティンクを解放した。ピーターパン!とソラは驚く。

君はティンクを見捨てなかったから、そんな君を見捨てる訳には行かない。

そう話すピーター。スミーは逃げだし、残ったのはハートレスの群れと、ソラ達だけになった。癒しの力を手に入れ、ケアルが【ケアルラ】にパワーアップした。

パーティー選択画面になる。悔しがるフック船長を背にして、巡人はグーフィーをピーターパンに変更して、パーティーを確定した。

チュートリアルが表示される。ピーターパンを仲間にしている間は空を飛べるらしい。なるほど、とディクトは頷いた所で、戦いが始まった。

ソラ『一人残らずやっつけてやる!』

その一言と共に。





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ネバーランド Part.5 ( No.73 )
日時: 2017/05/17 12:47
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: GlabL33E)

現れるハートレスを淡々と倒す。コンボフィニッシュ時に、ソラはワンテンポ置き、キーブレードを一気に振り下ろした。ファイナルブレイクだ。コンボフィニッシュ時に超強力な一撃を叩き込むアビリティが発動していた。

最初に現れたハートレスを一掃した後、新しくハートレスが現れる。空を飛ぶので、ジャンプして攻撃。フィニッシュ時に、たまにソラが最後の一撃で縦回転しながら攻撃した。

ディクト「これは何?」

巡人「多分、ハリケーンピリオド」

ディクト「アビリティだね('ω')」

その後、空を飛びながらハートレスを攻撃する。何度か空振りしたが、特に危ない状況になる事無く倒した。

二度目に湧いたハートレスを全て倒したら、またハートレスが現れる。今度は一つ、船に乗ったハートレスを見かけた。雑魚敵がこちらに襲いかかるので、まずはこれらを処理する。残りが船のハートレスになった所で、一気に叩き込み始めた。誰かがストップをかけ、船のハートレスが止まる。巡人はタコ殴りする。仲間達もだ。やがて、船のハートレスのストップは解除されたが、残りの体力は少なかった。ゴリ押し気味に倒して、イベントに入った。

扉の前に、ソラとピーターパンが構える。ピーターが扉を叩くと、中からフック船長の声が聞こえた。ここでディクトが後ろを見ると、こちらのフック船長が慌てるように手で制していた。あちら側のフック船長に警告しているのであろうが、警告が届く事は無いだろう。

全て始末したか、と言う確認に対して、ピーターが鼻をつまんで、全員海に投げ込んでやった、とスミーの声真似をした。あまりにスミーの声だったので、

ディクト「これは凄い」

とディクトは感心するように自然と言葉が出た。こちらのフック船長は巡人に八つ当たりしていた。八つ当たりしてどうするのさ!と叫び声がしたが、とりあえずイベントに集中する事にした。

フック船長が出て来る。辺りを見回すが、後ろの二人には気付いていない。ピーターが短剣で突っつくと、フック船長が悶えた。ようやくピーターに気付いて、貴様!と叫ぶが、ピーターは(海賊達を)全員海に投げ込んだと伝え、残るはフック船長だけだと指をさした。イベントが終わり、フック船長との戦いが始まった。





………のだが、巡人はフック船長にロックオンもせず、後ろの扉に駆け込んだ。コンティニューになった時の保険をかけたのである。ハロウィンタウンでも同じ事をしていて、そこで説明を聞いたのでディクトは驚きはしなかった。

が、こちら側のフック船長が唖然とし、後ろのギャラリーに、巡人の事を指さして首をかしげていた。

エリア移動をしたので、すぐに元の場所に戻る。今度こそフック船長にロックオンして、ファイラで攻撃した。あちら側のフック船長は飛び上がり、空中で暴れ回る。ソラに当たり、手痛いダメージを負った。ケアルラで回復する。

次は普通に地上でキーブレードで攻撃し、ファイナルブレイクを決めた。フック船長は吹っ飛んだ。そのタイミングで、フック船長目掛けてファイラを放った。あちち、と言っただけで、特に行動しなかった。その直後、プレゼント箱を投げつける。巡人はドッジロールで回避した。そしてフック船長にファイラ。フック船長が飛び上がる。巡人はひたすらドッジロールした。結局当たって、ダメージを負った。

船のハートレスが邪魔をするので、ターゲットをフック船長から船のハートレスに変える。空を飛び、船のハートレスにダメージを与える。ある程度攻撃した所で、宙に浮いたままフック船長にロックオンして、ファイラを放った。フック船長が飛び上がった。空中で走り回り、闇雲に攻撃してくる。巡人は距離を置いて回避した。

ここでディクトが口を出して来た。

ディクト「君は何がしたいの?('ω')」

と。巡人はゲーム画面を見ながら解説する。

巡人「ああ言う感じでフック船長にファイラを当てるとパニックを起こして暴れ回るんだ。当たると痛いんだよね。これが」

あはは、と笑う。ディクトはさらに、

ディクト「じゃあ何でわざとらしくファイラを当てるの?」

と聞いた。巡人は少し考え込む。後ろのフック船長に視線を向けるが、また前に戻し、

巡人「さあ?(・ω・)」

と、おどけた。当然、後ろのフック船長は怒り出した。何なんだこいつは!と言いたげに。

そして、巡人の目を塞いで妨害し始めた。

巡人「待ってお願いやめて!悪かったからやめてって!!」

叫ぶ巡人。ダメージを受けるソラ。抵抗する巡人に、妨害を続けるフック船長。

このままだと冗談じゃ済まなくなる。

そう考えた巡人は、目を塞がれながらもポーズ画面にした。落ち着いて、視界を奪う手を優しく払った。

巡人は立ち上がった。コントローラーは手に持ったまま。ゆっくりと横にずれて、ディクトにコントローラーを預ける。絶対にいじらないでね、と添えて。自業自得でしょ、と返した。

次に巡人は、ソファーから離れて、ある場所へ向かう。

巡人「……」

向かったのは、キングダムチェーン(レプリカ)が飾られている台座。巡人はそこへ手を伸ばす。一瞬、躊躇ためらって伸ばした手を引っ込めた。が、首を横に振り、もう一度手を伸ばし、キングダムチェーンを手に取った。

持ち上げる。重く感じた。横にいるキャストのお兄さんに、申し訳なさそうな顔をする。直後、目を伏せて、キングダムチェーン(レプリカ)を両手で持ち、身体をフック船長の方に向けた。フック船長、と一言発する。フック船長は不機嫌そうにこちらを向いた。

巡人「ごめんなさい」

巡人は頭を下げた。少しだけ、ディクトとフック船長は驚いた。

ディクト「巡人……」

心配そうに、ディクトは巡人に近づく。が、巡人はそれを右手で制した。左手でキングダムチェーン(レプリカ)をゆっくりと、真っ直ぐと、フック船長に向ける。

巡人「……」

巡人はキングダムチェーン(レプリカ)を両手で持つ。フック船長は構え始めた。

巡人「ごめんなさい」

誰にも聞こえない声を出す。キングダムチェーン(レプリカ)は完全にフック船長に向いた。意を決し、目を伏せ、目を見開き、周りの様子を気にもせずに、祈りを込めて、唱えた。





巡人「ファイラ!!(゜Д゜)」





フック船長は熱がるように暴れ始め、そのまま逃げ出した。

やり切った。でも……と、複雑な表情で見送った巡人は、キングダムチェーン(レプリカ)を台座に戻した。

巡人はソファーに向かい、先に戻っていたディクトに寂しそうな笑顔で手を差し出す。





ディクトは手に持っていたコントローラーを、とびっきりの笑顔で巡人に投げ付けた……。





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ネバーランド Part.6 ( No.74 )
日時: 2017/05/17 12:50
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: GlabL33E)

巡人「……(´・ω・`)」

ディクト「……('ω')」

お互いに無言のまま、テレビを見る。船のハートレスが邪魔をするが、狙いをフック船長に、攻撃を当てて行った。時にはスライドダッシュで、時にはカウンター狙いで、地上のコンボフィニッシュはファイナルブレイクで、フック船長にダメージを与えて行った。

巡人「……ディクト」

ディクト「……('ω')」

ディクトは巡人の言葉に答えない。

巡人「……続きがあるんだ」

構わずに、だが、気まずい声で、巡人は話し続けた。

巡人「三人の若者が、大いなる闇と戦った話なんだけど……」

ディクト「光の世界から消えたんでしょ?('ω')」

ぶっきらぼうに、ディクトは吐き捨てた。

巡人「そろそろ機嫌直してよ……(´・ω・`)」

ディクト「あんな茶番をしておいてよく言うよ('ω')」

巡人「……」

ディクト「ゲームでファイラを当てに行ってて、現実でもファイラを当てに行くって何?それに最初の『ごめんなさい』は何だったの?('ω') ファイラって叫ぶ為の『ごめんなさい』だったの?('ω')」

巡人は頷いた。ディクトは溜め息をついた。

ディクト「全くもう……」

巡人「……怒ってる?」

ディクト「怒ってない。呆れてるだけ」

巡人「ディクト……」

フック船長にカウンターを連発する。何度目かのカウンターが決まり、MPが大きく回復した。

ディクト「それで?あの三人が消えた後、どうなったの?」

いつもの口調で聞いてきた。巡人は少しだけ目を見開く。ポーズ画面にした。

ディクト「気分を悪くしてちゃ、つまんないでしょ?ぶっちゃけ言うと、僕はそれほど怒ってないし、コントローラーを投げ付けたのだって、冗談のつもりだった。あそこまで落ち込むなんて思わなかったけどね。呆れてるのは本当だけど」

巡人「(´・ω・`)」

巡人は安堵の表情を浮かべた後、しょんぼり顔をしてポーズを解除する。カウンター戦法でフック船長と戦う事にした。もう少しで、フック船長を倒せる。さらに、仲間が着々とフック船長にダメージを与えてくれた。

そして、無言でスライドダッシュを繰り出す。それがトドメとなり、フック船長を倒した。ソラのレベルが2つ上がり、最大HPと最大APが上がった。

ピーターパンに投げられ、海に落ちるフック船長。ワニがそれを追いかけ、フック船長は逃げ出した。ソラは【ラストアルカナム】を覚えた。さらに、【アンセムレポート8】を手に入れた。

船の手すりに掴まり、佇むソラ。グーフィーは、カイリの目が覚めなかったのは心が……と言い出す。その続きを、ドナルドは制した。同時に、巡人は三人の若者達の話の続きを始めた。

巡人「青年は力を持っていた。それはもう話したよね?」

ディクト「知ってる。強い力を持っているんでしょ?」

巡人「そう。でも、強かったのは戦う力だけじゃない。闇の力も、少しばかり持っていたんだ。今のリクみたいに」

ディクト「え……!?」

ピーターパン『ソラ……』

巡人「でも、世界中を旅していくうちに、闇の力も大きくなっていった。その力を、闇の元凶は欲していた」

ソラ『俺、空を飛んだ』

巡人「だから闇の元凶は……」

ソラ『すごいよな。空を飛んだんだ!カイリに話したら信じてくれるかな?』

巡人「青年の体を乗っ取った」

ディクト「………!!」

イベントの最中にも関わらず、思わず目を見開いた。巡人は構わずに続ける。

ピーターパン『もう一度ネバーランドに来いよ。今度は二人で飛ぶのさ』

巡人「元凶は狙い通り、青年の体を手に入れた。意思は元凶のまま、ね。でも、最後まで上手く行かなかった」

ディクト「どう言う事?」

ソラ『信じる事が出来れば、空だって飛べるんだ。俺、信じてる。絶対カイリに会える。空を飛んだ事だけじゃない。島を出てからの事、全部話せるって』

巡人「青年の意思が、元凶を阻んだんだ。元凶は青年の意思と戦った。激しい戦いの末、青年の意思が勝って、元凶は意識を失って、何処かへ消えたよ。意思は少年と少女を助ける事を胸に誓って、それからもずっと、元凶と戦った場所に佇んでいる……」

ディクト「可哀想だね……」

巡人「そんな事を言えるのは今だけだよ。残り二人がどうなったか聞いたら、ディクトなら言葉すら出なくなる」

ティンクがやって来た。ピーターに話しかけてきた。大時計と言う場所に何かあるらしい。

大時計にやって来たソラ達。ウェンディが既に座っていた。そこまで駆け付けた所で、行動出来るようになった。

巡人「続きはまた後で。最後にやるべき事をやらなくちゃ」

ディクト「この世界の鍵穴を閉じるんだね?」

巡人は頷いた。大時計をぐるりと回る。その後、セーブポイントに行き、セーブした。7時間41分だった。机の上の時計を見る。16時21分だった。





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ネバーランド Part.7 ( No.75 )
日時: 2017/05/17 12:54
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: GlabL33E)

巡人「今、大時計をぐるって回ったけど、何か気付いた事はある?」

巡人が聞く。ディクトは自信満々に答えた。

ディクト「分からないとでも思った?一つだけ、時計の時間がズレていたよね。長針が45分の位置にあって、他は全部12時を指していた」

巡人「正解」

巡人は時間がズレている時計に行き、長針を攻撃する。長針が動いた。何度か叩いて、12時に合わせると、イベントに入った。

時計の前に滞空するソラ達。すると、時計が光りだし、2と3の間に鍵穴が現れた。ソラはキーブレードをかざす。鍵穴は何事も無く閉じられた。ナビグミのかけらを手に入れた。

場面が変わる。幼い頃のソラが映った。なあソラ、と幼い頃のリクが言い出す。

幼い頃のリク『俺、もっと強くなる。そしたら一緒にこの島から外へ出よう。こんなちっぽけな冒険じゃない、本当の冒険をしよう』

ディクト「これ……」

ディクトは気付いたようだ。モンストロに入る前に見た、ソラとリクの幼い頃の思い出。その続きだと。

幼い頃のソラ『うん、それもいいけどさあ、今すぐ面白い事は無いのかなあ?』

ディクト「……」

幼い頃のソラ『そう言えばさ、この間から村長さんちに女の子がいるだろ?あの子ってさ、あの流星雨りゅうせいうの夜に……』

ディクト「流星雨?流れ星が流れて来たのかな?」

ここで、リクが振り返った。ディクトは首を傾げ、次に映った物を見て、顔を変えた。

ディクト「何これ……!?」





さっきソラが見つけた、扉みたいな物。

そこに、鍵穴の模様が浮かんでいた。

不思議そうに、幼い頃のリクは見つめた。

ディクト「………」

驚くディクトだが、場面は変わる。リクが息を切らす声がした。かなり苦しそうだ。マレフィセントが、船を使わないであの子を連れて来るとは無茶をした、と言った。あの子とは勿論、カイリの事だろう。闇の力に頼り過ぎると心を闇に喰われる。マレフィセントは警告した。苦しそうな顔をするリク。そこへ、何かが吠える声がした。

ディクト「………」

マレフィセント『生き残りさ』

ディクト「生き残り……?」

マレフィセント『住んでいた世界が消えても、心を失わない者もいる。プリンセスを追い求める心の力で、ここまで辿り着いたようだね』

ディクト「世界が闇に消されても、召喚石にならずに姿を保った人がいるって事なの?」

マレフィセント『でも安心おし。しょせん、お前の敵じゃない。お前には、力があるんだ』

リク『力……?』

マレフィセント『そう。お前自身が気付いていない力さ』

ディクト「いやいやいやいや。召喚石になるだけでも凄いはずなのに、召喚石にならないで、姿を保って、世界を壁を越えてここまで来た心の力がある方が凄いと思うけれど('ω')」

マレフィセント『さあ、リク。教えてあげるよ。お前の本当の力を……』

マレフィセントがそう告げた瞬間、リク身体に緑色のオーラが纏った。

ディクト「どうせ闇の力でしょ?分かりきってるよそんな物……」

呆れたようにディクトが呟いた所で、場面はネバーランドに戻る。ウェンディが歩くのを、ピーターパンが飛びながら横に付いていく。ウェンディがピーターに、ネバーランドに帰ってしまうの?と尋ねた。ピーターは、でもね、一言置き、僕らはいつでも会える、と答えた。

ピーターパン『君がネバーランドを忘れない限りね』

ピーターがウェンディの手を掴んだ。

ディクト「わあ……(´ω`)」

その様子を遠くから眺めるソラ達とティンク。ドナルドが笑い出した。ティンクに睨まれ、ドナルドは黙る。ティンクは一度ピーターの所に行くと、またソラの方に戻って来た。ティンクがまたヘソを曲げた、とピーターは言った。仕方ない、と続ける。何が仕方ないんだ?とディクトは首を傾げたが、次に出て来た言葉で、

ピーターパン『ソラ、しばらく面倒を見てやってよ』

ソラ『ええ?』

ディクト「what!?('ω')」

ソラはピーターの方を向き、ディクトは素っ頓狂な声をあげた。ティンクが召喚出来るようになった。さらに、ソラは新たなキーブレード、【フェアリーハープ】を手に入れた。さらに共有アビリティ【グライド】も手に入れた。

行動出来るようになったので、巡人はアイテムメニューのバックヤードを確認した。ナビグミのかけらを見る。半分に欠けていて、ネバーランドで手に入れた物だと書いてあるが……

巡人「あれ?」

ディクト「どうしたの?」

ディクトが聞いてきた。

巡人「ナビグミのかけらを手に入れたんだけど、もう半分のナビグミのかけらが見当たらない。ナビグミがかけらだと、2つ手に入れないとダメなんだ」

不安そうな声で巡人は説明した。もう一度見てみたら?とディクトが提案し、巡人は頷いた。目を凝らして、アイテムのバックヤードを確認する。ナビグミのかけらは一つだけだった。

巡人「………」

ディクト「………」

お互いに無言のまま、メニューを閉じ、セーブポイントに行き、セーブした。7時間47分だった。時計を見ると、16時27分だった。

ディクト「どうするの?詰んじゃってるとか無いよね?(´゜д゜`)」

巡人「トラヴァースタウンに戻ろう。何か進展があるかもしれない」

焦る巡人の声に、焦るディクトは頷いた。セーブポイントからグミシップに乗る。ソラとドナルドが、一度トラヴァースタウンに戻ると言う話をし、どこかのワールドで闘技大会が開かれると聞いた後、

巡人「あ」

巡人は思い出したようにネバーランドを選んだ。

ディクト「道草食ってる場合?」

ディクトは聞くが、その声を無視して着陸地点を時計台に選んだ。ロードが完了するとすぐに飛び立つ。横に行くと、扉の上に光っているマークを見つけた。巡人はそこに降り立ち、調べる。7時の扉が開いた、とメッセージが表示し、APアップを手に入れた。

ディクト「……なるほど('ω')」

ディクトは納得する。巡人はアイテムメニューのバックヤードからAPアップを選択。ソラに使った。ソラのAPが19から20になった。ついでにアビリティメニューも開き、共有アビリティでグライドを装備した。その後、セーブポイントに行き、セーブ。7時間49分だった。

巡人「今度こそ、トラヴァースタウンだ。わざとワンダーランドまで行って、そこからノーマルドライブでトラヴァースタウンまで行こう」

ディクト「一気に行った方が良いでしょ?」

巡人「三人の若者の話の続き、聞きたくないの?」

ディクト「あぁ、そう言う事か。それならそうしよう。少年と少女はどうなったか聞きたいし、僕が聞きたい質問の答えをまだ聞いていないし('ω')」

巡人「決まりだ」

巡人はグミシップにカーソルを合わせ、乗った。





16:29

閉園まで、あと5時間31分。

夕焼けの空が、一面に広がっていた……。





その頃……

ネリア「夕方になりましたね。ここで過ごした時間があっという間に感じました」

紅菜「楽しい時間って、早く過ぎちゃうよね(´・ω・`)」

ネリア「そうですね。私も実感しています」

フレイ「かえっちゃうの?(´・ω・`)」

コール「まだあそびたいよ(´・ω・`)」

明「大丈夫だよ。閉園まで遊ぶつもりだから、まだまだこれからだよ(´ω`)」

フレイ「ほんとう!?」

コール「やったあ!」

和斗「……」

蒼樹「和斗君、どうしたの?」

和斗「子供っていつでも元気でいいよなあ……って」

蒼樹「ああ、確かにね。明君達、あんなにはしゃいで……」

匠「あいつらにはあれぐらいがちょうど良いんじゃないか?」

和斗「そうだな。ところでさ、巡人達はどうしてるんだろうな?」

匠「あっちはあっちなんじゃないか?」

蒼樹「よっぽどの事が無い限り、気にする事は無いと思うよ」

和斗「えええ……?(´・ω・`)」





to be continued…





遅くなってごめんなさい。そして、Part.4の文章をコピペしようとした際にタップミスを起こし、一部分が消えてしまいました。消えてしまった部分を何とか繋ぎましたが、不自然に感じたらごめんなさい。

それでは。感想をどうぞ!(^∀^)ノ

久しぶりの前書き ( No.76 )
日時: 2017/09/11 21:06
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: MW3WsllJ)

ディクト「ところでさ、巡人」

巡人「なに?('ω')」

ディクト「ソラはドッジロールでゴロゴロ転がって回避したり移動したりできるけれど、巡人は出来るの?('ω')」

巡人「当然!そんなのこんな風に……」

ディクト「……」

巡人「……」

ディクト「……」

巡人「……」

ディクト「……」




巡人「……でんぐり返しって、どうやるんだっけ?(´゜д゜`)」





長らくお待たせしました。次のレスから本編が始まります!(^ω^)

Re:Re:トラヴァースタウン Part.1 ( No.77 )
日時: 2017/09/11 21:10
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: MW3WsllJ)

まずはワンダーランドへワープドライブ。その後、ワンダーランドには降りずに、トラヴァースタウンまでノーマルドライブへ向かった。巡人は3人の若者達の話の続きを話した。

巡人「元凶には手下がいた。少年はそいつと一対一で戦った。精神世界でね」

ディクト「元凶の手下が元凶の野望と関係があるの?」

巡人「大アリだよ。元凶の野望は『純粋な光と純粋な闇をぶつけた先に見える世界を見届ける事』。その『純粋な光』が少年で、『純粋な闇』が元凶の手下なんだ。少年は元々、元凶の弟子だった。でも、野望を叶える為の道具としては使えないと見限って、少年にキーブレードを突き刺して、少年の心から闇を抜き取った。ここまで言えば、ディクトなら分かるでしょ?」

ディクト「……手下は、少年の心にあった闇その物。闇でしか出来ていないから『純粋な闇』……その元凶って奴はどこまで……」

怒りをあらわにするディクトを、巡人は、まだ話は終わってない、と制した。ディクト顔をうつむけた。

巡人「ディクトの言いたい事は分かる。実際、俺も腹が立ったよ。どこまであいつは……って」

ディクト「……」

巡人「少年は手下……いや、自分の闇に打ち勝った。消える自分の闇を見届けて、どこか安らかな顔をして、少年も消えた。そのまま、空に向かって昇って行ったよ」

ディクト「死んだって事?」

巡人「死んでない。精神世界で光になっただけだよ」

ディクト「そう言う表現を何て言うか知ってる?『死んだ』ってほのめかしているようなもんだよ(´゜д゜`)」

巡人「だから死んでないって!現実世界でヴェンはどうなったかちゃんと話すから!」

ディクト「ヴェンって誰だよ!?(´゜д゜`)」

巡人「ヴェントゥスだよ!!(´゜д゜`)」

反射的に巡人は叫んだ所で、トラヴァースタウンに着いた。後ろからも納得するような声が聞こえた。

巡人は「魔法使いの書斎」を選んで、決定した。次に、小さなカボチャの馬車に近づいて、ボタンを押すと、フェアリーゴッドマザーが現れた。

ディクト「何してるの?」

巡人「一応、召喚石をモンストロで拾ったから、それの解放をね……」

ディクト「ふーん……('ω')」

フェアリーゴッドマザーに話しかけ、お馴染みの呪文を唱えて貰うと、召喚魔法としてダンボが使えるようになった。

巡人「これでおしまい。次はアクセサリーショップに戻って……」

ここで、巡人が不安げな顔になった。この後、シドに話しかけるつもりなのだが、ナビグミのかけらは一つしか持っていない。アグラバー以降のワールドに行く為には、かけらが2つ必要だった。もしも、シドに「かけらが足りない」と言われたら……

ディクト「とりあえず、行こうよ。立ち止まってる時間が勿体無いよ」

巡人「……うん」

ディクトが諭し、巡人はセーブポイントに行って、グミシップに乗った。ワールドマップでもう一度トラヴァースタウンを選び、「アクセサリーショップ」を選択。着くなり、外へ出て、シドの方に向かった。

巡人「頼むよシド。お願いだから……!」

一呼吸する。

そして、シドに話し掛けた。

シド『おう、さっそく来やがったな!』

巡人「来たよ。ナビグミは持ってるから、付けて……!」

シド『見ての通り、オレの本業はグミブロック屋ってわけだ』

巡人「知ってるよ!一度クリアしてるんだから!それよりもナビグミ!」

シド『おまえらのグミシップをいじっていたら、なんかこう、ウズウズしてきてな』

巡人「分かってるから。だから……」

シド『ま、おまえらには特別にまけとくから、よろしくたのむぜ!』

巡人「ナビグミのかけらは1つしかないけど、まけて!お願いだから!(´;ω;`)」

ディクト「巡人、必死だね……」

横からディクトは何か言ったが、無視した。コメットグミを貰った。

巡人「そんな物はいいから!ナビグミを!付けてよ!!(´;ω;`)」

祈るような気持ちで、話を進める。シドから粋が良い言葉を貰うが、それ所では無かった。

ここで会話が終わる。巡人は間髪入れず、シドにもう一度話し掛けた。

シド『お!おまえら、またナビゲーショングミを持ってるな?』

巡人「持ってる!持ってるから付けて!!(´;ω;`)」

シド『もちろん、セットするだろ?』

巡人「するよ!するから!(´;ω;`)」

ソラ『ああ、たのむ』

巡人「頼む……!!(´;ω;`)」















シド『このナビグミも、ふたつでひと組か。あとひとつ見つけねえと役に立たないな……』

巡人「」

ディクト「あーあ……」

シド『なあソラ。ひょっとしたらもうひとつのナビグミは、オレたちのすぐそばにあるんじゃねえか。』

巡人「」

ディクト「すぐそばにある?どう言う事?」

シド『この街にも「鍵穴」はあるはずだ。そいつを見つけ出せば、ナビグミが手に入るにちげえねえ』

巡人「」

ディクト「鍵穴、か。巡人?息してる?」

シド『オレのカンだと……2番街にあるからくり館のかねが、あやしいぜ』

巡人「」

ディクト「からくり館……そう言えば、そんな事を言ってた気がしたなぁ……」

シド『誰もさわれないようにふさいであるのに、ときどき勝手に鳴りやがるんだ』

巡人「」

ディクト「なるほどね……」

シド『おうソラ、ちょっと調べてこいや。願いをこめて3度かねを鳴らせばごりやくがあるかもしれねえぜ』

巡人「」

ディクト「だってさ。巡人('ω')」

ここで会話が終わり、行動できるようになった。巡人は言葉を失ったまま、固まった。代わりにディクトがボタンを押してセリフを読み進めていたので、この後何をするべきか分かった。それでも、巡人にとっては望みを打ち砕かれたショックはあまりにも大きかったが。

巡人「……」

ディクト「それで?一応聞くけれど、この後どうするの?」

巡人は何も答えない。無言のまま2番街へ繋がる扉に向かわず、アクセサリーショップに戻り、そこのセーブポイントでセーブした。7時間54分だった。時計を見ると、16時34分だった。





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Re:Re:トラヴァースタウン Part.2 ( No.78 )
日時: 2017/09/11 21:12
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: MW3WsllJ)

そこから先は巡人は無言だった。アクセサリーショップから出て、2番街へ進む。現れたハートレスは全て無視。真っ直ぐにからくり館まで進み、鐘の近くまで来た。同時に、ハートレスが現れたので手早く処理する。全て処理した後、赤いトリニティマークがある木の板の前でトリニティを発動させる。ソラ達が真っ直ぐに突っ込んで行き、木の板が壊れた。

木の板の先には、鐘を鳴らす為のヒモがあった。迷わず、無言で鳴らす。噴水の方で変化が起きた。もう一度鳴らす。また噴水の方で変化が起きた。さらに鳴らす。噴水の水が勢い良く吹き出し、鍵穴が現れた。

ディクト「これが、シドの言っていた鍵穴だったんだ。これの鍵穴を閉じれば、もう一つのナビグミが手に入るって事だよね(´ω`)」

巡人は頷いた。だが、言葉は出さない。まだナビグミが足りない事を引きずっているみたいだ。一直線に鍵穴に向けてドッジロールして行く。鍵穴の目の前まで来た、その時だった。突然イベントが入り、巨大なハートレスが阻んて来たのだ。それも……

ディクト「ガードアーマー!?最初の時に倒したはずじゃなかったの!?」

巡人「倒したよ。でも、こうしてまたやって来た。だからって、やる事は変わらない。蘇ったなら、もう一度倒せば良いんだがら!」

ここでようやく巡人が喋った。ガードアーマーにひたすら攻撃する。ものの数秒でガードアーマーは崩れた。が、ここで一旦画面が暗転する。

ディクト「あれ?イベント?('ω')」

崩れたままのガードアーマー。小刻みに震えたと思えば、すぐに立ち直り、腕の部分を足に、胴体が反転して、脚の部分が腕に。

そして、脚パーツが腕状に変形し、頭の鎧部分が開いた。

ディクト「もしかしてこれ、第二形態?」

巡人「もしかしなくても、第二形態。オポジットアーマー、だっけ?('ω')」

ガードアーマーもとい、オポジットアーマーとの戦いが始まった。と言っても、相変わらずキーブレードで叩くだけなのだが。

が、敵が浮遊状態であちこちに動くせいか、なかなか当たらない。突進攻撃も喰らう。ジャンプでは届かない距離まで移動したが、そこはグライドで追いかけ、攻撃した。

ディクト「なかなか手ごわいね。死ぬ事は無いだろうけれど……」

巡人「こんな所で死んでたらこの後がキツイ事になるよ」

片方の足を破壊した。プライズがたくさん出て来る。拾えるだけ拾い、もう片方の脚を破壊しようと攻撃する。少し手こずったが、もう片方の脚を破壊し、残りは腕と胴体と頭だけになった。

その時、胴体の様子が変わった。頭と腕は向こうに行ったのだ。その後、胴体から徐々に光が集まり……

ディクト「あっ」

何かを放った。が、運良く避けた。もう一度、胴体に光が集まる。光の弾が発射されたが、これも避けた。

ディクト「あんな物喰らったらケアルラだよね(´・ω・`)」

巡人「だね('ω')」

巡人が答えたのと、ソラが敵の腕に当たったのは同時だった。また胴体に光が集まる。放たれる弾を避けつつ、胴体に当てるが、ダメージを与えている様子が見れない。何度か当てているうちに、ソラが弾に当たってしまった。

巡人「腕と頭、か」

狙いを腕に変更。胴体のロックオンを解除して、片腕にロックオンし、腕を破壊した。その調子で、もう片方の腕を破壊。残りは頭と胴体となった。敵は素早く動くが、半ばゴリ押しで頭にダメージを与えていく。2ヒットして、あと一撃の所で敵が動いてしまい、当てられなかった。

ディクト「惜しい!」

巡人「大丈夫。これで俺達の勝ちだ!」

敵に一直線に向かい、ジャンプして頭に当てた。敵を撃破。グーフィーのレベルと最大HPが上がり、ラストリーヴを覚えた。敵は消滅。風の力を手に入れ、エアロの魔法を覚えた。

ディクト「エアロ……敵を吹き飛ばせるのかな?(・ω・)」

巡人「いや、このエアロは防御呪文だよ。一定時間、敵から受けるダメージを抑えてくれるんだ。その代わり、MP消費が2だから、乱発は出来ないけれどね。でも、使う場面は絶対に出て来る」

ディクト「MPの消費が2……普通の魔法2回分って事か……(´・ω・`)」

ソラが鍵穴を閉ざし、ついにナビグミのかけらを手に入れた。

ディクト「良かったね。やっと手に入ったじゃん(´ω`)」

巡人「そうだね。これで……」

次のワールドに行ける。巡人はシドに会うために、一番街へ戻りに行った。





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Re:Re:トラヴァースタウン Part.3 ( No.79 )
日時: 2017/09/11 21:14
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: MW3WsllJ)

シドに話しかけると、「二つ揃ったようだな」と歓迎された。ナビグミを付けてくれるみたいだ。

ここでイベントが始まった。ソラが俯いている。何があったのだろうと、ディクトは首をかしげた。

ソラ!と、ドナルド。最初の約束を忘れたのかい?と、グーフィーが話す。最初の約束って何だとディクトはさらに首をかしげたが、その答えはすぐに分かった。

グーフィー『怖い顔や寂しい顔はダメだってば』

ディクト「そんな事、言ってたっけ?でもどうしていきなり……」

ソラ『ドナルドは不安じゃないのか?王様の手がかりも見つからないし、心配だろ?』

ディクト「あっ……」

思い返すと、旅の途中でリクやカイリは見つかっても、王様は姿どころか、手がかりは何も分からずじまいだった。だがソラはソラで、リクとカイリの事を心配しているはずだ。なのに、ソラはドナルドとグーフィーの事を心配してくれてる……。

ディクト「ソラ……君は優しいね」

しんみりと、ディクトは呟く。が、

ドナルド『ううん、全然』

ディクト「ふあっ?('ω')」

ドナルドはケロリと、不安じゃないと言った。さらに、

グーフィー『王様は、【鍵を持つ者と一緒に行動せよ】って言ったんだ。だからソラと一緒に行けば、必ず王様に会える!そう信じているから、大丈夫さ』

とグーフィーがハッキリと言ったのだ。これにはディクトも呆気に取られた。

ディクト「楽天的というか何と言うか……ドナルドとグーフィーらしいよ。全く……」

巡人「それだけソラの事を頼りにしてるって事でしょ?」

ディクト「そうだね……だからこそ、なんだけれどね」

巡人「え?」

ディクト「覚えてる?初めてソラがドナルドとグーフィーに会って、仲間だって言った時の事……」

ソラ『信じる、か……』

巡人「まさか……」

ディクト「そのまさか。あの時……」

『うん、信じてる』

ディクト「ん?('ω')」

突然場面が変わり、ソラが光に向かって飛んでいるシーンになった。そしてまた光。ソラが何かを見ているような顔をした。

ディクト「また後で話す」

手短にディクトは言うと、イベントに集中した。ここは?とソラの思いが書かれる。どこかの場所で、小さな女の子が老婆に駆け寄っていた。

昔々、世界中の人々は暖かい光に照らされて、平和に暮らしていた。

いきなり昔話?とディクトは思ったが、とりあえず聞いてみる。

みんな光が大好きだったんだよ。

ディクト(光が大好きだった……闇が無かったのかな?いや、今より闇が少なかったのか……?)

ところが、みんな光を欲しがって、やがて争いが始まった。

争い、と言う耳が少し跳ねたが、いまいち細かい事が掴めない。今より昔の時代に光によって平和が保たれていたが、光を欲しがった人達であふれ、争いが始まった……。

すると、みんなの心に闇が生まれたんだ。

ディクト(闇……?じゃあ、昔の時代には闇なんて無かったんだ。本当に、光しか無かった。光だけだったんだ……光が欲しいと言う思いが、闇を生んでしまった。そうなったら……)

闇はどんどん広がって、たくさんの心と光を飲み込んだのさ。

たくさんの心と光を飲み込んだ。その一言で、ディクトは争いの結末を察した。この争いに、勝者はいない。

世界は闇に覆われて……消えてしまったんだ。

ディクト(何一つ残らなかった。光が欲しかった為に誰かと争って、人も光もなくなった……皮肉なもんだね)

けれど、小さな光のかけらが残っていたのさ。

ディクト「え?」

子供達の、心の中にね。

それじゃあ……と、ディクトは心のどこかで期待した。争いで何もかも消えてしまったが、残っている物はあった。それなら……

子供達は光のかけらの力で、消えてしまった世界を作り直したんだ。

ディクト「希望はあったんだ。一度は闇で消えても、光が残っていたから世界は蘇った……」

それが私達の世界なんだよ。

ふと、ディクトが目に違和感を覚える。目をこすると、手にじんわりと濡れる感触がした。

でも、本当の光はまだ闇の奥で眠っていてね。だから世界は一つに繋がる事ができずに、いくつもの小さな世界に別れてしまった。

それが今の世界なんだ、とディクトは納得する。涙を拭きながら。

だけど、いつの日かきっと闇の奥に続く扉が開いて、光が帰って来るはずさ。

ディクト「……」

いいかい。もし闇に飲み込まれても、闇の奥には必ず光があって、お前を助けてくれるんだ。

ディクト「闇の奥には必ず光がある……それが、助けてくれる……」

だから闇に負けてはいけないよ。闇の奥の光を信じていれば、お前の心が闇を照らす光になって、みんなを幸せにしてあげられるんだよ。

ディクトは胸に手を当てる。闇の奥の光、と呟きながら。次の時だった。

分かったね。カイリ。

ディクト「カイリ!?」

ソラ『カイリ!?』

ディクトが思わず叫んだのと、ソラが驚いて辺りを見回したのが同時だった。間も無く、女の子の姿が映る。女の子が辺りを見回す中で、ソラは女の子に手を伸ばす。が、女の子の姿は透けて、消えてしまった。

そして場面は変わり、トラヴァースタウンへ戻る……。





next to Part.4

Re:Re:トラヴァースタウン Part.4 ( No.80 )
日時: 2017/09/11 21:19
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: MW3WsllJ)

ディクト「……」

あれ?とソラは辺りを見回す。グーフィーが、どうしたの?と聞いた。だが、ソラは「何でもない」とだけ答え、「カイリ、俺を呼んだのか?」と呟くのであった。

ここでシドが戻って来た。ナビグミは取り付けられたらしい。だが、

シド『…でもよ』

ディクト「?('ω') 何か問題でもあるの?」

シドが何か言いたそうな言葉を出した。とりあえず聞く事にする。シド曰く、ナビグミを取り付けた事により新しく行けるようになったワールドは、既にハートレスの住処となっているらしい。気を付けてな、と言う忠告と、チェンジグミを手に入れた。

ディクト「次に行くワールドはとっくにハートレスだらけか……手強そうだね」

巡人「簡単には行けないと思う。ヘタしたらここで初めて死ぬかもしれない」

ディクト「そんなまさか……」

イベントが終わり、セーブポイントがあるアクセサリーショップに行きながら、軽く会話をし、セーブポイントに辿り着いて、セーブした。8時間6分だった。空を見る。夕方だ。陽が落ち始めている。

巡人「ところでさ、ディクト」

ディクト「ん?」

巡人「さっき話そうとしてた事って……」

巡人が若干苦い顔をして聞くと、ディクトは、ああ、あの時の、と思い出しながら巡人に答えた。

ディクト「この3人が仲間になった時に言った事でしょ?」

アクセサリーショップを出て、目の前の「世界の扉」をくぐる。それと同時に、





ディクト「あの3人はやっぱり、『仲間』なんかじゃない」






テレビに向けて、冷たく言い放った。





16:46

閉園まで、あと5時間14分。

辛辣な言葉と共に、次のワールドへと旅立つのであった……。





その頃……

和斗「もうすっかり暗くなっちゃって……時間が経つのって早いな」

明「あっという間だったね(´・ω・`)」

匠「全くだ」

フレイ「くらくなっちゃうね(´・ω・`)」

コール「でも、たのしかったよ(´ω`)」

紅菜「私も。フレイ君もコール君も楽しそうで良かったね(´ω`) 」

蒼樹「紅菜も楽しそうで僕も嬉しいよ。ただ……」

ネリア「巡人さんとディクトさんの事ですか?あの2人は2人なりに楽しんでいると思いますよ」

蒼樹「そうかな?でも、それならそれで良いんだけどね……」

匠「あいつらが決めた事だ。やると言ったらやるだろう」

ネリア「匠さんと同意見です。それはそれとして、夜のパレードが始まるまで、どれくらいここで座って待てば良いのでしょうか……?」





to be continued…

4th World's 後書き ( No.81 )
日時: 2017/09/11 21:28
名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: MW3WsllJ)

お久しぶりです。約4ヶ月ぶりにこの話を更新しました。モチベーションが下がってしまい、長らく放っておいてしまいましたが、キングダムハーツのスマホアプリで徐々にモチベーションを取り戻していき、トラヴァースタウン編を書き上げました。

このモチベーションを維持したまま、可能であれば最後まで書き上げたいですね(´・ω・`) ゲーム的にはクライマックスに入り始めた所なので……。

この先の展開が色々と気になると思うでしょうが、ここまでにしておきます。それでは(^∀^)ノ 感想をどうぞ!