二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第13話 銃手 ( No.18 )
- 日時: 2017/07/19 18:18
- 名前: kuzan (ID: HWQyDP4e)
蓮はまた一人で街に駆り出していた。
セイバーは付いてこようとしたが、出来るだけ体力を温存してもらうため家で待たせている。
それだけではなく料理を振舞いたいと思ったので、食料調達などであり、生活品を買い揃えるためであった。
「やっぱ和食は避けた方がいいよなぁ…セイバー、日本人じゃないから口に合わないかもしれないからな…
まぁ、日本じゃないから和食なんてほぼ無いけど…」
苦笑しながらそう呟く。
そしてパンや肉、サラダなどを手に取って会計をする。
「Thanks.
…英語も慣れてきたなぁ…ま、聖杯戦争開戦前からここにいたし無理もないか…」
ボソボソと呟きながら街を歩く。
すると、ふと一つの店が目に付いた。
ガンショップ。
銃を販売している所であり、また銃を撃てる場所だ。
「…これこそアメリカって感じだよな…。
…うん、せっかくだしやって見るか。金は下ろしてるし。」
少し頷き、そちらに足を運ぶ。
…店に入った途端、とても不思議な感覚に囚われた。
そしてその感覚はお金を払い、射撃場に入った途端に感じた。
「…」
いや、まず店の店員が固まっている。
銃の扱いに離れているはずの店員たちが。
「…百発百中急所を狙うとは…
貴様本当にニホンの者か、バーサーカー。」
「ええ、日本のものですとも。
そういうあなたはとても腕が効くスナイパーに見えますね、流石はアーチャーと言うべきでしょう。」
バーサーカー、アーチャー。
そう、それは聖杯戦争参加中の二人のサーヴァントだ。
2人はハンドガンを構え、遠く離れた的を狙っていた。
その的はバーサーカーのものもアーチャーのものも急所を捉えており、通常の人間ならばすでに死んでいるだろう。
「___。」
何も言わずに二人の動きを見る。
バーサーカーは笑みを浮かべながら銃を発砲していた。
遠目に見るその顔はとても綺麗に見えた。
それに対しアーチャーは真顔で発砲していた。
それは銃撃に慣れているかのような手つきだった。
「…あら、近山さんではありませんか。」
弾が尽き、一息ついたバーサーカーはふと周りを見渡すと突っ立つだけの蓮を見る。
蓮ははぁ、とため息をついて
「何してるんだよバーサーカー。
すげぇ楽しんでるじゃねぇか。お前の主は?」
「ええ、私の主は現在家におられます。街の様子を偵察してこいと命じられ、アーチャーを追っていればここに行き着いたのでございます。なのでマスターから預かったお金でこちらで銃を撃っている訳でございます。」
相変わらずバーサーカーは不気味とも感じられる笑みを浮かべながら呟く。
アーチャーと呼ばれた男も手を止め、蓮のことを見る。
「…サーヴァントも連れずにこんなところに来たのか。
文句は言わんな。昼間の戦争はご法度だからな。
私もよくそのことを知っている。」
左頬に大きな傷跡があるその弓兵…?はその傷跡を擦りながら呟く。
服装は白いコートで体はそれで隠れている。
「…アーチャーだ。
近山という名を聞いたところ君はセイバーのマスターだな。」
小さい。
蓮は思わずアーチャーを見てそう思ってしまった。
アーチャーは成人男性としては小さすぎる身長だ。
見下ろしたら殺されてしまう、とでも思ったのか近くの椅子に腰掛け
「そうだ、俺はセイバーのマスターだ。」
と答えた。
するとすぐ横で
「あっさり白状したのね。
セイバーのマスター。私というマスターがいるのに気が付かなかったのかしら。」
という声が聞こえた。
すぐ隣を見ると一人の少女が座っていた。
金髪の長い髪を持ち、肩のあたりで髪飾りで髪を括っている。
…彼女もマスターだというのか、と蓮は思った。
「…アーチャーのマスター…ミヤ・アリベータ。」
そしてそう呟く。
するとミヤは少し不服そうに
「ご名答。
情報力はいいじゃない。
でも魔力量はまるでダメね。」
と返してきた。
蓮は少しむっとして
「ほっとけ。
お前とは敵だ。特に交わす言葉はない。」
と、敵意を剥き出しにしてそう言う。
「…言ってくれるわね近山 蓮。
…いいわ。あなたのその発言、私達に対する宣戦布告として取っといてあげる。今夜22時にC.G中央公園に来なさい。
そこで私達は待っといてあげる。バーサーカー達は連れてこないこと。来るのはあなたとセイバーだけよ。
どっちが格上かって言うのとアーチャーの力を見せてあげる。覚悟して首を洗って待ってなさい。」
えらく流暢な日本語でそう言いながらお金をカウンターに叩き込みながら店から出ていく。
蓮は少し頷きながら射撃場に入る。
そして銃を撃った結果は___
「…これは、お世辞にも美味いとはいえませんね。」
「ああ、全くだ。まずフォームがなっていない。」
掌を口に当て、クスクスと笑うバーサーカーと未だその場所に腕を組みながらその様子を見ている残っているアーチャーがそう評価するほど酷かった。