二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第14話 対戦前 ( No.19 )
日時: 2017/07/28 12:32
名前: kuzan (ID: WqZH6bso)

「はぁ!?アーチャー陣営との勝負を買った!?」

家に帰り、報告するなり蓮はセイバーに怒られていた。
彼は床に正座で座り、少し下を見ている。

「全く、だから連れていけと言ったんだ…!!
まぁ、霊体化できない私も悪いけど…それでも服を買ったんだから見せびらかしに…いや、失敬。私も偵察に行くべきだったぞ…!?」

「…すみません…。」

今、見せびらかしに、という言葉が聞こえたが特に触れずに蓮はそのまま謝った。
どうやら色々な人の目に止まったのが結構嬉しかったようだ。

「…まあ、受けてしまったものに二言はない。
今更断ってももう遅いだろうしな。私もそろそろ戦いたいと思っていたところだし、丁度いいっちゃ丁度いい…。」

考え込むようにブツブツと呟き続ける。
最終的にはあ、と大きくため息をつけば

「…仕方ない。22時だな。それまで時間があるがどうする、戦いの練習か?作戦の話し合いか?それとも___」

「いや、飯にする。」

話を遮り、そう言い放つ。
何を言われるか分からない状態でそう言うと

「___。」

固まった。
セイバーが石像のように固まったのである。

「なんだよ、セイバー。
腹が減っては戦はできるって言うだろ?
…あ、言わないか…。」

苦笑しながらそういえば台所に向かい、エプロンをつける。
そして昼間に仕入れた食材を手際よく切っていく。

「…ま、待て!
正気か…?」

ようやく動き出したかと思えば少し焦った様子でこちらに駆け寄ってくる。
蓮は思わず「あ、こんなセイバー、レアだな」と思いながら

「…ん、そうだよ。
美味しいの、食べたいだろ?」

と答える。するとセイバーは渋々と言ったように

「…分かった、好きにしろ。」

と言って机に顎を載せ、不貞腐れたような態度をとる。
蓮はそんなセイバーを横目に笑みを浮かべながら料理を作る。

そして約一時間かけでできた料理を皿に移し、不貞腐れているセイバーの前に置く。
ホワイトシチューとパンの組み合わせだ。
シチューには程よく野菜やウインナーなどの具材が乗っており、パンも焼き加減はバッチリである。
それに思わずセイバーは少し反応し、パンを一切れちぎってシチューと一緒に食べる。
すると今までの態度と変わってパッ、と明るい表情になり、それを早々と食べ始めた。

…それからはと言うとお代わりラッシュで鍋の中身をほぼひとりで食べきってしまった。

「これは、これから大変になりそうだ…」

そう呟けば苦笑して戦いの準備をし始めた。