二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第15話 雪夜の狙撃手 ( No.20 )
日時: 2017/08/01 14:32
名前: kuzan (ID: 3MzAN97i)

夜22時、蓮達は時間ぴったりにG.C中央公あへとむかっていた。

「…来たわね、近山 蓮!!」

公園の中心部にはミヤが立っており、こちらにビシッと指を指している。

「…アーチャーのマスターか。」

セイバーは蓮の前で2対の剣を構える。
いつでもアーチャーが姿を現してもいいようにだ。

「その通りよ、セイバー。
…へぇ、これが最優とされる剣士のサーヴァント…。
対峙するだけでも迫力があるわね…!」

「…ふ、それはそうさ。私はセイバーのクラスの名前に恥じない最優の騎士だからな。
セイバーとして召喚されて当然だ、さて、アーチャーはどこかの高い位置にいるな。
見たところアーチャーは現代に近い英霊と見る。なれば、スナイパー、という奴じゃないか?」

「…へぇ、なかなかやるわねセイバー。
ま、わかって当然か。そう、私のアーチャーはね、残念ながら現代の英霊。基本的に見れば外れよ。
基本的に見れば、ね。」

ミヤは口元に笑みを作る。
その次の瞬間、セイバーの額を撃ち抜かんと銃弾が飛んでくる。
セイバーは直感スキルにより、後ろに二、三歩下がり回避する。

「…回避不可の銃弾を避けた。
なるほど、セイバー、あなた直感とか持ってない?」

パチン、と指を鳴らしながらセイバーに向けてそう聞く。
セイバーは弾丸を躱しながら

「…そうだ。この攻撃はすべて直感によって回避されている。」

と呟く。

「…やっぱりね。
そうじゃないと宝具のこもった1発1発を交わせるはずがないもの。」

「…宝具?あの弾丸がか?」

蓮はセイバーの様子を見ながらそう言う。

「そう、宝具。
アーチャーの第1宝具、『殺戮のジェノサイド・ヒル』。
その効果が乗ったものがあの弾丸1発1発なの。
そして___」

とミヤが言うと空を見上げる。蓮もつられて空を見ると、雪が降ってきていた。
セイバーはその場に一度立ち尽くしている。

「…第2宝具、『白い死神(ベーヤラ・スメルチ。)』
敵のステータスのランクダウン及び、自分のステータス、スキルの1部がランクアップ。
さてこれでアーチャーの有利な状況が整ったわね…!!」

「…待て!?なるほど、さっきの基本的に見れば外れ、の意味がわかった…!!そうか…殺戮の丘、白い死神…アーチャーの真名は…白い死神、シモ・ヘイへか…!!」

蓮が声を上げる。
そしてセイバーの方を見ると肩に攻撃を受けていた。

「セイバー!!」

「く、気にするな…!!かすり傷だ…!!」

肩を抑えながら苦しそうに剣を構え直す。

「姿を表わせ!!アーチャー!!隠れてばかりではつまらん。
正々堂々と正面からやり合おうではないか。」

セイバーが木々を剣先で刺してそう言う。
しかしアーチャーは

「…ふん、正々堂々と出てくる奴がいるか。
俺は元々アサシンの方が適性があるんだ。
そんな奴のやり方なれば、こんな戦法でも良かろう。どうしても戦いたいというのであれば、俺を探すんだな。」

木々の間からそう聞こえる。

「…く…!」

少し歯を食いしばると足を踏み出そうとした。
だが

「いいえ、あれの相手は私が致しましょう。
幸い本日どんなものかと隣で見ていたものですから、大体の筋はわかります。
…ああそれと、これは私達は何も打ち合わせはしていませんでしたので、連れてくる、ではなく、来た、となりますね。」

「バーサーカー!?」

「何故ここに…。」

いつもの笑みを浮かべながらバーサーカーがセイバーの前に立つ。
バーサーカーの手には剣と火縄銃が握られている。

「…っふふ。ええ、援護です。文句は、言わないでくださいませ?
ふふ、反撃開始と行きましょうか、セイバーさん。」

クスクスと笑いながらバーサーカーは木々を見る。
セイバーは渋々と言ったように

「…分かった。でもどうするんだ。
この状態じゃ飛んで火に入る夏の虫だぞ。天候のせいでアーチャーの方が有利なんだ。」

「…ええ、では、崩せば良いのです。
雪の代わりに、灰を降らせましょうかねぇ!!」

とバーサーカーが言うとバーサーカーの周りから炎が放出され、木々に火が移っていく。

「…な…!?」

セイバーは驚愕した顔でバーサーカーと炎を見る。
バーサーカーはそんなセイバーに振り向き

「…どうしましたか、セイバーさん。
行きましょう?」

といい炎の奥に消えた。