二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 絶チル×ヒロアカ】結成!ヒーローチーム 特別編執筆完了!! ( No.59 )
- 日時: 2017/05/20 16:45
- 名前: トクマ (ID: iXLvOGMO)
久しぶり……ですかねハナさん? トクマです。
特別編がやっと書けたので投稿致します!! 『』にタイトルを書きました。それではどうぞ!!
『ガンガン語れ進道くん』
ルイージが推霊にチームメイトと仲良くやるよう言われ、金剛と絵心とコミュニケーションを取り、先程二人と別れて食堂で休憩していると誰かが入ってきた。
「……おう、隣いいか?」
「確か……勇士だっけ? 今まで何してたんだ?」
入ってきたのは初見でゴリラに間違われそうな体格と身長の青年——進道勇士だった。首にタオルをかけて黒いTシャツと膝下くらいの長さのズボンを履いている。
「さっきまで身体を鍛えてたからな……お茶いるか?」
冷蔵庫のお茶を取り出しながら聞き、ちょうど喉が渇いている推霊は彼からお茶を貰う。
「ありがとう」
「気にすんなって……礼を言うのはオレの方だからよ」
推霊が礼を言うと進道は苦笑しながら言い、そして進道の言葉に首を傾げた。
「……なんでだ?」
「幽夜が来るまで男子がオレしかいなかったんだ……おかげで肩身が狭かったからよ」
「ルイージさんがいたんじゃ……」
「仕事や訓練とかで会う機会があんまり多くない、指揮官もほとんど姿を見せないから男子はオレだけの状況が多かったんだよ」
そう言うとコップにいれているお茶を胃に流し込むように飲み干す進道。
「……意外だ……てっきり『ハーレムだ!』と言いながら喜びそうな見た目をしてるのに」
「……それ、遠回しにオレの事をゴリラって言ってないか? まぁ、女性についてはハーレムより自分自身が惚れた一人の女の為に——てあっぶね。脱線する所だった」
すでに手遅れだが、脱線した事実に推霊が苦笑いすると進道は推霊に質問した。
「幽夜に聞きてぇ事があんだけどよ……どんなヒーローになりたいんだ?」
「……どんなヒーローか?」
進道の言葉に推霊は首を傾げる。
「おう。竜介がオレに『幽夜とペアを組んで敵を倒すんだ!』と語ってくれてたからな……最終的にどんなヒーローになりたいか聞きたくて……オールマイトみたいなヒーローか? それともエンデヴァーか?」
それを聞いて推霊は考え始めた。自分の幼馴染みである武道とペアを組むのは約束であって、個人では最終的にどんなヒーローになるかあまり考えていなかった。
「……」
「……あぁ……無理に答えなくていいぞ……やっぱり一年の頃から持ってるヤツの方が珍しいのか?」
考えこむ推霊を見て苦笑しながら思考にストップをかける進道。小さく呟くがその呟きは推霊の耳に届いていた。
「……お前は決まってるのか?」
「……笑うんじゃねぇぞ」
好奇心で聞く推霊に進道は後頭部を軽くかいた後に渋々語り出す。
「オレは“個性に苦しむ人々の希望”になりたいんだ」
「……個性に苦しむ人々の希望……?」
進道の言葉を復唱すると進道は静かに語り始めた。
「……幽夜だって知ってるだろ? 今では落ち着いてるけど昔は個性について問題が多かったこと……個性が初めて歴史に出てきた時に起こった迫害、個性の優劣によるいじめ……一番酷いのは個性婚だな」
“個性婚”
第二〜第三世代間で問題になった。自身の個性をより強化して継がせる為だけに配偶者を選び、結婚を強いる。倫理観の欠落した前時代的発想。
超人社会で起き、社会問題となった出来事は推霊も授業で学んだので知っており、静かに頷いて耳を傾ける。
「誰も“個性”を選んで生まれる事は出来ないし、“個性”には説明書なんてモノはない。だから実際に“個性”を使って、リスクやデメリット等を模索していく他ないんだが、そうなると当然ながら人に言えないような失敗も生まれる……過去に高校進学を生まれ持った“個性”を理由に断られ続けた話や異形型の“個性”を持った人が誤認逮捕された際にプロヒーローから、『私は謝らない』とか『紛らわしい見た目で紛らわしい事をするお前が悪い』と言われた出来事もある」
ニュースでも殆どが敵について流れるが、中には意図せずに自身の能力で迷惑をかけてしまった事件もある。
「間違ってるだろ。望んで得た“個性”じゃないのに心に傷をつけられる……オレはそれを変えたいんだ」
進道は話しながら拳を強く握る。
「オレの個性……連鎖は攻撃が当たれば当たる程強くなる。逆に言えば、攻撃を当てなければ無個性に似た状態のままだ……」
拳を強く握った進道の目は何かを思い出すかのような遠い目になり、推霊はその目に悲しみと憧れが含まれている事に気付いた。
「……だからこそ、オレみたいなヤツがヒーローになれば自身の“個性”に苦しみ悩む人達に少しでも前向きになってくれるかもしれない……それがドレッドノートの目指すヒーロー像だ」
「……ドレッドノート?」
「“勇ましい人”を意味する言葉で中学時代にオレにヒーローの道を示してくれた先生が提案してくれた名だ……オレの戦う姿を見て、少しでも前に進む勇気を持ってくれる為に願って着けてくれたんだ」
少し嬉しそうに語る進道を見て、推霊は彼のヒーローに対する姿勢が本気である事を肌で感じる。
「体育祭になれば全国ネットでテレビ中継されるから個性をアピールできる……オレは自分のクラスメイトにも、敵に入ろうとしてるヤツらにも、竜介が認めた幽夜、お前にも絶対に負けねぇ」
そこまで聞き、推霊は進道の考えがやっと読めた。
……もしかして、励ましてるのか?
ゴーストになっているとは言え目の前で幼馴染みの最期を目にし、知らない場所に案内され、得たいの知れない相手と戦う事に推霊が不安を持っているかもしれないと進道が彼なりに推霊を励ましているのだと理解した推霊。
「……それは無理だな」
「はぁ!?」
「俺がトップになるからだ」
そう言って驚く進道に推霊は不敵な笑みを見せた。
「……ハハハ、言いやがったな! 見てろよ! お前の勝利はオレが殴ってでも止めてやる!!」
「……それ……決め台詞にするつもりか? あまりカッコよくないぞ」
「な!? いやいや、充分カッコいいだろ! これは『この手を汚してでもアンタに罪を重ねさせねぇ!!』を暗黙で言ってるんだぞ!! カッコいいに決まってるだろ!!」
「それだったらオールマイトみたいなセリフにした方がいいんじゃないのか?」
自分が考えた決め台詞をダメ出しされて説得する進道とその進道を見て少し呆れながら指摘する推霊。
推霊幽夜と進道勇士。二人の性格や容姿は全く似てないが、ヒーローを目指す心は同じであった。
以上です! 何かありましたら連絡をお願い致します。それでは!!