二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第1話 召喚 ( No.1 )
日時: 2017/11/16 12:28
名前: kuzan (ID: EP9rvI.Z)

「…ついに、時は来たか。
新聖杯戦争…。新たな聖杯と7人のマスター、サーヴァントの戦争…。私がこれまで準備していた甲斐があったというものだ。」

祭壇の前でその男は手を組みながら呟く。
周りには新聖杯戦争を管理する『新杯教会』のメンバーが同じようにしている。
その男…シス・アルト神父が彼らに
扉を開けろ、と言うと彼らはその言葉通りに扉を開ける。
扉を開けると同時に7人の男女が教会へと入ってきた。
彼らこそが、新聖杯に招かれた客ーーー7人のマスターだった。
シス神父はそれを確認すると、ゆっくりと体の向きを変え、彼らに向き合う。
緊迫した雰囲気の中、シス神父は口を開いた。

「諸君、よく集まってくれたな。
私がこの新聖杯戦争を監視する監督役である、シス・アルトである。
諸君らの令呪をもう一度よく見せてほしい。
腕を上に上げてくれるか?」

シス神父がそう言うと7人のマスター達は腕を真上に上げた。
その腕に刻まれた物は紛れもなく、マスターの証拠である令呪だった。

「…ふむ、確認した。
諸君らをこの聖杯戦争に歓迎しよう。
早速だが、聖杯戦争の簡単な決まり事を説明させてもらおう。」

ふぅ、とシス神父が一息つくと、新杯教会のメンバーがシス神父を中心として1列に並んだ。

「まず、我々は聖堂教会でも魔術協会でもない新杯教会のメンバーだ。我々が諸君らを見守り、監視する。
その意図だが、街の被害が出ないようにするのがメインだ。
もちろん、この戦争は住人はもちろん、魔術協会や聖堂教会の連中に嗅ぎつかれてしまえばおしまいだ。
何か問題を起こした場合はこの私が処罰しよう。事後処理は、させないようにしてくれたまえ。
…あとは諸君らで、殺し合いたまえ。」

殺しあえ…その言葉が放たれたと同時にマスター達の雰囲気は突然変わった。
…顔が強ばり、互いの顔を見合わせている。その顔は、どこか狂気にも見えた。
その様子を見たシス神父はフ、と笑い

「これより召喚の儀式に移る。聖遺物を所持しているマスターは事前に申し出てくれ。
…では、そこの君から行こうか。」

黒いローブを深くかぶったその人物はそばにおいてあった布にくるまれたものを担ぎ上げ、シス神父とともに奥の部屋へと消えて言った。

「…まず、君の名前を聞こうか。」

シス神父がそう呟くとその人物はフードを外す。
ふわり、と黒色の長い髪の毛をなびかせると

「…ニィナ・シルヴァーナです。」

とだけ呟き、シス神父に
聖遺物です
と言って布にくるまれたものを渡す。

「…シルヴァーナの人間か。
…炎と風の魔術に特攻したものが集うところだと聞いている。
では、召喚を始めてくれ。」

シス神父が祭壇に聖遺物を置くと布を取った。

「…なんと、これほどの聖遺物を用意したか。
…これで召喚されるサーヴァントはーーー」

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。」

「…(黙れ、というわけか。)」

シス神父は苦笑するとその様子をひたすらと見守るだけだった。

最後まで詠唱仕切ると、眩い光と煙が部屋を包み、その光が晴れると、魔法陣の中央に長髪の槍を持った男が立っていた。

「…問おう、貴女が私のマスターか。」

ニィナの方をその男…サーヴァントランサーは向き、そうニィナに問いかけた。