二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第11話 侵略王 後半 ( No.15 )
日時: 2017/07/12 15:22
名前: kuzan (ID: P/XU6MHR)

「___これぞ我が究極宝具、ここに具現せよ…
我が大地、その名も___
遊牧民の大軍勢イェケ・モンゴル・ウルスである!!」

【遊牧民の大軍勢イェケ・モンゴル・ウルス

ランク:EX 種別:対軍宝具
レンジ:1〜99 最大補足1000

かつてライダーが拠点としたモンゴル高原を具現化し、固有結界を展開する。
そこにはかつてライダーと共に戦場を駆け抜けた騎乗兵や、宝具『先駆ける重臣 四狗』と『王守る重臣 四駿』で召喚される重臣・四駿四狗もこの結界内で待機している。】

周囲一体は眩い光に包まれる。
その光が完全に覚めると、そこには大高原が広がっていた。
そう、この風景はライダーの固有結界で再現されたものであり、そこはモンゴル帝国だった。
ライダーの後ろには何千、いや、何万もの兵がおり、ライダーの号令を待っている。

「どうだランサーよ。
これぞ我が究極宝具よ。貴様1人でどう立ち向かう、のう、ランサー。
いいや、聖ロンギヌスよ。」

ライダーは腕を横に大きく広げ、ランサーの方を見据える。
彼はその軍勢を誇らしそうにランサーに見せているのである。
それに対しランサーは今までと変わらず冷静な表情で

「…固有結界か。
確かに貴様なら持っていてもおかしくは無いな。
私のやることは一つだけだ。ライダー、貴様を殺す(とうばつする)ことだ。」

槍先をライダーに向ける。
その目は殺気に満ちており、いつでも襲いかかってもおかしくない状況だ。

「…さあ、ゆくぞライダー!!
『神の血吸う(ロン)___』」

「…!!
来るぞ!!前進せよ___!!」

牛に乗り込み、剣を前に突き出すと一斉にその遊牧民ぐんぜいは走り出す。
ランサーの狙いは1点。遊牧民の長、ライダーのみだ。
他の兵は始めから眼中に無い。

「___『聖槍ギヌス』ゥ!!」

全力全霊が込められたその聖槍がライダーに向けて突き出される。
その敏捷さを生かし、一気に間合いを詰める。
だが、それを重臣が許すはずがない。四駿がライダーを守るように囲い、四狗は槍先を受けようとする。
しかし、ランサーはそれを既に神の目で少し先の未来を見ていた。
少し横にそれ、ライダーの胸を狙い、一気に槍を突きつける。

「…手応えあり。だがこれは、奴ではないな。
重臣のうちの1人か。」

さら、という音を立てて四駿のうちの一人が消滅する。
と同時にライダーの獣のように突っ込んできた。
ランサーはライダー残っている牛に突き飛ばされ、少し先に転がってしまう。

「…まずいっ…!!」

迫り来る大軍勢はもうすぐそこまで迫っていた。
このまま寝たままでは確実に下敷きになってしまう。
後ろに咄嗟に後退する。
その際、ライダーの剣を肩に受けてしまう。

「…このままでは…!」

ランサーは必死に考察を立てる。
何か勝てる方法はないか、と。
否、そんなものはあるはずもない。
何故ならば数が違いすぎる。ランサーに勝ち目は無いのだ。

「…仕方あるまい…
撤退だ、令呪を使ってください、マスター…。」

渋々というように呟く。
すると次の瞬間、ランサーは結界の中から消えた。
令呪による空間転移だ。

「…我らの勝利だ___!!」

ライダーがそう叫ぶと結界内に「オォォォォォォ___!!」という雄叫びのようなものがこだまする。
それはライダーの勝利を意味するのだった。

___

「…固有結界、ねぇ。
面白いもん使うじゃねーの、アイツ。
この戦争なかなか楽しませてくれる。オレももーちと様子を見てから動くとするかねぇ。」
コンテナの一つに全身黒ずくめの男が座っていた。
アサシンである。

「ま、オレは真っ向勝負は苦手だからねぇ。
マスターをサクッとやっちまえば楽なもんさ。
さて、またマスター探しに戻るか。」

そう言えば闇夜に黒い男が溶け込んでいった。